「中村せん・りつ」の版間の差分

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中村せん 2009年5月9日 (土) 06:19(UTC) と中村りつ 2009年5月9日 (土) 06:20(UTC) を統合
 
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'''中村せん'''(なかむら-)と'''中村りつ'''(なかむら-)は、必殺シリーズの登場人物である。同シリーズの主要な登場人物である[[中村主水]]の家族(義母と妻)。中村せんは[[菅井きん]]が、中村りつは[[白木万理]]が演じた。

== 概要 ==
[[中村主水]]の家族であり、彼と合わせて単に中村家とも呼称される。婿で立場上弱い主水に対して、後述する婿いびりを行うのが好例のネタとなっており、仕事人シリーズにおいては、基本的に最後は中村家のシーンで終わるという構成(つまりオチを担当)になっていた(ただし2009はその役回りを渡辺家に変更された)。

せんの夫である、先代・中村主水に関して『必殺仕事人』12話で、彼が当代・中村主水と同様に婿養子であり、せん達のムコいびりに耐え切れずに失踪したのではないかと思われる描写があるが、その詳細は不明である。

それぞれの名前の由来は「戦慄」より。、菅井白木共に必殺シリーズ終了直前までこのことに気付かなかったとう。

== 中村せん ==
== 中村せん ==
'''中村 せん'''('''なかむら せん''')は、[[必殺シリーズ]]の登場人物で、中村家先々代当主・中村主水の娘に当たり、同家先代当主・中村主水の妻で[[中村主水]]の妻・[[中村りつ|りつ]]の母であり、主水の義理の母、姑に当たる。[[菅井きん]]が演じた
中村家先々代当主・中村主水の娘に当たり、同家先代当主・中村主水の妻で中村主水の妻・中村りつの母であり、主水の義理の母、姑に当たる。


早くに夫を亡くし、女でひとつで三人の娘(りつ・たえ〔[[妙心尼]]〕・[[糸井あや|あや]])を育てあげた。彼女らの他に男の子が一人いたが早死にしたので、遠縁にあたるという北大路主水をりつの婿に迎えたが、この婿のあまりにも怠惰な生活ぶりに手を焼いている。
早くに夫を亡くし、女でひとつで三人の娘(りつ・たえ〔[[妙心尼]]〕・[[糸井あや|あや]])を育てあげた。彼女らの他に男の子が一人いたが早死にしたので、遠縁にあたるという北大路主水をりつの婿に迎えたが、この婿のあまりにも怠惰な生活ぶりに手を焼いている。
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せんからすれば、主水に中村家の当主として立派に振舞ってほしいとの思いから行われるものであるが(主水が仕事人であることが露見されそうになった際、せんとりつを連れて江戸から逃げようと家に帰った時、偶然せんが主水を頼りにしていることを聞いてしまい、逃げるのを止め、戦うことを決意するエピソードも存在する)、このシーンの面白さが、せんがりつと一緒になって行う主水へのムコいびりのシーンとともに視聴者の人気を呼び、必殺シリーズを長寿番組に育て上げる一因となったと言える。
せんからすれば、主水に中村家の当主として立派に振舞ってほしいとの思いから行われるものであるが(主水が仕事人であることが露見されそうになった際、せんとりつを連れて江戸から逃げようと家に帰った時、偶然せんが主水を頼りにしていることを聞いてしまい、逃げるのを止め、戦うことを決意するエピソードも存在する)、このシーンの面白さが、せんがりつと一緒になって行う主水へのムコいびりのシーンとともに視聴者の人気を呼び、必殺シリーズを長寿番組に育て上げる一因となったと言える。

なお、せんの夫である、先代・中村主水に関して[[必殺仕事人]]』12話で、彼が当代・中村主水と同様に婿養子であり、せん達のムコいびりに耐え切れずに失踪したのではないかと思われる描写があるが、その詳細は不明である。

また、せんとりつの名前の由来は「戦慄」であるというのは有名話であるがせんを演じた菅井きん、りつを演じた[[白木万理]]の二人は、必殺シリーズが放送を終了する直前までこのことに気付かなかったとう。


== 中村りつ ==
== 中村りつ ==
'''中村 りつ'''('''なかむら りつ''')は、[[必殺シリーズ]]の登場人物で、[[中村主水]]の妻であり、中村家先代当主の中村主水・[[中村せん|せん]]夫妻の長女で、[[白木万理]]が演じた
中村主水の妻であり、中村家先代当主の中村主水・中村せん夫妻の長女。


