「機動戦士ガンダムUCの登場兵器」の版間の差分

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'''機動戦士ガンダムUCの登場兵器'''(きどうせんしガンダムユニコーンのとうじょうへいき)では、小説『[[機動戦士ガンダムUC]]』と、その[[アニメ]]化作品([[機動戦士ガンダムUC#OVA|OVA]]および[[機動戦士ガンダムUC#テレビシリーズ|テレビシリーズ]])漫画化作品『[[機動戦士ガンダムUC#漫画|バンデシネ]]』、その他の『ガンダムUC』のタイトルを冠する漫画、ゲーム、映像作品等に登場する[[モビルスーツ]] (以下'''MS''') 、[[モビルアーマー]] (以下'''MA''')、艦船などの架空の兵器について解説する(一部「兵器」以外のメカニックについても記述する)
'''機動戦士ガンダムUCの登場兵器'''(きどうせんしガンダムユニコーンのとうじょうへいき)では、小説『[[機動戦士ガンダムUC]]』と、これを原作とするアニメ{{Sfn|AV Watch|2009}}([[機動戦士ガンダムUC#OVA|OVA]]および[[機動戦士ガンダムUC#テレビシリーズ|テレビシリーズ]])漫画『[[機動戦士ガンダムUC#漫画|機動戦士ガンダムUC バンデシネ]]』に登場する'''[[モビルスーツ]]''' (MS) 、'''[[モビルアーマー]]''' (MA) および艦船などの架空の兵器について解説する(一部「兵器」以外のメカニックについても記述する)


== 民間 ==
なお「[[ユニコーンガンダム]]」のように解説が別記事にあるものについては、本記事では詳細を省略する。
=== ユニコーンガンダム ===
本作の主役機。[[アナハイム・エレクトロニクス]] (AE) 社が開発した、フル・[[サイコフレーム]]MS。
{{See|ユニコーンガンダム}}


=== シルヴァ・バレト ===
== 本記事で扱う作品について ==
ネオ・ジオン軍の[[ドーベン・ウルフ]]を、AE社が改修した機体。
『機動戦士ガンダムUC』は、原作小説やアニメ版([[機動戦士ガンダムUC#OVA|OVA]]および[[機動戦士ガンダムUC#テレビシリーズ|テレビシリーズ]])、漫画版(『バンデシネ』)など、発表媒介で登場するMSに違いがあるため、機体によっては登場メディアを記述する。
{{See|ドーベン・ウルフ#シルヴァ・バレト}}


所属勢力はOVA版『機動戦士ガンダムUC』公式サイトでの分類<ref name="uc_mecha">[http://www.gundam-unicorn.net/ova/ms/ MS/MECHANIC] - 機動戦士ガンダムUC</ref>に準じる。

後述の『[[#UC-MSV|UC-MSV]]』、『[[#『ラスト・サン』登場兵器|機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』の登場兵器についても、一部本記事で記載する。

== 民間 ==
=== トロハチ ===
=== トロハチ ===
[[機動戦士ガンダムUC#バナージ・リンクス|バナージ・リンクス]]が物語序盤で使用した非武装のプチモビルスーツ式番号:TOLRO-800)
[[機動戦士ガンダムUC#バナージ・リンクス|バナージ・リンクス]]が物語序盤で使用した非武装のプチモビルスーツ(式番号:'''TOLRO-800''')。[[宇宙世紀の企業#トルロ|トルロ]]社が開発した[[宇宙世紀]]0096年当時の最新型で、一人乗りの作業用機種。「トロハチ」は広く定着している愛称である。

トルロ社が開発した最新型で、一人乗りの作業用機種。「トロハチ」は広く定着している愛称で、正式名称は「トルロ社製プチモビルスーツ TOLRO-800型」と呼ばれる。


; 劇中での活躍
; 劇中での活躍
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=== メガラニカ ===
=== メガラニカ ===
[[アナハイム・エレクトロニクス]]が所有する工業コロニー「インダストリアル7」の建造を行っているコロニービルダー。首を伸ばした巻き貝のような形状から「[[カタツムリ]]」という通称でも呼ばれるが、正体は「ラプラスの箱」が開示されるその時に備え、[[機動戦士ガンダムUC#サイアム・ビスト|サイアム・ビスト]]が直属組織により極秘裏に木星開発用のベース・シップを改造した<ref>『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル』第34号,p. 32</ref>、[[ビスト財団]]が実質私有する「超巨大航宙戦艦」である。
[[アナハイム・エレクトロニクス]] (AE) 社が所有する工業コロニー「インダストリアル7」の建造を行っているコロニービルダー。首を伸ばした巻き貝のような形状から「[[カタツムリ]]」という通称でも呼ばれるが、正体は「ラプラスの箱」が開示されるその時に備え、[[機動戦士ガンダムUC#サイアム・ビスト|サイアム・ビスト]]が直属組織により極秘裏に木星開発用のベース・シップを改造した{{Sfn|週刊MSバイブル34|2020|p=32}}、[[ビスト財団]]が実質私有する「超巨大航宙戦艦」である。

ビスト財団の私有地でもありアナハイム社の設備も持つという地理を利用する形で、秘密裏にユニコーンガンダムの開発が行われた。同時に「ラプラスの箱」の秘匿場所でもあり、物語の出発点と終着点となる。「ラプラスの箱」開放に備え、巨大宇宙戦艦と呼べるだけの絶対的な防衛戦力を誇り、外周部に吸着された資源用の岩塊内に多数の武装を隠し持ち、それらすべての武装を暴露したメガラニカの火力は地球圏最強<ref>『機動戦士ガンダムUC パーフェクトガイド』角川書店、2009年8月20日、98頁。ISBN 978-4-048-54388-0。</ref>を誇る。また、「ラプラスの箱」開放のために地球圏の主要メディアへの介入を可能とする放送設備と、惑星間航行を可能とする強力な核パルスエンジンを備えている。


ビスト財団の私有地でもありAE社の設備ももつという地理を利用する形で、秘密裏にユニコーンガンダムの開発が行われた。同時に「ラプラスの箱」の秘匿場所でもあり、物語の出発点と終着点となる。「ラプラスの箱」開放に備え、巨大宇宙戦艦と呼べるだけの絶対的な防衛戦力を誇り、外周部に吸着された資源用の岩塊内に多数の武装を隠し持ち、それらすべての武装を暴露したメガラニカの火力は地球圏最強{{Sfn|UCパーフェクトガイド|2009|p=98}}を誇る。また、「ラプラスの箱」開放のために地球圏の主要メディアへの介入を可能とする放送設備と、惑星間航行を可能とする強力な核パルスエンジンを備えている。
「ラプラス事変」最終盤においてネオ・ジオングの侵攻を受け、居住区の外壁が破壊されてしまった<ref>『ガンダム・モビルスーツ・バイブル』第34号、デアゴスティーニ・ジャパン、2020年1月7日、32頁。</ref>が、ミネバ・ラオ・ザビによる「ラプラス宣言」を地球圏へ向けて発信し、中立地帯を目指して航行を開始した。


「ラプラス事変」最終盤においてネオ・ジオングの侵攻を受け、居住区の外壁が破壊されるが{{Sfn|週刊MSバイブル34|2020|p=32}}、ミネバ・ラオ・ザビによる「ラプラス宣言」を地球圏へ向けて発信し、中立地帯を目指して航行を開始した。
=== その他の登場兵器(民間) ===
詳細が他記事に存在するものは以下に列挙する。
; ユニコーンガンダム
: 『機動戦士ガンダムUC』本編の主役機。主人公の少年バナージ・リンクスが搭乗する、「ラプラスの箱」の“鍵”になると言われる白いモビルスーツ。バナージと共に様々な陣営を転々とする。
: 最終決戦では、武装を強化した「[[ユニコーンガンダム#フルアーマー・ユニコーンガンダム|フルアーマー・ユニコーンガンダム]]」に換装される。
: {{see|ユニコーンガンダム#1号機}}
; シルヴァ・バレト
: 『UC』の漫画版となる『[[機動戦士ガンダムUC#漫画|バンデシネ]]』のためにデザインされたモビルスーツで、『UC-MSV』に分類されたのち、アニメ版にも登場した。ビスト財団の所有するモビルスーツとして登場する。{{see|ドーベン・ウルフ#シルヴァ・バレト}}
:; シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)
:: シルヴァ・バレト背部にジェネレーター内蔵式の有線式大型ファンネルを装備した試験機。{{see|ドーベン・ウルフ#シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)}}


== 地球連邦軍 ==
== 地球連邦軍 ==
作中の軍事勢力の一つ「[[地球連邦軍]]」にて運用される機体。
=== リゼル ===
=== リゼル ===
{{機動兵器
{{機動兵器
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[[リ・ガズィ]]と同じRGZ系列に連なる機体。『[[第二次ネオ・ジオン抗争|シャアの反乱]]』後、少数が量産、配備されている。
[[リ・ガズィ]]と同じRGZ系列に連なる機体。『[[第二次ネオ・ジオン抗争|シャアの反乱]]』後、少数が量産、配備されている。


[[Ζプラス#ΖプラスR型|ΖプラスR型]]やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、可変機構の弾力的運用を前提に、[[グリプス戦役]]時に廃案となった[[Ζガンダム#ΖII|ΖII]]の設計をリファインする形で量産化を成功させている。巡航形態は[[Ζガンダム]]と同様にウェイブライダー(WR)と呼ばれており<ref>小説『機動戦士ガンダムUC』での描写による。</ref>、上半身の変形機構はΖガンダムを踏襲するが、脚部やバックパックの変形や変化完了後のシルエットはΖIIと同様に[[メタス]]系の[[モビルアーマー|MA]]形態に近い。可変機構構造が比較的簡易なメタス系列を参考とし、内装の一部を[[ジェガン]]系列と統一化することにより、従来の可変機の多くが問題にしていた高コストゆえの生産性の低さをクリアしている。加えて、リミッターによる機体の限界性能の引き下げと新型OSによるコントロールサポートによってΖ系列機特有のピーキーな操作感も幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。しかし、熟練パイロットの一部ではリミッターを外して特有のピーキーな操縦性を好んだという逸話がある。
[[Ζプラス#ΖプラスR型|ΖプラスR型]]やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、可変機構の弾力的運用を前提に、[[グリプス戦役]]時に廃案となった[[Ζガンダム#ΖII|ΖII]]の設計をリファインする形で量産化を成功させている。巡航形態は[[Ζガンダム]]と同様にウェイブライダー(WR)と呼ばれており、上半身の変形機構はΖガンダムを踏襲するが、脚部やバックパックの変形や変化完了後のシルエットはΖIIと同様に[[メタス]]系の[[モビルアーマー|MA]]形態に近い。可変機構構造が比較的簡易なメタス系列を参考とし、内装の一部を[[ジェガン]]系列と統一化することにより、従来の可変機の多くが問題にしていた高コストゆえの生産性の低さをクリアしている。加えて、リミッターによる機体の限界性能の引き下げと新型OSによるコントロールサポートによってΖ系列機特有のピーキーな操作感も幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。しかし、熟練パイロットの一部ではリミッターを外して特有のピーキーな操縦性を好んだという逸話がある。


機体名は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー ('''Re'''fine '''Z'''eta Gundam '''E'''scort '''L'''eader)」の頭文字の略称「ReZEL」より。スラスター推力に余裕があり、エスコート・リーダーの名が示すようにバックパックにジェガンを牽引できるグリップが設けられており、[[サブフライトシステム]]としても運用できる。
機体名は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー ('''Re'''fine '''Z'''eta Gundam '''E'''scort '''L'''eader)」の頭文字の略称「ReZEL」より。スラスター推力に余裕があり、エスコート・リーダーの名が示すようにバックパックにジェガンを牽引できるグリップが設けられており、[[サブフライトシステム]]としても運用できる。


Ζ系列の機体でありながら、[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]やジェガンの系譜にも属する本格的な量産機であり、頭部エクステリアはいわゆるΖ系ガンダムフェイスではなく、多くの連邦軍量産機に見られるゴーグル式カメラアイを採用している。また、エースパイロット向けに性能を再調整した特別仕様機・C型(コマンダータイプ)があり、主に部隊の隊長機として運用される。こちらは推力のリミッター上限を高め<ref>リゼルC型(ゼネラル・レビル配備機)の記述では「リミッター上限を解除」とされている。</ref>、機体のフレーム構造の見直しが図られていて、各部のセンサーは通常機のレッドからグリーンに変更されている。[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ドゴス・ギア|ドゴス・ギア級戦艦]]「[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ゼネラル・レビル|ゼネラル・レビル]]」に配備された機体は全機C型となっている(グレー系とオレンジのカラーリングで、センサーは黄色)。
Ζ系列の機体でありながら、[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]やジェガンの系譜にも属する本格的な量産機であり、頭部エクステリアはいわゆるΖ系ガンダムフェイスではなく、多くの連邦軍量産機に見られるゴーグル式カメラアイを採用している。また、エースパイロット向けに性能を再調整した特別仕様機・C型(コマンダータイプ)があり、主に部隊の隊長機として運用される。こちらは推力のリミッター上限を高め{{Efn2|リゼルC型(ゼネラル・レビル配備機)の記述では「リミッター上限を解除」とされている。}}、機体のフレーム構造の見直しが図られていて、各部のセンサーは通常機のレッドからグリーンに変更されている。[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ドゴス・ギア|ドゴス・ギア級戦艦]]「[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ゼネラル・レビル|ゼネラル・レビル]]」に配備された機体は全機C型となっている(グレー系とオレンジのカラーリングで、センサーは黄色)。


携行火器はビーム・ライフルのほか、ミッションによっては長距離狙撃も可能なメガ・ビーム・ランチャーを替わりに装備する。
携行火器はビーム・ライフルのほか、ミッションによっては長距離狙撃も可能なメガ・ビーム・ランチャーを替わりに装備する。


当初の画稿・設定では、一般機はボックス・ユニットとビーム・ライフル、コマンダータイプはウイング・ユニットとメガ・ビーム・ランチャーを装備しているが、固定装備ではなく、ミッションによって変更される<ref>『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス25頁。</ref>
当初の画稿・設定では、一般機はボックス・ユニットとビーム・ライフル、コマンダータイプはウイング・ユニットとメガ・ビーム・ランチャーを装備しているが、固定装備ではなく、ミッションによって変更される{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=25}}


; 武装
; 武装
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; デザイン
; デザイン
:腰部から脚部スラスターにかけての形状はΖΖガンダム、[[ΖΖガンダム#FAZZ(ファッツ)|FAZZ(ファッツ)]]などのMSZ-010系列に酷似しており、様々な系列のアナハイム社製MSの設計ノウハウやデザインがフィードバックされた形となっている。
:腰部から脚部スラスターにかけての形状はΖΖガンダム、[[ΖΖガンダム#FAZZ(ファッツ)|FAZZ(ファッツ)]]などのMSZ-010系列に酷似しており、様々な系列のAE社製MSの設計ノウハウやデザインがフィードバックされた形となっている。
:デザイン発注時の仮称は「Z III(ズィー・トライ)」であった<ref>『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス27頁。</ref>
:デザイン発注時の仮称は「Z III(ズィー・トライ)」であった{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=27}}


; 劇中での活躍
; 劇中での活躍
: 小説『機動戦士ガンダムUC』では、[[ロンド・ベル]]隊所属の戦艦[[ネェル・アーガマ]]の艦載機として、全編を通して登場。隊長機を含め8機および予備機数機が搭載されており、そのうち8番機(ロメオ8)は、『UC』における主要登場人物の一人、[[機動戦士ガンダムUC#リディ・マーセナス|リディ・マーセナス]]の物語序盤における乗機として活躍する。劇中ではジェガンとともに[[やられ役]]として多くの機体が撃墜されているものの、最初の戦闘シーンでは[[可変モビルスーツ|可変MS]]としての機動力で[[#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]を圧倒し、巡航形態による接近・離脱とMS形態での接近戦を使い分けるヒット・アンド・アウェイ戦法を用いる描写がされている<ref>小説『機動戦士ガンダムUC』第2巻、OVA『機動戦士ガンダムUC』episode 1。</ref>{{efn|小説の地の文では、可変MSとしての利点を活用しつつ熱核反応炉を誘爆させずに敵機体を無力化するための、セオリー通りの戦いであったものの、図らずも傍目にはなぶり殺しのようにも見える戦いであったという説明がされている。アニメ版で映像化された際には、ギラ・ズールを操縦する[[機動戦士ガンダムUC#サボア|サボア]]側の視点で、機動力で追いつかれてなぶり殺しにされる様子が描かれた。}}
: 小説『機動戦士ガンダムUC』では、[[ロンド・ベル]]隊所属の戦艦[[ネェル・アーガマ]]の艦載機として、全編を通して登場。隊長機を含め8機および予備機数機が搭載されており、そのうち8番機(ロメオ8)は、『UC』における主要登場人物の一人、[[機動戦士ガンダムUC#リディ・マーセナス|リディ・マーセナス]]の物語序盤における乗機として活躍する。劇中ではジェガンとともに[[やられ役]]として多くの機体が撃墜されているものの、最初の戦闘シーンでは[[可変モビルスーツ|可変MS]]としての機動力で[[#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]を圧倒し、巡航形態による接近・離脱とMS形態での接近戦を使い分けるヒット・アンド・アウェイ戦法を用いる描写がされている。
: アニメ版『UC』では原作同様のロンド・ベル配備機のほか、ライト・グレーとオレンジを基調としたゼネラル・レビル配備機が登場。うち1機はディフェンサーbユニットを装備している。ゼネラル・レビル配備機は映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』にも登場する。
: アニメ版『UC』では原作同様のロンド・ベル配備機のほか、ライト・グレーとオレンジを基調としたゼネラル・レビル配備機が登場。うち1機はディフェンサーbユニットを装備している。ゼネラル・レビル配備機は映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』にも登場する。
: コミカライズ版の『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、インダストリアル7宙域でアナハイム社所属の[[ドーベン・ウルフ#シルヴァ・バレト|シルヴァ・バレト(ジムヘッド型)]]3機と交戦。対シナンジュ戦ではノーム・バシリコック機とホマレ機にディフェンサーaユニットを、リディ機にディフェンサーbユニットを装備している。
: コミカライズ版の『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、インダストリアル7宙域でAE社所属の[[ドーベン・ウルフ#シルヴァ・バレト|シルヴァ・バレト(ジムヘッド型)]]3機と交戦。対シナンジュ戦ではノーム・バシリコック機とホマレ機にディフェンサーaユニットを、リディ機にディフェンサーbユニットを装備している。
: 外伝漫画の『[[機動戦士ガンダムUC MSV 楔]]』や『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』では、本機3機からなる女性パイロットの小隊「[[機動戦士ガンダムUC MSV 楔#スリーアローズ隊|スリーアローズ]]」が登場する。『楔』ではディフェンサーa・bユニットを装備、『ラスト・サン』ではそれぞれ[[ジェガン#ジェガン(エコーズ仕様機)|ジェガン(エコーズ仕様・コンロイ機)]]のハンドガン2丁、[[ガンダムMk-II]]の[[ハイパーバズーカ|ハイパー・バズーカ]]2丁、[[Ζガンダム]]のハイパー・メガ・ランチャーを携行する。
: 外伝漫画の『[[機動戦士ガンダムUC MSV 楔]]』や『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』では、本機3機からなる女性パイロットの小隊「[[機動戦士ガンダムUC MSV 楔#スリーアローズ隊|スリーアローズ]]」が登場する。『楔』ではディフェンサーa・bユニットを装備、『ラスト・サン』ではそれぞれ[[ジェガン#ジェガン(エコーズ仕様機)|ジェガン(エコーズ仕様・コンロイ機)]]のハンドガン2丁、[[ガンダムMk-II]]の[[ハイパーバズーカ|ハイパー・バズーカ]]2丁、[[Ζガンダム]]のハイパー・メガ・ランチャーを携行する。
: 宇宙世紀0112年を描いた漫画『[[機動戦士ガンダムF90#ファステストフォーミュラ|機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ]]』の第1話では、[[ガンダムF90 (架空の兵器)#Eタイプ|ガンダムF90Eタイプ]]の稼働試験(ジャミングおよびダミーデータ挿入)のため、ゲイツ中尉率いる3機の小隊が[[ヘビーガン]]2機と模擬戦をおこなっている。MSの小型化が進んだ劇中の時代でリゼルは旧型機とされ、当時の新鋭機であるヘビーガンの運動性能とF90の連携に圧倒されている。
: 宇宙世紀0112年を描いた漫画『[[機動戦士ガンダムF90#ファステストフォーミュラ|機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ]]』の第1話では、[[ガンダムF90 (架空の兵器)#Eタイプ|ガンダムF90Eタイプ]]の稼働試験(ジャミングおよびダミーデータ挿入)のため、ゲイツ中尉率いる3機の小隊が[[ヘビーガン]]2機と模擬戦をおこなっている。MSの小型化が進んだ劇中の時代でリゼルは旧型機とされ、当時の新鋭機であるヘビーガンの運動性能とF90の連携に圧倒されている。
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地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS(エコーズ)」が使用している可変MS。特殊任務や隠密作戦での運用を想定した機体で、海軍戦略研究所([[サナリィ]])によって開発された<ref name="d50c_man">プラモデル『1/144 D-50C ロト ツインセット』取扱説明書</ref>
地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS(エコーズ)」が使用している可変MS。特殊任務や隠密作戦での運用を想定した機体で、海軍戦略研究所([[サナリィ]])によって開発された{{Sfn|HGUCロト|2010}} }}


連邦軍から出された機体への開発要求事項は、『秘匿性を確保するための機体小型化』、『兵員輸送車としての機能』、『迅速な作戦展開を可能とする高い機動性の確保』の三点であった<ref name="d50c_man" />。相反するこれらの要求に対して、サナリィは独自に研究開発していた超小型熱核反応炉を搭載することで解決。同世代のMSに比べ出力に大きく劣るものの、当時のMS産業を一手に担っていた[[アナハイム・エレクトロニクス]]ですらなしえなかった実用的な性能を持った小型機体の開発に成功した<ref name="d50c_man" />。また、この技術を起点として機体各所をミリ単位でクリアランス調整し一切のデッドスペースを排除、その結果全高12.2mと非常に小さく収め<ref name="d50c_man" /><ref name="prisma">角川書店『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』113-116頁。</ref>、さらに装甲材は最低限の防弾性能にとどめることで軽量化し機体の推力重量比を向上させ機動性を確保している。問題点を利点で補う開発手法をとったことでMS形態、タンク形態双方で連邦軍の要求性能を十二分に充足させた<ref name="d50c_man" />
連邦軍から出された機体への開発要求事項は、『秘匿性を確保するための機体小型化』、『兵員輸送車としての機能』、『迅速な作戦展開を可能とする高い機動性の確保』の三点であった{{Sfn|HGUCロト|2010}}。相反するこれらの要求に対して、サナリィは独自に研究開発していた超小型熱核反応炉を搭載することで解決。同世代のMSに比べ出力に大きく劣るものの、当時のMS産業を一手に担っていたAE社ですらなしえなかった実用的な性能を持った小型機体の開発に成功した{{Sfn|HGUCロト|2010}}。また、この技術を起点として機体各所をミリ単位でクリアランス調整し一切のデッドスペースを排除、その結果全高12.2mと非常に小さく収め{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=113-116}}、さらに装甲材は最低限の防弾性能にとどめることで軽量化し機体の推力重量比を向上させ機動性を確保している。問題点を利点で補う開発手法をとったことでMS形態、タンク形態双方で連邦軍の要求性能を十二分に充足させた{{Sfn|HGUCロト|2010}}


工作任務などにも使えるよう少数の兵員輸送が可能となっている他、慣性航法装置をはじめとした最新型のセンサー類や通信装置を搭載しており、指揮通信車としての機能も有する<ref name="d50c_man" />。乗員数は上部操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)後部の兵員室に兵員8名<ref name="prisma"/>が収容可能。また兵員が白兵戦で使用する「HMR-96 携帯式ミサイル・ランチャー」などの装備も収容することが可能。
工作任務などにも使えるよう少数の兵員輸送が可能となっている他、慣性航法装置をはじめとした最新型のセンサー類や通信装置を搭載しており、指揮通信車としての機能も有する{{Sfn|HGUCロト|2010}}。乗員数は上部操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)後部の兵員室に兵員8名{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=113-116}}が収容可能。また兵員が白兵戦で使用する「HMR-96 携帯式ミサイル・ランチャー」などの装備も収容することが可能。


