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== 2008年シリーズ結果 ==
== 2008年シリーズ結果 ==

2008年9月30日 (火) 03:58時点における版

FCJ at 2007年Rd.9

フォーミュラチャレンジ・ジャパン(Formula Challange Japan、略称FCJ)は、2006年より発足したジュニア・フォーミュラのシリーズ。

概要

フォーミュラ・ニッポンを主催する日本レースプロモーションと、トヨタ日産ホンダという日本を代表する自動車メーカー3社が共同で、「世界に通用する若手ドライバーの育成」をテーマに発足させたシリーズである。

シリーズにはメーカー3社から資金面でサポートが行われており、その結果参戦するドライバーが支払う参加費は2008年の場合で年間840万円[1]と、従来の同等クラスであるフォーミュラ・トヨタフォーミュラ・ドリームに比べ割安に押さえられている[2]。一方でその代償として、シリーズに参加を希望するドライバーに対して行われる審査において、各メーカーの育成プログラムに組み込まれているドライバーが優先される(このことは主催者よりあらかじめ告知されている)ほか、賞金はない。

マシンはフォーミュラ・ルノー用マシンをベースに新たに開発された専用シャシー[3]「FC106」を使用し、エンジンはルノー製の2リッター・4気筒(エンジンメンテナンスはNISMOが担当)。タイヤはダンロップワンメイク。このためコントロールタイヤの開発は、ダンロップのワークスドライバーである服部尚貴が中心になって行われており、服部はシリーズ全体のアドバイザーも務めている。

シリーズ運営に当たっては「マシンの個体差によりレース結果に影響が出ることを避けるためにマシンを定期的にシャッフルする」、「エンジンをオーバーレブさせると、その後一定時間エンジンの最高回転数が引き下げられる(ペナルティシステム)」など、フォーミュラ・ドリームの仕組みを踏襲している部分が多い。

これ以外の特徴としては、ドライバーの要望によるマシンセッティングの変更が事実上禁止されている点が挙げられる(ドライバーが調整できるのはブレーキバランスとタイヤの内圧のみ)。これは「ドライバーにセッティングを合わせるよりも、ドライバーには標準的なセッティングを与え、後は『ドライバーの腕で何とかする』方法を学ぶ方が先々いろいろと役に立つ」という、ドライバー育成をメインとするカテゴリー方針によるもの。また「自由なセッティングを認めてしまうと、ドライバーよりも担当エンジニアの腕で成績が決まってしまう」という事情もあるとされている[4]。ただこの点については「上位カテゴリーへのステップアップを考えると、セッティングの変更によるマシンの挙動変化を学べないのはマイナスではないか」との意見も多いことから、2007年の最終戦ではベースセッティングをそれまでに比べダウンフォースを大きく減らしたものとするなど、レースごとにセッティングを異なるものにするといった試みも導入されつつある。

なお同シリーズの成績優秀者には、翌年のF3参戦の資金援助などのスカラシップが与えられる。ただスカラシップの選考基準や具体的な内容はメーカー毎に異なっている。2006年・2007年の結果を見る限りでは、実際にはFCJでの成績に加え、他のカテゴリー(フォーミュラ・トヨタなど)での結果も含めた総合的な判断として、各メーカーがそれぞれ注目するドライバーのステップアップを支援する形となっている。ちなみにトヨタのスカラシップはトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)の対象ドライバーのみが選考対象となるが、ホンダ・日産のスカラシップは自社の育成プログラム枠だけでなく一般参加枠のドライバーも選考対象となるため、一般参加のドライバーにもスカラシップ獲得のチャンスがある[4]

ポイントシステム

  • このレースシリーズでは各レース毎に、順位に基づいてポイントが付与される。シリーズチャンピオンは全開催レースの80%で獲得したポイントが有効とされる(80%以上でポイント獲得した場合は、下位ポイントから無効とされる)有効ポイント制を採用しており、有効ポイントが同ポイントの場合は勝利数の多さでシリーズチャンピオンが決定される。
順位 ポイント 順位 ポイント
優勝 20ポイント 6位 6ポイント
2位 15ポイント 7位 4ポイント
3位 12ポイント 8位 3ポイント
4位 10ポイント 9位 2ポイント
5位 8ポイント 10位 1ポイント

