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2011年4月13日 (水) 11:56時点における版

オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ社(アラップ社)は、国際的な総合エンジニアリング・プロフェッショナルサービス企業で、建築分野全般におけるエンジニアリング、設計、計画、プロジェクト管理およびコンサルティング・サービス事業を提供している技術コンサルタント会社。

同社はロンドンに本社を置き、アメリカ、オーストラリア、中東、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカなど160ヶ国以上でプロジェクトを実施している。現在、技術者、構造家サーベイヤーエンジニア・アーキテクトら10,000名以上のスタッフを抱え、92のオフィスを37カ国に置く。日本支社は1989年、東京にArup Japan(アラップ ジャパン)として設立された。

同社は、構造設計技術者オヴ・アラップ(オーヴ・アラップ, Ove N. Arup)が1946年にアイルランドで設立した建設コンサルティング事務所「Ove N. Arup, Consulting Engineers」が起源。アラップは、多様な分野の専門家が共同で作業でき、ばらばらで働く場合よりも高い品質のプロジェクトを達成できるような事務所を構築しようとした。1963年、建築・エンジニアリングの多様なサービスを提供できるようにするため、建築家フィリップ・ドーソン(Philip Dowson)とともに「アラップ・アソシエイツ」(Arup Associates)に改組した。1970年には「オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ」(Ove Arup & Partners)へと改組し、同年、創業者オヴ・アラップは同社の価値観と将来の構想を定めた「キー・スピーチ」("The Key Speech", [1])を発表している。

業務範囲は、建設コンサルティング、機械・電気エンジニアリング、防災対策技術支援、輸送交通技術支援、環境コンサルティング、地質地盤事業、企画コンサルティング、油圧技術支援、材料エンジニアリング、ビルサービスエンジニアリング、プロジェクト管理・各種積算業務、持続可能なデザイン支援、コンストラクションマネジメント、セキュリティコンサルティング、ITおよび通信技術支援 など。

フェロー

「アラップフェロー」(Arup Fellow)は、生涯名誉称号として開設されたもので、社内の非常に少数の個人に対し贈られている。これは、会社の中だけでなく、業界全体においても、アラップの人間として最高のデザイン的・技術的成果を達成したことを認めるものである。フェローは、世界的なレベルの専門的知識を持ち、理論を効果的に実践へと移すことのできる、社内のロールモデルとみなされている。

現在のフェローは、セシル・バルモンド、トリストラム・カーフレイ、パット・ダラード、ニーム・フセイン、アレスタ・マクレガー、マイク・グローバー、アンディ・セジウィック、ブライアン・シンプソン、マイケル・ウィルフォード、コリン・スウェイン、ピーター・ジョンソン、マーティン・マニング、ジャック・パッピンズ、デイバー・アビザデー、レイモンド・ヤウ の各氏。