前腕に当たる部分にはマニピュレータが無く、ボックスランチャーが直付けされている。固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の武装はマウントラッチにて着脱や換装が可能なオプション装備である。
前腕に当たる部分にはマニピュレータが無く、ボックスランチャーが直付けされている。固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の武装はマウントラッチにて着脱や換装が可能なオプション装備である。


元々対MS戦を意識して開発された機体ではないため、全体的には火力に乏しい。しかし運用次第ではMS相手の戦闘に十分耐えられるだけの性能を持つ。外観やスペックからは想像できないほど対地・対宙での機動力があり、ある程度の空間戦闘もこなす。本機のデータは[[宇宙世紀]]0100年代より行われたサナリィの小型MS開発にも活かされ、型式番号の「50」は戦車に変形する機体用番号として使われたという<ref name="d50c_man" /><ref name="prisma"/><ref>機動戦士ガンダムUC 小説版公式サイ[http://www.gundam-unicorn.net/novel/ms/ms_roto.html]より。</ref>
元々対MS戦を意識して開発された機体ではないため、全体的には火力に乏しい。しかし運用次第ではMS相手の戦闘に十分耐えられるだけの性能を持つ。外観やスペックからは想像できないほど対地・対宙での機動力があり、ある程度の空間戦闘もこなす。本機のデータは[[宇宙世紀]]0100年代より行われたサナリィの小型MS開発にも活かされ、型式番号の「50」は戦車に変形する機体用番号として使われたという{{Sfn|HGUCロ|2010}}


『UC』より後年の宇宙世紀を舞台にする劇場版アニメ『[[機動戦士ガンダムF91]]』に登場した[[フォーミュラ計画#ガンタンクR-44|ガンタンクR-44]]とはデザインが類似しており、型式番号の「50」も共通している。
『UC』より後年の宇宙世紀を舞台にする劇場版アニメ『[[機動戦士ガンダムF91]]』に登場した[[フォーミュラ計画#ガンタンクR-44|ガンタンクR-44]]とはデザインが類似しており、型式番号の「50」も共通している。
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; 武装
; 武装
:; マシン・キャノン
:; マシン・キャノン
:: 右肩に装着される基本兵装。対人、対車両が主な用途で25mm実体弾を装填する<ref name="d50c_man" />
:: 右肩に装着される基本兵装。対人、対車両が主な用途で25mm実体弾を装填する{{Sfn|HGUCロト|2010}}
:; ミサイル・コンテナ
:; ミサイル・コンテナ
:: 下腕に装着したボックスランチャーに格納されるミサイル発射装置。作戦に応じて3連式マイクロミサイルユニット4基または大型ミサイルユニット4基が選択可能で、ユニットごと換装する。対MS用兵装として装備された<ref name="d50c_man" />
:: 下腕に装着したボックスランチャーに格納されるミサイル発射装置。作戦に応じて3連式マイクロミサイルユニット4基または大型ミサイルユニット4基が選択可能で、ユニットごと換装する。対MS用兵装として装備された{{Sfn|HGUCロト|2010}}
:; ビーム・バーナー
:; ビーム・バーナー
:: ボックスランチャーに装着されているサブ・アームに内蔵された近接戦闘用装備。メガ粒子を縮退させて刃を形成する[[ビームサーベル]]と異なり、バーナーを密着させメガ粒子を対象に直接吹き付ける<ref name="d50c_man" />。主に溶断用として使用された。
:: ボックスランチャーに装着されているサブ・アームに内蔵された近接戦闘用装備。メガ粒子を縮退させて刃を形成する[[ビームサーベル]]と異なり、バーナーを密着させメガ粒子を対象に直接吹き付ける{{Sfn|HGUCロト|2010}}。主に溶断用として使用された。
:; ロング・キャノン
:; ロング・キャノン
:: 長距離支援用のオプション兵装で両肩に装備する滑腔砲。200mm徹甲弾を使用することで申し分のない性能を発揮する<ref name="d50c_man" />
:: 長距離支援用のオプション兵装で両肩に装備する滑腔砲。200mm徹甲弾を使用することで申し分のない性能を発揮する{{Sfn|HGUCロト|2010}}
:; メガ・マシン・キャノン
:; メガ・マシン・キャノン
:: 4連装の対空用オプション兵装で、右肩に装着される。銃身にセンサーが組み込んであり、高い命中精度を誇る<ref name="d50c_man" />
:: 4連装の対空用オプション兵装で、右肩に装着される。銃身にセンサーが組み込んであり、高い命中精度を誇る{{Sfn|HGUCロト|2010}}


; 劇中での活躍
; 劇中での活躍
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漫画『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』に登場。
漫画『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』に登場。


サナリィが開発したロトをベースに、アナハイム社が大幅な改修を施した機体。[[νガンダム#ガンダムGファースト|ガンダムGファースト]]や[[ジェガン#キャノンガン|キャノンガン]]も関連する「ある技術検証計画」の「要」として<ref>[http://www.carddass.com/gundam-dc/uc0096/ ガンダムデュエルカンパニー 公式WEBサイ]</ref>地球連邦地上軍の発注により製作され、他の2機とともにサイド7でおこなわれる式典用に[[トリコロール]]を基調とした塗装が施される。
サナリィが開発したロトをベースに、AE社が大幅な改修を施した機体。[[νガンダム#ガンダムGファースト|ガンダムGファースト]]や[[ジェガン#キャノンガン|キャノンガン]]も関連する「ある技術検証計画」の「要」として{{Sfn|デュエルカンパニー公式ラスサン|2015}}地球連邦地上軍の発注により製作され、他の2機とともにサイド7でおこなわれる式典用に[[トリコロール]]を基調とした塗装が施される。


本機の最大の特徴として、大型バックパック形態「バックウェポンモード」へと変形し、Gファーストまたはキャノンガンの背部へドッキングする機能を有しており、両機の戦闘能力を大幅に引き上げることが可能となる。さらに、人型の「ファイター」形態から巡行用の飛行形態「スカイ」と対人戦用の重戦車形態「ブル」にも変形可能で、これらの名称は[[Gファイター]]の各形態名を由来にしている。また、[[サイコフレーム]]の外部装置化による性能向上の実証試験機としての位置づけも与えられており<ref>『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラストサン]]』第6巻、2017年7月、4頁。</ref>、サイコフレームが内蔵されている。乗員は頭部に2名、胸部内に3名の計5名が搭乗可能。
本機の最大の特徴として、大型バックパック形態「バックウェポンモード」へと変形し、Gファーストまたはキャノンガンの背部へドッキングする機能を有しており、両機の戦闘能力を大幅に引き上げることが可能となる。さらに、人型の「ファイター」形態から巡行用の飛行形態「スカイ」と対人戦用の重戦車形態「ブル」にも変形可能で、これらの名称は[[Gファイター]]の各形態名を由来にしている。また、[[サイコフレーム]]の外部装置化による性能向上の実証試験機としての位置づけも与えられており{{Sfn|ラストサン6|2017|p=4}}、サイコフレームが内蔵されている。乗員は頭部に2名、胸部内に3名の計5名が搭乗可能。


スカイ形態における主翼にはビーム・コーティング剤が塗布されており、ほかの形態での側面の防御に一定の効果を発揮する。主兵装は長距離砲撃が可能な両肩の高出力ビーム砲「エクス・キャノン」で、先端はGファーストやキャノンガンの兵装を拡張する「エクス・カートリッジ」としての運用も可能。両前腕はミサイル・コンテナになっており、ビーム・マシンガンも内蔵する。砲身が伸縮式になっており、構造物破壊用のパイル・ハンマ([[杭打ち機]])としての運用も可能。腰部フロント・アーマーにはビーム・ガンを装備、スカイ形態では機首先端部に配置される。アンクル・ガードのヒート・カッターは、歩行の際の障害物などを溶断する。
スカイ形態における主翼にはビーム・コーティング剤が塗布されており、ほかの形態での側面の防御に一定の効果を発揮する。主兵装は長距離砲撃が可能な両肩の高出力ビーム砲「エクス・キャノン」で、先端はGファーストやキャノンガンの兵装を拡張する「エクス・カートリッジ」としての運用も可能。両前腕はミサイル・コンテナになっており、ビーム・マシンガンも内蔵する。砲身が伸縮式になっており、構造物破壊用のパイル・ハンマ([[杭打ち機]])としての運用も可能。腰部フロント・アーマーにはビーム・ガンを装備、スカイ形態では機首先端部に配置される。アンクル・ガードのヒート・カッターは、歩行の際の障害物などを溶断する。
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{{-}}
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{{clear}}
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=== ユニコーンガンダム2号機 バンシィ ===
[[ユニコーンガンダム]]の2号機で、白い1号機とは対象的な漆黒の機体色と、[[鬣]]のような頭部アンテナが特徴。
{{see|ユニコーンガンダム#2号機 バンシィ}}


=== ジェスタ ===
=== ジェスタ ===
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|2搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#ワッツ・ステップニー|ワッツ・ステップニー]] ほか
|2搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#ワッツ・ステップニー|ワッツ・ステップニー]] ほか
}}
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デストロイモードでの活動時間に制限があるRX-0 [[ユニコーンガンダム]]の護衛機として開発された、[[ジェガン]]の上位機種。ユニコーンが本来の任務である敵[[ニュータイプ]]、または[[強化人間]]の殲滅に専念できるよう、周辺の敵戦力を排除する役目を担う。そのため、同時期のジェガンタイプを圧倒的に上回る高性能が求められており、その性能は[[νガンダム]]の9割にまで達している<ref>『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールドep4-640頁。</ref>
デストロイモードでの活動時間に制限があるRX-0 [[ユニコーンガンダム]]の護衛機として開発された、[[ジェガン]]の上位機種。ユニコーンが本来の任務である敵[[ニュータイプ]]、または[[強化人間]]の殲滅に専念できるよう、周辺の敵戦力を排除する役目を担う。そのため、同時期のジェガンタイプを圧倒的に上回る高性能が求められており、その性能は[[νガンダム]]の9割にまで達している{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=40}}


左右腰部ラックにハンドグレネード(6本)、右前腕部にビームライフルの予備エネルギーパック(3本)、左前腕部にビームサーベル(1本)がマウントされている。また、バックパックのサブアームでシールドを保持するなどの新機軸を持つ。性能評価のため、[[ラー・カイラム]]に12機が配備された。
左右腰部ラックにハンドグレネード(6本)、右前腕部にビームライフルの予備エネルギーパック(3本)、左前腕部にビームサーベル(1本)がマウントされている。また、バックパックのサブアームでシールドを保持するなどの新機軸を持つ。性能評価のため、[[ラー・カイラム]]に12機が配備された。
コードU011(ユニフォーム・イレブン)の機体は電子戦ユニットと観測機器を装備したEWAC機(早期警戒機)となっている。
コードU011(ユニフォーム・イレブン)の機体は電子戦ユニットと観測機器を装備したEWAC機(早期警戒機)となっている。


アメリカ軍の[[Navy SEALs|ネイビー・シールズ]]のような[[特殊部隊]]をイメージしてデザインされた機体で、同時期にMS用の[[LCAC]]([[エア・クッション型揚陸艇]])もデザインされている<ref>『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス91頁。</ref>
アメリカ軍の[[Navy SEALs|ネイビー・シールズ]]のような[[特殊部隊]]をイメージしてデザインされた機体で、同時期にMS用の[[LCAC]]([[エア・クッション型揚陸艇]])もデザインされている{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=91}}


作中では後述のジェスタ・キャノンも含め、ロンド・ベルのエースパイロット3人による小隊「[[機動戦士ガンダムUC#トライスター|トライスター]]」の乗機として描かれる姿が主となっている。
作中では後述のジェスタ・キャノンも含め、ロンド・ベルのエースパイロット3人による小隊「[[機動戦士ガンダムUC#トライスター|トライスター]]」の乗機として描かれる姿が主となっている。
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==== ジェスタ シェザール隊仕様 ====
==== ジェスタ シェザール隊仕様 ====
{{機動兵器
{{機動兵器
|名称=ジェスタ シェザール隊仕様<br>JESTA SHEZARR TYPE<ref>プラモデル『HGUC ジェスタシェザール隊仕様 A班装備)』パッケージ、プレミアムバンダイ、2018年11月。</ref>
|名称=ジェスタ シェザール隊仕様<br>JESTA SHEZARR TYPE{{Sfn|HGUCジェスタシェザールA|2018}}
|型式番号=RGM-96Xs
|型式番号=RGM-96Xs
|全高=19.3m<ref name="nt_novel-3">竹内清人『小説 機動戦士ガンダムNT』KADOKAWA、2018年11月26日、3頁。</ref>
|全高=19.3m{{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
|重量=27.5t(A班装備)<ref name="nt_novel-3" /><br />24.8t(B, C班装備)<ref name="nt_novel-3" />
|重量=27.5t(A班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}<br />24.8t(B, C班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
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|全備重量=63.3t(A班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}<br />57.2t(B, C班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
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|出力=2,710kW{{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
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|推力=110,300kg(A班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}<br />89,030kg(B, C班装備){{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
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|センサー=17,040m{{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=3}}
|武装=ビーム・ライフル<br />ビーム・サーベル<br />ハンド・グレネード×6<br />メガ・ビーム・ランチャー(B班装備)<br />キャプチャーガン(C班装備)
|武装=ビーム・ライフル<br />ビーム・サーベル<br />ハンド・グレネード×6<br />メガ・ビーム・ランチャー(B班装備)<br />キャプチャーガン(C班装備)
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムNT#シェザール隊|シェザール隊]]隊員<br />(詳細は本文を参照)
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムNT#シェザール隊|シェザール隊]]隊員<br />(詳細は本文を参照)
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アニメーション映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場。
アニメーション映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場。


[[ユニコーンガンダム#3号機 フェネクス|ユニコーンガンダム3号機 フェネクス]]を捕獲する「不死鳥狩り」を行うシェザール隊に支給された機体。全ての機体の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装着されている。実戦では、[[ジェガン#スタークジェガン|スタークジェガン]]と同系の高機動型バックパックとプロペラント兼用の大型ブースターユニットを装備したA班、メガ・ビーム・ランチャーとトライポッドを組み合わせたスナイパー仕様のB班、[[ベースジャバー#89式ベースジャバー|89式ベースジャバー]]とフェネクス捕獲用のキャプチャーガンを携行するC班の各2機ずつ計6機小隊で運用される<ref name="mecha">{{Cite web|url=http://gundam-nt.net/mechanical/|title=メカニカル|website=『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』公式サイト|accessdate=2018-08-16}}</ref>
[[ユニコーンガンダム#3号機 フェネクス|ユニコーンガンダム3号機 フェネクス]]を捕獲する「不死鳥狩り」を行うシェザール隊に支給された機体。全ての機体の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装着されている。実戦では、[[ジェガン#スタークジェガン|スタークジェガン]]と同系の高機動型バックパックとプロペラント兼用の大型ブースターユニットを装備したA班、メガ・ビーム・ランチャーとトライポッドを組み合わせたスナイパー仕様のB班、[[ベースジャバー#89式ベースジャバー|89式ベースジャバー]]とフェネクス捕獲用のキャプチャーガンを携行するC班の各2機ずつ計6機小隊で運用される{{Sfn|NT公式WEBメカ|2018}}。


A班装備にシェザール隊隊長のイアゴ・ハーカナ少佐(1番機)とタマン少尉(6番機)、B班装備にデラオ中尉とパベル中尉(5番機)、C班装備に副隊長のフランソン大尉(2番機)とアマージャ大尉がそれぞれ搭乗する。
A班装備にシェザール隊隊長のイアゴ・ハーカナ少佐(1番機)とタマン少尉(6番機)、B班装備にデラオ中尉とパベル中尉(5番機)、C班装備に副隊長のフランソン大尉(2番機)とアマージャ大尉がそれぞれ搭乗する。
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|型式番号=RAS-96
|型式番号=RAS-96
|所属=地球連邦軍
|所属=地球連邦軍
|建造=アナハイム・エレクトロニクス社<ref name="hguc_96">プラモデル『HGUC RAS-96 アンクシャ』付属説明書、バンダイ、2012年5月。</ref>
|建造=[[アナハイム・エレクトロニクス]]{{Sfn|HGUCアンクシャ|2012}}
|生産形態=量産機
|生産形態=量産機
|全高=22.3m
|全高=22.3m
255行目: 245行目:
|装甲=[[ガンダリウム合金]]
|装甲=[[ガンダリウム合金]]
|武装=ビーム・サーベル×2<br />ビーム・ライフル×2<br/>60mmバルカン砲×2<br/>ムーバブル・シールド・バインダー
|武装=ビーム・サーベル×2<br />ビーム・ライフル×2<br/>60mmバルカン砲×2<br/>ムーバブル・シールド・バインダー
|搭乗者=地球連邦軍一般兵<br/>[[機動戦士ガンダムUC#マイオス・ホーデン|マイオス・ホーデン]]<ref name="ucteff">漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』より。</ref><br/>[[機動戦士ガンダムUC#ビーナ・スンレン|ビーナ・スンレン]]<ref name="ucteff"/><br/>[[機動戦士ガンダムUC#カーム・フライターク|カーム・フライターク]]<ref name="ucteff"/>
|搭乗者=地球連邦軍一般兵<br/>[[機動戦士ガンダムUC#マイオス・ホーデン|マイオス・ホーデン]]<br/>[[機動戦士ガンダムUC#ビーナ・スンレン|ビーナ・スンレン]][[機動戦士ガンダムUC#カーム・フライターク|カーム・フライターク]]
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[[アッシマー]]の後継機。整備の効率化と生産性を高めるべく、カメラアイがゴーグルタイプになっている(この変更は、モノアイなどジオン系意匠及び[[ティターンズ]]にアレルギーを持つ連邦上層部の意向も含まれている)など、ジム系MSと共通規格の部品を多く使用しているのが特徴。また、これらの変更により、機体分類もMAからMSへと変更されている。前腕部に設置されたムーバブル・シールド・バインダーなど、[[ギャプラン]]の影響も見られる<ref>角川書店『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス121頁。</ref>
[[アッシマー]]の後継機。整備の効率化と生産性を高めるべく、カメラアイがゴーグルタイプになっている(この変更は、モノアイなどジオン系意匠及び[[ティターンズ]]にアレルギーを持つ連邦上層部の意向も含まれている)など、ジム系MSと共通規格の部品を多く使用しているのが特徴。また、これらの変更により、機体分類もMAからMSへと変更されている。前腕部に設置されたムーバブル・シールド・バインダーなど、[[ギャプラン]]の影響も見られる{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=121}}


MA形態においては、機体上部に他のMSを乗せて重力下飛行を行うことや、サブフライトシステムとして運用することが可能。
MA形態においては、機体上部に他のMSを乗せて重力下飛行を行うことや、サブフライトシステムとして運用することが可能。
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; 主な武装
; 主な武装
:; ビーム・サーベル
:; ビーム・サーベル
:: 原型機には装備されていなかったが、本機では両膝のニー・クラッシャーに収納されている<ref name="hguc_96" />。使用時にはユニットをポップアップさせる<ref name="hguc_96" />
:: 原型機には装備されていなかったが、本機では両膝のニー・クラッシャーに収納されている{{Sfn|HGUCアンクシャ|2012}}。使用時にはユニットをポップアップさせる{{Sfn|HGUCアンクシャ|2012}}
:; ビーム・ライフル
:; ビーム・ライフル
:: 固定武装としてムーバブル・シールド・バインダーに装備。ジェネレーター直結型で、高い出力とレスポンスを誇る<ref name="hguc_96" />
:: 固定武装としてムーバブル・シールド・バインダーに装備。ジェネレーター直結型で、高い出力とレスポンスを誇る{{Sfn|HGUCアンクシャ|2012}}