ポールポジション獲得者:1ポイント
ファステストラップ獲得者:1ポイント

2008年シリーズ結果

  開催日 サーキット 勝者
1 4月5日 富士スピードウェイ 松井孝允
2 4月6日 富士スピードウェイ 国本雄資
3 5月10日 鈴鹿サーキット 千代勝正
4 5月11日 鈴鹿サーキット 千代勝正
5 5月24日 ツインリンクもてぎ 国本雄資
6 5月25日 ツインリンクもてぎ 千代勝正
7 6月28日 富士スピードウェイ 国本雄資
8 6月29日 富士スピードウェイ 松井孝允
9 7月12日 鈴鹿サーキット 国本雄資
10 7月13日 鈴鹿サーキット 佐藤公哉
11 8月9日 ツインリンクもてぎ 銘苅翼
12 8月10日 ツインリンクもてぎ 松井孝允
13 8月30日 富士スピードウェイ 国本雄資
14 8月31日 富士スピードウェイ 国本雄資
15 9月20日 スポーツランドSUGO
16 9月21日 スポーツランドSUGO

2007年シリーズ結果

  開催日 サーキット 勝者
1 3月17日 鈴鹿サーキット 中嶋大祐
2 3月18日 鈴鹿サーキット 国本京佑
3 3月31日 富士スピードウェイ 国本京佑
4 4月1日 富士スピードウェイ 中嶋大佑
5 5月19日 ツインリンクもてぎ 栗原正之
6 5月20日 ツインリンクもてぎ ケイ・コッツォリーノ
7 6月16日 富士スピードウェイ 井口卓人
8 6月17日 富士スピードウェイ 田中誠也
9 7月7日 鈴鹿サーキット 中嶋大佑
10 7月8日 鈴鹿サーキット 坂本雄也
11 8月25日 富士スピードウェイ 中嶋大佑
12 8月26日 富士スピードウェイ 国本雄資
13 9月15日 スポーツランドSUGO 国本雄資
14 9月16日 スポーツランドSUGO 国本雄資
15 10月20日 ツインリンクもてぎ 山本尚貴
16 10月21日 ツインリンクもてぎ 山本尚貴
17 11月17日 鈴鹿サーキット 山内英輝
18 11月18日 鈴鹿サーキット 国本京佑

2006年シリーズ結果

  開催日 サーキット 勝者
1 7月8日 鈴鹿サーキット 安田裕信
2 7月9日 鈴鹿サーキット 関口雄飛
3 8月5日 富士スピードウェイ 関口雄飛
4 8月6日 富士スピードウェイ 中山友貴
5 8月26日 富士スピードウェイ 中山友貴
6 8月27日 富士スピードウェイ 関口雄飛
7 10月21日 ツインリンクもてぎ 安田裕信
8 10月22日 ツインリンクもてぎ 安田裕信
9 11月18日 鈴鹿サーキット 山本龍司
10 11月19日 鈴鹿サーキット 安田裕信

歴代チャンピオン

チャンピオン チーム名
2006年(注1) 関口雄飛 FTRSギャマットマセキFCJ
2007年 国本京佑 TDPスカラシップFCJ
2008年 国本雄資 TDPスカラシップFCJ

(注1)2006年度のシリーズチャンピオンは、1位関口雄飛(総POINT=107,有効POINT=106)と2位山本龍司(総POINT=111,有効POINT=106)が同有効POINTであった。規定により、優勝回数の多い関口がシリーズチャンピオンとなった。

脚注

  1. ^ 2006年は年間500万円、2007年は年間600万円だった。なお2007年までは別途150万円の保証金が必要だったが、2008年からは保証金込みの金額となっている。
  2. ^ フォーミュラ・ドリームの場合、年間パッケージで約1200万円必要(さらに別途保証金も必要)。ただし上位入賞すると賞金が出る。
  3. ^ ということになっているが、実体はフォーミュラ・ルノー用マシンそのままといわれる。
  4. ^ a b Racing On』(ニューズ出版)2008年6月号 pp.132 - 133

外部リンク