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'''ロードランナー'''('''Road Runner''')は[[クライスラー]]の[[プリムス (自動車)|プリムス]]ブランドから販売された[[自動車]]である。当時ブームに乗って高級化して行ったマッスルカーを、若年層を呼び戻すために徹底したコスト削減を行い販売価格を安価な設定に戻したことが特徴であった。
'''ロードランナー'''(''Road Runner'' )は、クライスラー([[フィアット・クライスラー・オートモービルズ]]の[[プリムス (自動車)|プリムス]]ブランドから販売された[[乗用車]]である。当時ブームに乗って高級化して行ったマッスルカーを、若年層を呼び戻すために徹底したコスト削減を行い販売価格を安価な設定に戻したことが特徴であった。


==概要==
== 概要 ==
1960年代後半、当時ブームとなっていたマッスルカー達は本来比較的安価な価格設定であったが、多くのオプションが追加されることで高級、高価格となっていき、それぞれのルーツとなった車から独立していった。それに伴い、マッスルカーは若年層には手の届かない存在へと変貌を遂げつつあった。プリムスはGTXというハイパフォーマンス車をラインナップしていたが、ブランドカラーからは外れた価格帯であり、そのため販売が伸び悩んでいた。プリムスは若者向けに400mを14秒の速さで走ることができ、3000ドルより安価な価格で販売できる車を欲していた。彼らは基本に戻って独創的なスポーツカー概念を生まれ変わらせることに決めた。
1960年代後半、当時ブームとなっていたマッスルカー達は本来比較的安価な価格設定であったが、多くのオプションが追加されることで高級、高価格となっていき、それぞれのルーツとなった車から独立していった。それに伴い、マッスルカーは若年層には手の届かない存在へと変貌を遂げつつあった。プリムスはGTXというハイパフォーマンス車をラインナップしていたが、ブランドカラーからは外れた価格帯であり、そのため販売が伸び悩んでいた。プリムスは若者向けに400mを14秒の速さで走ることができ、3,000ドルより安価な価格で販売できる車を欲していた。彼らは基本に戻って独創的なスポーツカー概念を生まれ変わらせることに決めた。


このような経緯を経て誕生したのがロードランナーであった。プリムス内での位置づけとしてはハイエンドモデルの[[プリムス・ベルヴェデア|ベルヴェデア]]とエントリーモデルの[[プリムス・サテライト|サテライト]]の間を埋めるマッスルカーとして企画された。
このような経緯を経て誕生したのがロードランナーであった。プリムス内での位置づけとしてはハイエンドモデルの[[プリムス・ベルヴェデア|ベルヴェデア]]とエントリーモデルの[[プリムス・サテライト|サテライト]]の間を埋めるマッスルカーとして企画された。
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しかしオイルショック等を経てマッスルカーブームが沈静化すると淘汰されていき、最終的にロードランナーは単なるパッケージ・オプションとなり、1980年代初頭にはラインナップから消えた。
しかしオイルショック等を経てマッスルカーブームが沈静化すると淘汰されていき、最終的にロードランナーは単なるパッケージ・オプションとなり、1980年代初頭にはラインナップから消えた。


== 初代(1968年-1970年) ==
== 初代(1968年-1970年 ==
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| 1枚目画像の説明=1969年型
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[[1970年]]の年次更新では、外観が小変更された。新しいフロント・エンドとリア・エンドは、基本的な[[1969年]]のボディ維持したままとなっており、これはデザインが一つの成功であったことがわかる。[[1970年]]のロードランナーとGTXは変わらず魅力的で人気な車であり続け、エンジンラインアップは、不変のままにされた。
[[1970年]]の年次更新では、外観が小変更された。新しいフロント・エンドとリア・エンドは、基本的な[[1969年]]のボディ維持したままとなっており、これはデザインが一つの成功であったことがわかる。[[1970年]]のロードランナーとGTXは変わらず魅力的で人気な車であり続け、エンジンラインアップは、不変のままにされた。