; 劇中での活躍
; 劇中での活躍
: 地球連邦軍所属の輸送艦[[ガルダ_(ガンダムシリーズ)|ガルダ]]の艦載機として登場。
: 地球連邦軍所属の輸送艦[[ガルダ_(ガンダムシリーズ)|ガルダ]]の艦載機として登場。
: 原作小説の第7巻では[[宇宙世紀の施設と地名#トリントン基地|トリントン基地]]を訪れた[[ラー・カイラム]]を出迎える場面で初登場し、アッシマーの系譜に連なる新鋭機であることが言及されている。後の場面では[[プルシリーズ#マリーダ・クルス|マリーダ・クルス]]が搭乗する [[ユニコーンガンダム#2号機 バンシィ|ユニコーンガンダム2号機バンシィ]]を戦場まで運搬するためのサブフライトシステムとしても用いられている。その後、1機が[[ユニコーンガンダム#1号機|ユニコーンガンダム1号機]]と2号機の対決に介入するが、1号機に返り討ちにされて両腕を切り落とされ、2号機が1号機に向けて放ったビーム・マグナムの流れ弾に被弾し、ガルダの垂直尾翼に叩きつけられる寸前に爆散する。
: 原作小説の第7巻では[[宇宙世紀の施設と地名#トリントン基地|トリントン基地]]を訪れた[[ラー・カイラム]]を出迎える場面で初登場し、アッシマーの系譜に連なる新鋭機であることが言及されている。後の場面では[[プルシリーズ#マリーダ・クルス|マリーダ・クルス]]が搭乗する [[ユニコーンガンダム#2号機 バンシィ|ユニコーンガンダム2号機バンシィ]]を戦場まで運搬するためのサブフライトシステムとしても用いられている。その後、1機が[[ユニコーンガンダム#1号機|ユニコーンガンダム1号機]]と2号機の対決に介入するが、1号機に返り討ちにされて両腕を切り落とされ、2号機が1号機に向けて放ったビーム・マグナムの流れ弾に被弾し、ガルダの垂直尾翼に叩きつけられる寸前に爆散する。
: アニメ版では都合7機がガルダに搭載されており、襲撃したネオ・ジオン残党の排除とラー・カイラムから護送されてきたユニコーンガンダムの確保のために出撃し、[[#ガランシェール|ガランシェール]]およびユニコーンガンダム1号機と交戦する。アニメ版ではいわゆる“やられ役”としての出番が主で、ガランシェール隊の[[#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]が装備した[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#スキウレ|スキウレ]]によって撃墜されたり、ユニコーンガンダム1号機にビーム・サーベル二刀流で挑むも返り討ちに遭い、サーベルを奪われる。デストロイモードのユニコーンガンダムとバンシィの対決中に介入しようとした機体は、2機のユニコーンが発生させたサイコ・フィールドに弾き飛ばされ、ガルダの翼に叩きつけられて爆散する。他にも、[[宇宙世紀の施設と地名#シャイアン基地|シャイアン基地]]に向かう[[機動戦士ガンダムUC#ローナン・マーセナス|ローナン・マーセナス]]、[[機動戦士ガンダムUC#マーサ・ビスト・カーバイン|マーサ・ビスト・カーバイン]]、[[機動戦士ガンダムUC#アルベルト・ビスト|アルベルト・ビスト]]らの護衛として、2機が警戒飛行する姿が確認できる。
: アニメ版では都合7機がガルダに搭載されており、襲撃したネオ・ジオン残党の排除とラー・カイラムから護送されてきたユニコーンガンダムの確保のために出撃し、[[#ガランシェール|ガランシェール]]およびユニコーンガンダム1号機と交戦する。アニメ版では、ガランシェール隊の[[#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]が装備した[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#スキウレ|スキウレ]]によって撃墜されたり、ユニコーンガンダム1号機にビーム・サーベル二刀流で挑むも返り討ちに遭い、サーベルを奪われる。デストロイモードのユニコーンガンダムとバンシィの対決中に介入しようとした機体は、2機のユニコーンが発生させたサイコ・フィールドに弾き飛ばされ、ガルダの翼に叩きつけられて爆散する。他にも、[[宇宙世紀の施設と地名#シャイアン基地|シャイアン基地]]に向かう[[機動戦士ガンダムUC#ローナン・マーセナス|ローナン・マーセナス]]、[[機動戦士ガンダムUC#マーサ・ビスト・カーバイン|マーサ・ビスト・カーバイン]]、[[機動戦士ガンダムUC#アルベルト・ビスト|アルベルト・ビスト]]らの護衛として、2機が警戒飛行する姿が確認できる。
: 漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2巻第4話「復讐の神鳥」では、ガルダ所属機のパイロットたちに焦点を当てた外伝エピソードが描かれている。
: 漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2巻第4話「復讐の神鳥」では、ガルダ所属機のパイロットたちに焦点を当てた外伝エピソードが描かれている。
: 『UC』の1年後を描くアニメ映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』の導入部では、前作と同じくやられ役として2機<ref name="g_nt_novel" />が登場しており、主人公[[機動戦士ガンダムNT#ヨナ・バシュタ|ヨナ・バシュタ]]らが搭乗するルオ商会所属の[[リック・ディアス#ディジェ|ディジェ]]と交戦する。MA形態のアンクシャが奇襲を受けて炎上する場面から戦闘が始まり、その後別の機体が、ヨナの機体との鍔迫り合いの末に斬り刻まれて撃破される<ref name="g_nt_initial23">{{Cite video
: 『UC』の1年後を描くアニメ映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』の導入部では2機が登場し、主人公[[機動戦士ガンダムNT#ヨナ・バシュタ|ヨナ・バシュタ]]らが搭乗するルオ商会所属の[[リック・ディアス#ディジェ|ディジェ]]と交戦する。MA形態のアンクシャが奇襲を受けて炎上する場面から戦闘が始まり、その後別の機体が、ヨナの機体との鍔迫り合いの末に斬り刻まれて撃破される。後者の機体は腹部と右腕を斬り落とされながらも反撃を試みるそぶりを見せており、竹内清人によるノベライズ版では、登場場面こそ短いものの、これが初陣であったヨナに覚悟の差を示して死の淵まで追い詰めた、とする趣旨の描写がされている{{Sfn|小説ガンダムNT|2018|p=40-42}}。
|people=吉沢俊一(監督)、[[福井晴敏]](脚本)他
|date=2018-11-30
|title=『機動戦士ガンダムNT』冒頭23分
|url=https://www.youtube.com/watch?v=_NUm_aGjnGY
|medium=[[予告編|トレーラー]]
|work=[[バンダイチャンネル]]
|publisher=[[YouTube]]
|accessdate=2018-12-28
|time=8:45-9:25
}}</ref>。後者の機体は腹部と右腕を斬り落とされながらも反撃を試みるそぶりを見せており<ref name="g_nt_initial23" />、竹内清人によるノベライズ版では、登場場面こそ短いものの、これが初陣であったヨナに覚悟の差を示して死の淵まで追い詰めた、とする趣旨の描写がされている<ref name="g_nt_novel">{{Cite book|和書
|author=竹内清人
|author2=[[福井晴敏]]
|date=2018-11-26
|title=[[機動戦士ガンダムNT#小説 機動戦士ガンダムNT|小説 機動戦士ガンダムNT]]
|publisher=KADOKAWA
|series=[[KADOKAWAの漫画レーベル#カドカワコミックス・エース|角川コミックス・エース]]
|edition=初版
|isbn=978-4-04-107596-8
|pages=40-42
}}</ref>。
{{clear}}
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=== その他の登場兵器(地球連邦軍) ===
=== その他の登場兵器(地球連邦軍) ===
以下の兵器はリンク先を参照。
詳細が他記事に存在するものは以下に列挙する。
{{Col|
* RGM-89D [[ジェガン#ジェガンD型|ジェガンD型]]
** RGM-89S [[ジェガン#スタークジェガン|スタークジェガン]]
** RGM-89S [[ジェガン#プロト・スタークジェガン|プロト・スタークジェガン]](アニメ版のみ)
** RGM-89De [[ジェガン#ジェガン(エコーズ仕様機)|ジェガン(エコーズ仕様機)]]
** RGM-89A2 [[ジェガン#ジェガンA2型|ジェガンA2型]](アニメ版のみ)
** RGM-89EW [[ジェガン#EWACジェガン|EWACジェガン]](アニメ版のみ)
* MSN-001A1 [[百式 (ガンダムシリーズ)#デルタプラス|デルタプラス]]
* RAG-79 [[アクア・ジム]]
*RMV-1 [[ガンタンク#ガンタンクII|ガンタンクII]](アニメ・漫画版のみ)
* RMS-179 [[ジムII]]
** RMS-179 [[ジムII#ジムII・セミストライカー|セミストライカー]](アニメ・漫画版のみ)
* RGM-86R [[ジムIII]]
* MSA-005K [[メタス#ガンキャノン・ディテクター|ガンキャノン・ディテクター]]


|
; ユニコーンガンダム2号機 バンシィ
* MSA-003 [[ネモ (ガンダムシリーズ|ネモ]]
: 黒いユニコーンガンダムの2号機。当初は1号機と敵対する立場で登場し、ビスト財団によって「プルトゥエルブ」として再調整(洗脳)されたマリーダ・クルスが操縦する。マリーダが自我を取り戻して地球連邦軍を去った後は、バナージへの憎悪を抱くリディ・マーセナスの乗機となるが、最終的には1号機と共闘する。
** MSA-004K [[ネモ (ガンダムシリーズ)#ネモIII|ネモIII]](アニメ版のみ)
: 小説版と[[ユニコーンガンダム#バンシィ (アニメ版)|アニメ版]]では仕様が異なり、リディが搭乗する機体は統合性能向上仕様の「[[ユニコーンガンダム#バンシィ・ノルン|バンシィ・ノルン]]」となっている、[[ユニコーンガンダム#バンシィ_(U.C.0095Ver.)|アニメ版での形状のパーツへと改修前]]。
* RX-160S [[ティターンズの機動兵器#バイアラン・カスタム|バイアラン・カスタム]](アニメ版のみ)
: {{see|ユニコーンガンダム#2号機 バンシィ}}
* MSZ-006A1 [[Ζプラス]](アニメ版のみ)
; ジェガン
* FD-03 [[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#グスタフ・カール(先行配備機)|グスタフ・カール]](アニメ・漫画版のみ)
: 『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]』が初出。本作に登場するジェガンは公式サイトなどで単に「[[ジェガン]]」と呼ばれているものの、型式番号の異なるD型 (RGM-89D) である。
* [[ネェル・アーガマ]]
: {{see|ジェガン#ジェガンD型}}
* [[ラー・カイラム]]
: その他、以下のバリエーション機が本作に登場する(アニメ版登場順)。
* [[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ゼネラル・レビル|ゼネラル・レビル]]
:* [[ジェガン#スタークジェガン|スタークジェガン]]
:* [[ジェン#ジェガン(エコーズ仕様機)|ジェン(エコーズ仕様機)]]
* [[ガルダ (ガンダムシリーズ)#ガルダ|ガルダ]]
* [[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ジュノー級潜水艦(0096)|ジュノー級潜水艦]]
:* [[ジェガン#プロト・スタークジェガン|プロト・スタークジェガン]]
* [[ベースジャバー#ベースジャバー (大気圏内用)|ベースジャバー]]
:* [[ジェガン#ジェガンA2型|ジェガンA2型]]
:* [[ジェガン#EWACェガン|EWACェガン]]
** [[ベースャバー#89式ベースャバー|89式ベースャバー]]
}}
: その他、以下のバリエーション機が本作に登場する(ゲーム、外伝登場順)。
:* [[ジェガン#ジェガン(先行配備型)|ジェガンD型(先行配備型)]]
:* [[ジェガン#ジェガン(フレスベルク隊所属機)|ジェガン(フレスベルク隊所属機)]]
; デルタガンダム
: [[百式_(ガンダムシリーズ)|百式]]が開発当初のプランのまま、可変MSとして完成した姿。{{see|百式_(ガンダムシリーズ)#デルタガンダム}}
:; ガンダムデルタカイ
:: デルタガンダムのデータと、デルタプラスの開発データをフィードバックして完成した、デルタ系最終機である。{{see|百式_(ガンダムシリーズ)#ガンダムデルタカイ}}
:; デルタプラス
:: ネェル・アーガマに補充された可変MS。{{see|百式 (ガンダムシリーズ)#デルタプラス}}
; ジムIII
: ジェガンよりも旧型の量産機。デザインが『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』に登場したものと一部異なる。{{see|ジムIII}}
; ジムII
: 地上の連邦軍基地などに配備されていた旧型機。こちらも『[[機動戦士Ζガンダム]]』と一部デザインが異なるほか、アニメ版では「[[ジムII#ジムII・セミストライカー|セミストライカー]]」という新規デザインの機種が登場した。{{see|ジムII}}
; ガンキャノン・ディテクター
: 地上の連邦軍基地などに配備されていた機体。{{see|メタス#ガンキャノン・ディテクター}}
; アクア・ジム
: 連邦軍の数少ない[[水陸両用モビルスーツ|水陸両用機]]として登場した。{{see|ジムシリーズのバリエーション#アクア・ジム}}
; ネモ
: 地上の連邦軍基地などに配備されていた旧型機、アニメ版ネモのバリエーションと[[ネモ (ガンダムシリーズ)#ネモIII|ネモIII]]して登場した。{{see|ネモ (ガンダムシリーズ)}}
; バイアラン・カスタム
: アニメ版で新たにデザインされた[[ティターンズの機動兵器#バイアラン|バイアラン]]の改良機。さらに[[ティターンズの機動兵器#バイアラン・カスタム2号機|2号機]]が『UC-MSV』としてデザインされた。{{see|ティターンズの機動兵器#バイアラン・カスタム}}
;Ζプラス
: アニメ版にのみ、地上用の[[Ζプラス#ΖプラスA1型|A1型]]が登場している。{{see|Ζプラス}}
; グスタフ・カール
: アニメ版にのみ登場。原典は『UC』より後年の宇宙世紀を舞台とする『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』に登場した機体。本作でのデザインは『[[SDガンダム GGENERATION]]』シリーズでデザインが刷新されたものに準じる。{{see|機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの登場兵器#グスタフ・カール(先行配備機)}}

; ネェル・アーガマ
: ロンド・ベル隊の所属艦で、ユニコーンガンダムの母艦となる。{{see|ネェル・アーガマ}}
; ラー・カイラム
: ロンド・ベル隊の旗艦。本作では地上で運用される。{{see|ラー・カイラム}}
; ガルダ
: 巨大輸送機ガルダの1番機。設定は『機動戦士Ζガンダム』などに存在していたが、アニメ作品で1番機「ガルダ」が明確に登場したのは本作が初となる。{{see|ガルダ (ガンダムシリーズ)}}
; ゼネラル・レビル
: 連邦軍再編計画のシンボルとして建造された[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ドゴス・ギア|ドゴス・ギア]]級二番艦。『機動戦士Ζガンダム』に登場したドゴス・ギアの面影を残しつつ、大幅な大型化やデザインの変更が行われている。{{see|地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ゼネラル・レビル}}
; ジュノー級潜水艦
: 小説版とアニメ版で設定が異なる(下記リンクは小説版、アニメ版の順)。{{see|地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ジュノー級潜水艦(0096)}}
; ベースジャバー
: 地球連邦軍が使用した大気圏内用サブフライトシステム。機体色はがライトグレー。{{see|ベースジャバー#ベースジャバー_(大気圏内用)}}
; 89式ベースジャバー
: 第二次ネオ・ジオン抗争に地球連邦軍及びロンド・ベルが使用した宇宙用サブフライトシステム 。{{see|ベースジャバー#89式ベースジャバー}}
; 94式ベースジャバー
: {{see|ベースジャバー#94式ベースジャバー}}


== ネオ・ジオン(袖付き) ==
== ネオ・ジオン(袖付き) ==
[[ネオ・ジオン#ネオ・ジオン残党(袖付き)|ネオ・ジオン残党軍、通称「袖付き」]]にて運用される機体。所属する機体の多くに、[[袖]]や[[襟]]のような装飾([[エングレービング]])が施されているのが特徴。過去シリーズからの登場機も「袖付き」仕様にデザインが変更されている。
[[ネオ・ジオン#ネオ・ジオン残党(袖付き)|ネオ・ジオン残党軍、通称「袖付き」]]にて運用される機体。所属する機体の多くに、[[袖]]や[[襟]]のような装飾([[エングレービング]])が施されているのが特徴。過去シリーズからの登場機も「袖付き」仕様にデザインが変更されている。


この装飾の理由は、[[第二次ネオ・ジオン抗争]]後、雑多な勢力の寄り合い所帯となった軍をまとめる意匠であったとされる<ref name="RG-SINA">{{Citation
この装飾の理由は、[[第二次ネオ・ジオン抗争]]後、雑多な勢力の寄り合い所帯となった軍をまとめる意匠であったとされる{{Sfn|RGシナンジュ|2016}}。また、軍を率いるフラッグシップ機である[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]とその直属の親衛隊機、その他のエース・パイロット機の当該部位には、ガンダリウム系の新合金(「ルナ・チタニウムΧ(カイ)」ともいわれる{{Sfn|MSアーカイブシナンジュ|2016|p=44}})を用いて一般機より装甲が強化されていたとする説もある{{Sfn|RGシナンジュ|2016}}。

|title=プラモデル「シナンジュ」組立説明書
=== シナンジュ ===
|publisher=バンダイ
「赤い彗星の再来」と渾名される「袖付き」の首魁[[機動戦士ガンダムUC#フル・フロンタル|フル・フロンタル]]が搭乗する、赤いフラッグシップ機。ユニコーンガンダムのライバル機となる。
|series=1/144スケールモデル RG
{{see|シナンジュ (ガンダムシリーズ)}}
}}</ref>。また、軍を率いるフラッグシップ機である[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]とその直属の親衛隊機、その他のエース・パイロット機の当該部位には、ルナ・チタニウムXを用いて一般機の装甲より強度が高く製作されていた<ref name="RG-SINA"/><ref>『モビルスーツアーカイブ MSN-06S シナンジュ』44頁。</ref>。

==== ネオ・ジオング ====
アニメ版にのみ登場。シナンジュをコア・ユニットとする巨大MA。
{{see|シナンジュ (ガンダムシリーズ)#ネオ・ジオング}}


=== クシャトリヤ ===
=== クシャトリヤ ===
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「袖付き」所属の[[ニュータイプ専用機|ニュータイプ専用]]MS。名称の「[[クシャトリヤ]]」は、古代インドの階級で第2位の王族・武人層を意味し、[[機動戦士ガンダムUC#フル・フロンタル|フル・フロンタル]]指揮下のネオ・ジオン残党軍では[[フラッグシップ]]機である[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]に次ぐ機体であることを物語っている。
「袖付き」所属の[[ニュータイプ専用機|ニュータイプ専用]]MS。名称の「[[クシャトリヤ]]」は、古代インドの階級で第2位の王族・武人層を意味し、[[機動戦士ガンダムUC#フル・フロンタル|フル・フロンタル]]指揮下のネオ・ジオン残党軍では[[フラッグシップ]]機である[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]に次ぐ機体であることを物語っている。


[[クィン・マンサ]]の大火力を20メートル級MSで実現するというコンセプトで開発され、コクピット周辺に[[サイコフレーム]]、両肩に武装コンテナとスラスターを集約したフレキシブル・バインダー計4基を採用することで機体の小型化に成功している。そのためIフィールド・ジェネレーターは本体ではなくバインダー内に搭載している<ref>プラモデル『HGUC クシャトリヤ』説明書、バンダイ、2009年10月。</ref>。頭部形状はクィン・マンサのツインアイ式に対し[[ゲルググ]]や[[ガルバルディ]]などに類似したモノアイ式になり、胸部や両手首などにエングレービングが施されている。
[[クィン・マンサ]]の大火力を20メートル級MSで実現するというコンセプトで開発され、コクピット周辺に[[サイコフレーム]]、両肩に武装コンテナとスラスターを集約したフレキシブル・バインダー計4基を採用することで機体の小型化に成功している。そのためIフィールド・ジェネレーターは本体ではなくバインダー内に搭載している{{Sfn|HGUCクシャトリヤ|2009}}。頭部形状はクィン・マンサのツインアイ式に対し[[ゲルググ]]や[[ガルバルディ]]などに類似したモノアイ式になり、胸部や両手首などにエングレービングが施されている。


宇宙世紀0096年時のMSとしては破格の高性能機だが、「袖付き」が保有するサイコフレームは第二次ネオ・ジオン抗争時に[[アナハイム・エレクトロニクス]]に発注した分しかなく、再生産する設備もないため、整備もままならないワン・アンド・オンリーの機体となっている。また、小型化されたとはいえ、ファンネルを始めとする多数の火器を管制する本機の操縦は非常に複雑で、「袖付き」軍内でこれを扱えるパイロットは強化人間のマリーダ・クルスのみとなっている。
宇宙世紀0096年時のMSとしては破格の高性能機だが、「袖付き」が保有するサイコフレームは第二次ネオ・ジオン抗争時にAE社に発注した分しかなく、再生産する設備もないため、整備もままならないワン・アンド・オンリーの機体となっている。また、小型化されたとはいえ、ファンネルを始めとする多数の火器を管制する本機の操縦は非常に複雑で、「袖付き」軍内でこれを扱えるパイロットは強化人間のマリーダ・クルスのみとなっている。


高い火力と大型サイズを活かしたMA的運用だったクィン・マンサに対し、小型化の結果である本機はMS的運用が多く取られ、ファンネルとのコンビネーションや対複数の格闘戦もこなしている。
高い火力と大型サイズを活かしたMA的運用だったクィン・マンサに対し、小型化の結果である本機はMS的運用が多く取られ、ファンネルとのコンビネーションや対複数の格闘戦もこなしている。
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:: バインダーに6基搭載されたサイコミュ兵器。カラーリングは小説版では銀色、アニメ版では機体カラーと同じ緑でデブリと誤認されるほどに小型。過去のファンネル搭載機同様、バインダーに戻すことで再充電可能。
:: バインダーに6基搭載されたサイコミュ兵器。カラーリングは小説版では銀色、アニメ版では機体カラーと同じ緑でデブリと誤認されるほどに小型。過去のファンネル搭載機同様、バインダーに戻すことで再充電可能。
:; ビーム・ガトリングガン
:; ビーム・ガトリングガン
:: メガ粒子砲やファンネルは機体およびパイロットにかかる負担が大きい兵装であるため、それらを補助する携行兵装として用意された<ref>『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ 1135頁より。</ref>4銃身式の大型ビーム機関砲。小説版『UC』の最終決戦の際にはマニピュレーターが欠損した右腕の前腕部側面に2挺装着して出撃した<ref name="2gat">福井晴敏「虹の彼方に(上)」『機動戦士ガンダムUC 第9巻』角川書店〈角川コミックス・エース〉、2009年8月26日、55頁。ISBN 978-4-04-715286-1。</ref>
:: メガ粒子砲やファンネルは機体およびパイロットにかかる負担が大きい兵装であるため、それらを補助する携行兵装として用意された{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=135}}4銃身式の大型ビーム機関砲。小説版の最終決戦の際にはマニピュレーターが欠損した右腕の前腕部側面に2挺装着して出撃している{{Sfn|小説ガンダムUC9|2009|p=55}}
:: 同じアナハイム製で同一規格のジョイントを有するユニコーンガンダムや[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]](アニメ版のみ)も装備・使用した
:: 同じAE製で同一規格のジョイントを有するユニコーンガンダムや[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]も装備・使用している(アニメ版のみ)。


; 劇中での活躍
; 劇中での活躍
: インダストリアル7強襲時は、数で勝る[[ネェル・アーガマ]]のMS隊を次々と撃破。そしてデブリ宙域に避難したネェル・アーガマに[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]やフル・フロンタル親衛隊と共に襲撃し、ユニコーンガンダムを鹵獲する。
: インダストリアル7強襲時は、数で勝る[[ネェル・アーガマ]]のMS隊を次々と撃破。そしてデブリ宙域に避難したネェル・アーガマに[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]やフル・フロンタル親衛隊と共に襲撃し、ユニコーンガンダムを鹵獲する。
: [[宇宙世紀の施設と地名#パラオ|パラオ]]攻略戦では脱走したユニコーンガンダムを捕える任務(実際にはユニコーンガンダムの真の性能を試そうとしたフル・フロンタルの策略)を受けて交戦するも、デストロイモードとなったユニコーンガンダムの性能と能力に押され、右手を失う等マリーダ共々無数の傷を負い、ネェル・アーガマに収容される。アニメ版ではバインダーや四肢を切断され、頭部をビーム・サーベルで刺される等、大破に近いほどの損傷を受けている。その後、小説版では袖付き・[[ジオン共和国]]軍・ガランシェール隊にネェル・アーガマが制圧された際には再びマリーダが搭乗し、[[#ローゼン・ズール|ローゼン・ズール]]の右腕を切断する活躍を見せる。
: [[宇宙世紀の施設と地名#パラオ|パラオ]]攻略戦では脱走したユニコーンガンダムを捕える任務(実際にはユニコーンガンダムの真の性能を試そうとしたフル・フロンタルの策略)を受けて交戦するも、デストロイモードとなったユニコーンガンダムの性能と能力に押され、右手を失う等マリーダ共々無数の傷を負い、ネェル・アーガマに収容される。アニメ版ではバインダーや四肢を切断され、頭部をビーム・サーベルで刺される等、大破に近いほどの損傷を受けている。その後、小説版では袖付き・[[ジオン共和国]]軍・ガランシェール隊にネェル・アーガマが制圧された際には再びマリーダが搭乗し、[[#ローゼン・ズール|ローゼン・ズール]]の右腕を切断する活躍を見せる。
: 小説版『UC』における最終決戦では、手首より先を失った右腕に2丁のビーム・ガトリングガンを装備して出撃し<ref name="2gat"/>、ユニコーンガンダムのバックアップを担当した。マリーダとの親和性の高まりにより機体から虹色の燐光を発しながら<ref>福井晴敏「虹の彼方に(上)」『機動戦士ガンダムUC 第9巻』角川書店〈角川コミックス・エース〉、2009年8月26日、183頁。ISBN 978-4-04-715286-1。</ref>、ユニコーンガンダムとシナンジュの戦闘に介入してシナンジュの足止めを請け負う。ファンネルを全弾失い撃墜直前まで追い詰められるが、4枚の大型バインダーの接続アームを自ら斬り落とし、大型バインダー自体を巨大なファンネルとして操り、シナンジュに質量弾として突撃・起爆させる<ref>福井晴敏「虹の彼方に(上)」『機動戦士ガンダムUC 第9巻』角川書店〈角川コミックス・エース〉、2009年8月26日、209頁。ISBN 978-4-04-715286-1。</ref>という荒業で、その場を何とか切り抜け離脱した。その後、[[ユニコーンガンダム#2号機_バンシィ|バンシィ]]のビーム・マグナムからネェル・アーガマを庇って爆散し、爆発ではない未知の光を戦場に散らしながら消えていった。
: 小説版における最終決戦では、手首より先を失った右腕に2丁のビーム・ガトリングガンを装備して出撃し{{Sfn|小説ガンダムUC9|2009|p=55}}、ユニコーンガンダムのバックアップを担当した。マリーダとの親和性の高まりにより機体から虹色の燐光を発しながら{{Sfn|小説ガンダムUC9|2009|p=183}}、ユニコーンガンダムとシナンジュの戦闘に介入してシナンジュの足止めを請け負う。ファンネルを全弾失い撃墜直前まで追い詰められるが、4枚の大型バインダーの接続アームを自ら斬り落とし、大型バインダー自体を巨大なファンネルとして操り、シナンジュに質量弾として突撃・起爆させる{{Sfn|小説ガンダムUC9|2009|p=209}}という荒業で、その場を何とか切り抜け離脱した。その後、[[ユニコーンガンダム#2号機_バンシィ|バンシィ]]のビーム・マグナムからネェル・アーガマを庇って爆散し、爆発ではない未知の光を戦場に散らしながら消えていった。


==== クシャトリヤ・ベッセルング ====
==== クシャトリヤ・ベッセルング ====
416行目: 363行目:
アニメ版に登場。ネェル・アーガマ内で[[機動戦士ガンダムUC#トムラ|トムラ]]ら「袖付き」側主導によって補修を受けた姿。「ベッセルング」とはドイツ語で「回復」の意(「ベッセルン'''ク'''」がより原音に近い)。
アニメ版に登場。ネェル・アーガマ内で[[機動戦士ガンダムUC#トムラ|トムラ]]ら「袖付き」側主導によって補修を受けた姿。「ベッセルング」とはドイツ語で「回復」の意(「ベッセルン'''ク'''」がより原音に近い)。


