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;※アニメ制作プロダクションの姿勢について
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1980年代後半以降、『[[聖闘士星矢]]』とその成功を受けて製作された『[[鎧伝サムライトルーパー]]』などに代表される、いわゆる「美少年アニメ」が若い女性の間で大ブームとなった。これを受けて、「美少年アニメ」作品などを題材にした二次創作の[[同人誌]]が大量に制作され、最大の同人誌即売会「[[コミックマーケット]]」でも一ジャンルとしても成立する程の規模になった。また、[[ラポート]]などの出版社がこれらをまとめた同人[[アンソロジー]]本を制作、相当数が商業出版ベースで販売される状況が見られた。出版社や同人誌の作者たちは、これらについてはアニパロコミックスと同様、あくまでパロディとして独立した作品であるという立場を取り、「元ネタ」とした作品の関係者からのライセンス許諾などは得ずに販売されていた。
当時、大ブームとなっていた美少年アニメ作品に関する[[同人誌]]や同人[[アンソロジー]]本の内容問題に端を発して、[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]など複数のアニメ制作プロダクションが、パロディの商業作品を含む著作物の2次創作に対する姿勢について大幅な変更を行い、キャラクターの2次使用の制限などについても明文化をった。

により、この時期以降、アニパロコミックスの様なノーライセンスのパロディ作品を利用した商業出版活動や、同じくノーライセンスでの同人アンソロジー集の商業ベースでの制作が、急激に困難になっていった。
しかし、そ内実を見るとこれら量の作品群の大半は、[[同性愛#ゲイ|男性同性愛]]の描写が含まれる「[[やおい]]同人誌」であり、来は少年層を対象としたアニメ作品二次創作である事を鑑みればなおさらに、各方から少なからず問題視される内容のものであった。この事から、この時期、[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]など複数のアニメ制作プロダクションが、パロディの商業作品を含む著作物の2次創作に対する姿勢について大幅な変更を行い、キャラクターの2次使用の制限などについても明文化を進めていった。

の様な著作権者側の動きにより、1990年代に入ると、アニパロコミックスの様なノーライセンスのパロディ作品を利用した商業出版活動や、同じくノーライセンスでの同人アンソロジー集の商業ベースでの制作が、急激に困難になっていった。


==関連項目==
==関連項目==

2008年11月12日 (水) 20:20時点における版

アニパロコミックス(あにぱろこみっくす、略称APC)は1982年から1993年にかけてみのり書房より発行されていた隔月の雑誌。

概要

パロディをその元ネタとした作品とは完全に独立したジャンル及び作品と位置づけ、アニメ雑誌やコミカライズとは異なりライセンス許諾を得ないスタイルで、主にアニメ作品のパロディ物の漫画作品を中心に掲載した雑誌である。

掲載作品の大半は当時人気となっていたアニメ・漫画のパロディ漫画であったが、巣田祐里子の『Go! WEST』など一部にはオリジナル性の比較的高い作品も存在した(ただし、この作品自体も『西遊記』のパロディをベースとしており、他にも作中に多少のパロディ要素は取り込んでいる)。また岩崎摂の『Lullaby』は日本史の出来事が題材となった。その他の企画としては「あなたもマンガ家になれるかな?」、「あなたもアニパロ作家・脚本家になれるかな?」、「手紙の書き方教室」などがあった。また、読者からの投書コーナーも存在した。

当初はアニメ情報誌月刊OUTの臨時増刊号(1982年7月号臨時増刊号)「アニメ・パロディ・コミックス」として発行された。その後OUTの増刊号、別冊を経て創刊5年目の1987年7月号にて独立したアニパロコミックスとして発行された。

1988年には4月臨時増刊号としてアニパロコミックスJuniorが発行される。その他、アニパロコミックスアンド・ナウ(アニパロコミックス and NOW)、PALLEなどのスピンオフ誌が発行された。後者はオリジナル作品のみを掲載していた。

アニパロコミックスJuniorについてはアニパロコミックス1988年6月増刊号として発行された後、1988年10月号から独立したアニパロコミックスJuniorとして1990年10月号まで隔月発行された。1991年より再びアニパロコミックス増刊号として発行されるようになり1993年2月アニパロコミックス増刊号をもって休刊。そしてアニパロコミックスも1993年3月号をもって休刊。

いずれも最終となった号に掲載された作品は打ち切り最終回の体裁を取っているものはまったく見られず、掲載作品の締め切り後、あるいは発売直前にこの号での休刊が急遽決定した事を伺わせる。

この背景にはみのり書房の経営状態にまつわる問題や、出版社と編集者の対立、パロディと元ネタとした作品の2次著作権の関係で大手のアニメ制作プロダクションとトラブルが発生した(※参照)など、複数の説が語られている。ただし、この件については当事者たちの口が非常に重く、また出版元であったみのり書房がその後倒産している事もあり、その真相は現在も定かではない。ただし、末期には内容がマンネリ化した事から発行部数が低迷して採算割れの状態が続き、みのり書房の経営にとって足枷になっていたとも言われる。

アニパロコミックス休刊後、同誌や関連誌に連載されていた作品の続きなどを集めたand NOWが元編集長による個人編集・個人出版の形態で発行された。1993年10月に「創刊準備号の・ようなもの」が、その後は数ヶ月おきに「創刊準備号○」が発行されたが、2002年2月の創刊準備号26で休刊。

※アニメ制作プロダクションの姿勢について

1980年代後半以降、『聖闘士星矢』とその成功を受けて製作された『鎧伝サムライトルーパー』などに代表される、いわゆる「美少年アニメ」が若い女性の間で大ブームとなった。これを受けて、「美少年アニメ」作品などを題材にした二次創作の同人誌が大量に制作され、最大の同人誌即売会「コミックマーケット」でも一ジャンルとしても成立する程の規模になった。また、ラポートなどの出版社がこれらをまとめた同人アンソロジー本を制作、相当数が商業出版ベースで販売される状況が見られた。出版社や同人誌の作者たちは、これらについてはアニパロコミックスと同様、あくまでパロディとして独立した作品であるという立場を取り、「元ネタ」とした作品の関係者からのライセンス許諾などは得ずに販売されていた。

しかし、その内実を見ると、これら大量の作品群の大半は、男性同性愛の描写が含まれる「やおい同人誌」であり、本来は少年層を対象としたアニメ作品の二次創作である事を鑑みればなおさらに、各方面から少なからず問題視される内容のものであった。この事から、この時期、サンライズなど複数のアニメ制作プロダクションが、パロディの商業作品を含む著作物の2次創作に対する姿勢について大幅な変更を行い、キャラクターの2次使用の制限などについても明文化を進めていった。

この様な著作権者側の動きにより、1990年代に入ると、アニパロコミックスの様なノーライセンスのパロディ作品を利用した商業出版活動や、同じくノーライセンスでの同人アンソロジー集の商業ベースでの制作が、急激に困難になっていった。

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