「繰り込み」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
→概要
(→概要) |
(→概要) |
||
== 概要 ==
{{See|量子電磁力学|場の量子論|ゲージ理論}}
量子力学の摂動論では相互作用項を含まない自由ハミルトニアンの固有状態を初期状態にしてその時間発展を求めるため、相互作用を通じて自由ハミルトニアンが保存しない'''中間状態'''にも遷移可能である。([[不確定性原理]]参照。)場の量子論 (QFT) ではそのような中間状態が無限にあ
▲[[輻射補正]]はループを回る粒子の運動量を積分すると無限大に発散する。簡単な例としてスカラー4点理論の、次元正則化法における2点間数の1-loop補正は
{{Indent|
<math>
}}
と書ける。ここで<math>k</math> はスカラー場の外線運動量、<math>\gamma</math> はオイラー定数、<math>m_s</math> はスカラー場の質量、 <math>\epsilon</math> は次元正則化においてdの4次元極限で0となる量、ここでは<math>4-d \equiv \epsilon</math> であり、括弧内の末項は4次元極限で消滅する <math>\epsilon</math> の一次以上の項である。ここで括弧内の第一項に発散が現れていることが分かる。この式では左辺は外線運動量の関数として書かれているが右辺は外線運動量を含まない関数系となっている。これはスカラー4点理論特有の結果であり、一般にフェルミオンやベクトル場を含む理論では外線運動量を含む項が右辺に現れる。
右辺に現れる発散
{{Indent|
<math>
</math>
}}
と、くりこまれた有限の質量パラメータ <math>m_{sR}^2</math> を定義することで裸の質量から発散を切り離す。<math>Z_m,Z_{\phi}</math>はそれぞれ質量、波動関数に関するくりこみ係数と呼ばれる発散する係数である。
最右辺の初項がくりこまれた質量パラメータ、二項目がcounter termとなる。Counter termとくりこまれたパラメータで書かれた量子補正による発散の相殺条件の一つとして
{{Indent|
</math>
}}
と書け、loop補正効果の有限部分を取り出すことができる。ここで <math>\mu</math> は後述するくりこみスケールであり、粒子の散乱などを考える際は外線の運動量 <math>k</math> が相当する。この2点関数自体はスカラー場の質量に比例し、摂動効果でスカラー場の質量へ量子補正を与えていることがわかる。またくりこみ処方により質量への補正が無限になることなく有限の値を与えることが分か
また上記のようにこれは次元正則化法による計算方法であり、量子補正における発散を取り出す方法はこの限りではない。例えば運動量の紫外切断による
|