せん曰く「見合いの席で一目惚れした」北大路主水(建前上)を婿養子に迎えるが、この夫は不甲斐ないことこの上なく、りつはせんとともに度々叱責するが、せんほど厳しい物言いができず、後で、主水にフォローすることもしばしばである。見合席で「これ(主水)でもいいか…」と妥協したと母せんとの会話から判明している。特に細面で馬面の主水をせんが貶すことがあるが、りつにとっては好みらしい。
せん曰く「見合いの席で一目惚れした」北大路主水(建前上)を婿養子に迎えるが、この夫は不甲斐ないことこの上なく、りつはせんとともに度々叱責するが、せんほど厳しい物言いができず、後で、主水にフォローすることもしばしばである。見合席で「これ(主水)でもいいか…」と妥協したと母せんとの会話から判明している。特に細面で馬面の主水をせんが貶すことがあるが、りつにとっては好みらしい。
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りつを演じた白木は、かつてはお色気女優・白木マリとして知られていたが、この役を演じることで、時代劇女優としてのイメージが定着したと言える。
りつを演じた白木は、かつてはお色気女優・白木マリとして知られていたが、この役を演じることで、時代劇女優としてのイメージが定着したと言える。


白木が『[[いつみても波瀾万丈]]』に出演した際、りつの話題になり、その際「りつは中村主水を愛しているが、母親の手前つい厳しくしてしまう」と発言している。実際に、主水と二人きりの時には、主水に甘えたりもしている。実際、仕事(殺し)の為、帰宅が遅くなった主水にせんが激怒し(勿論建前は表の仕事と言うことになっている)夕食のおかず抜きの罰則が科せられるが書き文(手紙)に「戸棚に生卵が入ってます.....りつ」と母に隠れて主人を気遣っており、主水は思わずその書き文に[[接吻]](キス)した(『[[必殺仕事人V]]』)。
白木が『[[いつみても波瀾万丈]]』に出演した際、りつの話題になり、その際「りつは中村主水を愛しているが、母親の手前つい厳しくしてしまう」と発言している。実際に、主水と二人きりの時には、主水に甘えたりもしている。実際、仕事(殺し)の為、帰宅が遅くなった主水にせんが激怒し(勿論建前は表の仕事と言うことになっている)夕食のおかず抜きの罰則が科せられるが書き文(手紙)に「戸棚に生卵が入ってます.....りつ」と母に隠れて主人を気遣っており、主水は思わずその書き文に接吻(キス)した(『[[必殺仕事人V]]』)。

なお、一般には、りつを演じるにあたって「白木マリ」から「白木万理」へと改名したと見られているが、実際は、結婚と同時に芸能界を引退した後に離婚、芸能界に復帰したときに、心機一転の意味で改名し、その直後にりつ役の話が白木のもとに来たのだという。つまり、必殺シリーズと白木の改名は全くの無関係である

== 登場作品 ==
* [[必殺仕置人]]
* [[暗闇仕留人]]
* [[必殺仕置屋稼業]]
* [[必殺仕業人]]
* [[新・必殺仕置人]]
* [[江戸プロフェッショナル・必殺商売人]]
* [[必殺仕事人]]
* [[新・必殺仕事人]]
* [[必殺仕事人III]]
* [[必殺仕事人IV]]
* [[必殺仕事人V]]
* [[必殺仕事人V・激闘編]]
* [[必殺仕事人V・旋風編]]
* [[必殺仕事人V・風雲竜虎編]]
* [[必殺仕事人・激突!]]
* [[必殺仕事人2009]]



{{必殺シリーズ}}
なお、一般には、りつを演じるにあたって「白木マリ」から「白木万理」へと改名したと見られているが、実際は、結婚と同時に芸能界を引退した後に離婚、芸能界に復帰したときに、心機一転の意味で改名し、その直後にりつ役の話が白木のもとに来たのだという。


つまり、必殺シリーズと白木改名は全くの無関係である。
[[Category:必殺シリーズの登場人物|なかむらせんりつ]]

2009年6月11日 (木) 11:57時点における版

中村せん(なかむら-)と中村りつ(なかむら-)は、必殺シリーズの登場人物である。同シリーズの主要な登場人物である中村主水の家族(義母と妻)。中村せんは菅井きんが、中村りつは白木万理が演じた。

