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'''アンドレ・ジェダルジュ'''(André Gédalge [[1856年]][[12月17日]] – [[1926年]][[2月5日]])は[[フランス]]の[[作曲家]]、[[音楽理論家]]。
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==略歴==
== 略歴 ==
[[パリ音楽院]]で[[エルネスト・ギロー]]に師事し、[[ローマ大賞]]第二席を受賞。19世紀末に[[オペラ]]と[[バレエ]]を連作して注目を浴びるが、新世代の台頭とともに教育者としての定評を得る。彼の数多い弟子の中には[[ナディア・ブーランジェ]]が含まれており、ブーランジェはジェダルジュから教わったとおり、[[フーガ]]を最上の過程と位置づけた。
[[パリ国立高等音楽・舞踊学校|パリ音楽院]]で[[エルネスト・ギロー]]に師事し、[[ローマ大賞|ローマ賞]]第二席を受賞した。19世紀末に[[オペラ]]と[[バレエ]]を連作して注目を浴びるが、新世代の台頭とともに教育者としての定評を得る。彼の数多い弟子の中には[[ナディア・ブーランジェ]]が含まれており、ブーランジェはジェダルジュから教わったとおり、[[フーガ]]を最上の過程と位置づけた。


現在ジェダルジュは「'''フーガの教程'''」の著者として知られている。[[モーリス・ラヴェル]]は「ジェダルジュ先生からは技術を学びました」と回顧したとおり、厳しい[[エクリチュール]]を弟子に伝えた。Enoch社から復刻販売されている。
現在ジェダルジュは「'''フーガの教程'''」の著者として知られている。[[モーリス・ラヴェル]]は「ジェダルジュ先生からは技術を学びました」と回顧したとおり、厳しい[[エクリチュール]]を弟子に伝えた。Enoch社から復刻販売されている。
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「[[ルイジ・ケルビーニ]]先生は対位法とフーガという名著を残されたが、実は先生の範例には若干の誤りがあり、私がそれを直しました」というコメントにあるように、実は「'''対位法の教程'''」も残されていたが、長らく非売品であった。21世紀に入り新しい出版社から出版されたものの、その出版社が消滅したことにより、現在遺族の許可を得て[[パブリックドメイン]]としてダウンロードが可能になっている。
「[[ルイジ・ケルビーニ]]先生は対位法とフーガという名著を残されたが、実は先生の範例には若干の誤りがあり、私がそれを直しました」というコメントにあるように、実は「'''対位法の教程'''」も残されていたが、長らく非売品であった。21世紀に入り新しい出版社から出版されたものの、その出版社が消滅したことにより、現在遺族の許可を得て[[パブリックドメイン]]としてダウンロードが可能になっている。


==主要な作品==
== 主要な作品 ==
===オペラ===
=== オペラ ===
*''Pris au piège'' (1890), Opéra-Comique
*''Pris au piège'' (1890年) [[オペラ・コミック]]
*''Le Petit Savoyard'' (1891), Pantomime
*''Le Petit Savoyard'' (1891年) パントマイム
*''Le Rabbin'' (1891), Opéra-Comique
*''Le Rabbin'' (1891年) オペラ・コミック
*''Hélène'' (1893), Drama
*''Hélène'' (1893年) Drama
*''La farce du cadi'' (1897)
*''La farce du cadi'' (1897年)
*''Sita'', Légende dramatique
*''Sita'', Légende dramatique
*''Yvette'', Pantomime
*''Yvette'', パントマイム


===バレエ===
=== バレエ ===
*''Phoebé'' (1900)
*''Phoebé'' (1900年)


===オーケストラ===
=== 交響曲・協奏曲 ===
*交響曲第1番ニ長調(1893年)
*''Symphony No 1'' in D major (1893)
*ピアノ協奏曲ハ短調 作品16(1899年)
*''Concerto for Piano and Orchestra'' in C minor, Op. 16 (1899)
*交響曲第2番ハ短調(1902年/1912年オーケストレーション改訂)
*''Symphony No 2'' in C minor (1902 reorchestrated 1912)
*交響曲第3番ヘ長調(1910年)
*''Symphony No 3'' in F major (1910)
*ヴァイオリン協奏曲
*''Violin Concerto''
*交響曲第4番イ短調(未完)
*A fourth symphony in A major (未完)