左腕は肘から先が失われており、右脚は膝から先がフレームのみ、コクピットと頭部内フレームが露出している。連邦軍機のパーツを使って改修したため、モノアイの色がピンクから緑に変わっている<ref>『グレートメカニックDX24』7頁より。</ref>。胸部メガ粒子砲の銃口は左右各2門のうち1門がそれぞれ塞がれている。バインダーは左右1枚ずつとなり、左側は内部フレームのみとなっている。ネェル・アーガマ内での攻防の際に使用された。
左腕は肘から先が失われており、右脚は膝から先がフレームのみ、コクピットと頭部内フレームが露出している。連邦軍機のパーツを使って改修したため、モノアイの色がピンクから緑に変わっている{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=24}}。胸部メガ粒子砲の銃口は左右各2門のうち1門がそれぞれ塞がれている。バインダーは左右1枚ずつとなり、左側は内部フレームのみとなっている。ネェル・アーガマ内での攻防の際に使用された。


当初は原作小説と異なり、再登場しない予定であったため大破させられたクシャトリヤだったが、アニメでも再登場させることになったため改修案が新たにデザインされた。
当初は原作小説と異なり、再登場しない予定であったため大破させられたクシャトリヤだったが、アニメでも再登場させることになったため改修案が新たにデザインされた。
445行目: 392行目:
|所属=ネオ・ジオン軍残党「袖付き」<br />ジオン共和国軍
|所属=ネオ・ジオン軍残党「袖付き」<br />ジオン共和国軍
|製造=アナハイム・エレクトロニクス社
|製造=アナハイム・エレクトロニクス社
|全高=20.0m<ref name="HGUCギラズール">プラモデル『HGUC AMS-129 ギラ・ズール』付属説明書、バンダイ、2009年12月。</ref>
|全高=20.0m{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}
|重量=21.8t<ref name="HGUCギラズール" /><br />22.3t(親衛隊仕様機)<ref name="HGUC親衛隊">プラモデル『HGUC AMS-129 ギラズール親衛隊仕様)』付属説明書、バンダイ、2011年2月。</ref><br />27.3t(アンジェロ機)<ref name="HGUCアンジェロ機">プラモデル『HGUC AMS-129 ギラズールアンジェロ・ザウパー専用機)』付属説明書、バンダイ、2010年7月。</ref><br />24.9t(エリク機)<ref name="最終報告書">『機動戦士ガンダムNT』パンフレット特典冊子『最終報告書 U.C.0097 “不死鳥狩り”作戦にまつわる経緯と結果について』創通・サンライズ、2018年11月30日。<!--ページ数表記なし--></ref>
|重量=21.8t{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}<br />22.3t(親衛隊仕様機){{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}<br />27.3t(アンジェロ機){{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}<br />24.9t(エリク機){{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
|全備重量=55.2t<ref name="HGUCギラズール" /><br />56.5t(親衛隊仕様機)<ref name="ucmw1-70">『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 1-3』双葉社、2012年7月23日、70-77頁。</ref><br />61.4t(アンジェロ機)<ref name="ucmw1-70" /><br />56.4t(エリク機)<ref name="最終報告書" />
|全備重量=55.2t{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}<br />56.5t(親衛隊仕様機){{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}<br />61.4t(アンジェロ機){{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}<br />56.4t(エリク機){{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
|出力=2,470kW<ref name="HGUCギラズール" /><br />2,670kW(親衛隊仕様機)<ref name="HGUC親衛隊" /><br />2,870kW(アンジェロ機<ref name="HGUCアンジェロ機" />、エリク機<ref name="最終報告書" />)
|出力=2,470kW{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}<br />2,670kW(親衛隊仕様機){{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}<br />2,870kW(アンジェロ機{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}、エリク機{{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
|推力=62,100kg<ref name="uckhma-50">『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』角川書店、2010年8月26日、50-57頁。</ref><br />74,520kg(親衛隊仕様機)<ref name="ucmw1-70" /><br />77,625kg(アンジェロ機)<ref name="ucmw1-70" /><br />77,630kg(エリク機)<ref name="最終報告書" />
|推力=62,100kg{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}<br />74,520kg(親衛隊仕様機){{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}<br />77,625kg(アンジェロ機){{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}<br />77,630kg(エリク機){{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
|センサー=18,200m(一般機<ref name="uckhma-50" />、親衛隊仕様機<ref name="ucmw1-70" />)<br />19,200m(アンジェロ機<ref name="ucmw1-70" />、エリク機<ref name="最終報告書" />)
|センサー=18,200m(一般機{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}、親衛隊仕様機{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}})<br />19,200m(アンジェロ機{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}、エリク機{{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
|装甲=チタン合金セラミック複合材<ref name="HGUCギラズール" />
|装甲=チタン合金セラミック複合材{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}
|武装=ビーム・マシンガン<br />ビーム・ホーク<br />ハンド・グレネード<br />シュツルム・ファウスト<br />シールド<br />他(「武装・装備」「主な武装」を参照)<!-->スペック表が長くなりすぎるので、標準兵装のみにとどめる<-->
|武装=ビーム・マシンガン<br />ビーム・ホーク<br />ハンド・グレネード<br />シュツルム・ファウスト<br />シールド<br />他(「武装・装備」「主な武装」を参照)<!-->スペック表が長くなりすぎるので、標準兵装のみにとどめる<-->
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#サボア|サボア]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#ギルボア・サント|ギルボア・サント]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#クワニ、アイバン|クワニ]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#クワニ、アイバン|アイバン]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#セルジ・ヘルファー|セルジ・ヘルファー]](親衛隊仕様機)<br />[[機動戦士ガンダムUC#キュアロン・マスカ|キュアロン・マスカ]](親衛隊仕様機)<br />[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]<br />[[機動戦士ガンダムNT#エリク・ユーゴ|エリク・ユーゴ]]
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#サボア|サボア]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#ギルボア・サント|ギルボア・サント]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#クワニ、アイバン|クワニ]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#クワニ、アイバン|アイバン]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#セルジ・ヘルファー|セルジ・ヘルファー]](親衛隊仕様機)<br />[[機動戦士ガンダムUC#キュアロン・マスカ|キュアロン・マスカ]](親衛隊仕様機)<br />[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]<br />[[機動戦士ガンダムNT#エリク・ユーゴ|エリク・ユーゴ]]
}}
}}
「袖付き」の主力MS。もともとは[[ギラ・ドーガ]]に代わる[[ネオ・ジオン#新生ネオ・ジオン|新生ネオ・ジオン]]軍の次期主力機として、AE社によって開発が進められていた機体である{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}。本来は[[第二次ネオ・ジオン抗争]]の長期化に備えてのものであるが{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}、本格的な量産体制が整う前に終結したため生産計画は棚上げとなる{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}{{Efn2|この時点で開発され、温存されていたとする資料もある{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}。}}。その後、「袖付き」の蜂起によりジオン再興の象徴としての主力機が必要とされ、生産が本格化する{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}。しかし、小規模な「袖付き」の台所事情や{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}、MSの運用能力も十分に満足いくレベルではないことから{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}、予定されていたスペックでの量産計画は承認されず{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}{{Efn2|大規模なアップデートがおこなわれなかったとする資料もある{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}。}}、基本的にはギラ・ドーガの発展強化更新型の範疇を逸脱するものではない{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}。しかし、ギラ・ドーガによる実績や数年間の技術の進展{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}、再承認のための入念な設計の見直しにより{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}生産性や整備性は設計当初より改善されており、比較的容易に改修・強化が可能な非常に扱いやすい機体として完成する{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}。また、外観は大きく変わっているものの中身は基本的にギラ・ドーガとほぼ同じであるため機首転換の必要もなく、装備類も共用が可能となっている{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}。しかしながら、対抗機でありながらマイナーチェンジで細かい改良が積み重ねられている[[ジェガン]]に対してアドバンテージを築くのは難しく、またロンド・ベル隊ではジェガンとリゼルの連携運用が基本となっており、インダストリアル7での戦いでも本機は苦戦を強いられている{{Sfn|GM量産型MS全集|2016p=40-41}}。


外観はオーソドックスなジオン・スタイルでまとめられており{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}、ガスマスクのような口元と、[[高機動型ザクII]]を思わせる大腿部側面のメイン・スラスター・ユニット{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}が特徴{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}。手首と胸部には「袖付き」の由来であるエングレーブ風の装飾が施されており、部隊や階級によって装飾の模様および肩部スパイクなどの形状が異なる{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}。また、隊長機は額にブレード・アンテナが設置される。標準塗装は[[ザクII]]やギラ・ドーガと同様、濃淡グリーンを基調とする。
「袖付き」の主力MS。もともとは[[ネオ・ジオン#新生ネオ・ジオン|新生ネオ・ジオン]]軍が[[第二次ネオ・ジオン抗争]]の長期化に備え、[[ギラ・ドーガ]]に代わる次期主力機としてアナハイム社によって開発を依頼、温存していた機体である<ref name="uc_mecha" />{{Sfn|グレートメカニック量産型MS全集|2016p=40-41}}。しかし、本格的な量産体制が整う前に当該抗争が終結したため、生産計画は棚上げとなった<ref name="HGUCギラズール" />。その後、「袖付き」の蜂起によりジオン再興の象徴としての主力機が必要とされ、本機の生産計画が再始動することとなった<ref name="HGUCギラズール" />{{Sfn|グレートメカニック量産型MS全集|2016p=40-41}}。ただし、「袖付き」の組織規模は[[テロリスト]]とされることもあるほど小規模なもので、MSの運用能力においても台所事情においても十分なものではなかった。そのため計画されていた設計からの経過年次に伴うアップデート・スペックでの量産計画は承認されず<ref name="ucpm1-98">関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part1』角川書店、2013年3月9日、98-100頁。</ref>{{Sfn|グレートメカニック量産型MS全集|2016p=40-41}}、基本的にはギラ・ドーガの発展強化更新型の範疇を逸脱するものではない<ref name="HGUCギラズール" />。しかし、ギラ・ドーガによる実績や数年間の技術の進展<ref name="HGUCギラズール" />、再承認のための入念な設計の見直しにより<ref name="ucpm1-98" />、生産性や整備性は設計当初より改善されており、比較的容易に改修・強化が可能な非常に扱いやすい機体として完成する<ref name="HGUCギラズール" />。加えて、操作性においてもギラ・ドーガとは基本的に同じで機種転換訓練の必要もなく、総じて小規模勢力向けの経済的な量産機{{Sfn|グレートメカニック量産型MS全集|2016p=40-41}}として仕上がっている。しかしながら同時に、[[機動戦士ガンダムUC#ラプラス事変|ラプラス事変]]期における連邦軍の対抗機・[[ジェガン]]が、マイナーチェンジ(A2型、D型など)によって細かなを改良を重ねてきていたために性能差が生じてしまい、インダストリアル7での戦闘を始めとして苦戦を強いられる場面が続くこととなる{{Sfn|グレートメカニック量産型MS全集|2016p=40-41}}。


小説版では、従来機のOSを使い回すため、当時の連邦軍ではすでに採用が中止されていたアームレイカー式操縦桿を採用しているとされたが{{Sfn|小説ガンダムUC2|2007|p=55}}、アニメ版では一般的なグリップ式に変更された{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}。
外観はオーソドックスなジオン・スタイルでまとめられており<ref name="uc_mecha" />、ガスマスクのような口元と、[[高機動型ザクII]]を思わせる大腿部側面のメイン・スラスター・ユニット<ref name="HGUC親衛隊" />が特徴<ref name="uckhma-50" />。手首と胸部には「袖付き」の由来であるエングレーブ風の装飾が施されており、部隊や階級によって装飾の模様および肩部スパイクなどの形状が異なる<ref name="uc_mecha" />。また、隊長機は額にブレード・アンテナが設置される。標準塗装は[[ザクII]]やギラ・ドーガと同様、濃淡グリーンを基調とする。

小説版では、従来機のOSを使い回すため、当時の連邦軍ではすでに採用が中止されていたアームレイカー式操縦桿を採用しているとされたが<ref>福井晴敏『機動戦士ガンダムUC』第2巻、角川書店、2007年9月26日、55頁。</ref>、アニメ版では一般的なグリップ式に変更された<ref name="ucmw1-70" />。


; 武装・装備
; 武装・装備
:; ビーム・マシンガン
:; ビーム・マシンガン
:: ギラ・ドーガのものと同様、ペレット状のビームを連射する<ref name="HGUCギラズール" />標準装備の携行火器で、当時の標準的な連射力・集弾率をもつ<ref name="uckhma-50" />。モードの切り替えにより通常のビーム・ライフルとしても使用可能<ref name="ucmw1-70" />。マガジン(Eパック)はフォアグリップを兼ねており<ref name="uckhma-50" />、バナナ型となり装弾数が増えているが<ref name="HGUC親衛隊" />、ギラ・ドーガ用のものとも互換性がある<ref name="ucmw1-70" />。予備マガジンは3セットずつ、フロント・スカート左右にマウント可能。
:: ギラ・ドーガのものと同様、ペレット状のビームを連射する{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}標準装備の携行火器で、当時の標準的な連射力・集弾率をもつ{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}。モードの切り替えにより通常のビーム・ライフルとしても使用可能{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}。マガジン(Eパック)はフォアグリップを兼ねており{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}、バナナ型となり装弾数が増えているが{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}、ギラ・ドーガ用のものとも互換性がある{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}。予備マガジンは3セットずつ、フロント・スカート左右にマウント可能。
:: 基本設計に優れており拡張性が高く、本体のセンサーに直接リンクする大型センサーや<ref name="uckhma-50" />、銃身下部にグレネード・ランチャー・ユニットを装備することが可能<ref name="HGUCギラズール" />
:: 基本設計に優れており拡張性が高く、本体のセンサーに直接リンクする大型センサーや{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}、銃身下部にグレネード・ランチャー・ユニットを装備することが可能{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}
:; ビーム・ホーク
:; ビーム・ホーク
:: 接近戦用の武装。2基のビーム発生器を内装し、側部からマサカリ状のビーム刃を発生させるビーム・ホーク、ツルハシ状にしたビーム・ピック、先端から杭状に発生させるビーム・パイルと<ref name="ucpm1-98" />、状況に合わせて変化させることが可能。2基同時の展開も可能で、使用時には柄を伸長させる<ref name="ucmw1-70" />
:: 接近戦用の武装。2基のビーム発生器を内装し、側部からマサカリ状のビーム刃を発生させるビーム・ホーク、ツルハシ状にしたビーム・ピック、先端から杭状に発生させるビーム・パイルと{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}、状況に合わせて変化させることが可能。2基同時の展開も可能で、使用時には柄を伸長させる{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}
:; ハンド・グレネード
:; ハンド・グレネード
:: MS用手榴弾。磁気・接触・時限・熱探知など複数のモードで反応する信管をセット可能<ref name="HGUCギラズール" />
:: MS用手榴弾。磁気・接触・時限・熱探知など複数のモードで反応する信管をセット可能{{Sfn|HGUCギラズール|2009}}
:; シュツルム・ファウスト
:; シュツルム・ファウスト
:: 命中精度向上のため弾体後部に4枚の安定板が追加され、グリップと照準器が一体になった発射器を使用する<ref name="ucmw1-70" />
:: 命中精度向上のため弾体後部に4枚の安定板が追加され、グリップと照準器が一体になった発射器を使用する{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}
:; シールド
:; シールド
:: 右肩にザクIIと同様のL字型シールドを装備する。表面にシュツルム・ファウスト(上記と異なる従来型)4発をマウント可能。なお、左肩はスパイクのない球状のアーマーを装備。
:: 右肩にザクIIと同様のL字型シールドを装備する。表面にシュツルム・ファウスト(上記と異なる従来型)4発をマウント可能。なお、左肩はスパイクのない球状のアーマーを装備。
:; 重装用バックパック
:; 重装用バックパック
:: ジェネレーター直結型のオプション兵装を運用するために開発された大型のバックパック<ref name="HGUCアンジェロ機" />。内蔵されたジェネレーターによる対応火器へのエネルギーの安定供給のほか、スタビライザーと2基の大型プロペラント・タンクを接続することで長時間の作戦行動が可能となる<ref name="HGUCアンジェロ機" />。少数が製造され、親衛隊仕様機に優先的に配備されている<ref name="HGUCアンジェロ機" />
:: ジェネレーター直結型のオプション兵装を運用するために開発された大型のバックパック{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}。内蔵されたジェネレーターによる対応火器へのエネルギーの安定供給のほか、スタビライザーと2基の大型プロペラント・タンクを接続することで長時間の作戦行動が可能となる{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}。少数が製造され、親衛隊仕様機に優先的に配備されている{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}
:; ランゲ・ブルーノ砲・改
:; ランゲ・ブルーノ砲・改
:: 重装用バックパック対応兵器のひとつで、[[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ重装型|ギラ・ドーガ重装型]]のランゲ・ブルーノ砲を宇宙での運用に特化するため、実弾兵器から長射程のビーム・ランチャーとして改良されている<ref name="HGUCアンジェロ機" />。貫通力強化のために収束率を極限まで高めたビームを高速で発射する<ref name="HGUCアンジェロ機" />。後述の[[#ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)|アンジェロ機]]のほか、ラプラス跡での戦闘ではガランシェール隊のギルボア・サント機ほか1機も装備している。
:: 重装用バックパック対応兵器のひとつで、[[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ重装型|ギラ・ドーガ重装型]]のランゲ・ブルーノ砲を宇宙での運用に特化するため、実弾兵器から長射程のビーム・ランチャーとして改良されている{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}。貫通力強化のために収束率を極限まで高めたビームを高速で発射する{{Sfn|HGUCギラズールアンジェロ|2010}}。後述の[[#ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)|アンジェロ機]]のほか、ラプラス跡での戦闘ではガランシェール隊のギルボア・サント機ほか1機も装備している。
:; その他武装
:; その他武装
:: ギラ・ドーガ用の武装もそのまま使用可能<ref name="uckhma-50" />
:: ギラ・ドーガ用の武装もそのまま使用可能{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}
:: ランゲ・ブルーノ砲・改を装備したガランシェール隊所属機のうち、ギルボア機は副兵装としてビーム・ガトリングガンを、もう1機はサブ・マシンガンとギラ・ドーガのシールド(裏にシュツルム・ファウスト4発)を装備する。
:: ランゲ・ブルーノ砲・改を装備したガランシェール隊所属機のうち、ギルボア機は副兵装としてビーム・ガトリングガンを、もう1機はサブ・マシンガンとギラ・ドーガのシールド(裏にシュツルム・ファウスト4発)を装備する。
:: ガランシェール隊が[[ガルダ (ガンダムシリーズ)#ガルダ|ガルダ]]輸送機からミネバ・ラオ・ザビらを奪還する際には、アイバン機<ref name="ucpm1-98" />(重装用バックパック装備)が[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#スキウレ|スキウレ]]と[[リック・ドム#リック・ドムII|リック・ドムII]]のロケット・バズーカを、クワニ機<ref name="ucpm1-98" />が[[ザクII]]のザク・マシンガン、2連ザク・バズーカと3連装ミサイル・ポッド8基、[[グフ#グフカスタム|グフカスタム]]のガトリング・シールド、[[ドム]]のジャイアント・バズ、ロケット・バズーカ、[[ゲルググ#ゲルググJ|ゲルググJ]]のビーム・マシンガン、[[陸戦型ジム]]のミサイル・ランチャー、[[リック・ディアス]]のクレイ・バズーカ、[[ハイザック]]および[[マラサイ]]のビーム・ライフルを使用し、母艦の[[#ガランシェール|ガランシェール]]に搭載された状態で連邦軍MS隊へ向け発砲している。これらは地球のジオン残党軍から譲り受けたもので<ref>『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 4-6』双葉社、2013年5月30日、22頁。</ref>、漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』によれば、カークス隊の[[機動戦士ガンダムUC#クイント|クイント]]中尉が[[一年戦争]]からの歴戦の中でかき集めてきたものとされる。
:: ガランシェール隊が[[ガルダ (ガンダムシリーズ)#ガルダ|ガルダ]]輸送機からミネバ・ラオ・ザビらを奪還する際には、アイバン機{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}(重装用バックパック装備)が[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#スキウレ|スキウレ]]と[[リック・ドム#リック・ドムII|リック・ドムII]]のロケット・バズーカを、クワニ機{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=98-100}}が[[ザクII]]のザク・マシンガン、2連ザク・バズーカと3連装ミサイル・ポッド8基、[[グフ#グフカスタム|グフカスタム]]のガトリング・シールド、[[ドム]]のジャイアント・バズ、ロケット・バズーカ、[[ゲルググ#ゲルググJ|ゲルググJ]]のビーム・マシンガン、[[陸戦型ジム]]のミサイル・ランチャー、[[リック・ディアス]]のクレイ・バズーカ、[[ハイザック]]および[[マラサイ]]のビーム・ライフルを使用し、母艦の[[#ガランシェール|ガランシェール]]に搭載された状態で連邦軍MS隊へ向け発砲している。これらは地球のジオン残党軍から譲り受けたもので{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=22}}、漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』によれば、カークス隊の[[機動戦士ガンダムUC#クイント|クイント]]中尉が[[一年戦争]]からの歴戦の中でかき集めてきたものとされる。
:: 最終決戦に際してネェル・アーガマの所属となった3機(大腿部にオレンジ色の識別帯が施されている)のうち2機も、ガランシェールから持ち込んだ上記の武装の一部を使用<ref>『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 7』双葉社、2014年10月16日、26頁。</ref>。一般機はスキウレ、親衛隊仕様機は2連ザク・バズーカおよびジェガンのシールドを装備する。残る1機の一般機は、ジェガンのビーム・ライフルとシールドを携行する。
:: 最終決戦に際してネェル・アーガマの所属となった3機(大腿部にオレンジ色の識別帯が施されている)のうち2機も、ガランシェールから持ち込んだ上記の武装の一部を使用{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=26}}。一般機はスキウレ、親衛隊仕様機は2連ザク・バズーカおよびジェガンのシールドを装備する。残る1機の一般機は、ジェガンのビーム・ライフルとシールドを携行する。


==== ギラ・ズール(親衛隊仕様機) ====
==== ギラ・ズール(親衛隊仕様機) ====
フル・フロンタル直属の親衛隊に与えられた特別仕様機<ref name="HGUC親衛隊" />。本仕様こそが設計段階における本来の標準スペックであるともいわれる<ref name="ucpm1-71">関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part1』角川書店、2013年3月9日、71頁。</ref>{{efn|デザイナーである[[カトキハジメ]]も、最初に親衛隊仕様機をデザインし、それからガランシェール隊用にスペック・ダウンした一般機をデザインしたため、自分の中では本仕様が標準のギラ・ズールであると述べている<ref name="uckhma-50" />。}}。
フル・フロンタル直属の親衛隊に与えられた特別仕様機{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}。本仕様こそが設計段階における本来の標準スペックであるともいわれる{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=71-74}}{{efn2|デザイナーである[[カトキハジメ]]も、最初に親衛隊仕様機をデザインし、それからガランシェール隊用にスペック・ダウンした一般機をデザインしたため、自分の中では本仕様が標準のギラ・ズールであると述べている{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=50-57}}。}}。


高機動を誇るフロンタルの[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]との連携を図るため、大腿部メイン・スラスター([[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-2型)|高機動型ザクIIR-2型]]を思わせるカバーが追加されている)をはじめとする推力の大幅な強化が図られ、バックパックはギラ・ドーガのプロペラント増加型の比推力を改善したものを装備し、長時間の作戦行動も可能となっている<ref name="HGUC親衛隊" />。外観的には、両肩に大型のスパイク・アーマーを装備してより攻撃的になり、「袖付き」の装飾は親衛隊であることを示すために一般機より広範囲に施されている<ref name="uc_mecha" />
高機動を誇るフロンタルの[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]との連携を図るため、大腿部メイン・スラスター([[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-2型)|高機動型ザクIIR-2型]]を思わせるカバーが追加されている)をはじめとする推力の大幅な強化が図られ、バックパックはギラ・ドーガのプロペラント増加型の比推力を改善したものを装備し、長時間の作戦行動も可能となっている{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}。外観的には、両肩に大型のスパイク・アーマーを装備してより攻撃的になり、「袖付き」の装飾は親衛隊であることを示すために一般機より広範囲に施されている{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}


