「ランヴィエの絞輪」の版間の差分
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{{神経細胞の図|[[髄鞘]]をもつ末梢[[ニューロン]]の模式図。[[軸索]]に[[シュワン細胞]]が幾重にも巻き付くことによって髄鞘が形成されている。 シュワン細胞のすき間にはランヴィエの絞輪がある。}} |
{{神経細胞の図|[[髄鞘]]をもつ末梢[[ニューロン]]の模式図。[[軸索]]に[[シュワン細胞]]が幾重にも巻き付くことによって髄鞘が形成されている。 シュワン細胞のすき間にはランヴィエの絞輪がある。}} |
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ランヴィエの絞輪は、解剖学的には[[1878年]]にフランスの病理学者[[ルイ=アントワーヌ・ランヴィエ]] ([[:en:Louis-Antoine Ranvier|Louis-Antoine Ranvier]]) によってミエリン鞘とともに発見された。 また、ランヴィエの絞輪による跳躍伝導の仕組みは[[1939年]]に[[田崎一二]]<!--たさき いちじ、Ichiji Tasaki-->によって解明された。 |
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2011年6月19日 (日) 08:10時点における版
髄鞘をもつ末梢ニューロンの模式図。軸索にシュワン細胞が幾重にも巻き付くことによって髄鞘が形成されている。 シュワン細胞のすき間にはランヴィエの絞輪がある。 |
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ランヴィエの絞輪(ランヴィエのこうりん、ランヴィエ絞輪、node of Ranvier)は、神経細胞の軸索繊維のまわりのミエリン鞘(髄鞘)に規則的に存在する間隙のことをいう。 ミエリン鞘は一部の軸索に存在する脂質の層であり繊維の絶縁性を高めているが、およそ 1 µm の幅をもつランヴィエの絞輪の部分では、軸索の細胞膜はミエリン鞘化されることなく細胞外液にさらされている。 これは活動電位の跳躍伝導 (saltatory conduction) で重要な役割を果たしている。
機能
軸索がミエリン鞘化されていない神経細胞では、細胞体や軸索小丘 (axon hillock) で発生した活動電位は、軸索の細胞膜のイオンチャネルを次々に解発して活動電位を神経パルスとして伝えていく。 その伝播速度は典型的には数 m/s 程度にすぎない。 一方、ミエリン鞘が存在し軸索の絶縁度が高まることによって、細胞内の電位の変化は遠くまで伝達しやすくなる。 この効果はケーブル理論 (cable theory) によって説明される。 この絶縁の程度は電位の伝達距離を決定するが、ミエリン鞘化された軸索(有髄軸索)は数十 µm から数 mm 間隔でランヴィエの絞輪を設けることによって、再び活動電位を強化し、高速でより遠方まで神経パルスを伝達している。 これによって、平均的伝播速度は 10–100 m/s に向上する。 このランヴィエの絞輪によって、有髄軸索ではランヴィエの絞輪の間を跳躍的にパルスが伝達するようになり、これは跳躍伝導と呼ばれている。
この跳躍伝導を行うためにランヴィエの絞輪部分の軸索の細胞膜にはそれに関わる特に多くのイオンチャネルが存在している。 特に電位依存性 Na+ チャネル (voltage-gated sodium channel) の密度は 1010 個/mm2 にもなる。
歴史
ランヴィエの絞輪は、解剖学的には1878年にフランスの病理学者ルイ=アントワーヌ・ランヴィエ (Louis-Antoine Ranvier) によってミエリン鞘とともに発見された。 また、ランヴィエの絞輪による跳躍伝導の仕組みは1939年に田崎一二によって解明された。
参考文献
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関連項目
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外部リンク
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