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'''エアパワー'''(Air power)とは[[国家]]が持つ航空の能力である。エアーパワー、エア・パワー、航空宇宙力(Aero-Space Power)とも表記する。 |
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米陸軍准将[[ウィリアム・ミッチェル]](William Michel)によって初めて提唱され、[[ランドパワー]]や[[シーパワー]]と並ぶ第三の力としてエアパワーと名づけた。 |
エアパワーは国家が保有する潜在的、顕在的な航空に関する力の総称である。米陸軍准将[[ウィリアム・ミッチェル]](William Michel)によって初めて概念として提唱され、[[ランドパワー]]や[[シーパワー]]と並ぶ第三の力としてエアパワーと名づけた。その内容は純粋に軍事的な能力である航空戦力、[[空軍力]]だけではなく、航空関連の企業や組織、[[空港]]、[[航空機]]の研究開発、航空機の[[生産]]能力、[[パイロット]]や技術者の能力、[[国家]]の航空関係の政策、国民の理解と支援などを包括するものである。また[[人工衛星]]や[[ミサイル]]技術の発展により近年で宇宙にまでその範囲を拡大しつつあるために航空宇宙力とも呼ばれる。<ref>防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)195項</ref> |
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エアパワーは空中において運用される能力であるため、陸海における権力とは本質的に特性が異なっており、地形の制約を殆ど受けないために世界中どこへでも迅速に展開することが可能である。つまりエアパワーはランドパワーやシーパワーと比較して速度、範囲、機動性、突破・打撃能力が圧倒的であり、現代の軍事力の主要な構成要素であると考えられている。<ref>防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)196項―197項</ref>また強力なエアパワーは航空産業、引いては工業へのスピンオフによる国力全体への派生効果が期待できる。<ref>石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年)22項―23項</ref> |
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ただしエアパワーには欠点も認められる。これは航空機というエアパワーの根幹である[[航空機]]が空中に存在するものであるために、隠密行動が困難であり、また金属素材で製造されるために[[レーダー]]に発見され易く、また極めて高価な[[兵器]]であるために調達や維持管理の上でも保有機体数が制限される。しかも[[ミサイル]]などを被弾すれば[[ダメージコントロール]]をすることも出来ず、また被弾しなくても[[航空戦]]で激しい[[マニューバ|運動]]による燃料切れなどで、墜落する危険性がある。さらに離着陸には[[滑走路]]や航空管制施設などの大規模な支援施設が必要であり、これを担う人材の教育訓練も一朝一夕に達成できるものではない。<ref>石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年)21項</ref> |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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*防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年) |
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*石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年) |
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== 関連項目 == |
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*[[空軍]] - [[航空作戦]] |
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*[[軍事力]] - [[ランドパワー]] - [[シーパワー]] |
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* [[空軍]] [[軍用機]] [[戦闘機]] [[爆撃機]] [[攻撃機]] [[ミサイル]] [[人工衛星]] |
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* [[国土交通省]] [[空港]] |
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* [[地政学]] [[シーパワー]] [[空軍力]] |
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2007年6月25日 (月) 10:45時点における版
エアパワー(Air power)とは国家が持つ航空の能力である。エアーパワー、エア・パワー、航空宇宙力(Aero-Space Power)とも表記する。
概説
エアパワーは国家が保有する潜在的、顕在的な航空に関する力の総称である。米陸軍准将ウィリアム・ミッチェル(William Michel)によって初めて概念として提唱され、ランドパワーやシーパワーと並ぶ第三の力としてエアパワーと名づけた。その内容は純粋に軍事的な能力である航空戦力、空軍力だけではなく、航空関連の企業や組織、空港、航空機の研究開発、航空機の生産能力、パイロットや技術者の能力、国家の航空関係の政策、国民の理解と支援などを包括するものである。また人工衛星やミサイル技術の発展により近年で宇宙にまでその範囲を拡大しつつあるために航空宇宙力とも呼ばれる。[1]
歴史
特性
エアパワーは空中において運用される能力であるため、陸海における権力とは本質的に特性が異なっており、地形の制約を殆ど受けないために世界中どこへでも迅速に展開することが可能である。つまりエアパワーはランドパワーやシーパワーと比較して速度、範囲、機動性、突破・打撃能力が圧倒的であり、現代の軍事力の主要な構成要素であると考えられている。[2]また強力なエアパワーは航空産業、引いては工業へのスピンオフによる国力全体への派生効果が期待できる。[3]
ただしエアパワーには欠点も認められる。これは航空機というエアパワーの根幹である航空機が空中に存在するものであるために、隠密行動が困難であり、また金属素材で製造されるためにレーダーに発見され易く、また極めて高価な兵器であるために調達や維持管理の上でも保有機体数が制限される。しかもミサイルなどを被弾すればダメージコントロールをすることも出来ず、また被弾しなくても航空戦で激しい運動による燃料切れなどで、墜落する危険性がある。さらに離着陸には滑走路や航空管制施設などの大規模な支援施設が必要であり、これを担う人材の教育訓練も一朝一夕に達成できるものではない。[4]
脚注
- ^ 防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)195項
- ^ 防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)196項―197項
- ^ 石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年)22項―23項
- ^ 石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年)21項
参考文献
- 防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)
- 石津朋之、ウィリアムソン・マーレー編『21世紀のエア・パワー 日本の安全保障を考える』(芙蓉書房出版、2006年)