本仕様は「袖付き」の中でも出撃回数が非常に多いにもかかわらず、撃墜スコアは微々たるものであったとされるが、これは戦場で先陣を切るフロンタルへの介入を親衛隊隊長が禁じたためといわれる<ref name="HGUC親衛隊" />。しかし、攻撃に転じれば一騎当千と形容され、敵軍から恐れられたという<ref name="HGUC親衛隊" />
本仕様は「袖付き」の中でも出撃回数が非常に多いにもかかわらず、撃墜スコアは微々たるものであったとされるが、これは戦場で先陣を切るフロンタルへの介入を親衛隊隊長が禁じたためといわれる{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}。しかし、攻撃に転じれば一騎当千と形容され、敵軍から恐れられたという{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}


劇中では、セルジ機がユニコーンガンダムのビーム・マグナムの至近弾により誘爆し、キュアロン機もラプラス跡での戦闘で同機のビーム・サーベルに貫かれ撃破される。アニメ版終盤においては、ネェル・アーガマに残された鹵獲機の1機が運用されている。
劇中では、セルジ機がユニコーンガンダムのビーム・マグナムの至近弾により誘爆し、キュアロン機もラプラス跡での戦闘で同機のビーム・サーベルに貫かれ撃破される。アニメ版終盤においては、ネェル・アーガマに残された鹵獲機の1機が運用されている。


映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場するジオン共和国軍の[[機動戦士ガンダムNT#ゾルタン・アッカネン|ゾルタン・アッカネン]]大尉率いる部隊が運用するギラ・ズールの外観は親衛隊仕様機と同様(所属を偽るため、「袖付き」の装飾もそのまま)だが、スペックは一般機と同じ数値となっている<ref name="最終報告書" />。
映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場するジオン共和国軍の[[機動戦士ガンダムNT#ゾルタン・アッカネン|ゾルタン・アッカネン]]大尉率いる部隊が運用するギラ・ズールの外観は親衛隊仕様機と同様(所属を偽るため、「袖付き」の装飾もそのまま)だが、スペックは一般機と同じ数値となっている{{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}


漫画『[[機動戦士ガンダムF90#ファステストフォーミュラ|機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ]]』では、ジオン軍残党部隊の機体が登場。部隊のMSに共通する重装用バックパック(後述、プロペラントタンク装備)に換装されており、袖と胸の装飾は消されている。宇宙世紀0112年に[[サイド (ガンダムシリーズ)#サイド4(ムーア)→新サイド6|サイド6]]の廃棄コロニー群で僚機の[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]および[[ゲルググ#リゲルグ|リゲルグ]]とともに資材をあさるが、突如現れた[[宇宙世紀の企業#ランデッガー重工|ランデッガー重工]]のMS[[機動戦士ガンダムF90#ティグリス|ティグリス]]2機の急襲に遭い、「噛みつき」によって撃破される。
漫画『[[機動戦士ガンダムF90#ファステストフォーミュラ|機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ]]』では、ジオン軍残党部隊の機体が登場。部隊のMSに共通する重装用バックパック(後述、プロペラントタンク装備)に換装されており、袖と胸の装飾は消されている。宇宙世紀0112年に[[サイド (ガンダムシリーズ)#サイド4(ムーア)→新サイド6|サイド6]]の廃棄コロニー群で僚機の[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]および[[ゲルググ#リゲルグ|リゲルグ]]とともに資材をあさるが、突如現れた[[宇宙世紀の企業#ランデッガー重工|ランデッガー重工]]のMS[[機動戦士ガンダムF90#ティグリス|ティグリス]]2機の急襲に遭い、「噛みつき」によって撃破される。
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; 主な武装
; 主な武装
:; シールド
:; シールド
:: 一般機と異なり、ギラ・ドーガのものをベースに軽量化などの改良が施されたものを装備する<ref name="HGUC親衛隊" />。キュアロン機はラプラス跡での戦闘時に一般機のシールドも装備し、合計8発のシュツルム・ファウストを搭載する。
:: 一般機と異なり、ギラ・ドーガのものをベースに軽量化などの改良が施されたものを装備する{{Sfn|HGUCギラズール親衛隊|2011}}。キュアロン機はラプラス跡での戦闘時に一般機のシールドも装備し、合計8発のシュツルム・ファウストを搭載する。
:; ビーム・スナイパー・ライフル
:; ビーム・スナイパー・ライフル
:: ラプラス跡での戦闘時にキュアロン機が携行する。ビーム・マシンガンでは届かない長射程からの狙撃に使用される<ref name="ucmw1-70" />。センサーはビーム・マシンガン用のオプションと共通<ref name="ucmw1-70" />
:: ラプラス跡での戦闘時にキュアロン機が携行する。ビーム・マシンガンでは届かない長射程からの狙撃に使用される{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}。センサーはビーム・マシンガン用のオプションと共通{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}


==== ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機) ====
==== ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機) ====
親衛隊隊長である[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]大尉の専用機。親衛隊仕様機にパーソナル・カラーである紫を基調とした塗装が施され<ref name="uc_mecha" />、胸部の装飾も異なる。ブレード・アンテナと重装用バックパックを装備する。
親衛隊隊長である[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]大尉の専用機。親衛隊仕様機にパーソナル・カラーである紫を基調とした塗装が施され{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}、胸部の装飾も異なる。ブレード・アンテナと重装用バックパックを装備する。


初登場時にはランゲ・ブルーノ砲・改を装備し、ユニコーンガンダムと交戦するシナンジュを援護する。パラオ防衛戦ではサブ・マシンガンを携行し、シナンジュに随伴する。ラプラス跡での戦闘ではビーム・ショット・ライフルを携行し、ユニコーンガンダムに挑むも返り討ちに遭い、小説版では両腕と頭部を、アニメ版では四肢を切断される。
初登場時にはランゲ・ブルーノ砲・改を装備し、ユニコーンガンダムと交戦するシナンジュを援護する。パラオ防衛戦ではサブ・マシンガンを携行し、シナンジュに随伴する。ラプラス跡での戦闘ではビーム・ショット・ライフルを携行し、ユニコーンガンダムに挑むも返り討ちに遭い、小説版では両腕と頭部を、アニメ版では四肢を切断される。
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; 主な武装
; 主な武装
:; ビーム・ショット・ライフル
:; ビーム・ショット・ライフル
:: 重装用バックパック対応兵器のひとつ<ref name="ucpm2-35">関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』KADOKAWA、2016年7月26日、35頁。</ref>。[[サザビー (ガンダムシリーズ)|サザビー]]のものの改修型で<ref name="ucmw1-70" />、収束・拡散ビームの撃ち分けが可能<ref name="ucpm2-35" />。後端にグリップがあり、上部中央にエネルギー充填用のコッキング・レバーを有する<ref name="ucmw1-70" />
:: 重装用バックパック対応兵器のひとつ{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=35}}。[[サザビー (ガンダムシリーズ)|サザビー]]のものの改修型で{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}、収束・拡散ビームの撃ち分けが可能{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=35}}。後端にグリップがあり、上部中央にエネルギー充填用のコッキング・レバーを有する{{Sfn|UCメカ&ワールドep1-3|2012|p=70-77}}


==== ギラ・ズール(エリク・ユーゴ機)====
==== ギラ・ズール(エリク・ユーゴ機)====
『機動戦士ガンダムNT』に登場する、ジオン共和国軍の[[機動戦士ガンダムNT#エリク・ユーゴ|エリク・ユーゴ]]中尉の専用機。親衛隊仕様機をベースとしているが<ref name="ga1905-khma">「機動戦士ガンダムNT カトキハジメ メカニカルアーカイブス Vol.4」『ガンダムエース2019年5月号、KADOKAWA、203頁。{{JAN|4910124010594}}。</ref>、頭部のひさし、胸部の装甲形状と装飾、肩部スパイク・アーマーの端部やフロント・スカート端部の形状といった細部が異なり<ref name="ga1905-khma" />、全体的に[[筋肉質]]で力強いイメージで作画されている<ref>{{Cite journal|和書|journal=月刊ホビージャパン|date=2019-05|issue=No.599|publisher=[[ホビージャパン]]|id={{JAN|4910081270598}}|author=田中康貴|title=AMS-129 ギラ・ズール(エリク・ユーゴ専用機)|pages=86-88}}</ref>。アンジェロ機と同様に指揮官用のブレード・アンテナと重装用バックパックを備えるが<ref name="ga1905-khma" />、ブレード・アンテナの形状はアンジェロ機と異なり、[[ヤクト・ドーガ#ギュネイ・ガス機|ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス機)]]のように大小2本で構成されたものとなっている<ref name="ga1905-khma" />。塗装はエリクのパーソナル・カラーであるダーク・ブルーを基調とする<ref name="ga1905-khma" />
『機動戦士ガンダムNT』に登場する、ジオン共和国軍の[[機動戦士ガンダムNT#エリク・ユーゴ|エリク・ユーゴ]]中尉の専用機。親衛隊仕様機をベースとしているが{{Sfn|ガンダムエース1905|2019|p=203}}、頭部のひさし、胸部の装甲形状と装飾、肩部スパイク・アーマーの端部やフロント・スカート端部の形状といった細部が異なり{{Sfn|ガンダムエース1905|2019|p=203}}、全体的に[[筋肉質]]で力強いイメージで作画されている{{Sfn|ホビージャパン1905|2019|p=86-88}}</ref>。アンジェロ機と同様に指揮官用のブレード・アンテナと重装用バックパックを備えるが、ブレード・アンテナの形状はアンジェロ機と異なり、[[ヤクト・ドーガ#ギュネイ・ガス機|ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス機)]]のように大小2本で構成されたものとなっている{{Sfn|ガンダムエース1905|2019|p=203}}。塗装はエリクのパーソナル・カラーであるダーク・ブルーを基調とする{{Sfn|ガンダムエース1905|2019|p=203}}


; 主な武装
; 主な武装
:; ビーム・マシンガン・コンパクト
:; ビーム・マシンガン・コンパクト
:: 一般機のビーム・マシンガンを切り詰めて短くして、取り回しを良くしている<ref name="最終報告書" /><ref name="ga1905-khma" />。近接戦闘用<ref name="最終報告書" />。
:: 一般機のビーム・マシンガンを切り詰めて短くして、取り回しを良くしている{{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}{{Sfn|ガンダムエース1905|2019|p=203}}。近接戦闘用{{Sfn|ガンダムNT最終報告書|2018<!--ページ数表記なし-->}}
:; ビーム・ナギナタ
:; ビーム・ナギナタ
:: [[ゲルググ]]と同様の両刃型ビーム・サーベル。
:: [[ゲルググ]]と同様の両刃型ビーム・サーベル。
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|名称=ゼー・ズール<br />ZEE ZULU
|名称=ゼー・ズール<br />ZEE ZULU
|型式番号=AMS-129M
|型式番号=AMS-129M
|全高=20.3m<ref name="uckhma-96">『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』角川書店、2010年8月26日、96-97頁。</ref>
|全高=20.3m{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
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|重量=28.9t{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
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|全備重量=42.8t{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=72-73}}
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|出力=2,470kW{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
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|推力=92,400kg{{要出典|date=2018年12月}}
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|センサー=18,200m{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
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|装甲=チタン合金セラミック複合材{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
|武装=ビーム・マシンガン×1<br />ヒート・ナイフ×2<br />アイアン・ネイル×2
|武装=ビーム・マシンガン×1<br />ヒート・ナイフ×2<br />アイアン・ネイル×2
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#アヴリル・ゼック|アヴリル・ゼック]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#テッセラ・マッセラ|テッセラ・マッセラ]]
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#アヴリル・ゼック|アヴリル・ゼック]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#テッセラ・マッセラ|テッセラ・マッセラ]]
}}
}}
「袖付き」が地球侵攻に備え、アナハイム社に開発を委託した水陸両用MS<ref name="HGUCゼーズール">プラモデル『HGUC AMS-129M ゼー・ズール』付属説明書、バンダイ、2011年11月。</ref>{{efn|「袖付き」が開発したとする資料も多い<ref name="uc_mecha" /><ref name="ucmw4-72" />。}}。「袖付き」は局地専用MSの開発に消極的であったが、ギラ・ズールの総合性能が極めて高く、そのコンセプトが名機であるザクIIに近いことから、例外的に同機をベースとした局地専用機の開発案が複数提示されたと言われており、本機もそのひとつである<ref name="HGUCゼーズール" />。基本フレームはベース機と同一であるが、水圧軽減のための外装の改修や水中用の増加装備により、長時間の水中行動と、水陸ともに高い機動性を得ている<ref name="HGUCゼーズール" />。内装部品は地上での運用に対応したものに改められている<ref name="ucpm1-41">『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part1』角川書店、2013年3月9日、41-46頁。</ref>。塗装は濃淡シー・ブルーを基調とする。
「袖付き」が地球侵攻に備え、AE社に開発を委託した水陸両用MS{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}{{efn2|一方で、「袖付き」が開発したとする資料も多い{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=72-73}}。}}。「袖付き」は局地専用MSの開発に消極的であったが、ギラ・ズールの総合性能が極めて高く、そのコンセプトが名機であるザクIIに近いことから、例外的に同機をベースとした局地専用機の開発案が複数提示されたと言われており、本機もそのひとつである{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。基本フレームはベース機と同一であるが、水圧軽減のための外装の改修や水中用の増加装備により、長時間の水中行動と、水陸ともに高い機動性を得ている{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。内装部品は地上での運用に対応したものに改められている{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=41-46}}。塗装は濃淡シー・ブルーを基調とする。


地球のジオン残党軍に補充用のギラ・ズール1機およびパイロットを含む数名とともに2機が送られ、不時着した「袖付き」の友軍の救援を依頼している<ref name="ucpm1-41" />
地球のジオン残党軍に補充用のギラ・ズール1機およびパイロットを含む数名とともに2機が送られ、不時着した「袖付き」の友軍の救援を依頼している{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=41-46}}


アニメ版では、[[宇宙世紀の施設と地名#トリントン基地|トリントン基地]]襲撃において2機が参戦。[[#シャンブロ|シャンブロ]]とともに基地へ向かう途中、海中で2機の[[ジムシリーズのバリエーション#アクア・ジム|アクア・ジム]]を撃破する。その後、[[ザク・マリンタイプ#ザク・マリナー|ザク・マリナー]]や[[カプール]]らとともにトリントン湾岸基地に上陸。水中用装備を外したあと、基地に配備されていた[[ジムII]]らと交戦。当初はジオン残党軍らとともに連邦側を圧倒するも、[[ティターンズの機動兵器#バイアラン・カスタム|バイアラン・カスタム]]との戦闘で1機は両腕を切断され、もう1機は体当たりでビルに叩きつけられる。
アニメ版では、[[宇宙世紀の施設と地名#トリントン基地|トリントン基地]]襲撃において2機が参戦。[[#シャンブロ|シャンブロ]]とともに基地へ向かう途中、海中で2機の[[ジムシリーズのバリエーション#アクア・ジム|アクア・ジム]]を撃破する。その後、[[ザク・マリンタイプ#ザク・マリナー|ザク・マリナー]]や[[カプール]]らとともにトリントン湾岸基地に上陸。水中用装備を外したあと、基地に配備されていた[[ジムII]]らと交戦。当初はジオン残党軍らとともに連邦側を圧倒するも、[[ティターンズの機動兵器#バイアラン・カスタム|バイアラン・カスタム]]との戦闘で1機は両腕を切断され、もう1機は体当たりでビルに叩きつけられる。
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; 武装・装備
; 武装・装備
:; 水中用装備
:; 水中用装備
:: ベスト状の潜水装置と首周りのバラスト・タンク<ref name="uc_mecha" />、背部のハイドロ・ジェット推進器、つま先のフィンからなる、水中用の増加装備<ref name="HGUCゼーズール" />。[[ジオン公国]]軍が開発した水陸両用MSのデータをもとに開発されている<ref name="HGUCゼーズール" />。これらによって膨らんだ外観は[[ズゴック]]などの水陸両用MSを想起させる<ref name="uckhma-96" />。推進器とフィンは離水後にパージし、陸戦用の除装状態となる<ref name="HGUCゼーズール" />。ほかに腹部のタンク状の装備があるが(これも離水後にパージ)、これについて言及した資料はない。
:: ベスト状の潜水装置と首周りのバラスト・タンク{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}、背部のハイドロ・ジェット推進器、つま先のフィンからなる、水中用の増加装備{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。[[ジオン公国]]軍が開発した水陸両用MSのデータをもとに開発されている{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。これらによって膨らんだ外観は[[ズゴック]]などの水陸両用MSを想起させる{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}。推進器とフィンは離水後にパージし、陸戦用の除装状態となる{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。ほかに腹部のタンク状の装備があるが(これも離水後にパージ)、これについて言及した資料はない。
:; ビーム・マシンガン
:; ビーム・マシンガン
:: 本機専用の携行火器で、ギラ・ズールのものをベースとしているがセンサーはオミットされ、銃身に小型のセンサーらしきものが追加されており、マガジンも短い。グレネード・ランチャー・ユニットを装備。水中ではシーリングされた銃器コンテナに収納されるが、水中でのビーム収束率を高めた偏向射撃モードへの切り替えも可能となっている<ref name="HGUCゼーズール" />
:: 本機専用の携行火器で、ギラ・ズールのものをベースとしているがセンサーはオミットされ、銃身に小型のセンサーらしきものが追加されており、マガジンも短い。グレネード・ランチャー・ユニットを装備。水中ではシーリングされた銃器コンテナに収納されるが、水中でのビーム収束率を高めた偏向射撃モードへの切り替えも可能となっている{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}
:; ヒート・ナイフ
:; ヒート・ナイフ
:: セラミック高分子化合物で形成された<ref name="HGUCゼーズール" />、ヒート系の格闘用武装<ref name="ucmw4-72" />。従来のもののようにブレード部全体ではなく、刃の部分のみが赤熱する<ref name="HGUCゼーズール" />。腰部背面の鞘に2本を収納する。
:: セラミック高分子化合物で形成された{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}、ヒート系の格闘用武装{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=72-73}}。従来のもののようにブレード部全体ではなく、刃の部分のみが赤熱する{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}。腰部背面の鞘に2本を収納する。
:; アイアン・ネイル
:; アイアン・ネイル
:: ヒート・クローとも呼ばれ<ref name="ucmw4-72" />、両前腕部甲に装備。使用時には3枚のブレード(構造・機構はヒート・ナイフと同様)が前方に展開し<ref name="HGUCゼーズール" />、さらにヒート・ナイフを逆刃で保持することで、甲殻類の[[はさみ (動物)|ハサミ]]を思わせる水陸両用MSらしい外観となる<ref name="uckhma-96" />
:: ヒート・クローとも呼ばれ{{Sfn|UCメカ&ワールドep4-6|2013|p=72-73}}、両前腕部甲に装備。使用時には3枚のブレード(構造・機構はヒート・ナイフと同様)が前方に展開し{{Sfn|HGUCゼーズール|2011}}、さらにヒート・ナイフを逆刃で保持することで、甲殻類の[[はさみ (動物)|ハサミ]]を思わせる水陸両用MSらしい外観となる{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=96-97}}
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{{clear}}
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|名称=ローゼン・ズール<br />ROZEN ZULU
|名称=ローゼン・ズール<br />ROZEN ZULU
|型式番号=YAMS-132
|型式番号=YAMS-132
|全高=22.5m<ref name="uckhma-132">『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』角川書店、2010年8月26日、132-135頁。</ref>
|全高=22.5m{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}
|重量=25.8t<ref name="uckhma-132" /><br />29.6t<ref name="HGUCローゼンep7">プラモデル『HGUC YAMS-132 ローゼン・ズール(エピソード7 Ver.)』付属説明書、バンダイ、2014年8月。</ref><ref name="ucpm2-117">関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』角川書店、2016年7月26日、117頁。</ref> / 25.8t<ref name="ucmw7-53">『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 7』双葉社、2014年10月16日、53頁。</ref>(右腕改修後)
|重量=25.8t{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}<br />29.6t{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=117}} / 25.8t{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=53}}(右腕改修後)
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|全備重量=72.6t{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}<br />76.4t{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=117}} / 50.8t{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=53}}(右腕改修後)
|センサー=18,200m<ref name="uckhma-132" /> / 108,200m<ref name="ucmw7-53" />
|センサー=18,200m{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}} / 108,200m{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=53}}
|出力=4,950kW<ref name="uckhma-132" />
|出力=4,950kW{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}
|推力=257,200kg<ref name="uckhma-132" />
|推力=257,200kg{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}
|装甲=チタン合金セラミック複合材<ref name="uckhma-132" /><br />一部[[ガンダリウム合金]](アニメ版)<ref name="HGUCローゼン">プラモデル『HGUC YAMS-132 ローゼン・ズール』付属説明書、バンダイ、2012年12月。</ref>
|装甲=チタン合金セラミック複合材{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}<br />一部[[ガンダリウム合金]](アニメ版){{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}
|武装=3連装メガ粒子砲×2<br />シールド<br />サイコ・ジャマー<br />有線式シールド・ユニット(右腕改修後)
|武装=3連装メガ粒子砲×2<br />シールド<br />サイコ・ジャマー<br />有線式シールド・ユニット(右腕改修後)
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#ゼクスト・アーデ|ゼクスト・アーデ]](テスト・パイロット)
|搭乗者=[[機動戦士ガンダムUC#アンジェロ・ザウパー|アンジェロ・ザウパー]]<br />[[機動戦士ガンダムUC#ゼクスト・アーデ|ゼクスト・アーデ]](テスト・パイロット)
}}
}}
[[#ギラ・ズール(親衛隊仕様機)|ギラ・ズール(親衛隊仕様機)]]をベースに<ref>白石琴似『機動戦士ガンダムUC 『袖付きの機付長は詩詠う』第2巻、角川書店、45頁。</ref>、[[第一次ネオ・ジオン抗争]]で[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン軍]]に運用された[[ネオ・ジオンの機動兵器#ハンマ・ハンマ|ハンマ・ハンマ]]のコンセプトを昇華させて開発した機体<ref name="uc_mecha" />
[[#ギラ・ズール(親衛隊仕様機)|ギラ・ズール(親衛隊仕様機)]]をベースに{{Sfn|袖付きの機付長は詩詠う2|2014|p=45}}、[[第一次ネオ・ジオン抗争]]で[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン軍]]に運用された[[ネオ・ジオンの機動兵器#ハンマ・ハンマ|ハンマ・ハンマ]]のコンセプトを昇華させて開発した機体{{Sfn|公式WEBメカ|2014}}


設計当初から[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]の予備パーツの流用が決定しており<ref name="HGUCローゼン" />、コックピット周辺に組み込まれた[[サイコフレーム]]の構成も<ref name="ucpm2-55">『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』角川書店、2016年7月26日、55-58頁。</ref>そのまま採用されている<ref name="HGUCローゼン" />。いわゆるサイコミュ搭載機ではあるが、本機はニュータイプではない一般兵の搭乗を前提としており、準サイコミュ装置も組み込んだサイコミュ技術のハイブリット・タイプ<ref name="ucpm2-55"/>として完成したとされる。サイコフレームには一般人の微弱な感応波も感知できる機能があり、その特性を機体制御に特化させ、攻撃面では準サイコミュに総合的な火器管制を担当させている<ref name="HGUCローゼン" />
設計当初から[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)|シナンジュ]]の予備パーツの流用が決定しており{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}、コックピット周辺に組み込まれた[[サイコフレーム]]の構成も{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=55-58}}そのまま採用されている{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}。いわゆるサイコミュ搭載機ではあるが、本機はニュータイプではない一般兵の搭乗を前提としており、準サイコミュ装置も組み込んだサイコミュ技術のハイブリット・タイプ{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=55-58}}として完成したとされる。サイコフレームには一般人の微弱な感応波も感知できる機能があり、その特性を機体制御に特化させ、攻撃面では準サイコミュに総合的な火器管制を担当させている{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}


