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== 傍受に際する受信機及び無線機の諸問題 ==
== 傍受に際する受信機及び無線機の諸問題 ==
広帯域受信機は受信のみであるので免許は一切不要であるが、アマチュア無線機は[[無線局免許状]]及び[[無線従事者免許証]](アマチュア無線技士)の二つの免許が必要である。なお、<!--傍受することを目的として合法とする意見があるが、-->無線局免許を受けていない人がアマチュア無線機を所持する事は、電波を発信できる状態であれば不法無線局の解説となり、処罰の対象となる可能性がある<ref>不法無線局は、
広帯域受信機は受信のみであるので免許は一切不要であるが、アマチュア無線機は[[無線局免許状]]及び[[無線従事者免許証]](アマチュア無線技士)の二つの免許が必要である。なお、<!--傍受することを目的として合法とする意見があるが、-->無線局免許を受けていない人がアマチュア無線機を所持する事は、電波を発信できる状態であれば不法無線局の開設となり、処罰の対象となる可能性がある<ref>不法無線局は、
*電波を発信しうる状態にある。
*電波を発信しうる状態にある。
*無線設備を操作する者を配置している。
*無線設備を操作する者を配置している。

2013年11月28日 (木) 13:20時点における版

傍受(ぼうじゅ)とは、他人の通信を聴取する行為である。ここでは、無線通信の傍受について主に解説する。

無線通信において、本来の送受信者に知られているかに係わらず、他人の通信を傍受する事であり、盗聴とは区別する。無線通信の傍受自体は合法であるが、第三者に内容等を漏洩したり、窃用(せつよう。通信内容を自己または第三者の利益のために利用すること)したりした場合は罪となる[1]。また、一般の電話の聴取(有線電気通信法第9条参照)(電気通信事業法第4条参照)や、盗聴器による聴取も違法となりえる。

傍受の定義

傍受には、主に二つの意味がある。一つ目は、外部の者が行なう傍受である。これは、受信機無線機などによる受信機能よって行なわれる。

二つ目は、通信を行なう当事者の間においての傍受である。無線局が、ある周波数に複数存在し、A局とB局が通信を行なっている最中にC局が当該通信を聴取すると、Cは傍受を行なったこととなる。

趣味としての傍受

SWLという無線通信を傍受する趣味があり、通信当事者に受信報告書を送り当事者はSWLカードを発行し収集する事が行われている。

業務無線や官庁無線を傍受することを趣味にする人々もおり、これらの無線を「おもしろ無線」などと称している。またある無線の周波数を探索することを目的とする者や、通信の内容を聴取して楽しむのを目的とする者もいる。無線の周波数については、総務省電波利用ホームページや個人が運営するホームページなどに掲載されているほか、書籍による販売も行なわれている。

災害時における傍受

災害が発生した場合に、マスコミ各社の情報だけでは情報が不足する場合には傍受活動が役立つ。例えば、消防無線救急無線を傍受したり、防災無線を傍受することにより、二次災害を防げる。

また、具体的な情報が即時に手に入る点において、報道各社の情報よりも新鮮さがある。アマチュア無線でも、非常通信が行なわれるなどするため、場合によっては避難所の様子や必要物資の輸送等の内容を知ることができる。

日常の場面においても、傍受は有用であるといえる。例えば、鉄道事故により列車の遅れや運休が出ている場合には、鉄道無線を聞くことにより詳細が判明することがある。駅係員よりも早く情報を入手することもできる。

傍受対象

以下に示すものの中には、地域や使用者によってはデジタル通信に移行したものも少なくない。2011年現在デジタル通信の傍受に対応した受信機等は市販されていないため、デジタル移行を以て原則傍受は不可能となる。

行政機関に関するもの

交通機関に関するもの

一般業務に関するもの

趣味及びレジャーに関するもの

その他

傍受に際する受信機及び無線機の諸問題

広帯域受信機は受信のみであるので免許は一切不要であるが、アマチュア無線機は無線局免許状及び無線従事者免許証(アマチュア無線技士)の二つの免許が必要である。なお、無線局免許を受けていない人がアマチュア無線機を所持する事は、電波を発信できる状態であれば不法無線局の開設となり、処罰の対象となる可能性がある[4]。傍受に関する雑誌には、受信機器を紹介する記事中にアマチュア無線機を掲載している場合もある。

傍受に関する法律及び犯罪

無線通信の傍受や無線機器の購入に際して、関係する法律は以下の通りである。

電波法

電波法 第4条(無線局の開設)

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(以下、省略)

罰則:第110条 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる場合がある。同条第1号に該当する

電波法 第39条(無線設備の操作)

第40条の定めるところにより無線設備の操作を行うことができる無線従事者(中略)以外の者は、無線局(アマチュア無線局を除く。中略)の無線設備の操作の監督を行う者(以下「主任無線従事者」という。)として選任された者であつて第4項の規定によりその選任の届出がされたものにより監督を受けなければ、無線局の無線設備の操作(中略)を行つてはならない。(以下、省略)

電波法 第39条の13(アマチュア無線局の無線設備の操作)

アマチュア無線局の無線設備の操作は、次条(第40条)の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。ただし、外国において同条第1項第5号に掲げる資格に相当する資格として総務省令で定めるものを有する者が総務省令で定めるところによりアマチュア無線局の無線設備の操作を行うとき、その他総務省令で定める場合は、この限りでない。

罰則:第113条 無資格操作は、30万円以下の罰金が科せられる場合がある。同条第15号に該当する

電波法 第59条(秘密の保護)

何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

罰則:第109条 一般人にあっては1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、無線に従事する者であれば2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性がある(暗号通信の復元や窃用等は「109条の2」を参照)

その他

脚注

  1. ^ [http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_faq/5Privacy.htm 総務省] 「通信の秘密の保護」に関する法律と「通信の秘密」として保護される範囲
  2. ^ 親機と子機間で行なわれる小電力無線による無線通信であるので、違法とはならないといわれている。
  3. ^ 無線機や受信機の販売業者は、この周波数を傍受できない仕様にしている場合がある。しかし、これも販売店での受信改造を行なうことにより受信ができる。
  4. ^ 不法無線局は、
    • 電波を発信しうる状態にある。
    • 無線設備を操作する者を配置している。
    • 運用する意志がある。
    のすべてを満たした時に成立する。この場合では運用する意思が必要であるという用件が微妙になる。しかし、直ちに電波を発信できる状態であれば検挙される可能性が高い。実際に、自動車上に取り付けた無線局免許を受けていない無線機は摘発されている。

関連項目

外部リンク