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'''セレノプロテインP'''は、分子中に[[セレノシステイン]]を含む[[タンパク質]]である。[[血液]]中に見つかる主要な[[セレン (元素)|セレン]]化合物であり、セレノプロテインPのPは[[血漿]]('''p'''lasma)のPに由来する。
'''セレノプロテインP'''は、分子中に[[セレノシステイン]]を含む[[タンパク質]]である。[[血液]]中に見つかる主要な[[セレン]]化合物であり、セレノプロテインPのPは[[血漿]]('''p'''lasma)のPに由来する。


セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードする[[コドン]]が終始コドンと同一であるため、[[メッセンジャーRNA]]からタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。
セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードする[[コドン]]が終始コドンと同一であるため、[[メッセンジャーRNA]]からタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。

2007年5月25日 (金) 12:09時点における版

セレノプロテインPは、分子中にセレノシステインを含むタンパク質である。血液中に見つかる主要なセレン化合物であり、セレノプロテインPのPは血漿plasma)のPに由来する。

セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードするコドンが終始コドンと同一であるため、メッセンジャーRNAからタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。

血液中に見つかるセレノプロテインPは、ほぼ肝臓で合成されると考えられており、役割はセレンの末梢臓器(特におよび精巣)への輸送、あるいは貯蔵に関与していると見られるが、全容の解明には至っていない。また、活性酸素を消去するとの報告もあり、活性酸素の消去をセレノプロテインPの役割とする研究者もいる。