「ランチェスターの法則」の版間の差分

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ランチェスターの法則の諸前提を明確化、参考文献の追加、一部にランチェスターを応用したモデルの研究を含む
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(ランチェスターの法則の諸前提を明確化、参考文献の追加、一部にランチェスターを応用したモデルの研究を含む)
'''ランチェスターの法則'''(ランチェスターのほうそく、[[英語|英]]:Lanchester's laws)とは[[フレデリック・ランチェスター]]により考案された軍事作戦におけるを数理モデル化した[[方程式]]の一種で、[[オペレーションズ・リサーチ]]にも用いられる。
 
ランチェスターの法則は[[航空戦]]の観察からランチェスターによって提唱され、現代で主に[[戦闘]]シミュレーションに応用されている。[[第二次世界大戦]]で[[コロンビア大学]]のクープマンやキムボール海軍作戦研究班により兵力の補填、兵器開発、[[兵站]]を考慮した[[ランチェスターモデル式理論]]に発展した。
日本でも1955年9月25日に「オペレーションズ・リサーチの方法」が翻訳出版される。その後、主に[[経営]]に応用されるようになり、中小企業がいかに大手に勝つか…といった独自の営業手法・経営手法が注目され、'''[[ランチェスター経営]]'''などと言われるようになった。
 
== 第1ランチェスターの法則 ==
=== 1法則「騎討ちの法則 ===
ランチェスターの第1法則はいくつかの前提に基づいた場合にだけ適合する[[一次方程式]]の戦闘モデルである。ランチェスターの理論でその前提は次のように整理される。
#両軍は相互に射撃を行なうが、互いに相手の部隊の全てを有効な射程に収めている。
#両軍の部隊の戦力は兵員と武器の性能によって同様に決まっているが、両軍の部隊が発揮できる戦闘効果は異なっている。
#両軍とも相手が展開している地点の情報を持たない。したがって、射撃の効果がどれほど得られるか不明なまま戦場の全体に対して射撃を行なう。
#両軍とも戦闘において残存する両軍の部隊は展開しているが、その部隊の配置は決して形式的に定まることはない。
このような前提を踏まえれば、狭隘な地形において対峙している一対一の戦闘部隊による戦闘をモデル化したものと見做すこともできる。このモデルはいくつかの要因を含んだ次のような方程式として示すことができる。
:<math>A_0-A_t=E(B_0-B_t)\,</math>
::<math>A_0</math>はA軍の初期の兵員数
::<math>E</math>は武器性能比('''E'''xchange Rate)=(B軍の武器性能)÷(A軍の武器性能)
::(軍の戦闘力)=(武器性能)×(兵員数)
純粋な[[白兵戦]]と一対一の[[戦闘]]を前提として、戦闘力が優勢な方が勝利し、勝利側の損害は劣勢の戦力と等しくなる。例えば武器性能比<math>E</math>が1の場合(武器性能が同じ場合)、例えばA軍5とB軍3が戦ったら、A軍が勝利して2 (=<math>5-3</math>) の兵員が残ると考えられる。
 
=== 第2法則 ===
この第1法則は「一人が一人としか戦えない」という場合に適合する。つまり、槍や刀など接近戦の武器を使って、互いに戦った場合である。
ランチェスターの第2法則は[[二次方程式]]を用いた戦闘モデルを示したものであり、ランチェスターは既に述べた第1法則の前提のうち1と2については同じように導入しながらも二つの異なる前提を設けて理論を構築している。
 
#戦闘において残存している部隊は互いにあらゆる時点で相手の部隊が配置されている地点についての情報を持つ。
== 第2法則 ==
#戦闘における両軍の部隊の射撃は相互に相手の残存する部隊に均等に分配する。
第2法則「集中効果の法則」
省略した2つの前提を含む第2法則の4つの諸前提は各部隊が敵情について正確に把握し、かつ相手に対して無駄のない適切な射撃が可能であることを示している。この戦闘モデルを調べると、第1法則で示された戦果に対して興味深い相違点が認められる。
:<math>A_0^2-A_t^2=E(B_0^2-B_t^2)</math>
::(軍の戦闘力)=(武器性能)×(兵員数)<math>^2</math>
[[銃器]]、[[火砲]]、[[航空機]]が発達して一人が多数に対して攻撃が可能な戦闘を前提とし、双方の戦闘力を二乗した上で戦闘力が優勢な方が勝利するが、第1法則よりも兵員数の優位性が高い。<math>E</math>が1の場合、例えばA軍5とB軍3が戦ったら、実際の戦力差はA軍25対B軍9であるため、A軍が勝利し、4 (=<math>\sqrt{5^2-3^2}</math>) の兵員が残る。
 
第2法則は、一人が複数の敵を攻撃できる場合に適合する。つまり銃、大砲などの遠距離兵器・近代戦以降の兵器を使った場合である。
 
== 最適戦略 ==
 
== 関連項目 ==
*[[オペレーションズ・リサーチ]] - [[数理モデル]] - [[方程式]]
*[[オシポフ方程式|オシポフ]] - [[フレデリック・ランチェスター]] - [[ルイス・フライ・リチャードソン]] - [[ブラッドレー・フィスク]]
*[[ランチェスターモデル式理論]]
*[[兵棋演習]]
*孫子の『[[孫子 (書物)|孫子]]』
*クラウゼヴィッツの『[[戦争論 (クラウゼヴィッツ)|戦争論]]』
*[[フレデリック・ランチェスター]]
*[[オシポフ方程式]]
 
==文献情報==
*Blackett, P. M. 1948. Operational research. Quarterly Journal of the British Association for the Advancement o Science 5:26-38.
*Dupuy, T. N. 1979. Numbers, predictions and war. Indianapolis and New York: Bobbs-Merrill.
*Engel, J.H. 1954. A verification of Lanchester's law. Operations Research 2:163-71.
*Huber, R. K., L. F. Jones, and E. Reine, eds. 1975. Military strategy and tactics. Computer modeling of land war problems. New York: Plenum Press.
*Koopman, B. O. 1943. Quantitative aspect of combat. Office of Scientific Research and Development, Applied Mathematical Panel, Note 6, AMG Columbia University.
*Lanchester, F.W. 1916. Aircraft in warfare: The dawn of the fourth arm. London: Constable. Excerpted in vol. 4 of The world of mathematics, ed. F.R. Newman, pp. 2138-57. New York: Simon and Schuster.
*Morse, P. M., and G. E. Kimball. 1951. Methods of operations research. Cambridge: Massachusetts Institute of Technology Press.
*Taylor, J.G. 1983. Lanchester models of warfare. Vols. 1 and 2. Alexandria, Va.:Military Applications Section of ORSA.
*Richardson, L. F. 1947. Arms and insecurity. Pittsburgh: Boxwood.
*Richardson, L. F. 1950. Statistics of deadly quarrels. Chicago: Quadrangle Books.
*Taylor, J. G. 1983. Lanchester models of warfare. Vols. 1 and 2. Alexandria, Va.:Military Applications Section of ORSA.
*Taylor, J. G. 1980. Force-on-force attrition modeling. Alexandria, Va.: Military Applications Section of ORSA.
*Weiss, H.K. 1957. Lanchester-type models of warfare. Proceedings of first International Conference on Operational Research, Oxford, September, pp.82-98. Baltimore, md.: Operations Research Society of America.
 
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