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'''奈良漬け'''(ならづけ)とは白うり、[[キュウリ|胡瓜]]、[[スイカ|西瓜]]、[[ショウガ|生姜]]などの[[野菜]]を塩漬けにし、何度も新しい[[酒粕]](さけかす)に漬け替えながらできた[[漬物]]である。奈良漬けは、元々1300年以上も前より『かす漬け』という名で存在しており[[平城京]]の跡地で発掘された[[長屋王]]木簡にも「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものがある。なお当時の[[酒]]はどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなく[[酒]]の底に溜まる沈殿物のことであったようである。また当時は上流階級の保存食・香の物として珍重されていたようで、高級食として扱われていたという記録がある。
'''奈良漬け'''(ならづけ)とは白うり、[[キュウリ|胡瓜]]、[[スイカ|西瓜]]、[[ショウガ|生姜]]などの[[野菜]]を塩漬けにし、何度も新しい[[酒粕]](さけかす)に漬け替えながらできた[[漬物]]である。


== 歴史 ==
その後、奈良漬けは[[江戸時代]]に入り幕府への献上や[[奈良]]を訪れる旅人によって普及し、庶民に愛されるようになる。そして『奈良漬け』という名前に変わったのは、奈良の漢方医[[糸屋宗仙]]が、[[慶長]]年間(1596~1615)に名付けたからである。現在では、[[奈良県]]内のみならず、全国至るところに奈良漬けが存在する。
奈良漬けは、元々1300年以上も前より『かす漬け』という名で存在しており[[平城京]]の跡地で発掘された[[長屋王]]木簡にも「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものがある。なお当時の[[酒]]はどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなく[[酒]]の底に溜まる沈殿物のことであったようである。また当時は上流階級の保存食・香の物として珍重されていたようで、高級食として扱われていたという記録がある。


その後、奈良漬けは[[江戸時代]]に入り幕府への献上や[[奈良]]を訪れる旅人によって普及し、庶民に愛されるようになる。そして『奈良漬け』という名前に変わったのは、奈良の漢方医[[糸屋宗仙]]が、[[慶長]]年間([[1596年]]~[[1615年]])に名付けたからである。現在では、[[奈良県]]内のみならず、全国至るところに奈良漬けが存在する。

== 特徴 ==
[[ウナギ|鰻]]の蒲焼きに奈良漬けの組み合わせは定番となっている。鰻を食べた後に口に残る脂っこさを奈良漬けが拭い去り、口をさっぱりとさせる効果がある。胃の働きを活発にし胸焼けを抑える、栄養面からも脂肪の分解や[[ビタミン]]や[[ミネラル]]の吸収を助けるなどの効果があるとされている。
[[ウナギ|鰻]]の蒲焼きに奈良漬けの組み合わせは定番となっている。鰻を食べた後に口に残る脂っこさを奈良漬けが拭い去り、口をさっぱりとさせる効果がある。胃の働きを活発にし胸焼けを抑える、栄養面からも脂肪の分解や[[ビタミン]]や[[ミネラル]]の吸収を助けるなどの効果があるとされている。



2008年9月21日 (日) 04:12時点における版

奈良漬け

奈良漬け(ならづけ)とは白うり、胡瓜西瓜生姜などの野菜を塩漬けにし、何度も新しい酒粕(さけかす)に漬け替えながらできた漬物である。

歴史

奈良漬けは、元々1300年以上も前より『かす漬け』という名で存在しており平城京の跡地で発掘された長屋王木簡にも「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものがある。なお当時のはどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなくの底に溜まる沈殿物のことであったようである。また当時は上流階級の保存食・香の物として珍重されていたようで、高級食として扱われていたという記録がある。

その後、奈良漬けは江戸時代に入り幕府への献上や奈良を訪れる旅人によって普及し、庶民に愛されるようになる。そして『奈良漬け』という名前に変わったのは、奈良の漢方医糸屋宗仙が、慶長年間(1596年1615年)に名付けたからである。現在では、奈良県内のみならず、全国至るところに奈良漬けが存在する。

特徴

の蒲焼きに奈良漬けの組み合わせは定番となっている。鰻を食べた後に口に残る脂っこさを奈良漬けが拭い去り、口をさっぱりとさせる効果がある。胃の働きを活発にし胸焼けを抑える、栄養面からも脂肪の分解やビタミンミネラルの吸収を助けるなどの効果があるとされている。

なお、奈良漬けを多量に食べた後に自動車を運転すると、酒気帯び運転となる場合があるので、食後に運転する予定がある場合は注意する必要がある。

その他

韓国でも在日コリアン、戦後の朝鮮・韓国人帰国者が奈良漬けを伝えたことで、一部の人々の間で知られており、 市場などでは、そのまま日本語風に”ナラヂュケ”という表音の韓国語で表記されて類似品が売られている。 近年、日本への新しい輸出品目として、韓国の「農水産物流新聞」の主催する市民大学・ビジネセミナー等で、 提案、検討されている。


外部リンク