== 2代目(1971年-1975年 ==
== スーパーバード(1970年) ==
[[File:SUperbirdEyes.jpg|thumb|300px|right|スーパーバード]]
[[NASCAR]]ホモロゲーション向けに、FRP製延長ノーズと専用フェイス「シャーク・ノーズ」(ウインドピアシング・ノーズとも呼ばれる)、高さ70cmのアルミ製超大型リアウィング「ゴールポスト・ウィング」等を装着したロードランナーが'''スーパーバード'''として販売された。この独創的なボディを手がけたのは[[ミシガン州|ミシガン]]にあるクリエイティブ・インダストリーで、やはりゴールポスト・ウィングにはロードランナーのキャラクターが描かれている。大型のフロントノーズはロードランナーのフェンダーには装着できなかったため、フェンダー部分には[[ダッジ・コロネット]]のものを流用している。ゴールポスト・ウイングは整流のための角度が調節可能であった。スーパーバードの兄弟車として、[[ダッジ・チャージャー#初代(B-Body 時代 / 1966-1978年|ダッジ・チャージャー・デイトナ]]がある。

1970年、プリムスのレースチームに復帰した[[リチャード・ペティ]]がスーパーバードでNASCAR
のグランドナショナルクラス・レースに参戦し、8勝した。その車両は「リチャード・ペティ・ミュージアム{{enlink|Richard Petty Museum}}」に展示されている。また、2006年の[[ピクサー・アニメーション・スタジオ|ピクサー]]映画『[[カーズ (映画)|カーズ]]』において、この車両のキャラクターが「キング(ストリップ・ウェザース)」の名前とリチャード・ペティ本人の声で登場する。

== 2代目(1971年-1975年) ==
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[[1972年]]以後、440Cuiエンジンの4速車は、製造されなかった。400は4速で提供される最大のエンジンで、340Cui([[1973年]])と360Cui([[1974年]])エンジンを搭載することも可能であった。440は[[1973年]]と[[1974年]]にまだ搭載できたが、727台のオートマチック車と組み合わされた。
[[1972年]]以後、440Cuiエンジンの4速車は、製造されなかった。400は4速で提供される最大のエンジンで、340Cui([[1973年]])と360Cui([[1974年]])エンジンを搭載することも可能であった。440は[[1973年]]と[[1974年]]にまだ搭載できたが、727台のオートマチック車と組み合わされた。


== 3代目(1975年-1976年) ==
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| 車名 = プリムス・ロードランナー(3代目)
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[[1975年]]モデルは、新しく設計されたよりフォーマルな外観のB-ボディのモデルである[[プリムス・フューリー|フューリー]]をベースとした。
[[1975年]]モデルは、新しく設計されたよりフォーマルな外観のB-ボディのモデルである[[プリムス・フューリー|フューリー]]をベースとした。
当時選択できた最大のエンジンは、その時400(デュアルエグゾーストが廃止されて、190馬力)であった。このプリムス最強のエンジン(440)は、警察モデル用に販売が制限された。ベースモデルはやがて[[プリムス・サテライト|サテライト]]から[[プリムス・フューリー|フューリー]]に変わったが、ロードランナーはB-ボディのままであった。
当時選択できた最大のエンジンは、その時400(デュアルエグゾーストが廃止されて、190馬力)であった。このプリムス最強のエンジン(440)は、警察モデル用に販売が制限された。ベースモデルはやがて[[プリムス・サテライト|サテライト]]から[[プリムス・フューリー|フューリー]]に変わったが、ロードランナーはB-ボディのままであった。
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== 3代目(1976年-1980年) ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commonscat|Plymouth Road Runner}}
*[[クライスラー]]
*[[プリム (自動車)]]
* [[クライラー]]
*[[プリムス・サテライト]]
* [[プリムス (自動車)]]
* [[プリムス・サテライト]]
* [[プリムス・スーパーバード]] - 派生車

== 外部リンク ==
* [https://quatrorodas.abril.com.br/noticias/plymouth-road-runner-o-papa-leguas/ Quatro Rodas] ''in portuguese''