概要

中村主水の家族であり、彼と合わせて単に中村家とも呼称される。婿で立場上弱い主水に対して、後述する婿いびりを行うのが好例のネタとなっており、仕事人シリーズにおいては、基本的に最後は中村家のシーンで終わるという構成(つまりオチを担当)になっていた(ただし2009はその役回りを渡辺家に変更された)。

せんの夫である、先代・中村主水に関しては『必殺仕事人』12話で、彼が当代・中村主水と同様に婿養子であり、せん達のムコいびりに耐え切れずに失踪したのではないかと思われる描写があるが、その詳細は不明である。

それぞれの名前の由来は「戦慄」より。なお、菅井・白木共に必殺シリーズ終了直前までこのことに気付かなかったと言う。

中村せん

中村家先々代当主・中村主水の娘に当たり、同家先代当主・中村主水の妻で中村主水の妻・中村りつの母であり、主水の義理の母、姑に当たる。

早くに夫を亡くし、女でひとつで三人の娘(りつ・たえ〔妙心尼〕・あや)を育てあげた。彼女らの他に男の子が一人いたが早死にしたので、遠縁にあたるという北大路主水をりつの婿に迎えたが、この婿のあまりにも怠惰な生活ぶりに手を焼いている。

このだらしない娘婿を、せんが叱責する際にまず言う言葉が「ムコ殿」(初期のシリーズでは「主水殿」と呼ぶこともあった)であり、この後に、長々と中村家の由緒云々が語られ、(せんから見て)立派な先祖達の言行と主水の失敗が比較され、叱責されるわけである。しかし、一度先祖のを主水に着用させたことがあったが、明らかに足軽の物であり下級武士だったことが推測される。

せんからすれば、主水に中村家の当主として立派に振舞ってほしいとの思いから行われるものであるが(主水が仕事人であることが露見されそうになった際、せんとりつを連れて江戸から逃げようと家に帰った時、偶然せんが主水を頼りにしていることを聞いてしまい、逃げるのを止め、戦うことを決意するエピソードも存在する)、このシーンの面白さが、せんがりつと一緒になって行う主水へのムコいびりのシーンとともに視聴者の人気を呼び、必殺シリーズを長寿番組に育て上げる一因となったと言える。

中村りつ

中村主水の妻であり、中村家先代当主の中村主水・中村せん夫妻の長女。

せん曰く「見合いの席で一目惚れした」北大路主水(建前上)を婿養子に迎えるが、この夫は不甲斐ないことこの上なく、りつはせんとともに度々叱責するが、せんほど厳しい物言いができず、後で、主水にフォローすることもしばしばである。見合席で「これ(主水)でもいいか…」と妥協したと母せんとの会話から判明している。特に細面で馬面の主水をせんが貶すことがあるが、りつにとっては好みらしい。

ただ、主水のへそくりをせしめたり、高価な着物を購入したり、「八丁堀の奥様方」と旅行に出かけるときなどは必ずと言っていいほど、せんと行動をともにしている。いわゆる「一卵性母子」の嚆矢と言えよう。

りつを演じた白木は、かつてはお色気女優・白木マリとして知られていたが、この役を演じることで、時代劇女優としてのイメージが定着したと言える。

白木が『いつみても波瀾万丈』に出演した際、りつの話題になり、その際「りつは中村主水を愛しているが、母親の手前つい厳しくしてしまう」と発言している。実際に、主水と二人きりの時には、主水に甘えたりもしている。実際、仕事(殺し)の為、帰宅が遅くなった主水にせんが激怒し(勿論建前は表の仕事と言うことになっている)夕食のおかず抜きの罰則が科せられるが書き文(手紙)に「戸棚に生卵が入ってます.....りつ」と母に隠れて主人を気遣っており、主水は思わずその書き文に接吻(キス)した(『必殺仕事人V』)。

なお、一般には、りつを演じるにあたって「白木マリ」から「白木万理」へと改名したと見られているが、実際は、結婚と同時に芸能界を引退した後に離婚、芸能界に復帰したときに、心機一転の意味で改名し、その直後にりつ役の話が白木のもとに来たのだという。つまり、必殺シリーズと白木の改名は全くの無関係である。

登場作品