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'''酢酸カーミン溶液'''(さくさんかーみんようえき)は[[顕微鏡]]観察に際し、[[細胞核]]や[[染色体]]の[[染色]]に用いる染色固定剤。45%[[酢酸]][[水溶液]]を煮沸し、そこに[[塩基性]]色素である[[カーミン]]を加えて[[飽和]]させ、さらに[[鉄]][[イオン]]を含む物質を微量加えて作る。[[生物]]の[[細胞]]にこの溶液を加えると、まず酢酸によって[[固定]]が起こり、負に[[荷電]]した核や染色体に、正に荷電したカーミンが吸着して赤く染まる。鉄イオンは[[媒染剤]]としての効果がある。
'''酢酸カーミン溶液'''(さくさんかーみんようえき)は[[顕微鏡]]観察に際し、[[細胞核]]や[[染色体]]の[[染色]]に用いる染色固定剤。45%[[酢酸]][[水溶液]]を煮沸し、そこに[[塩基性]]色素である[[カーミン]]を加えて[[飽和]]させ、さらに[[鉄]][[イオン]]を含む物質を微量加えて作る。[[生物]]の[[細胞]]にこの溶液を加えると、まず酢酸によって[[固定 (組織学)|固定]]が起こり、負に[[荷電]]した核や染色体に、正に荷電したカーミンが吸着して赤く染まる。鉄イオンは[[媒染剤]]としての効果がある。


アセトカルミン(Acetocarmine)溶液とも呼ぶ。
アセトカルミン(Acetocarmine)溶液とも呼ぶ。

2005年10月7日 (金) 10:09時点における版

酢酸カーミン溶液(さくさんかーみんようえき)は顕微鏡観察に際し、細胞核染色体染色に用いる染色固定剤。45%酢酸水溶液を煮沸し、そこに塩基性色素であるカーミンを加えて飽和させ、さらにイオンを含む物質を微量加えて作る。生物細胞にこの溶液を加えると、まず酢酸によって固定が起こり、負に荷電した核や染色体に、正に荷電したカーミンが吸着して赤く染まる。鉄イオンは媒染剤としての効果がある。

アセトカルミン(Acetocarmine)溶液とも呼ぶ。

同様なDNA染色法として酢酸オルセイン染色法があるが、それに比べて生細胞の核が染色されやすいとされる。

関連項目