また、[[ユニコーンガンダム#1号機|ユニコーンガンダム]]に対する「切り札」としても開発されており、対ユニコーンガンダム用の兵装としてサイコ・ジャマーを装備する<ref name="HGUCローゼン" />。本機は[[バラ]]をモチーフにデザインされ<ref name="ucpm2-55" />、肥大化した両肩・両腕とハイヒール状の両足により、トップ・ヘビーなバランスの外観となっている<ref name="uckhma-132" />。背部のプロペラント・タンクはシナンジュと共通<ref name="uckhma-132" />
また、[[ユニコーンガンダム#1号機|ユニコーンガンダム]]に対する「切り札」としても開発されており、対ユニコーンガンダム用の兵装としてサイコ・ジャマーを装備する{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}。本機は[[バラ]]をモチーフにデザインされ{{Sfn|UCプリズマティック2|2016|p=55-58}}、肥大化した両肩・両腕とハイヒール状の両足により、トップ・ヘビーなバランスの外観となっている{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}。背部のプロペラント・タンクはシナンジュと共通{{Sfn|UCカトキアーカイブス|2010|p=132-135}}


アニメ版では、両肩アーマー内側に小説版にはなかったスラスターが追加された。
アニメ版では、両肩アーマー内側に小説版にはなかったスラスターが追加された。
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; 武装
; 武装
:; 3連装メガ粒子砲
:; 3連装メガ粒子砲
:: 両腕のクロー・アーム中央に装備されている。これらはインコムとして有線誘導により簡易的な[[オールレンジ攻撃]]が可能で、各3基のリレー・インコムを使用して方向転換をおこなう<ref name="HGUCローゼン" />
:: 両腕のクロー・アーム中央に装備されている。これらはインコムとして有線誘導により簡易的な[[オールレンジ攻撃]]が可能で、各3基のリレー・インコムを使用して方向転換をおこなう{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}
:; シールド / 有線式シールド・ユニット
:; シールド / 有線式シールド・ユニット
:: ガンダリウム合金製で<ref name="HGUCローゼン" />、中央部にIフールド・ジェネレーター、その周囲に3門のメガ粒子砲を装備。Iフィールドは防御だけでなく、各メガ粒子砲を偏向させての拡散照射が可能<ref name="HGUCローゼン" />
:: ガンダリウム合金製で{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}、中央部にIフールド・ジェネレーター、その周囲に3門のメガ粒子砲を装備。Iフィールドは防御だけでなく、各メガ粒子砲を偏向させての拡散照射が可能{{Sfn|HGUCローゼンズール|2012}}
:: 右腕部欠損後、代替として装備案のひとつであった有線式遠隔誘導装置を内蔵したシールド・ユニットとして右腕先端に取り付けられている<ref name="HGUCローゼンep7" />。こちらも引き続きインコムとしてオールレンジ攻撃が可能<ref name="HGUCローゼンep7" /><ref>福井晴敏『機動戦士ガンダムUC』第9巻、[[角川書店]]、2009年8月26日、97頁。ISBN 978-4-04-715286-1</ref>
:: 右腕部欠損後、代替として装備案のひとつであった有線式遠隔誘導装置を内蔵したシールド・ユニットとして右腕先端に取り付けられている{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}。こちらも引き続きインコムとしてオールレンジ攻撃が可能{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}{{Sfn|小説ガンダムUC9|2009|p=97}}
:; サイコ・ジャマー
:; サイコ・ジャマー
:: 背部コンテナに複数格納されている、バラのような形状の特殊デバイス<ref name="HGUCローゼンep7" />。サイコミュではなく、機械的な複合誘導方式で対象を中心とした<ref name="HGUCローゼンep7" />サイコ・フィールドを形成し、内部に感応波を妨害する強力な波動を発生させ<ref name="ucmw7-53" />、領域内のサイコミュ機能を完全に遮断する<ref name="HGUCローゼンep7" />。しかし、感応波の波動が妨害能力を超える場合は遮断が不可能となる<ref name="ucmw7-53" />
:: 背部コンテナに複数格納されている、バラのような形状の特殊デバイス{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}。サイコミュではなく、機械的な複合誘導方式で対象を中心とした{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}サイコ・フィールドを形成し、内部に感応波を妨害する強力な波動を発生させ{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=53}}、領域内のサイコミュ機能を完全に遮断する{{Sfn|HGUCローゼンズールep7|2014}}。しかし、感応波の波動が妨害能力を超える場合は遮断が不可能となる{{Sfn|UCメカ&ワールドep7|2014|p=53}}
:: アニメ版『UC』劇中では8基を射出するも、2基はユニコーンガンダムの頭部バルカン砲で撃破される。しかし、残る6基で八面体のフィールドを形成し、ユニコーンガンダムのデストロイモードを解除させ、一時的に拘束する。
:: アニメ版『UC』劇中では8基を射出するも、2基はユニコーンガンダムの頭部バルカン砲で撃破される。しかし、残る6基で八面体のフィールドを形成し、ユニコーンガンダムのデストロイモードを解除させ、一時的に拘束する。
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漫画版となる『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。[[ザクシリーズのバリエーション#サイコミュ高機動試験用ザク|サイコミュ高機動試験用ザク]]のコンセプトを宇宙世紀0096年の技術レベルで再現した機体で、親衛隊仕様機を母体として開発された。
漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。[[ザクシリーズのバリエーション#サイコミュ高機動試験用ザク|サイコミュ高機動試験用ザク]]のコンセプトを宇宙世紀0096年の技術レベルで再現した機体で、親衛隊仕様機を母体として開発された。


通常の腕部を残したまま肩部にメガ粒子砲を内蔵した有線式遠隔兵器となる大型の腕部を追加、下半身は機体名称にある「クラーケ([[蛸]])」を想わせる8本の大推力スラスターユニットに換装。その加速性能や機動性は巡航形態の[[百式 (ガンダムシリーズ)#デルタプラス|デルタプラス]]に追従可能なものとなっている。機体本体以上の大きさを持つ、長距離航行用の大型プロペラント・ブースターを背部に装着する場合もある<ref name="ucpm73">『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ 1』73頁。</ref>
通常の腕部を残したまま肩部にメガ粒子砲を内蔵した有線式遠隔兵器となる大型の腕部を追加、下半身は機体名称にある「クラーケ([[蛸]])」を想わせる8本の大推力スラスターユニットに換装。その加速性能や機動性は巡航形態の[[百式 (ガンダムシリーズ)#デルタプラス|デルタプラス]]に追従可能なものとなっている。機体本体以上の大きさを持つ、長距離航行用の大型プロペラント・ブースターを背部に装着する場合もある{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=71-74}}


本機はほぼ技術試験機であったが、当初からデータ収集が即実戦データとなることを前提として開発され、アンジェロ・ザウパーがテストパイロットとなり、機体色を紫としている。アンジェロが本機のテストパイロットとなったのは[[#ローゼン・ズール|ローゼン・ズール]]への機種転換を円滑に行うためであったともされている<ref name="ucpm74">『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ 174頁。</ref>
本機はほぼ技術試験機であったが、当初からデータ収集が即実戦データとなることを前提として開発され、アンジェロ・ザウパーがテストパイロットとなり、機体色を紫としている。アンジェロが本機のテストパイロットとなったのは[[#ローゼン・ズール|ローゼン・ズール]]への機種転換を円滑に行うためであったともされている{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=71-74}}


『UC バンデシネ』においてはパラオ攻略戦に参戦。その後のラプラス史跡での戦闘でユニコーンガンダムとの交戦で細切れに切断されている。
『UC バンデシネ』においてはパラオ攻略戦に参戦。その後のラプラス史跡での戦闘でユニコーンガンダムとの交戦で細切れに切断されている。


アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』においても、アンジェロによって運用はされていた、とある<ref name="uca5ks">『ガンダムユニコーンエースVol.5』掲載『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』より。</ref>。ローゼン・ズールの存在を知らない賊によって「新型」と誤認されて奪われそうになっており、その際スポッターにより運用されている<ref name="uca5ks"/>
アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』においても、アンジェロによって運用はされていた、とある。ローゼン・ズールの存在を知らない賊によって「新型」と誤認されて奪われそうになっており、その際スポッターにより運用されている。


{{clear}}
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:: 映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場。元ガランシェール艦長のジンネマンを含む、ミネバ直属の部隊が運用する。
:: 映画『[[機動戦士ガンダムNT]]』に登場。元ガランシェール艦長のジンネマンを含む、ミネバ直属の部隊が運用する。


=== その他の登場兵器(ネオ・ジオン) ===
=== その他の登場兵器(袖付き) ===
以下の兵器はリンク先を参照。
詳細が他記事に存在するものは以下に列挙する。
{{Col|
; シナンジュ
* AMX-003 [[ガザC]]
: 「[[シャア・アズナブル|赤い彗星]]の再来」と渾名されるネオ・ジオン残党軍の首魁フル・フロンタルが操縦する、ネオ・ジオン残党軍を率いる赤い[[フラッグシップ]]機。『UC』本編の作品中において、ユニコーンガンダムのカウンターパート的役割を務める。
* AMX-006 [[ガザC#ガザD|ガザD]]
: 『UC-MSV』では原型機となる「'''[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)#シナンジュ・スタイン|シナンジュ・スタイン]]'''」が設定され、アニメ版や漫画版では本機体をコア・ユニットとする強化形態である「'''[[シナンジュ (ガンダムシリーズ)#ネオ・ジオング|ネオ・ジオング]]'''」が登場している。{{see|シナンジュ (ガンダムシリーズ)}}
* AMX-008 [[ガザC#ガ・ゾウム|ガ・ゾウム]]
; ドライセン
: アニメ版で新たに「袖付き」仕様がデザインされ登場した。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#ドライセン}}
* AMX-009 [[ネオ・ジオンの機動兵器#ドライセン|ドライセン]](アニメ版のみ)
* AMX-011 [[ザクIII#ザクIII(「袖付き」仕様)|ザクIII]](アニメ版のみ)
; ガザC
** AMX-014 [[ドーベン・ウルフ]](漫画版のみ)
: 「袖付き」仕様がデザインされている(ガザCのみ設定画が公式サイトに掲載されていない)。{{see|ガザC}}
* AMX-101E [[ネオ・ジオンの機動兵器#シュツルム・ガルス|シュツルム・ガルス]](アニメ版のみ)
:以下のバリエーション機が本作に登場する。
* AMX-102 [[ズサ]]
:* [[ガザC#ガザD|ガザD]]
* AMX-107 [[ネオ・ジオンの機動兵器#バウ(「袖付き」仕様)|バウ]](アニメ版のみ)
:* [[ガザC#ガ・ゾウム|ガ・ゾウム]]
* AMX-119 [[ギラ・ドーガ]]
; ドラッツェ
** AMX-119 [[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ重装型|ギラ・ドーガ重装型]](アニメ版のみ)
: アニメ版で「袖付き」仕様が新たにデザインされている。{{see|ジオン公国の機動兵器#ドラッツェ}}
* MSN-03 [[ヤクト・ドーガ#「袖付き」仕様|ヤクト・ドーガ]]
; ギラ・ドーガ
|
: 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が初出。「袖付き」仕様がデザインされている。アニメ版には[[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ重装型|重装型]]が登場する。{{see|ギラ・ドーガ}}
* MS-12 [[ペズン計画#ギガン(「袖付き」仕様)|ギガン]](アニメ版のみ)
:; ギラ・ドーガ(フル・フロンタル機)
* MS-14A [[ゲルググ|ゲルググ(量産型)|ゲルググ]](アニメ版のみ)
:: シナンジュ・スタインを強奪する際にフル・フロンタル大佐が搭乗する機体。その後[[機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ#バト・パンセリノス|バト・パンセリノス]]少尉が搭乗。{{see|ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ(フル・フロンタル機)}}
** MS-14J [[ゲルググ#リゲルグ|リゲルグ]](アニメ版のみ)
; ズサ
* MS-21C [[ジオン公国の機動兵器#ドラッツェ|ドラッツェ]](アニメ・漫画版のみ)
: 「袖付き」仕様が新たにデザインされ登場している。アニメ版では役回りが変わり、シュツルム・ガルスとの連携を見せた。{{see|ズサ}}
* RMS-119 [[ハイザック#アイザック|アイザック]]
; ゲルググ
* [[グワジン#レウルーラ|レウルーラ]]
: [[ジオン公国]]軍初のビーム・ライフルを標準装備した量産型MS。いずれもアニメ版で「袖付き」仕様が新たにデザインされている。{{see|ゲルググ#ゲルググ(量産型)}}
* [[ムサイ#ムサカ|ムサカ]]
:; リゲルグ
* [[ムサイ#エンドラ|エンドラ]]
:: ゲルググをベースに改修・製造した機体。いずれもアニメ版で「袖付き」仕様が新たにデザインされている。{{see|ゲルググ#リゲルグ}}
* [[ネオ・ジオンの機動兵器#シャクルズ|シャクルズ]]
; シュツルム・ガルス
}}
: アニメ版で新たにデザインされたMSで、[[ネオ・ジオンの機動兵器#ガルスJ|ガルスJ]]のバリエーションだが、デザインと装備は大きく変更されている。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#シュツルム・ガルス}}
; ヤクト・ドーガ
: 『逆襲のシャア』で破壊されなかった[[ヤクト・ドーガ#クェス・パラヤ(クェス・エア)機|クェス機]]を修復した機体。アニメ版、小説版の外伝、漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。{{see|ヤクト・ドーガ#「袖付き」仕様}}
; ザクIII
: アニメ版で「袖付き」仕様が登場。スカートアーマーの武装が『ガンダムΖΖ』から変更されている。{{see|ザクIII#ザクIII(「袖付き」仕様)}}
; バウ
: アニメ版で「袖付き」仕様が登場。『ガンダムΖΖ』登場時の機体から改良が加えられており、この「袖付き」仕様ではコックピットが上半身(バウ・アタッカー)側だけでなく下半身(バウ・ナッター)にも新設され、それぞれ有人による連携機動が可能となっている<ref>『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』122頁。</ref>。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#バウ(「袖付き」仕様)}}
:; リバウ
:: [[ネオ・ジオンの機動兵器#バウ|バウ]]をもとにサイコフレームを組み込んで改修したニュータイプ専用機。当初は「袖付き」の首魁フル・フロンタルの搭乗を前提としていた。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#リバウ}}
; ドーベン・ウルフ
: 漫画『バンデシネ』に登場。パラオの守備部隊の中に袖付きの装飾が施された機体が登場、 漫画『ラスト・サン』ブランダムール隊所属機が登場、右腕に[[クィン・マンサ]]用ビーム・サーベル、左腕に[[ネオ・ジオンの機動兵器#ハンマ・ハンマ|ハンマ・ハンマ]]用シールドがマウントされている。パイロットとして[[機動戦士ガンダムUC MSV 楔#ワークラッハ・バナム|ワークラッハ・バナム]]少尉。{{see|ドーベン・ウルフ}}
; アイザック
: 「袖付き」仕様が登場している<!--アニメ版にも登場するが小説版の公式サイトにしか掲載されていない-->。{{see|ハイザック#アイザック}}
; ギガン
: アニメ版の最終決戦にて「袖付き」仕様が登場。文字設定のみがあった、下半身を宇宙用の高機動バーニアに換装した機体がデザインされている。{{see|ペズン計画#ギガン(「袖付き」仕様)}}
; 作業用ザク
: 漫画『ラスト・サン』に登場。パラオのドックで作業する、ザクIIを元に改修した機体。 {{see|作業用ザクII#作業用ザク}}
; レウルーラ
: 『逆襲のシャア』に登場したものと同一艦。{{see|グワジン#レウルーラ}}
; ムサカ級
: 『逆襲のシャア』に登場したものと同型艦。{{see|ムサイ#ムサカ}}
; エンドラ級
: 『ガンダムΖΖ』に登場したものと同型艦。{{see|ムサイ#エンドラ}}
; シャクルズ
: 第二次ネオ・ジオン抗争時に、ネオ・ジオン軍が使用した宇宙用サブフライトシステム。 {{see|ネオ・ジオンの機動兵器#シャクルズ}}


== ジオン共和国 ==
== ジオン共和国 ==
「袖付き」に協力する小説版のみに登場、アニメ版には登場せず
「袖付き」に協力する小説版のみに登場、アニメ版には登場しない。リンク先を参照

; ハイザック
* RMS-106 [[ハイザック]]
: 小説版で「袖付き」に協力するジオン共和国の機体として登場。連邦軍の規定によって白無垢のカラーが制式となっており、ジオン・カラーに塗り替えることは一切禁止されている。アニメ版ではストーリー変更に伴い登場しない。{{see|ハイザック}}
:; ハイザック・カスタム
** RMS-106CS [[ハイザック#ハイザック・カスタム|ハイザック・カスタム]]
* [[ムサイ#ムサイ改|ムサイ改]]
:: 小説版で「袖付き」に協力するジオン共和国の機体として登場。『機動戦士Ζガンダム』登場機とデザインが異なり、頭部にアンテナが追加されている。アニメ版ではストーリー変更に伴い登場しない。{{see|ハイザック#ハイザック・カスタム}}
; ムサイ改級
: 小説版で「袖付き」に協力するジオン共和国の戦艦として登場。『Ζガンダム』に登場したものと同型艦。{{see|ムサイ#ムサイ改}}


== ジオン残党軍 ==
== ジオン残党軍 ==
すべて[[一年戦争]]時以降、地上に潜伏していた[[ジオン公国|ジオン公国軍]]の残党であり、シャンブロ以外のどが過去作品に登場した機体だが、本作独自の改修がなされたものや完全に新規のバリエーションも存在する。ネオ・ジオン残党軍「袖付き」とは協力関係にあり、シャンブロのみ機体に「袖付き」と同様の装飾が見られる。
すべて[[一年戦争]]時以降、地上に潜伏していた[[ジオン公国|ジオン公国軍]]の残党であり、シャンブロ以外のほとんどが過去作品に登場した機体だが、本作独自の改修がなされたものや完全に新規のバリエーションも存在する。「袖付き」とは協力関係にあり、シャンブロのみ機体に同様の装飾が見られる。


=== シャンブロ ===
=== シャンブロ ===
702行目: 622行目:
|名称=シャンブロ<br/>SHAMBLO
|名称=シャンブロ<br/>SHAMBLO
|型式番号=AMA-X7
|型式番号=AMA-X7
|開発=ガーベイ・エンタープライズ社<br/>(『UC』小説版、漫画版『UC バンデシネ』)<br/>ジオン残党軍、「袖付き」<br/>(『UC』アニメ版)
|開発=[宇宙世紀の企業#ガーベイ・エンタープライズ|ガーベイ・エンタープライズ]]社<br/>(小説版、漫画版)<br/>ジオン残党軍、「袖付き」<br/>(『UC』アニメ版)
|生産形態=試作機
|生産形態=試作機
|全高=31.8m(陸上戦闘形態)
|全高=31.8m(陸上戦闘形態)
716行目: 636行目:
}}
}}


ジオン残党軍に所属している水陸両用試作MA。原作小説と『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ネオ・ジオンのシンパの援助と技術供与を受けたガーベイ・エンタープライズ社によって建造された。アニメ版『UC』では、[[第一次ネオ・ジオン抗争]]の[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン]]の設計案を元にジオン残党軍と「袖付き」によって建造され、フロンタルは「[[ハマーン・カーン|ハマーン]]の遺産」と言及している。連邦海軍内で「海の亡霊(シーゴースト)」と呼ばれていた。
ジオン残党軍に所属している水陸両用試作MA。原作小説と『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ネオ・ジオンのシンパの援助と技術供与を受けた[[宇宙世紀の企業#ガーベイ・エンタープライズ]]社によって建造された。アニメ版では、[[第一次ネオ・ジオン抗争]]の[[ネオ・ジオン#アクシズ(ネオ・ジオン)|ネオ・ジオン]]の設計案を元にジオン残党軍と「袖付き」によって建造され、フロンタルは「[[ハマーン・カーン|ハマーン]]の遺産」と言及している。連邦海軍内で「海の亡霊(シーゴースト)」と呼ばれていた。


水中用MAをニュータイプ専用機化するという計画は、一年戦争時から[[ジオン公国の機動兵器#グラブロ試作水中ビット搭載型|グラブロ試作水中ビット搭載型]]などで検討されている。ジオン残党軍でも[[エルメス (ガンダムシリーズ)#ヘリオス・マリナー|ヘリオス・マリナー]]などが開発されており、これらによって蓄積されたデータや技術が本機の開発および完成に繋がったとされる<ref>{{Cite web |url=https://hobby.dengeki.com/aoz/illust/reboot11/ |title=A.O.Z Re-Boot Vol.30 |website=電撃ホビーウェブ |publisher=KADOKAWA |accessdate=2016-12-22 }}</ref>
水中用MAをニュータイプ専用機化するという計画は、一年戦争時から[[ジオン公国の機動兵器#グラブロ試作水中ビット搭載型|グラブロ試作水中ビット搭載型]]などで検討されている。ジオン残党軍でも[[エルメス (ガンダムシリーズ)#ヘリオス・マリナー|ヘリオス・マリナー]]などが開発されており、これらによって蓄積されたデータや技術が本機の開発および完成に繋がったとされる{{Sfn|AOZ ReBoot30|2016}}。


正面からは扁平に潰れた菱形シルエット、2本の前足とその先端から展開される3本爪の大型アイアン・ネイルを持つ。その付け根からは貝殻を思わせる丸みを帯びた装甲が張り出している。細長い流線型のボディ、上方からは[[スペード (シンボル)|スペード]]の形に見える先端部分は猛禽類の嘴を想起させる有機的な曲線、頭部と思わしき部分には単眼センサーを閃かせているなど、往年の特撮映画の[[怪獣]]を思わせる外観の機体である。水中潜行時は肩の装甲を閉じて前足を収納し、丸みを帯びた形状になる。肩の装甲内には電磁流体誘導推進ユニット(MHD)を仕込んでおり、スリットから海水を吸い込み超伝導コイルで推進機関に誘導した後、引き入れた海水を加速して後方へ噴射することによって推進する<ref>『機動戦士ガンダムUC (6) 重力の井戸の底で』角川スニーカー文庫、35頁。</ref>。この無音推進システムは初期のもので、パワー不足を理由に使われなくなって久しいが、同機はさらに内蔵のミノフスキー・クラフト・エンジンから粒子を常時散布してIフィールド力場を形成し、イオン化した海水を機体の保護膜とすることで潜航時の抵抗を大幅に低減したため、超静粛にして驚異的な機動力を獲得した<ref>『機動戦士ガンダムUC (6) 重力の井戸の底』角川文庫、36頁。</ref>。かし、同機の真価は上陸したときに発揮されるとされる。
正面からは扁平に潰れた菱形シルエット、2本の前足とその先端から展開される3本爪の大型アイアン・ネイルを持つ。その付け根からは貝殻を思わせる丸みを帯びた装甲が張り出している。細長い流線型のボディ、上方からは[[スペード (シンボル)|スペード]]の形に見える先端部分は猛禽類の嘴を想起させる有機的な曲線、頭部と思わしき部分には単眼センサーを閃かせているなど、往年の特撮映画の[[怪獣]]を思わせる外観の機体である。水中潜行時は肩の装甲を閉じて前足を収納し、丸みを帯びた形状になる。肩の装甲内には電磁流体誘導推進ユニット(MHD)を仕込んでおり、スリットから海水を吸い込み超伝導コイルで推進機関に誘導した後、引き入れた海水を加速して後方へ噴射することによって推進する{{Sfn|小説ガンダムUC6|2008|p=35-36}}。この無音推進システムは初期のもので、パワー不足を理由に使われなくなって久しいが、同機はさらに内蔵の[[ミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト]]・エンジンから粒子を常時散布してIフィールド力場を形成し、イオン化した海水を機体の保護膜とすることで潜航時の抵抗を大幅に低減したため、超静粛にして驚異的な機動力を獲得している{{Sfn|小説ガンダムUC6|2008|p=35-36}}。陸上は、ミノフ・クラフトと[[ホバクラフト|ホバー]]を併用して移動す{{Sfn|UCバンデシネ8|2013|p=84}}


