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== 電磁場のエネルギー・運動量テンソル == |
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== 電磁場のエネルギー・運動量テンソル == |
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[[電磁場]]のラグランジアン密度 |
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電磁場のエネルギー・運動量テンソル は以下で定義される 量である。 |
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:<math>T^{\mu\nu} = \frac{1}{4 \pi} (F^{\mu\lambda} {F^{\nu}}_{\lambda} - \frac{1}{4}g^{\mu\nu} F^{\kappa\lambda} F_{\kappa\lambda}) </math> |
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<math>\mathcal{L}_\mathrm{em}(g, \partial g, A, \partial A) |
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= -\frac{1}{16\pi} \sqrt{-g} g^{\mu\nu} g^{\rho\sigma}F_{\mu\rho} F_{\nu\sigma}</math> |
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<math>T_{\mu\nu} = -\frac{1}{4\pi}(g^{\rho\sigma}F_{\mu\rho} F_{\nu\sigma} |
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-\frac{1}{4}g_{\mu\nu} F^{\rho\sigma} F_{\rho\sigma})</math> |
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}} |
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となる。ここで、<math>F_{\mu\nu} =\partial_\mu A_\nu -\partial_\nu A_\mu</math> は電磁場テンソル、<math>A_\mu</math> は[[電磁ポテンシャル]]である。 |
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<math>T^{00}\,</math> は[[エネルギー密度]]、<math>T^{0j}\,</math> 及び<math>T^{i0}\,</math> は[[ポインティング・ベクトル]]、<math>F^{ij}\,</math> は[[マクスウェルの応力テンソル]]である。 |
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<math>T_{00}</math> は電磁場の[[エネルギー密度]]、<math>T_{0j}</math> 及び<math>T_{i0}</math> は[[ポインティング・ベクトル]]、<math>T_{ij}</math> は[[マクスウェルの応力テンソル]]である。 |
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[[ミンコフスキー時空]]では、行列形式で成分を書くと |
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:<math>F^{\mu\nu} = \begin{pmatrix}0&E_x& E_y&E_z\\-E_x&0&B_z&-B_y\\-E_y&-B_z&0&B_x\\-E_z&B_y&-B_x&0\end{pmatrix}</math> |
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:<math>F_{\mu\nu} = \begin{pmatrix}0&-E_x&-E_y&-E_z\\E_x&0&B_z&-B_y\\E_y&-B_z&0&B_x\\E_z&B_y&-B_x&0\end{pmatrix}</math> |
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である。 |
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== 関連項目 == |
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== 関連項目 == |
エネルギー・運動量テンソル(エネルギーうんどうりょうテンソル、stress‐energy tensor または stress‐energy‐momentum tensor)とは、質量密度・エネルギー流束・運動量を表現する物理量であり、二階のテンソル として表現される。一般相対性理論におけるアインシュタイン方程式では、物質分布を示す右辺の項として登場し、重力を生じさせる源 (source term) としての意味を持つ。アインシュタイン方程式で、真空の状況を考える時は、 とすればよい。
エネルギー・運動量テンソル は、定義から明らかに対称テンソルである。
以下では、時間座標を0成分とし、空間座標を1,2,3成分とする添字を使い、計量(metric)の符号はとする。また、アインシュタインの縮約記法を用いる。
共変微分をもちいて
とすれば、これは、共変形式のエネルギー・運動量保存則を表すことになる。
定義
エネルギー・運動量テンソルはネーターの定理により、時空の併進対称性の保存電流(ネーターカレント)として定められる。
作用積分が
と書かれているとき、時空の微小な併進 x → x' = x + ξ に対して、φ'(x')=φ(x) が成り立つ。
従って、場は
と変換される。
エネルギー・運動量テンソルは
となる。
別の定義の仕方として、計量の変分により定義する方法がある。
作用積分が
と書かれているとき、計量の変分
に対して、
で定義される。
各成分の意味
- 時間-時間成分、即ち は、エネルギー密度である。
- 時間-空間成分、即ち は、の方向へのエネルギーの流れである。
- 空間-時間成分、即ち は、i-成分の運動量密度である。
- 空間成分、即ち は、の方向への i-成分の運動量の流れである。
完全流体近似のエネルギー・運動量テンソル
物質の平均自由行程が全体のスケールに比べて短いとき、流体近似が可能である。さらに、
流体の静止系に乗ったときに、圧力が等方的であり(応力テンソルが対角的であり)、粘性のない場合、
完全流体として考えることができる。このとき、一般に次のように仮定することができる。
は、静止系で観測したときの質量エネルギー密度と圧力であり、
は、計量テンソル・流体の4元速度ベクトル(共動座標系ならば、、流体速度を と観測する場合には)である。この仮定は、宇宙モデルを論じるときに通常用いられる。
非相対論的な場合、
となるから、行列形式で成分を書くと
となる。この空間成分は、古典的流体力学の応力テンソル
と一致する。
電磁場のエネルギー・運動量テンソル
電磁場のラグランジアン密度
からエネルギー・運動量テンソルを計算すると
となる。ここで、 は電磁場テンソル、 は電磁ポテンシャルである。
は電磁場のエネルギー密度、 及び はポインティング・ベクトル、 はマクスウェルの応力テンソルである。
関連項目