「銅アンモニアレーヨン」の版間の差分

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== 製法 ==
== 製法 ==
銅アンモニアレーヨンの生産には'''銅アンモニア溶液'''(シュバイツァー溶液)を用いる。この溶液は[[硫酸銅]]に[[アンモニア]]水を加え、塩基性硫酸銅とし、[[水酸化ナトリウム]]を加えることで作られる。この溶液は銅アンモニア[[錯体]]が生じ、[[セルロース]]を[[溶解]]させることができる。この[[セルロース]]を溶解させた銅アンモニア溶液を[[酸性]]の水中に押し出すことで、[[セルロース]]が再生し、[[繊維]]を生じる。
銅アンモニアレーヨンの生産には'''銅アンモニア溶液'''(シュバイツァー溶液)を用いる。この溶液は[[硫酸銅]]に[[アンモニア]]水を加え、塩基性硫酸銅とし、[[水酸化ナトリウム]]を加えることで作られる。この溶液は銅アンモニア[[錯体]]が生じ、[[セルロース]]を[[溶解]]させることができる。この[[セルロース]]を溶解させた銅アンモニア溶液を[[酸性]]の水中に押し出すことで、[[セルロース]]が再生し、[[繊維]]を生じる。各反応は次のとおりである。

:<math>\rm Cu(OH)_2 + 4NH_3 \longrightarrow [Cu(NH_3)_4](OH)_2</math>
:<math>\rm 2(C_6H_10_O_5)_n + n[Cu(NH_3)_4](OH)_2 \longrightarrow {(C_6H_9O_5)_2[Cu(NH_3)_4]}_n + 2nH_2O </math>
:<math>\rm {(C_6H_9O_5)_2[Cu(NH_3)_4]}_n + 6nH_2SO_4 \longrightarrow 2(C_6H_10_O_5)_n + nCuSO_4 + 2n(NH_4)_2SO_4 </math>



== 原料 ==
== 原料 ==

2006年2月17日 (金) 15:01時点における版

銅アンモニアレーヨン(cuprammonium rayon)は再生繊維の一種。キュプラベンベルグとも呼ばれる。吸放湿性に優れ、一般的なレーヨン(ビスコースレーヨン)に比べ、耐久力や耐摩耗性などに優れている。

製法

銅アンモニアレーヨンの生産には銅アンモニア溶液(シュバイツァー溶液)を用いる。この溶液は硫酸銅アンモニア水を加え、塩基性硫酸銅とし、水酸化ナトリウムを加えることで作られる。この溶液は銅アンモニア錯体が生じ、セルロース溶解させることができる。このセルロースを溶解させた銅アンモニア溶液を酸性の水中に押し出すことで、セルロースが再生し、繊維を生じる。各反応は次のとおりである。

構文解析に失敗 (Conversion error. Server ("https://wikimedia.org/api/rest_") reported: "Cannot get mml. TeX parse error: Double subscripts: use braces to clarify"): {\displaystyle {\rm {2(C_{6}H_{1}0_{O}_{5})_{n}+n[Cu(NH_{3})_{4}](OH)_{2}\longrightarrow {(C_{6}H_{9}O_{5})_{2}[Cu(NH_{3})_{4}]}_{n}+2nH_{2}O}}}
構文解析に失敗 (Conversion error. Server ("https://wikimedia.org/api/rest_") reported: "Cannot get mml. TeX parse error: Double subscripts: use braces to clarify"): {\displaystyle {\rm {{(C_{6}H_{9}O_{5})_{2}[Cu(NH_{3})_{4}]}_{n}+6nH_{2}SO_{4}\longrightarrow 2(C_{6}H_{1}0_{O}_{5})_{n}+nCuSO_{4}+2n(NH_{4})_{2}SO_{4}}}}


原料

セルロース源としては次のものが用いられる。

  • コットンリンター
  • 高純度木材パルプ

通常はコットンリンターが用いられる。コットンリンターとは綿花種子周辺に存在しているごく短い繊維のことである。