本機は単独パイロットないしは少人数パイロットで運用可能で、コックピット・ブロックは前面の壁一面がスクリーンとなっており、その手前に操縦・索敵・防御を司るオペレーター席が並ぶ(搭乗人数は、メディアによって一定していない)。コックピット後方の一段高いスペースは機長席となり、攻撃オペレートの役割も兼ね、非常時には一元操作も可能。アニメ版では「袖付き」から供与されたサイコフレームの搭載によって単独のニュータイプパイロットによる運用が可能だが、メインパイロット用のシートと、それに相対するメインパイロットのモニター担当者用のシートの複座式となっている<ref>『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ 1』63頁。</ref>。『UC バンデシネ』でもアニメ版と同じく複座式で、マハディがモニター担当。
本機は単独パイロットないしは少人数パイロットで運用可能で、コックピット・ブロックは前面の壁一面がスクリーンとなっており、その手前に操縦・索敵・防御を司るオペレーター席が並ぶ(搭乗人数は、メディアによって一定していない)。コックピット後方の一段高いスペースは機長席となり、攻撃オペレートの役割も兼ね、非常時には一元操作も可能。アニメ版では「袖付き」から供与されたサイコフレームの搭載によって単独のニュータイプパイロットによる運用が可能だが、メインパイロット用のシートと、それに相対するメインパイロットのモニター担当者用のシートの複座式となっている{{Sfn|UCプリズマティック1|2013|p=59-64}}。『UC バンデシネ』でもアニメ版と同じく複座式で、マハディがモニター担当。


主な武装は頭部カバー内に収納された大口径メガ粒子砲と両肩の肩部装甲に設置された拡散メガ粒子砲に加え、拡散メガ粒子砲を乱反射することで広範囲への攻撃や敵機のビーム兵装を反射することで防御にも転用できるリフレクター・ビット(背部VLSに10機収納)、両腕の大型アイアン・ネイルである。なお、リフレクター・ビットは滞空時間を延ばすため、ローター駆動付きのバルーン浮遊方式となっている。
主な武装は頭部カバー内に収納された大口径メガ粒子砲と両肩の肩部装甲に設置された拡散メガ粒子砲に加え、拡散メガ粒子砲を乱反射することで広範囲への攻撃や敵機のビーム兵装を反射することで防御にも転用できるリフレクター・ビット(背部VLSに10機収納)、両腕の大型アイアン・ネイルである。なお、リフレクター・ビットは滞空時間を延ばすため、ローター駆動付きのバルーン浮遊方式となっている。
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=== その他の登場兵器(ジオン残党軍) ===
=== その他の登場兵器(ジオン残党軍) ===
以下の兵器はリンク先を参照。
詳細が他記事に存在するものは以下に列挙する。
{{Col|
; ザクI・スナイパータイプ
* MS-05L [[ザクI#ザクI・スナイパータイプ|ザクI・スナイパータイプ]]
: 『[[ハーモニー・オブ・ガンダム]]』で設定された機体で、さらにアンテナを追加するなど一部デザインが変更されている。{{see|ザクI#ザクI・スナイパータイプ}}
* MS-06D [[陸戦型ザクII#ザク・デザートタイプ|ザク・デザートタイプ]](アニメ・漫画版のみ)
; ザク・マリナー
* MS-06D [[陸戦型ザクII#ディザート・ザク|ディザート・ザク]]
: 『ガンダムΖΖ』に登場したものと大きく変更されていない。{{see|ザク・マリンタイプ#ザク・マリナー}}
* MS-06K [[陸戦型ザクII#ザクキャノン|ザクキャノン]]
; ザク・デザートタイプ
* MS-06V [[作業用ザクII#ザクタンク|ザクタンク]](小説版のみ)
: アニメ版で追加された。{{see|陸戦型ザクII#ザク・デザートタイプ}}
** MS-06V-6 [[作業用ザクII#ザクタンク(グリーンマカク)|ザクタンク(グリーンマカク)]](アニメ・漫画版のみ)
:; ディザート・ザク
* MS-06FZ [[ザクII#ザクII最終生産型(ザクII改、ザクII FZ型)|ザクII改]](アニメ版のみ)
:: ザク・デザートタイプをベースに改修。地上の残党軍が使用した機体。過去の設定と大きな差異はない。{{see|陸戦型ザクII#ディザート・ザク}}
* MS-07C-3 [[グフ#グフ重装型|グフ重装型]](アニメ版のみ)
; ザクキャノン
* MS-08TX/S [[イフリート (ガンダムシリーズ)#イフリート・シュナイド|イフリート・シュナイド]](アニメ・漫画版のみ)
: 地上の残党軍が使用した機体。過去の設定と大きな差異はない。{{see|陸戦型ザクII#ザクキャノン}}
* MS-09F/Trop [[ドム#ドム・トローペン|ドム・トローペン]]
; ザクII改
* MS-09G [[ドム#ドワッジ|ドワッジ]]
: フリッツヘルムタイプが登場する。小説版には登場していなかったが、アニメ版で追加された。{{see|ザクII#ザクII最終生産型(ザクII改、ザクII FZ型)}}
* MS-14A [[ゲルググ#ゲルググ(量産型)|ゲルググ]](漫画版のみ)
; ザクタンク
* MS-14D [[ゲルググ#デザート・ゲルググ|デザート・ゲルググ]]
: 小説版で登場し、映像版では後述の「[[作業用ザクII#ザクタンク(グリーンマカク)|グリーンマカク]]」が登場している。{{see|作業用ザクII#ザクタンク}}
|
; グフ重装型
* MSM-04G [[アッグシリーズ#ジュアッグ|ジュアッグ]](アニメ・漫画版のみ)
: アニメ版で追加された。{{see|グフ#グフ重装型}}
* MSM-07 [[ズゴック]](アニメ版のみ)
; ガルスJ
* MSM-08 [[アッグシリーズ#ゾゴック|ゾゴック]](アニメ・漫画版のみ)
: 地上の残党軍が使用した機体。アニメ版でジオン残党軍に参加している。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#ガルスJ}}
* RMS-108 [[マラサイ]](アニメ・漫画版のみ)
:; ガルスK
* RMS-192M [[ザク・マリンタイプ#ザク・マリナー|ザク・マリナー]]
:: 本シリーズで新たに設定されたMS。小説版とアニメ版で腕部のデザインが異なる。{{see|ネオ・ジオンの機動兵器#ガルスK}}
* AMX-101 [[ネオ・ジオンの機動兵器#ガルスJ|ガルスJ]](アニメ版のみ)
; マラサイ
** AMX-101K [[ネオ・ジオンの機動兵器#ガルスK|ガルスK]]
: 元は[[ティターンズ]]所属の機体だが、アニメ版でジオン残党軍に参加している。{{see|マラサイ}}
* AMX-109 [[カプール]]
; ズゴック
* [[グレイファントム|ペガサス級(グレイファントム型)]]強襲揚陸艦(アニメ版のみ)
: 小説版には登場しなかったが、アニメ版で追加された。{{see|ズゴック}}
* [[ドダイYS|ド・ダイYS]]
:; ズゴックE
** [[ドダイYS#ド・ダイII|ド・ダイII]]
:: 外伝漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。カークス隊所属の[[機動戦士ガンダムUC#テッセラ・マッセラ|テッセラ・マッセラ]]中尉が、右腕のない機体をゼー・ズール受領前に使用した。{{see|ズゴック#ズゴックE}}
* [[ベースジャバー#ベースジャバー(大気圏内用)|ベースジャバー]]
; カプール
}}
: 水陸両用MS。{{see|カプール}}
; ジュアッグ
: 小説版には登場しなかったが、アニメ版のダカール襲撃で登場し、連邦軍を相手に戦果を挙げた。漫画『バンデシネ』では役回りが大きく変わり、[[機動戦士ガンダムUC#ヨンム・カークス|ヨンム・カークス]]の乗機として登場している。{{see|アッグシリーズ#ジュアッグ}}
; ゾゴック
: 小説版には登場していなかったが、アニメ版で追加された。{{see|アッグシリーズ#ゾゴック}}
; ドワッジ / ドム・トローペン
: [[ドム]]のバリエーション。{{see|ドム#ドワッジ|ドム#ドム・トローペン}}
; デザート・ゲルググ
: アニメ版で追加された機体。『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]』で[[ザクII#後期生産型ザクII(ザクII F2型)|ザクII F2型]]が使用していたロケット・ブースターを装備している。{{see|ゲルググ#デザート・ゲルググ}}
; イフリート・シュナイド
: アニメ版で新規にデザインされた機体。ジオン残党軍に参加する経緯は、後にゲーム『[[機動戦士ガンダム サイドストーリーズ]]』で語られている。{{see|イフリート (ガンダムシリーズ)#イフリート・シュナイド}}
; ペガサス級(グレイファントム型)強襲揚陸艦
: アニメ版で、地上のジオン残党軍の拠点の1つとして[[宇宙世紀の施設と地名#アジア|アジア]]の山岳地帯に擱座した艦が登場。{{see|グレイファントム}}
; ドダイYS
: {{see|ドダイYS}}
; ドダイII
: {{see|ドダイYS#ドダイII}}
; ベースジャバー
: {{see|ベースジャバー#ベースジャバー(大気圏内用)}}

== UC-MSV ==
『ガンダムUC』のタイトルを冠した漫画やゲーム等の派生作品にも、原作小説やアニメ版とも異なる独自のMSが設定されたが、これらは2013年の時点で『UC-MSV』としてまとめられた[http://www.gundam-unicorn.net/MSV/]。これらの機体の一部は派生作品にとどまらず、アニメ版の本編にも登場している。

以下の機体が『UC-MSV』とされている。詳細は全てリンク先参照。

; ユニコーンガンダム3号機 フェネクス
: ユニコーンガンダム1号機と2号機の建造データを反映させて連邦軍が独自に組み上げたユニコーンガンダム3号機。{{see|ユニコーンガンダム#3号機 フェネクス}}

== 『ラスト・サン』登場兵器 ==
派生作品のうち、『[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン]]』の登場兵器は『UC-MSV』に含まれていない。
; ガンダムGファースト
: [[νガンダム#量産型νガンダム|量産型νガンダム]]の設計データをもとに製作されている、[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]を想起させる。{{see|νガンダム#ガンダムGファースト}}
; ガンダムGファーストDX
: Gファーストとバックウェポンモードの[[#GFタンク|GFタンク]]がドッキングした形態。{{see|νガンダム#ガンダムGファーストDX}}
; キャノンガン
: [[ジェガン#ジェガンA2型|ジェガンA2型]]を元に中距離支援用として製作されている、[[ガンキャノン]]を想起させる。{{see|ジェガン#キャノンガン}}
; キャノンガンDX
: キャノンガンとバックウェポンモードのGFタンクがドッキングした状態。{{see|ジェガン#キャノンガンDX}}
; アンヴァル
: [[ホワイトベース]]を意識した形状とカラーリングだが、あくまで非武装の輸送艦である。{{see|地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#アンヴァル}}
; ズオム
: ジオン軍残党のムサイ級軽巡洋艦「メイルメル」のメカニックである[[機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン#エージス・ソートン|エージス・ソートン]]によって2機が製造される。[[リック・ドム]]をベースにしている。{{see|リック・ドム#ズオム}}
; ザナドゥ
: [[サイコガンダム#プロトタイプサイコガンダム|プロトタイプサイコガンダム]]のバックパックを、[[サイコミュ#ナイトロ|ナイトロ]]・ユニットに換装した機体。{{see|サイコガンダム#ザナドゥ}}
; メイルメル
: ジオン軍残党の[[ムサイ]]級軽巡洋艦。{{see|ムサイ}}


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 書籍
*ムック
** {{Cite book|和書 |date=2009-08-20 |title=機動戦士ガンダムUC パーフェクトガイド |publisher=角川書店 |isbn=978-4-048-54388-0 |ref={{SfnRef|UCパーフェクトガイド|2009}} }}
** {{Cite book|和書
** {{Cite book|和書 |date=2010-08-26 |title=機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス |publisher=角川書店 |isbn= 978-4-04-715360-8 |ref={{SfnRef|UCカトキアーカイブス|2010}} }}
|author =
** {{Cite book|和書 |date=2012-07-23 |title=機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 1-3 |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-46466-5 |ref={{SfnRef|UCメカ&ワールドep1-3|2012}} }}
|date=2016-09-09
** {{Cite book|和書 |author=関西リョウジ |date=2013-03-09 |title=機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part1 |publisher=角川書店 |isbn=978-4-04-120641-6 |ref={{SfnRef|UCプリズマティック1|2013}} }}
|title=グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集11 量産型モビルスーツBOOK
** {{Cite book|和書 |date=2013-05-30 |title=機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 4-6 |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-46474-0 |ref={{SfnRef|UCメカ&ワールドep4-6|2013}} }}
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** {{Cite book|和書 |date=2016-04-01 |title=モビルスーツアーカイブ MSN-06S シナンジュ |publisher=SBクリエイティブ |isbn=978-4-7973-8532-8 |ref={{SfnRef|MSアーカイブシナンジュ|2016}} }}
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}}

* ムック
** {{Cite book|和書 |date=2016-09-09 |title=グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集11 量産型モビルスーツBOOK |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-46494-8 |ref={{SfnRef|GM量産型MS全集|2016}} }}

*分冊百科
** {{Cite journal|和書 |date=2020-01-07 |journal=週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル |issue=第34号(RX-0 フルアーマー・ユニコーンガンダム) |publisher=デアゴスティーニ・ジャパン |ref={{SfnRef|週刊MSバイブル34|2020}} }}

* 雑誌
** {{Cite journal|和書 |journal=ガンダムエース |issue=2019年5月号 |publisher=KADOKAWA |ref={{SfnRef|ガンダムエース1905|2019}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=ホビージャパン |issue=2019年5月号 |publisher=ホビージャパン |ref={{SfnRef|ホビージャパン1905|2019}} }}

* 小説
** {{Cite book|和書 |author=[[福井晴敏]] |date=2007-09-26 |title=機動戦士ガンダムUC |publisher=角川書店 |volume=第2巻 |isbn=978-4-04-713970-1 |ref={{SfnRef|小説ガンダムUC2|2007}} }}
** {{Cite book|和書 |author=福井晴敏 |date=2008-10-25 |title=機動戦士ガンダムUC |publisher=角川書店 |volume=第6巻 |isbn=978-4-04-715112-3 |ref={{SfnRef|小説ガンダムUC6|2008}} }}
** {{Cite book|和書 |author=福井晴敏 |date=2009-08-26 |title=機動戦士ガンダムUC |publisher=角川書店 |volume=第9巻 |isbn=978-4-04-715286-1 |ref={{SfnRef|小説ガンダムUC9|2009}} }}
** {{Cite book|和書 |author=竹内清人 |date=2018-11-26 |title=小説 機動戦士ガンダムNT |publisher=KADOKAWA |isbn=978-4-04-107596-8 |ref={{SfnRef|小説ガンダムNT|2018}} }}

* 漫画
** {{Cite book|和書 |author=[[大森倖三]] |date=2013-03-26 |title=機動戦士ガンダムUC バンデシネ |publisher=角川書店 |volume=第8巻 |isbn=978-4-04-120642-3 |ref={{SfnRef|UCバンデシネ8|2013}} }}
** {{Cite book|和書 |author=[[白石琴似]] |date=2014-05-22 |title=機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う |publisher=角川書店 |volume=第2巻 |isbn=978-4-04-121119-9 |ref={{SfnRef|袖付きの機付長は詩詠う2|2014}} }}
** {{Cite book|和書 |author=[[葛木ヒヨン]] |date=2017-07-24 |title=機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン |publisher=KADOKAWA |volume=第6巻 |isbn=978-4-04-105781-0 |ref={{SfnRef|ラストサン6|2017}} }}

* プラモデル付属説明書
** {{Citation|和書 |date=2009-10 |title=[[ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー|HGUC]] 1/144 NZ-666 クシャトリヤ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCクシャトリヤ|2009}} }}
** {{Citation|和書 |date=2009-12 |title=HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCギラズール|2009}} }}
** {{Citation|和書 |date=2010-03 |title=HGUC 1/144 D-50C ロト ツインセット |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCロト|2010}} }}
** {{Citation|和書 |date=2010-07 |title=HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機) |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCギラズールアンジェロ|2010}} }}
** {{Citation|和書 |date=2011-01 |title=HGUC 1/144 AMS-129M ゼー・ズール |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCゼーズール|2011}} }}
** {{Citation|和書 |date=2011-02 |title=HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(親衛隊仕様) |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCギラズール親衛隊|2011}} }}
** {{Citation|和書 |date=2012-02 |title=HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCローゼンズール|2012}} }}
** {{Citation|和書 |date=2012-05 |title=HGUC 1/144 RAS-96 アンクシャ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCアンクシャ|2012}} }}
** {{Citation|和書 |date=2014-08 |title=HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール(エピソード7 Ver.) |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCローゼンズールep7|2014}} }}
** {{Citation|和書 |date=2016-08 |title=[[リアルグレード|RG]] 1/144 MSN-06S シナンジュ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|RGシナンジュ|2016}} }}
** {{Citation|和書 |date=2018-11 |title=HGUC 1/144 RGM-96Xsジェスタ(シェザール隊仕様 A班装備) |publisher=プレミアムバンダイ |ref={{SfnRef|HGUCジェスタシェザールA|2018}} }}

* 映画パンフレット特典冊子
** {{Cite journal|和書 |date=2018-11-30 |title=最終報告書 U.C.0097 “不死鳥狩り”作戦にまつわる経緯と結果について |journal=機動戦士ガンダムNT |issue=パンフレット |publisher=創通・サンライズ |ref={{SfnRef|ガンダムNT最終報告書|2018}} }}

* ウェブサイト
** {{Cite web |url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/309926.html |title=福井晴敏原作「機動戦士ガンダムUC」、'10年春からBD化 |website=AV Watch |publisher=インプレス |accessdate=2009-08-21 |ref={{SfnRef|AV Watch|2009}} }}
** {{Cite web |url=http://www.gundam-unicorn.net/ova/ms/ |title=MS / Mechanic |website=機動戦士ガンダムUC[ユニコーン] |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2014-04-25 |ref={{SfnRef|公式WEBメカ|2014}} }}
** {{Cite web |url=http://www.carddass.com/gundam-dc/uc0096/ |title=「機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン」特設ページ |website=「ガンダム デュエルカンパニー」公式サイト |publisherバンダイ |accessdate=2015-06-09 |ref={{SfnRef|デュエルカンパニー公式ラストサン|2015}} }}
** {{Cite web |url=https://hobby.dengeki.com/aoz/illust/reboot11/ |title=A.O.Z Re-Boot Vol.30 |website=電撃ホビーウェブ |publisher=KADOKAWA |accessdate=2016-12-22 |ref={{SfnRef|AOZ ReBoot30|2016}} }}</ref>
** {{Cite web |url=http://gundam-nt.net/mechanical/ |title=メカニカル |website=『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』公式サイト |accessdate=2018-08-16 |ref={{SfnRef|NT公式WEBメカ|2018}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2021年1月16日 (土) 12:17時点における版

機動戦士ガンダムUC > 機動戦士ガンダムUCの登場兵器

機動戦士ガンダムUCの登場兵器(きどうせんしガンダムユニコーンのとうじょうへいき)では、小説『機動戦士ガンダムUC』と、これを原作とするアニメ[1]OVAおよびテレビシリーズ)や漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場するモビルスーツ (MS) 、モビルアーマー (MA) および艦船などの架空の兵器について解説する(一部「兵器」以外のメカニックについても記述する)。

民間

ユニコーンガンダム

本作の主役機。アナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が開発した、フル・サイコフレームMS。

シルヴァ・バレト

ネオ・ジオン軍のドーベン・ウルフを、AE社が改修した機体。

トロハチ

バナージ・リンクスが物語序盤で使用した非武装のプチモビルスーツ(型式番号:TOLRO-800)。トルロ社が開発した宇宙世紀0096年当時の最新型で、一人乗りの作業用機種。「トロハチ」は広く定着している愛称である。

劇中での活躍
物語序盤におけるオードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)とバナージの出会いに居合わせた機体。オードリーがコロニー内に投げ出されて遭難死しかけた際に、バナージが操縦してオードリーを救出し、機体の大破と引き替えに困難な不時着を成功させている。
また、本作に登場するトロハチはバナージのアルバイト先であるスペースデブリの回収企業、ブッホ・ジャンク社の所有機として描写されており、『機動戦士ガンダムF91』に登場するブッホ・コンツェルンの前身として設定されていた、ブッホ・ジャンク社の業務の様子が描かれている。

メガラニカ

アナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が所有する工業コロニー「インダストリアル7」の建造を行っているコロニービルダー。首を伸ばした巻き貝のような形状から「カタツムリ」という通称でも呼ばれるが、正体は「ラプラスの箱」が開示されるその時に備え、サイアム・ビストが直属組織により極秘裏に木星開発用のベース・シップを改造した[2]ビスト財団が実質私有する「超巨大航宙戦艦」である。

ビスト財団の私有地でもありAE社の設備ももつという地理を利用する形で、秘密裏にユニコーンガンダムの開発が行われた。同時に「ラプラスの箱」の秘匿場所でもあり、物語の出発点と終着点となる。「ラプラスの箱」開放に備え、巨大宇宙戦艦と呼べるだけの絶対的な防衛戦力を誇り、外周部に吸着された資源用の岩塊内に多数の武装を隠し持ち、それらすべての武装を暴露したメガラニカの火力は地球圏最強[3]を誇る。また、「ラプラスの箱」開放のために地球圏の主要メディアへの介入を可能とする放送設備と、惑星間航行を可能とする強力な核パルスエンジンを備えている。

「ラプラス事変」最終盤においてネオ・ジオングの侵攻を受け、居住区の外壁が破壊されるが[2]、ミネバ・ラオ・ザビによる「ラプラス宣言」を地球圏へ向けて発信し、中立地帯を目指して航行を開始した。

地球連邦軍

リゼル

諸元
リゼル
ReZEL
型式番号 RGZ-95
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
全高 20.5m
本体重量 25.8t
29.2t(ディフェンサーbユニット装備時)
全備重量 57.6t
68.3t(ディフェンサーbユニット装備時)
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,220kW
2,320kW(ディフェンサーa/bユニット装備時)
推力 81,500kg
91,600kg(ディフェンサーa/bユニット装備時)
センサー
有効半径
14,920m
武装 ビーム・ライフル
グレネード・ランチャー
ビーム・サーベル
頭部バルカン×2
メガ・ビーム・ランチャー
シールド
ビーム・キャノン(シールドに内蔵)
(ディフェンサーaユニット装備時)
マイクロ・ミサイル
ハイパー・ビーム・サーベル×2
(ディフェンサーbユニット装備時)
メガ・ビーム・ランチャー×2
ビーム・キャノン×2
搭乗者 リディ・マーセナス
ホマレ
ロンド・ベル隊
スリーアローズ隊
リゼルコマンダータイプ
ReZEL COMMANDER TYPE
型式番号 RGΖ-95C
本体重量 27.0t
28.3t(ディフェンサーaユニット装備時)
全備重量 60.5t
65.1t(ディフェンサーaユニット装備時)
推力 85,400kg
搭乗者 ノーム・バシリコック
イアン

リ・ガズィと同じRGZ系列に連なる機体。『シャアの反乱』後、少数が量産、配備されている。

ΖプラスR型やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、可変機構の弾力的運用を前提に、グリプス戦役時に廃案となったΖIIの設計をリファインする形で量産化を成功させている。巡航形態はΖガンダムと同様にウェイブライダー(WR)と呼ばれており、上半身の変形機構はΖガンダムを踏襲するが、脚部やバックパックの変形や変化完了後のシルエットはΖIIと同様にメタス系のMA形態に近い。可変機構構造が比較的簡易なメタス系列を参考とし、内装の一部をジェガン系列と統一化することにより、従来の可変機の多くが問題にしていた高コストゆえの生産性の低さをクリアしている。加えて、リミッターによる機体の限界性能の引き下げと新型OSによるコントロールサポートによってΖ系列機特有のピーキーな操作感も幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。しかし、熟練パイロットの一部ではリミッターを外して特有のピーキーな操縦性を好んだという逸話がある。

機体名は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー (Refine Zeta Gundam Escort Leader)」の頭文字の略称「ReZEL」より。スラスター推力に余裕があり、エスコート・リーダーの名が示すようにバックパックにジェガンを牽引できるグリップが設けられており、サブフライトシステムとしても運用できる。

