「独占資本主義」の版間の差分

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'''独占資本主義'''(どくせんしほんしゅぎ、monopolistic capitalism, [[ドイツ語|独]] Monopolkapitalismus)とは、[[マルクス経済学]]で[[資本主義]]の一段階をさす言葉。[[カール・マルクス]]は[[自由競争]]は必然的に[[独占]]を生み出すとしていたが、資本主義の現段階をこう規定するにはいたらず、[[ウラジーミル・レーニン|レーニン]]の『[[帝国主義論]]』(1917年)のなかで定式化された。
'''独占資本主義'''(どくせんしほんしゅぎ、monopolistic capitalism, [[ドイツ語|独]] Monopolkapitalismus)とは、[[マルクス経済学]]で[[資本主義]]の一段階をさす言葉。[[カール・マルクス]]は[[自由競争]]は必然的に[[独占]]を生み出すとしていたが、資本主義の現段階をこう規定するにはいたらず、[[ウラジーミル・レーニン|レーニン]]の『[[帝国主義論]]』(1917年)のなかで定式化された。


自由競争段階にあった[[19世紀]]の資本主義の中で、生産の集中と集積がおこり、独占体が登場して[[経済]]に対して支配的な力をふるうようになった[[20世紀]]初頭の段階。[[産業資本]]と[[銀行資本]]の独占が進行し、両者の融合癒着した[[金融資本]]が発達し、経済を支配する形態である。これが進むと[[国家]]と独占資本が結びついて資本主義の維持を図る[[国家独占資本主義]]と呼ばれる段階になる。「生産の社会的性格」と「取得の私的性格」の対立による資本主義の矛盾はより一層激しさを増すとされた。
独占資本主義、[[産業資本]]と[[銀行資本]]の独占が進行し、両者の融合癒着した[[金融資本]]が支配的な経済的主体となった資本主義の特殊な発展段階である。これが進むと[[国家]]と独占資本が結びついて資本主義の維持を図る[[国家独占資本主義]]と呼ばれる段階になる。「生産の社会的性格」と「取得の私的性格」の対立による資本主義の矛盾はより一層激しさを増すとされた。

歴史的には自由競争段階にあった[[19世紀]]の資本主義の中で、生産の集積・集中にもとづく資本の集積・集中がおこり、独占資本が登場して、[[経済]]に対して支配的な力をふるうようになった[[20世紀]]初頭の資本主義を指す。


==関連項目==
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2006年3月26日 (日) 16:19時点における版

独占資本主義(どくせんしほんしゅぎ、monopolistic capitalism, Monopolkapitalismus)とは、マルクス経済学資本主義の一段階をさす言葉。カール・マルクス自由競争は必然的に独占を生み出すとしていたが、資本主義の現段階をこう規定するにはいたらず、レーニンの『帝国主義論』(1917年)のなかで定式化された。

独占資本主義は、産業資本銀行資本の独占が進行し、両者の融合癒着した金融資本が支配的な経済的主体となった資本主義の特殊な発展段階である。これが進むと国家と独占資本が結びついて資本主義の維持を図る国家独占資本主義と呼ばれる段階になる。「生産の社会的性格」と「取得の私的性格」の対立による資本主義の矛盾はより一層激しさを増すとされた。

歴史的には自由競争段階にあった19世紀の資本主義の中で、生産の集積・集中にもとづく資本の集積・集中がおこり、独占資本が登場して、経済に対して支配的な力をふるうようになった20世紀初頭の資本主義を指す。

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