臼杵鑑速

臼杵 鑑速（うすき あきすみ / あきはや、永正17年（1520年）? － 天正3年5月8日（1575年6月16日））は戦国時代の武将。大友氏の家臣。臼杵長景の子で、臼杵鑑続、養孝院（立花道雪継母）の弟、臼杵鎮続、臼杵鎮順の兄。臼杵統景、女子（吉弘鎮信妻）、女子（宗像氏貞妻）の父。初名は鑑景。四郎左衛門尉。越中守。

大友義鑑、大友義鎮（宗麟）の二代に仕え、兄同様、外交面で大いに活躍した。大友宗麟の元服の際の将軍の一字拝領、豊前や筑前、筑後、肥前をはじめとする守護職の継承などといった幕府との交渉、さらに毛利氏や島津氏といった近隣諸国、さらに影響下にある国人たちとの交渉などは、ほとんどこの鑑速が行なっている。また、軍事面においても、肥後の菊池氏や毛利氏との合戦にも積極的に従軍して武功を挙げる等活躍した。

弘治年間より兄の後を受けて加判衆を務め、また、戸次鑑連（立花道雪）や吉弘鑑理とともに大友氏の『三老』にまで列せられた。謀反を起こした筑前の立花氏、秋月氏、肥前の龍造寺氏などの諸国人の討伐や、北九州に侵攻した毛利軍との戦いには三大将のひとりとなる。晩年には子の統景に役目を譲り引退した。

彼の生きている間は宗麟の義理の弟である田原親賢も勝手な振る舞いはできなかった。後の耳川の戦いにおける大友軍の大敗後、立花道雪は筑前国から手紙を送り「吉岡宗歓、臼杵鑑速の死後、大友の政治は無道である」と嘆いている。また江戸期の豊後の三賢人三浦梅園は「鑑速、吉岡宗歓がいればこんな戦いはなかったであろうに」と言っている。

なお系図には「あきすみ」と書かれている。また、宗麟が大内氏滅亡の際に毛利元就から譲られ、後に豊臣秀吉に献上された瓢箪茶入（大内瓢箪・大友瓢箪、後の上杉瓢箪）を、一時この鑑速が貰い受け所持していた記録がある。