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'''メシチレン''' (mesitylene) は[[芳香族炭化水素]]の一種である。化学式は C<sub>9</sub>H<sub>12</sub>、[[IUPAC命名法|IUPAC系統名]]は'''1,3,5-トリメチルベンゼン''' (1,3,5-trimethylbenzene) であり、[[ベンゼン]]環3の[[メチル基]]が[[置換]]した構造を持っている。
'''メシチレン''' (mesitylene) は[[芳香族炭化水素]]の一種である。化学式は C<sub>9</sub>H<sub>12</sub>、[[IUPAC命名法|IUPAC系統名]]は'''1,3,5-トリメチルベンゼン''' (1,3,5-trimethylbenzene) であり、[[ベンゼン]]環3水素が[[メチル基]]わった構造を持っている。


メシチレンは[[硫酸]]存在下での[[アセトン]]の[[蒸留]]<ref>Adams, R.; Hufferd, R. W. ''Org. Synth.'', Coll. Vol. 1, p. 341 (1941); Vol. 2, p.41 (1922). [http://www.orgsynth.org/orgsyn/prep.asp?prep=cv1p0341 オンライン版]</ref>、もしくは硫酸中での[[プロピン]]の三量化によって合成される。いずれの場合も硫酸は[[脱水]][[触媒]]として働いている。
メシチレンは[[硫酸]]存在下での[[アセトン]]の[[蒸留]]<ref>Adams, R.; Hufferd, R. W. ''Org. Synth.'', Coll. Vol. 1, p. 341 (1941); Vol. 2, p.41 (1922). [http://www.orgsynth.org/orgsyn/prep.asp?prep=cv1p0341 オンライン版]</ref>、もしくは硫酸中での[[プロピン]]の三量化によって合成される。いずれの場合も硫酸は[[触媒]]として働いている。


メシチレンは高沸点[[溶媒]]として広く用いられている。
メシチレンは高沸点[[溶媒]]として広く用いられている。

2008年8月29日 (金) 20:37時点における版

メシチレン
構造式 メシチレン分子模型
IUPAC名メシチレン(許容慣用名)
1,3,5-トリメチルベンゼン
分子式C9H12
分子量120.2
CAS登録番号108-67-8
形状液体
密度0.86 g/cm3, 液体
相対蒸気密度4.1(空気 = 1)
融点−45 °C
沸点165 °C
SMILESC1C(C)=CC(C)=CC(C)=C1
出典国際化学物質安全性カード

メシチレン (mesitylene) は芳香族炭化水素の一種である。化学式は C9H12IUPAC系統名1,3,5-トリメチルベンゼン (1,3,5-trimethylbenzene) であり、ベンゼン環の3個の水素がメチル基で置き換わった構造を持っている。

メシチレンは硫酸存在下でのアセトン蒸留[1]、もしくは硫酸中でのプロピンの三量化によって合成される。いずれの場合も硫酸は触媒として働いている。

メシチレンは高沸点溶媒として広く用いられている。

刺激性が強く、可燃性であるため取扱には注意が必要である。

エレクトロニクスの分野では、その溶解度の高さから半導体ウェハーの写像形成の際のエッチング液として用いられている。

メシチル基

メシチレンの芳香環から水素を1個取り除いた1価の基 (-C6H2(CH3)3-2,4,6) をメシチル基 (mesityl group) と呼び、立体障害を持つ置換基として用いられる。

位置異性体

メシチレンの位置異性体にあたるトリメチルベンゼンのうち、1,2,3-トリメチルベンゼンにはヘミメリテン (hemimellitene)、1,2,4-トリメチルベンゼンにはプソイドクメンあるいはシュードクメン (pseudocumene) という慣用名がある。

参考文献

  1. ^ Adams, R.; Hufferd, R. W. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 341 (1941); Vol. 2, p.41 (1922). オンライン版