{{自動車}}
{{自動車}}

2021年3月29日 (月) 23:17時点における版

ロードランナーRoad Runner )は、クライスラー(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のプリムスブランドから販売された乗用車である。当時ブームに乗って高級化して行ったマッスルカーを、若年層を呼び戻すために徹底したコスト削減を行い販売価格を安価な設定に戻したことが特徴であった。

概要

1960年代後半、当時ブームとなっていたマッスルカー達は本来比較的安価な価格設定であったが、多くのオプションが追加されることで高級、高価格となっていき、それぞれのルーツとなった車から独立していった。それに伴い、マッスルカーは若年層には手の届かない存在へと変貌を遂げつつあった。プリムスはGTXというハイパフォーマンス車をラインナップしていたが、ブランドカラーからは外れた価格帯であり、そのため販売が伸び悩んでいた。プリムスは若者向けに400mを14秒の速さで走ることができ、3,000ドルより安価な価格で販売できる車を欲していた。彼らは基本に戻って独創的なスポーツカー概念を生まれ変わらせることに決めた。

このような経緯を経て誕生したのがロードランナーであった。プリムス内での位置づけとしてはハイエンドモデルのベルヴェデアとエントリーモデルのサテライトの間を埋めるマッスルカーとして企画された。

徹底したコスト削減を行い、ベースモデルで2,980ドルという価格で販売されたロードランナーは目論見どおり大ヒットした。ロードランナーの成功はより高級なGTXをも追い越し、やがてプリムスのラインナップに混乱を起こさせることとなる。 しかしオイルショック等を経てマッスルカーブームが沈静化すると淘汰されていき、最終的にロードランナーは単なるパッケージ・オプションとなり、1980年代初頭にはラインナップから消えた。

初代(1968年-1970年)

プリムス・ロードランナー(初代)
1969年型
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 1968年–1970年
ボディ
乗車定員 6名
ボディタイプ 2ドアクーペ
2ドアハードトップ
2ドアコンバーチブル
駆動方式 FR
プラットフォーム クライスラー・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 6.3L V8 OHV
7.0L V8 OHVHemi
最高出力 335ps/5,200rpm(383Cui)
390ps/4,700rpm(440-6)
431ps/5,000rpm(426Hemi)
最大トルク 43.3kg-m/3,400rpm(383Cui)
66.3kg-m/3,200rpm(440-6)
67.7kg-m/4,000rpm(426Hemi)
変速機 3AT/4MT
前:ダブルウィッシュボーン
後:半楕円リーフ
前:ダブルウィッシュボーン
後:半楕円リーフ
車両寸法
ホイールベース 2,946mm
全長 5,232mm
全幅 2,009mm
全高 1,326mm
テンプレートを表示

ロードランナーは1964年にコンセプトカーを発表、市販モデルが1968年に誕生した。ボディについてはコンセプトカーの時点ではハードトップのルーフをカットしたような形状のコンバーチブル・モデルであったが、市販モデルはクーペ、ハードトップとなった。ベースとなったB-プラットホームは、基本に戻ってマッスルカーを造るために用意したものであったが、ベルヴェデアサテライトGTXと同じであり、その素性は確かなものであった。

マッスルカーにとって必須用件であるパフォーマンスと走安性に必要なサスペンションなどの部位はすべて強化され、性能は大きく向上していた。一方で、走りに影響しない部分はほとんどが無視された。パワーステアリング、パワーブレーキは装備されず、またインテリアにおいてはカーペットさえなく、内部は質素であった。しかし、これらの装備は標準では用意されていないだけであり、ほとんどがオプションを追加することで利用することができた。

プリムスは車名にちなみ、ワーナー・ブラザースに50,000ドルを支払い、ルーニー・テューンズのキャラクター「ロードランナー」をマスコットに採用しコラボレーションした。それと同時に、漫画で登場したキャラクターの鳴き声「ミッミッ(Beep Beep)」を模倣したホーン(クラクション)を標準装備として使う契約をした。発売時に流れたCMはワーナー製作のアニメーションであった。