===室内楽===
=== 室内楽 ===
*弦楽四重奏曲ロ短調(1892年)
*''String Quartet'' in B major (1892)
*ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番ト長調 作品12(1897年)
*''Sonata No 1'' in G major for violin and Piano, Op. 12 (1897)
*ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番イ短調 作品19(1900年)
*''Sonata No 2'' in A minor for violin and Piano, Op. 19 (1900)


==著書==
== 著書 ==
* 1901 ''Traité de la fugue''
* ''Traité de la fugue'' (1901年)
* 1922 ''l'Enseignement de la Musique par l'éducation de l'oreille''
* ''l'Enseignement de la Musique par l'éducation de l'oreille'' (1922年)


==ディスク==
== ディスク ==
* André Gedalge – ''Pièces instrumentales et mélodies'' Geneviève Laurenceau, violin – Mario Hacquard, baritone – Lorène de Ratuld and Claude Collet, piano – Benny Sluchin, trombone – Antoine Curé, trumpet. CD Polymnie (2007)
* André Gedalge – ''Pièces instrumentales et mélodies'' Geneviève Laurenceau, violin – Mario Hacquard, baritone – Lorène de Ratuld and Claude Collet, piano – Benny Sluchin, trombone – Antoine Curé, trumpet. CD Polymnie (2007)


==出典==
== 出典 ==
*[[:fr:André Gedalge|フランス語版ウィキペディア]]の記事に基づく[[:en:André Gedalge|英語版ウィキペディア]]の記事を翻訳。
*[[:fr:André Gedalge|フランス語版ウィキペディア]]の記事に基づく[[:en:André Gedalge|英語版ウィキペディア]]の記事を翻訳。

==外部リンク==
== 外部リンク ==
*[http://www.musimem.com/gedalge.htm MusiMem site on André Gedalge]
*[http://www.musimem.com/gedalge.htm MusiMem site on André Gedalge]


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2014年3月12日 (水) 10:31時点における版

アンドレ・ジェダルジュ(1908年ごろ)

アンドレ・ジェダルジュ(André Gédalge, 1856年12月17日1926年2月5日)は、フランス作曲家音楽理論家

略歴

パリ音楽院エルネスト・ギローに師事し、ローマ賞第二席を受賞した。19世紀末にオペラバレエを連作して注目を浴びるが、新世代の台頭とともに教育者としての定評を得る。彼の数多い弟子の中にはナディア・ブーランジェが含まれており、ブーランジェはジェダルジュから教わったとおり、フーガを最上の過程と位置づけた。

現在ジェダルジュは「フーガの教程」の著者として知られている。モーリス・ラヴェルは「ジェダルジュ先生からは技術を学びました」と回顧したとおり、厳しいエクリチュールを弟子に伝えた。Enoch社から復刻販売されている。

ルイジ・ケルビーニ先生は対位法とフーガという名著を残されたが、実は先生の範例には若干の誤りがあり、私がそれを直しました」というコメントにあるように、実は「対位法の教程」も残されていたが、長らく非売品であった。21世紀に入り新しい出版社から出版されたものの、その出版社が消滅したことにより、現在遺族の許可を得てパブリックドメインとしてダウンロードが可能になっている。

主要な作品

オペラ

  • Pris au piège (1890年) オペラ・コミック
  • Le Petit Savoyard (1891年) パントマイム
  • Le Rabbin (1891年) オペラ・コミック
  • Hélène (1893年) Drama
  • La farce du cadi (1897年)
  • Sita, Légende dramatique
  • Yvette, パントマイム

バレエ

  • Phoebé (1900年)

交響曲・協奏曲

  • 交響曲第1番ニ長調(1893年)
  • ピアノ協奏曲ハ短調 作品16(1899年)
  • 交響曲第2番ハ短調(1902年/1912年オーケストレーション改訂)
  • 交響曲第3番ヘ長調(1910年)
  • ヴァイオリン協奏曲
  • 交響曲第4番イ短調(未完)

室内楽

  • 弦楽四重奏曲ロ短調(1892年)
  • ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番ト長調 作品12(1897年)
  • ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番イ短調 作品19(1900年)

著書

  • Traité de la fugue (1901年)
  • l'Enseignement de la Musique par l'éducation de l'oreille (1922年)

ディスク

  • André Gedalge – Pièces instrumentales et mélodies Geneviève Laurenceau, violin – Mario Hacquard, baritone – Lorène de Ratuld and Claude Collet, piano – Benny Sluchin, trombone – Antoine Curé, trumpet. CD Polymnie (2007)

出典

外部リンク