「社会問題」の版間の差分

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特に[[現象]]に対して否定的なニュアンスを含まない関連語には'''[[社会現象]]'''がある。[[政治]]の方向性や特定の[[政策]]に関連している場合や、施政の上での課題となっている場合には、'''[[政治問題]]'''とも呼ばれる。
特に[[現象]]に対して否定的なニュアンスを含まない関連語には'''[[社会現象]]'''がある。[[政治]]の方向性や特定の[[政策]]に関連している場合や、施政の上での課題となっている場合には、'''[[政治問題]]'''とも呼ばれる。


なお、社会問題に関係する概念としては'''社会病理'''があり、こちらは社会に観測される現象を[[病気]]の[[症候学|症状]]に準え捉えた語で、[[社会学]]の一端には[[社会病理学]]という専門の学術研究分野が存在する。ことこの場合の「観測された現象」は、所謂社会問題としての曖昧な総体的イメージではなく、具体的に逸脱している[[個人]]・[[集団]]であり、これらの逸脱したケースを通して、その状態を「発症」するに至った[[病理学|病理]](この場合は社会構造や要素などから、結果に至るメカニズムまで)を解明することが社会病理学の範疇である。
なお、社会問題に関係する概念としては'''社会病理'''があり、こちらは社会に観測される現象を[[病気]]の[[症候学|症状]]に準え捉えた語で、[[社会学]]の一端には社会病理学という専門の学術研究分野が存在する。ことこの場合の「観測された現象」は、いわゆる社会問題としての曖昧な総体的イメージではなく、具体的に逸脱している[[個人]]・[[集団]]であり、これらの逸脱したケースを通して、その状態を「発症」するに至った[[病理学|病理]](この場合は社会構造や要素などから、結果に至るメカニズムまで)を解明することが社会病理学の範疇である。


==概要==
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また問題の存在は広く多くの人が知る所であっても、肝心の詳細が知られていない場合もあり、これらでは[[マスメディア]]の偏った報道([[イエロー・ジャーナリズム]])や一部の者が流布する臆説・[[デマ]]・[[都市伝説]]等により歪曲されて認識されているケースも見られる。
また問題の存在は広く多くの人が知る所であっても、肝心の詳細が知られていない場合もあり、これらでは[[マスメディア]]の偏った報道([[イエロー・ジャーナリズム]])や一部の者が流布する臆説・[[デマ]]・[[都市伝説]]等により歪曲されて認識されているケースも見られる。


このほか、複数の民族間で各々の[[価値観]]の違いから、双方が問題視しているにもかかわらず、なかなか合意点に達せない問題も多い。場合によっては一方の民族社会では社会問題として認識されながらも、もう一方の民族では問題視すらされていないケースまである(→[[民族問題]])。これは「問題はその社会の構成員に問題視されて初めて問題となる」という社会問題の持つ性質によるものである。
このほか、複数の民族間で各々の[[価値観]]の違いから、双方が問題視しているにもかかわらず、なかなか合意点に達せない問題も多い。場合によっては一方の民族社会では社会問題として認識されながらも、もう一方の民族では問題視すらされていないケースまである(→民族問題)。これは「問題はその社会の構成員に問題視されて初めて問題となる」という社会問題の持つ性質によるものである。


==脚注==
==脚注==

2014年12月28日 (日) 11:05時点における版

社会問題(しゃかいもんだい)とは、一般に広くその存在が知れ渡っている(未解決の)普遍的な問題・懸案事項のこと。

特に現象に対して否定的なニュアンスを含まない関連語には社会現象がある。政治の方向性や特定の政策に関連している場合や、施政の上での課題となっている場合には、政治問題とも呼ばれる。

なお、社会問題に関係する概念としては社会病理があり、こちらは社会に観測される現象を病気症状に準え捉えた語で、社会学の一端には社会病理学という専門の学術研究分野が存在する。ことこの場合の「観測された現象」は、いわゆる社会問題としての曖昧な総体的イメージではなく、具体的に逸脱している個人集団であり、これらの逸脱したケースを通して、その状態を「発症」するに至った病理(この場合は社会構造や要素などから、結果に至るメカニズムまで)を解明することが社会病理学の範疇である。

概要

このように形容される問題・懸案事項(解決が求められる問題点)は、一般の人々にとってもその存在が知れ渡っており、社会に属しながらその意思決定に参加したがらない大衆にあってすら問題視する事柄である。

この社会問題に属するものは広範囲に影響を与えるため、多くの人が解決を望み、また解決に尽力する人も多い。しかし余りに普遍的な問題であるために、各々のケースは解決しても類似するケースが多く発生する。そのため、それぞれの事象にはそれぞれに即したケアが求められるなど、一朝一夕には解決し得ない問題でもある。

これの原因となるモノ(「物」ないし「者」または「事象」)は、その社会に普遍的(何処にでも存在する)であったり、なかなか手を出し難い存在(権力権威)であったり、また明確かつ完全な解決策がまだ発見されていないものである。幾つかのケースでは単純な解決策があるものの、全体に同様の解決策が(コスト・資源・時間的な制約による)適用できないものである。

また問題の存在は広く多くの人が知る所であっても、肝心の詳細が知られていない場合もあり、これらではマスメディアの偏った報道(イエロー・ジャーナリズム)や一部の者が流布する臆説・デマ都市伝説等により歪曲されて認識されているケースも見られる。

このほか、複数の民族間で各々の価値観の違いから、双方が問題視しているにもかかわらず、なかなか合意点に達せない問題も多い。場合によっては一方の民族社会では社会問題として認識されながらも、もう一方の民族では問題視すらされていないケースまである(→民族問題)。これは「問題はその社会の構成員に問題視されて初めて問題となる」という社会問題の持つ性質によるものである。

脚注

関連項目