簡素な構成のロードランナーであったがエンジンだけは豪華で、標準モデルでは383キュービックインチ(cui)(6.3L)スーパーコマンドV8が用意された。 さらに追加オプションで714ドル払えば、426cuiヘミエンジンを選択することもできた。低重心な構成と相まって、6人乗りのロードランナーは1/4マイルを169km/h、13.4秒で走行することができた。これは当時のマッスルカーにおいて、ロードランナーが最適なエンジン、プラットホームの組み合わせを達成した1台であることを証明している。 プリムスは、1968年におよそ2,000台の販売を予想していたが、安価な設定とそのパフォーマンスから実際の売上はおよそ5,000台を数え大きなヒットとなった。

1969年モデルは、基本的な外観を保ちながらわずかに変化が加えられた。年次更新とともに、ロードランナーにコンバーチブル・オプションが新たに設定された。しかし、コンバーチブルの生産台数はわずか2000台に留まり、さらにオプションのヘミエンジンを選択したのはその内たったの9台であった。383Cuiエンジンがロードランナーの標準設定とされたまま、オプションとして新たに440cuiエンジンに3つの2バレル・キャブレター追加した「440-6バレル」がこの年の中頃、ラインナップに加えられた。ヘミよりも安価なエンジンを搭載したこの6バレル・ロードランナーは、非常に質素な構成でホイールカバーもホイールキャップも取り付けられていなかった。しかしその440エンジンは390馬力を生じ、コストパフォーマンスは相対的に良好であった。安価な440cuiの6バレルはパフォーマンス特性には大きな違いがあるものの、426cuiのヘミエンジンと、少なくともハイウェイの巡航速度ではほとんど同じくらい速かった。

1970年の年次更新では、外観が小変更された。新しいフロント・エンドとリア・エンドは、基本的な1969年のボディ維持したままとなっており、これはデザインが一つの成功であったことがわかる。1970年のロードランナーとGTXは変わらず魅力的で人気な車であり続け、エンジンラインアップは、不変のままにされた。

2代目(1971年-1975年)

プリムス・ロードランナー(2代目)
A&W St. Leonard
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 1971年–1975年
ボディ
乗車定員 6名
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 FR
プラットフォーム クライスラー・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 318Cui:5.2L V8 OHV
340Cui:5.6L V8 OHV
383Cui:6.3L V8 OHV
400Cui:6.6L V8 OHV
426Cui:7.0L V8 OHVHemi
440-6pix:7.2L V8 OHV
最高出力 340Cui:240hp
400Cui:255hp
426Cui:425hp
440-6pix:330hp
変速機 3AT/4MT
前:ダブルウィッシュボーン
後:半楕円リーフ
前:ダブルウィッシュボーン
後:半楕円リーフ
車両寸法
ホイールベース 2,921mm
全長 5,161mm
テンプレートを表示

1971年、ロードランナーはモデルチェンジする。クーペの車体は、急傾斜で傾斜したフロントガラス、隠れたカウルと深いフロント・グリルとヘッドライトを含め、当時のクライスラー・スタイルのトレンドに合わせてより丸いボディデザインに変えられた。また、2ドアハードトップとコンバーチブルは廃止された。モデルチェンジしたロードランナーは前のモデルのようなパフォーマンスを持った車ではなく、また、新しく制定された排気ガス規則のため大きなパワーダウンを余儀なくされた。

1972年モデルは、小変更が行われただけで、1971年モデルとほとんど同一であった。グリルはジェットエンジン吸気口のようなデザインとなり、テールライトは丸くなり、グリルの新しいエアロダイナミクスな外観にマッチするよう、より高い位置にされた。1971年モデルとの大きな違いは、エンジンであった。ビッグ・ブロック383Cuiバージョン、当初オプションであったスモール・ブロック340バージョンが、ラージ・ボア400と乗せ換えられた。また、初めて、4バレルのキャブレター付き440CIDエンジンが搭載可能となった。このエンジンは、GTXパッケージとして、1972年から1974年までロードランナーで利用可能であった。しかしこれら全てのエンジンの実力は、新しいSAEネット測定システムでは非常に低いパワーとして計測された。ロードランナーを象徴していた426ヘミ1972年に搭載が中止された。そして、5台の440-6バレルエンジンが生産された。