著名プロジェクト

  • コヴェントリー新大聖堂
  • ロンドン動物園ペンギンプール
  • 30セント・メリー・アクス (英国・ロンドン)
  • エンジェル・オブ・ザ・ノース(イギリス・ゲーツヘッド)
  • カーサ・ダ・ムジカ(ポルトガル・ポルト)
  • ポンピドゥー・センター (フランス・パリ)
  • UK高速1 (英国)
  • 音楽ホール「ザ・モールティングス」 (英国)
  • ミレニアムブリッジ(英国・ロンドン - 実施設計と、完成後の補強対策まで)
  • ロンドン・アイ(英国・ロンドン - マーク・バーフィールド・アーキテクツとともに原型となるデザインを制作)
  • ノウ・メスタージャ (スペイン・バレンシア)
  • エーレスンド・ブリッジ(デンマークとスウェーデン間)
  • スノードンサミットビル(ウェールズ)
  • スコットランド議会ビル(スコットランド・エディンバラ)
  • ヒースロー空港、ターミナル5 (英国)
  • ロンドン五輪水泳センター(英国・ロンドン)
  • リージェンツ・プレイス・パビリオン(英国・ロンドン)
  • ブロードメドュー橋 (アイルランド・ダブリンとベルファスト)
  • ドンバス・アリーナ(ウクライナ・ドネツク)
  • シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム (イギリス・マンチェスター)
  • サーペンタイン・ギャラリー
  • シドニー・オペラハウス (オーストラリア・シドニー)
  • アンドリュー・ボーイ・チャールトン・プール (オーストラリア・シドニー)
  • 30ボンド (オーストラリア・シドニー)
  • パラマッタ・トランスポート・インターチェンジ (オーストラリア・シドニー)
  • グッドウィル・ブリッジ(オーストラリア・ブリズベン)
  • サンコープ・スタジアム・ラング・パーク再開発 (オーストラリア・ブリズベン)
  • クィーン・セントモール塔構造補強設計 (オーストラリア・ブリズベン)
  • クリルパ橋 (オーストラリア・ブリズベン)
  • K2サスティナブル住宅街 (オーストラリア・メルボルン)
  • メルボルン・クリケット・グラウンド (オーストラリア・メルボルン)
  • メルボルン博物館 (オーストラリア・メルボルン)
  • ビクトリア・ナショナル・ギャラリー (オーストラリア・メルボルン)
  • ヴィクトリア・州立図書館 (オーストラリア・メルボルン)
  • オーストラリアン・シンクロトロン(オーストラリア・メルボルン)
  • オーストラリア国立博物館 (オーストラリア・キャンベラ)
  • シンガポール・フライヤー (シンガポール)
  • シンガポール・フージョン・ポリス (シンガポール)
  • マリーナ・ベイ・サンズ総合リゾート (シンガポール)
  • キングダム・タワー (ジッダ)
  • ブルジュ・アル・アラム
  • 中部国際空港空港ターミナルビル (梓設計、日建設計らと。 愛知県常滑市)
  • 関西国際空港 (大阪府)
  • 大阪府立国際会議場 (大阪市)
  • 台中メトロポリタン・オペラハウス・プロジェクト
  • メゾン・エルメス(東京都・銀座)
  • ニコラス・G・ハイエック・センター(東京都・銀座)
  • モード学園コクーンタワー(東京都・新宿)
  • ネフスキー・パレス (ロシア、サンクトペテルブルク)
  • 国際金融センター (中華人民共和国・香港特別行政区)
  • 香港上海銀行(HSBC)本館 (中華人民共和国・香港)
  • ストーンカッターズ橋 (中華人民共和国・香港特別行政区)
  • 中国中央電視台本部ビル(北京CBD地区CCTV本社, 中華人民共和国・北京)
  • 北京国家水泳センター(中華人民共和国・北京)
  • 北京国家体育場(中華人民共和国・北京)
  • 広州テレビ・観光塔(中華人民共和国・広州)
  • 東灘(ドンタン)・エコシティ (中華人民共和国/上海・崇明島)
  • 上海ルー・ジア地区都市計画・浦東陸家嘴(中華人民共和国・上海)
  • ペトロン・メガプラザ(フィリピン・マカティ)
  • ラジブ・ガンジー国際空港 (インド・ハイデラバード)
  • ロイヤル・オンタリオ博物館内マイケル・リーチン・クリスタル(カナダ・トロント)
  • デ・ヤング美術館 (カリフォルニア州サンフランシスコ)
  • カリフォルニア科学アカデミー (カリフォルニア州サンフランシスコ)
  • Y2E2ビル (Jerry Yang and Akiko Yamazaki Environment and Energy Building、スタンフォード大学、パロ・アルト)
  • テート・ギャラリー(ロンドン)

受賞

1966年にオヴ・アラップが、1992年にはピーター・ライスが、RIBAゴールドメダルを受賞。

セシル・バルモンドは2004年 - 『informal』でバニスター・フレッチャー賞ほか様々な賞を受賞。

モード学園コクーンタワーは、エンポリス・スカイスクレーパー賞、日本免震構造協会賞(2008年)、ニコラス・G・ハイエック センターは2009年日本建築学会賞、JSCA賞などを受賞。担当は城所竜太。東京・銀座のメゾンエルメス、サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン2002の構造設計では松井源吾賞を受賞。

中部国際空港旅客ターミナルビルは、Good Design Award2005環境デザイン部門、社団法人日本騒音制御工学会環境デザイン賞を、第13回JSCA賞(作品賞)を「豊田スタジアムの構造設計」で柴田育秀が受賞。2008年のイギリス王立都市計画研究・コンサルティング年間賞を受賞した。

マイク・グローバーが、2008年構造技術者ゴールドメダル受賞。 カーサ・ダ・ムジカで、2007年スターリング賞。 米ベントレー・システムズ、2004 BE Awardsビルディング部門受賞。ドゥルック白蓮スクール校舎(インド・ラダック)では2002年世界建築賞をはじめ、いくつかの国際的な建築賞を多く受賞。

参考

  • 世界美術大全集西洋編 200. レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャース、オヴ・アラップ、ポンピドゥー・センター、1977 
  • 秀逸建築家シリーズ 10選 アラップ・アソシエイツ 、シグマユニオン、1995年
  • 建築文化 1992年2月号 特集 建築とエンジニアリング オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズの世界建築的なるもの

外部リンク