「クイックディスク」の版間の差分

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==特徴==
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同心円状に多数のトラックがある[[フロッピーディスク]]と違い、クイックディスクには、[[レコード|アナログレコード]]の溝のように、渦巻状のトラックが1本だけ存在する。発表当時パーソナルユースでの補助記憶装置として主流だった[[データレコーダ]]のテープメディアを、そのままディスク状にしたようなものと言えるだろう。
同心円状に多数のトラックがある[[フロッピーディスク]]と違い、クイックディスクには、[[レコード|アナログレコード]]の溝のように、渦巻状のトラックが1本だけ存在する。発表当時パーソナルユースでの補助記憶装置として主流だった[[データレコーダ]]の[[磁気テープ|テープメディア]]を、そのままディスク状にしたようなものと言えるだろう。


クイックディスクでは、片面全部を順に一気に読み出しまたは書き込みする[[シーケンシャルアクセス]]のみが可能で、任意部分への[[ランダムアクセス]]は基本的に不可能である。これは、ドライブの機構が[[フロッピーディスク]]に比べて単純化されており、ヘッドは片面全域をなめる「スイープ」しか行えず、「[[シーク]]」ができないためである。しかしながら、片面すべてを読み出しまたは書き込みするのに8秒しかかからないので、64キロバイトの[[Dynamic Random Access Memory|DRAM]]を併用すれば、読み出し→RAM上でのランダムアクセス→書き込みという順序を踏むことで、擬似的にランダムアクセスを実現することが出来る。
クイックディスクでは、片面全部を順に一気に読み出しまたは書き込みする[[シーケンシャルアクセス]]のみが可能で、任意部分への[[ランダムアクセス]]は基本的に不可能である。これは、ドライブの機構が[[フロッピーディスク]]に比べて単純化されており、ヘッドは片面全域をなめる「スイープ」しか行えず、「[[シーク]]」ができないためである。しかしながら、片面すべてを読み出しまたは書き込みするのに8秒しかかからないので、64キロバイトの[[Dynamic Random Access Memory|DRAM]]を併用すれば、読み出し→RAM上でのランダムアクセス→書き込みという順序を踏むことで、擬似的にランダムアクセスを実現することが出来る。

2007年4月1日 (日) 07:41時点における版

クイックディスク (QD, Quick Disk) は磁気ディスクの一種。 ドライブをミツミ電機が、メディアを日立マクセルが開発した。

容量は片面64キロバイト、両面128キロバイト。

特徴

同心円状に多数のトラックがあるフロッピーディスクと違い、クイックディスクには、アナログレコードの溝のように、渦巻状のトラックが1本だけ存在する。発表当時パーソナルユースでの補助記憶装置として主流だったデータレコーダテープメディアを、そのままディスク状にしたようなものと言えるだろう。

クイックディスクでは、片面全部を順に一気に読み出しまたは書き込みするシーケンシャルアクセスのみが可能で、任意部分へのランダムアクセスは基本的に不可能である。これは、ドライブの機構がフロッピーディスクに比べて単純化されており、ヘッドは片面全域をなめる「スイープ」しか行えず、「シーク」ができないためである。しかしながら、片面すべてを読み出しまたは書き込みするのに8秒しかかからないので、64キロバイトのDRAMを併用すれば、読み出し→RAM上でのランダムアクセス→書き込みという順序を踏むことで、擬似的にランダムアクセスを実現することが出来る。

ライトプロテクトはツメを折り取ることにより行う。

採用システム

ファミリーコンピュータディスクカード

パソコンではシャープ MZ-1500が内蔵ドライブを有し、MZ-700用、MZ-2000/2200用に外部ドライブが発売された。MSX用としてはLogitecCASIOブランドで外部ドライブが発売された。MIDI機材ではヤマハローランドKORGAKAIの音源、シンセサイザーサンプラーシーケンサ、データファイラ等がある。日本語ワードプロセッサーのデータ保存用にシャープ、カシオ計算機キヤノンが採用した。

また特殊な採用例として、任天堂 ファミリーコンピュータディスクシステムに、違法コピーを防ぐために部分的に仕様を変更した上で「ファミリーコンピュータディスクカード」の名称で採用がある。ディスクカードはジャケットの寸法の他はクイックディスクと内部構造に違いが無かったため、当時は多くの模造品が発売された。