1973年-1974年のモデルは、デザインの小変更が行われ、ボンネットの前方に突出するフロント・フェンダーでスタイリングであった。1973年-1974年モデルのベースエンジンは、クライスラー318CID-V8となったが、デュアル・エグゾーストは、まだ標準装備であった。車重に対してエンジンのパワーが大きく劣っており、このエンジンを搭載したロードランナーの1/4マイルのタイムラップは、もはやマッスルカーの地位からはかけ離れたものであった。 1972年以後、440Cuiエンジンの4速車は、製造されなかった。400は4速で提供される最大のエンジンで、340Cui(1973年)と360Cui(1974年)エンジンを搭載することも可能であった。440は1973年1974年にまだ搭載できたが、727台のオートマチック車と組み合わされた。

3代目(1975年-1976年)

プリムス・ロードランナー(3代目)
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国セントルイス
販売期間 1975年 - 1976年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン V8 5.2L
V8 5.9L
V8 6.6L
V8 7.2L
変速機 3速MT
3速AT
車両寸法
ホイールベース 2,921 mm
全長 5,431 mm
全幅 1,966 mm
全高 1,336 mm
車両重量 1,588 kg
その他
生産台数 7,183台
テンプレートを表示

1975年モデルは、新しく設計されたよりフォーマルな外観のB-ボディのモデルであるフューリーをベースとした。 当時選択できた最大のエンジンは、その時400(デュアルエグゾーストが廃止されて、190馬力)であった。このプリムス最強のエンジン(440)は、警察モデル用に販売が制限された。ベースモデルはやがてサテライトからフューリーに変わったが、ロードランナーはB-ボディのままであった。

4代目(1976年-1980年)

プリムス・ロードランナー(4代目)
後期型
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 1976年 - 1980年
ボディ
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 FR
プラットフォーム クライスラー・Fプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 198Cui:(3.2 L) RG Slant-6 L6
225Cui:(3.7 L) RG Slant-6 L6
318Cui:(5.2 L) LA V8
340Cui(5.6 L) LA V8
360Cui:(5.9 L) LA V8
最高出力 198Cui:95hp/4,000rpm
225Cui:105hp/4,000rpm
318Cui:145hp/4,000rpm
340Cui:275hp/5,000rpm
360Cui:200hp/4,400rpm
車両寸法
ホイールベース 2,761 mm
全長 5,050mm
全幅 1,862mm
全高 1,354mm
車両重量 1,500kg
テンプレートを表示

1976年にロードランナーはモデルチェンジを果たしたが、従来より小型なA-ボディのヴァリアント/ダスター・シリーズの2ドアモデル版として切り替えられた。ベースはヴォラーレで、使用されていたプラットフォームはF-プラットホームであった。姉妹車にはダッジ・アスペンがいる。だが、結局モデルチェンジしたロードランナーはベースとなったヴォラーレと全く同一のボディであり、ヴォラーレの小奇麗なグラフィックスパッケージという位置付けにすぎなかった。しかしサスペンション等の多くのパーツはヴァリアントの警察パッケージから流用されたことで、パフォーマンスは差別化された。

エンジンラインナップは先代までと同様幅広かったが、145馬力の318Cid-V8が普及帯のエンジンであった。360Cuiエンジンはオプションとして提供されたが、3速オートマチックと組み合わされただけであった。そのため360Cuiのパワードモデルは潜在的には立派なパフォーマーであったが、ラインナップ全体としてのパフォーマンスは抑え続けられ、ついに1979年までに225-Cui(スラント6)が標準となった。結局ロードランナーはヴォラーレと統合されて車種整理された後、1980年の製造中止までヴォラーレのグレードの一部として存続し続けた。

関連項目

外部リンク