Ζ系列の機体でありながら、ジムやジェガンの系譜にも属する本格的な量産機であり、頭部エクステリアはいわゆるΖ系ガンダムフェイスではなく、多くの連邦軍量産機に見られるゴーグル式カメラアイを採用している。また、エースパイロット向けに性能を再調整した特別仕様機・C型(コマンダータイプ)があり、主に部隊の隊長機として運用される。こちらは推力のリミッター上限を高め[注 1]、機体のフレーム構造の見直しが図られていて、各部のセンサーは通常機のレッドからグリーンに変更されている。ドゴス・ギア級戦艦ゼネラル・レビル」に配備された機体は全機C型となっている(グレー系とオレンジのカラーリングで、センサーは黄色)。

携行火器はビーム・ライフルのほか、ミッションによっては長距離狙撃も可能なメガ・ビーム・ランチャーを替わりに装備する。

当初の画稿・設定では、一般機はボックス・ユニットとビーム・ライフル、コマンダータイプはウイング・ユニットとメガ・ビーム・ランチャーを装備しているが、固定装備ではなく、ミッションによって変更される[4]

武装
ビーム・ライフル
Ζガンダムに使用された専用のビーム・ライフルを量産可能にしたもので、銃口からビーム・サーベル(ロング・ビーム・サーベル)を発振させる事が可能。またこのビーム・ライフルには、通常射撃モードと高出力射撃モード(通称「ギロチンバースト」)があり、使い分けが可能。
グレネード・ランチャー
前腕部に2発ずつ装備されている近接用装備。近接戦闘時での有効性が認められている。ビーム・サーベルとの選択が可能。
ビーム・サーベル
前腕部に2基ずつ装備されている近接戦闘用兵器。グレネード・ランチャーとの選択が可能。
頭部バルカン
60mmバルカン砲。主に牽制用として使用される。
メガ・ビーム・ランチャー
専用オプションとして設定された長距離支援用としても運用可能な高出力ビーム兵器。装備の際は背面ユニットと固定接続する。MS本体のジェネレーターに加え、メガ・ビーム・ランチャー本体に内蔵されたサブ・ジェネレーターがエネルギーを補う事で、高威力で安定した出力と弾数を誇る。
シールド
専用の多目的防御装備。先端部分にはビーム・キャノンを内蔵(後述)。後端部のブレードは近接戦闘時に打突兵器として使用される。
ビーム・キャノン
シールドの先端部分に内蔵されている3点バースト方式のビーム・キャノン。ウェイブライダー形態時にはメインウェポンとして機能する。
バックパック
ミッションによって換装可能となっている。
ボックス・ユニット
標準型とされ、多くの機体が装備している。
ウイング・ユニット
大気圏突入と大気圏内飛行が可能なウイングバインダー装備のもの。宙間運用でも性能が向上するため、熟練パイロットが多く使用する。
ディフェンサーユニット
『UC』の漫画化作品『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』が初出。宇宙空間戦で、最前線や重要拠点に先制攻撃を行なう強襲用装備。スラスターを複数配置し、大出力により短時間での戦場到達が可能。腰部サイドアーマーもテールバインダーに換装され、作戦空域でのMS形態の高機動性に貢献する。同ユニットに換装したリゼルのみでの小隊運用を前提とするため、ボックス、ウイングの両ユニットには設定されている牽引グリップが装備されていない。兵装により2種類に分類される。
  • a装備(aユニット)
近接・中距離での広域拡散型兵装。大量のマイクロ・ミサイルを格納したコンテナと、ハイパー・ビーム・サーベルを装備している。ハイパー・ビーム・サーベルはΖΖガンダムの同名兵装を元にしているが、ビーム・キャノン機能はオミットされている。
  • b装備(bユニット)
中・長距離の一点集中型兵装。増設されたジェネレーターにより、ビーム兵装の稼動効率が強化され、バインダー内装のビーム・キャノンのほか、ボックス、ウイングの両ユニットでは単装運用されるメガ・ビーム・ランチャーを2門装備できる。
デザイン
腰部から脚部スラスターにかけての形状はΖΖガンダム、FAZZ(ファッツ)などのMSZ-010系列に酷似しており、様々な系列のAE社製MSの設計ノウハウやデザインがフィードバックされた形となっている。
デザイン発注時の仮称は「Z III(ズィー・トライ)」であった[5]
劇中での活躍
小説『機動戦士ガンダムUC』では、ロンド・ベル隊所属の戦艦ネェル・アーガマの艦載機として、全編を通して登場。隊長機を含め8機および予備機数機が搭載されており、そのうち8番機(ロメオ8)は、『UC』における主要登場人物の一人、リディ・マーセナスの物語序盤における乗機として活躍する。劇中ではジェガンとともにやられ役として多くの機体が撃墜されているものの、最初の戦闘シーンでは可変MSとしての機動力でギラ・ズールを圧倒し、巡航形態による接近・離脱とMS形態での接近戦を使い分けるヒット・アンド・アウェイ戦法を用いる描写がされている。
アニメ版『UC』では原作同様のロンド・ベル配備機のほか、ライト・グレーとオレンジを基調としたゼネラル・レビル配備機が登場。うち1機はディフェンサーbユニットを装備している。ゼネラル・レビル配備機は映画『機動戦士ガンダムNT』にも登場する。
コミカライズ版の『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、インダストリアル7宙域でAE社所属のシルヴァ・バレト(ジムヘッド型)3機と交戦。対シナンジュ戦ではノーム・バシリコック機とホマレ機にディフェンサーaユニットを、リディ機にディフェンサーbユニットを装備している。
外伝漫画の『機動戦士ガンダムUC MSV 楔』や『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』では、本機3機からなる女性パイロットの小隊「スリーアローズ」が登場する。『楔』ではディフェンサーa・bユニットを装備、『ラスト・サン』ではそれぞれジェガン(エコーズ仕様・コンロイ機)のハンドガン2丁、ガンダムMk-IIハイパー・バズーカ2丁、Ζガンダムのハイパー・メガ・ランチャーを携行する。
宇宙世紀0112年を描いた漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』の第1話では、ガンダムF90Eタイプの稼働試験(ジャミングおよびダミーデータ挿入)のため、ゲイツ中尉率いる3機の小隊がヘビーガン2機と模擬戦をおこなっている。MSの小型化が進んだ劇中の時代でリゼルは旧型機とされ、当時の新鋭機であるヘビーガンの運動性能とF90の連携に圧倒されている。

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ロト

諸元
ロト
LOTO
型式番号 D-50C
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
生産形態 量産機
全高 12.2m
重量 16.84t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 980kW
推力 32,400kg
センサー
有効半径
8,800m
武装 ビーム・バーナー
ミサイル・コンテナ
ロングキャノン(200mm滑腔砲
四連メガ・マシン・キャノン、他

地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS(エコーズ)」が使用している可変MS。特殊任務や隠密作戦での運用を想定した機体で、海軍戦略研究所(サナリィ)によって開発された[6] }} 。

連邦軍から出された機体への開発要求事項は、『秘匿性を確保するための機体小型化』、『兵員輸送車としての機能』、『迅速な作戦展開を可能とする高い機動性の確保』の三点であった[6]。相反するこれらの要求に対して、サナリィは独自に研究開発していた超小型熱核反応炉を搭載することで解決。同世代のMSに比べ出力に大きく劣るものの、当時のMS産業を一手に担っていたAE社ですらなしえなかった実用的な性能を持った小型機体の開発に成功した[6]。また、この技術を起点として機体各所をミリ単位でクリアランス調整し一切のデッドスペースを排除、その結果全高12.2mと非常に小さく収め[7]、さらに装甲材は最低限の防弾性能にとどめることで軽量化し機体の推力重量比を向上させ機動性を確保している。問題点を利点で補う開発手法をとったことでMS形態、タンク形態双方で連邦軍の要求性能を十二分に充足させた[6]

工作任務などにも使えるよう少数の兵員輸送が可能となっている他、慣性航法装置をはじめとした最新型のセンサー類や通信装置を搭載しており、指揮通信車としての機能も有する[6]。乗員数は上部操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)後部の兵員室に兵員8名[7]が収容可能。また兵員が白兵戦で使用する「HMR-96 携帯式ミサイル・ランチャー」などの装備も収容することが可能。

前腕に当たる部分にはマニピュレータが無く、ボックスランチャーが直付けされている。固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の武装はマウントラッチにて着脱や換装が可能なオプション装備である。

元々対MS戦を意識して開発された機体ではないため、全体的には火力に乏しい。しかし運用次第ではMS相手の戦闘に十分耐えられるだけの性能を持つ。外観やスペックからは想像できないほど対地・対宙での機動力があり、ある程度の空間戦闘もこなす。本機のデータは宇宙世紀0100年代より行われたサナリィの小型MS開発にも活かされ、型式番号の「50」は戦車に変形する機体用番号として使われたという[6]

『UC』より後年の宇宙世紀を舞台にする劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場したガンタンクR-44とはデザインが類似しており、型式番号の「50」も共通している。

武装
マシン・キャノン
右肩に装着される基本兵装。対人、対車両が主な用途で25mm実体弾を装填する[6]
ミサイル・コンテナ
下腕に装着したボックスランチャーに格納されるミサイル発射装置。作戦に応じて3連式マイクロミサイルユニット4基または大型ミサイルユニット4基が選択可能で、ユニットごと換装する。対MS用兵装として装備された[6]
ビーム・バーナー
ボックスランチャーに装着されているサブ・アームに内蔵された近接戦闘用装備。メガ粒子を縮退させて刃を形成するビームサーベルと異なり、バーナーを密着させメガ粒子を対象に直接吹き付ける[6]。主に溶断用として使用された。
ロング・キャノン
長距離支援用のオプション兵装で両肩に装備する滑腔砲。200mm徹甲弾を使用することで申し分のない性能を発揮する[6]
メガ・マシン・キャノン
4連装の対空用オプション兵装で、右肩に装着される。銃身にセンサーが組み込んであり、高い命中精度を誇る[6]
劇中での活躍
小説版では、特殊部隊「ECOAS」の2機がロンド・ベル所属のネェル・アーガマに持ち込まれている。1番機はインダストリアル7市街戦においてダグザ・マックール中佐指揮の下、クシャトリヤに対してファンネルをネット弾で絡めとり、地表へ墜落させて無力化する「対サイコミュ兵器戦術」を使用した。地道ながら確実なこの戦術によってファンネル2機を沈黙させたが、3機目のファンネルが放ったメガ粒子砲の直撃を受けて大破し、炎上した。
アニメ版では、ECOASに配備された機体が多数登場し、「ラプラスの箱」を巡る各作戦に参加した。インダストリアル7内でクシャトリヤとの交戦や、パラオ攻防戦では工作活動を行うと共に、パラオ防衛部隊との交戦でドラッツェガザDギラ・ドーガ等を撃墜しているが、シナンジュ、ギラ・ズールに撃破される。また、戦闘だけでなくMSパイロット以外のECOAS工作員を送り込む移動手段としても利用されている。ラプラスの箱を巡る紛争の最終局面においては、メガラニカへ向かうネェル・アーガマのカタパルト上で援護射撃を行っていたが、艦砲射撃を受け撃破された。

GFタンク

諸元
GFタンク
GF-TANK
型式番号 RIX-00PT
頭頂高 11.8m
本体重量 19.8t
全備重量 24.9t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+ガンダリウム合金
出力 1,450kW
推力 60,000kg
センサー
有効半径
12,300m
武装 エクス・キャノン
ビーム・マシンガン
(兼パイル・ハンマ)
ミサイル・コンテナ
ビーム・ガン
ヒート・カッター
搭乗者 ダン・コルトン

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

サナリィが開発したロトをベースに、AE社が大幅な改修を施した機体。ガンダムGファーストキャノンガンも関連する「ある技術検証計画」の「要」として[8]地球連邦地上軍の発注により製作され、他の2機とともにサイド7でおこなわれる式典用にトリコロールを基調とした塗装が施される。

本機の最大の特徴として、大型バックパック形態「バックウェポンモード」へと変形し、Gファーストまたはキャノンガンの背部へドッキングする機能を有しており、両機の戦闘能力を大幅に引き上げることが可能となる。さらに、人型の「ファイター」形態から巡行用の飛行形態「スカイ」と対人戦用の重戦車形態「ブル」にも変形可能で、これらの名称はGファイターの各形態名を由来にしている。また、サイコフレームの外部装置化による性能向上の実証試験機としての位置づけも与えられており[9]、サイコフレームが内蔵されている。乗員は頭部に2名、胸部内に3名の計5名が搭乗可能。

スカイ形態における主翼にはビーム・コーティング剤が塗布されており、ほかの形態での側面の防御に一定の効果を発揮する。主兵装は長距離砲撃が可能な両肩の高出力ビーム砲「エクス・キャノン」で、先端はGファーストやキャノンガンの兵装を拡張する「エクス・カートリッジ」としての運用も可能。両前腕はミサイル・コンテナになっており、ビーム・マシンガンも内蔵する。砲身が伸縮式になっており、構造物破壊用のパイル・ハンマ(杭打ち機)としての運用も可能。腰部フロント・アーマーにはビーム・ガンを装備、スカイ形態では機首先端部に配置される。アンクル・ガードのヒート・カッターは、歩行の際の障害物などを溶断する。

ユニコーンガンダム2号機 バンシィ

ユニコーンガンダムの2号機で、白い1号機とは対象的な漆黒の機体色と、のような頭部アンテナが特徴。

ジェスタ

諸元
ジェスタ
JESTA
型式番号 RGM-96X
全高 19.3m
本体重量 24.8t
全備重量 57.2t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+一部ガンダリウム合金使用
出力 2,710kW
推力 89,030kg
センサー
有効半径
14,200m
武装 バルカン・ポッド・システム
ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
ハンド・グレネード×6
シールド
シールド内蔵式2連ミサイルランチャー×2
搭乗者 ナイジェル・ギャレット
ダリル・マッギネス ほか
ジェスタ・キャノン
JESTA CANNON
全高 19.3m
本体重量 39.7t
全備重量 75.4t
武装 バルカン・ポッド・システム
ビーム・キャノン
4連マルチランチャー
ビーム・ライフル
ハンド・グレネード×12
ビーム・サーベル
搭乗者 ワッツ・ステップニー ほか

デストロイモードでの活動時間に制限があるRX-0 ユニコーンガンダムの護衛機として開発された、ジェガンの上位機種。ユニコーンが本来の任務である敵ニュータイプ、または強化人間の殲滅に専念できるよう、周辺の敵戦力を排除する役目を担う。そのため、同時期のジェガンタイプを圧倒的に上回る高性能が求められており、その性能はνガンダムの9割にまで達している[10]

左右腰部ラックにハンドグレネード(6本)、右前腕部にビームライフルの予備エネルギーパック(3本)、左前腕部にビームサーベル(1本)がマウントされている。また、バックパックのサブアームでシールドを保持するなどの新機軸を持つ。性能評価のため、ラー・カイラムに12機が配備された。 コードU011(ユニフォーム・イレブン)の機体は電子戦ユニットと観測機器を装備したEWAC機(早期警戒機)となっている。

アメリカ軍のネイビー・シールズのような特殊部隊をイメージしてデザインされた機体で、同時期にMS用のLCACエア・クッション型揚陸艇)もデザインされている[11]

作中では後述のジェスタ・キャノンも含め、ロンド・ベルのエースパイロット3人による小隊「トライスター」の乗機として描かれる姿が主となっている。

ジェスタ・キャノン

アニメ版『機動戦士ガンダムUC』に登場(小説版には登場しない)。支援砲撃オプションを装着した遠距離仕様。右肩にビーム砲、左肩に4連マルチランチャーを増設している。火器管制機能が強化されており、増設された装甲でよりがっしりした体型となっている。増加装甲は爆砕ボルトによって排除が可能。なお、型式番号はジェスタと同じで特に変更はない。

ジェスタ シェザール隊仕様

諸元
ジェスタ シェザール隊仕様
JESTA SHEZARR TYPE[12]
型式番号 RGM-96Xs
全高 19.3m[13]
本体重量 27.5t(A班装備)[13]
24.8t(B, C班装備)[13]
全備重量 63.3t(A班装備)[13]
57.2t(B, C班装備)[13]
出力 2,710kW[13]
推力 110,300kg(A班装備)[13]
89,030kg(B, C班装備)[13]
センサー
有効半径
17,040m[13]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
ハンド・グレネード×6
メガ・ビーム・ランチャー(B班装備)
キャプチャーガン(C班装備)
搭乗者 シェザール隊隊員
(詳細は本文を参照)

アニメーション映画『機動戦士ガンダムNT』に登場。

ユニコーンガンダム3号機 フェネクスを捕獲する「不死鳥狩り」を行うシェザール隊に支給された機体。全ての機体の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装着されている。実戦では、スタークジェガンと同系の高機動型バックパックとプロペラント兼用の大型ブースターユニットを装備したA班、メガ・ビーム・ランチャーとトライポッドを組み合わせたスナイパー仕様のB班、89式ベースジャバーとフェネクス捕獲用のキャプチャーガンを携行するC班の各2機ずつ計6機小隊で運用される[14]

A班装備にシェザール隊隊長のイアゴ・ハーカナ少佐(1番機)とタマン少尉(6番機)、B班装備にデラオ中尉とパベル中尉(5番機)、C班装備に副隊長のフランソン大尉(2番機)とアマージャ大尉がそれぞれ搭乗する。

アンクシャ

諸元
アンクシャ
ANKSHA
型式番号 RAS-96
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス[15]
生産形態 量産機
全高 22.3m
本体重量 28.3t
全備重量 43.9t
装甲材質 ガンダリウム合金
ジェネレーター出力 2,200kW
推力 79,600kg
センサー
有効半径
14,200m
武装 ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル×2
60mmバルカン砲×2
ムーバブル・シールド・バインダー
搭乗者 地球連邦軍一般兵
マイオス・ホーデン
ビーナ・スンレンカーム・フライターク

アッシマーの後継機。整備の効率化と生産性を高めるべく、カメラアイがゴーグルタイプになっている(この変更は、モノアイなどジオン系意匠及びティターンズにアレルギーを持つ連邦上層部の意向も含まれている)など、ジム系MSと共通規格の部品を多く使用しているのが特徴。また、これらの変更により、機体分類もMAからMSへと変更されている。前腕部に設置されたムーバブル・シールド・バインダーなど、ギャプランの影響も見られる[16]

MA形態においては、機体上部に他のMSを乗せて重力下飛行を行うことや、サブフライトシステムとして運用することが可能。

名前はヒンドゥー教の神「ガネーシャ」の持つ杖が由来。

主な武装
ビーム・サーベル
原型機には装備されていなかったが、本機では両膝のニー・クラッシャーに収納されている[15]。使用時にはユニットをポップアップさせる[15]
ビーム・ライフル
固定武装としてムーバブル・シールド・バインダーに装備。ジェネレーター直結型で、高い出力とレスポンスを誇る[15]
劇中での活躍
地球連邦軍所属の輸送艦ガルダの艦載機として登場。
原作小説の第7巻ではトリントン基地を訪れたラー・カイラムを出迎える場面で初登場し、アッシマーの系譜に連なる新鋭機であることが言及されている。後の場面ではマリーダ・クルスが搭乗する ユニコーンガンダム2号機バンシィを戦場まで運搬するためのサブフライトシステムとしても用いられている。その後、1機がユニコーンガンダム1号機と2号機の対決に介入するが、1号機に返り討ちにされて両腕を切り落とされ、2号機が1号機に向けて放ったビーム・マグナムの流れ弾に被弾し、ガルダの垂直尾翼に叩きつけられる寸前に爆散する。
アニメ版では都合7機がガルダに搭載されており、襲撃したネオ・ジオン残党の排除とラー・カイラムから護送されてきたユニコーンガンダムの確保のために出撃し、ガランシェールおよびユニコーンガンダム1号機と交戦する。アニメ版では、ガランシェール隊のギラ・ズールが装備したスキウレによって撃墜されたり、ユニコーンガンダム1号機にビーム・サーベル二刀流で挑むも返り討ちに遭い、サーベルを奪われる。デストロイモードのユニコーンガンダムとバンシィの対決中に介入しようとした機体は、2機のユニコーンが発生させたサイコ・フィールドに弾き飛ばされ、ガルダの翼に叩きつけられて爆散する。他にも、シャイアン基地に向かうローナン・マーセナスマーサ・ビスト・カーバインアルベルト・ビストらの護衛として、2機が警戒飛行する姿が確認できる。
漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2巻第4話「復讐の神鳥」では、ガルダ所属機のパイロットたちに焦点を当てた外伝エピソードが描かれている。
『UC』の1年後を描くアニメ映画『機動戦士ガンダムNT』の導入部では2機が登場し、主人公ヨナ・バシュタらが搭乗するルオ商会所属のディジェと交戦する。MA形態のアンクシャが奇襲を受けて炎上する場面から戦闘が始まり、その後別の機体が、ヨナの機体との鍔迫り合いの末に斬り刻まれて撃破される。後者の機体は腹部と右腕を斬り落とされながらも反撃を試みるそぶりを見せており、竹内清人によるノベライズ版では、登場場面こそ短いものの、これが初陣であったヨナに覚悟の差を示して死の淵まで追い詰めた、とする趣旨の描写がされている[17]

その他の登場兵器(地球連邦軍)

以下の兵器はリンク先を参照。


ネオ・ジオン(袖付き)

ネオ・ジオン残党軍、通称「袖付き」にて運用される機体。所属する機体の多くに、のような装飾(エングレービング)が施されているのが特徴。過去シリーズからの登場機も「袖付き」仕様にデザインが変更されている。

この装飾の理由は、第二次ネオ・ジオン抗争後、雑多な勢力の寄り合い所帯となった軍をまとめる意匠であったとされる[18]。また、軍を率いるフラッグシップ機であるシナンジュとその直属の親衛隊機、その他のエース・パイロット機の当該部位には、ガンダリウム系の新合金(「ルナ・チタニウムΧ(カイ)」ともいわれる[19])を用いて一般機より装甲が強化されていたとする説もある[18]

シナンジュ

「赤い彗星の再来」と渾名される「袖付き」の首魁フル・フロンタルが搭乗する、赤いフラッグシップ機。ユニコーンガンダムのライバル機となる。

ネオ・ジオング

アニメ版にのみ登場。シナンジュをコア・ユニットとする巨大MA。

クシャトリヤ

諸元
クシャトリヤ
KSHATRIYA
型式番号 NZ-666
所属 ネオ・ジオン
全高 22.3m
本体重量 29.7t
全備重量 74.02t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 16,540kW
推力 197,800kg
センサー
有効半径
18,500m
武装 胸部メガ粒子砲×4
マシン・キャノン×2
ビーム・サーベル×2
バインダー部メガ粒子砲×8
バインダー部ビーム・サーベル×4
ファンネル×24
ビーム・ガトリングガン×2(小説版のみ)
搭乗者 マリーダ・クルス

「袖付き」所属のニュータイプ専用MS。名称の「クシャトリヤ」は、古代インドの階級で第2位の王族・武人層を意味し、フル・フロンタル指揮下のネオ・ジオン残党軍ではフラッグシップ機であるシナンジュに次ぐ機体であることを物語っている。

クィン・マンサの大火力を20メートル級MSで実現するというコンセプトで開発され、コクピット周辺にサイコフレーム、両肩に武装コンテナとスラスターを集約したフレキシブル・バインダー計4基を採用することで機体の小型化に成功している。そのためIフィールド・ジェネレーターは本体ではなくバインダー内に搭載している[20]。頭部形状はクィン・マンサのツインアイ式に対しゲルググガルバルディなどに類似したモノアイ式になり、胸部や両手首などにエングレービングが施されている。

宇宙世紀0096年時のMSとしては破格の高性能機だが、「袖付き」が保有するサイコフレームは第二次ネオ・ジオン抗争時にAE社に発注した分しかなく、再生産する設備もないため、整備もままならないワン・アンド・オンリーの機体となっている。また、小型化されたとはいえ、ファンネルを始めとする多数の火器を管制する本機の操縦は非常に複雑で、「袖付き」軍内でこれを扱えるパイロットは強化人間のマリーダ・クルスのみとなっている。

高い火力と大型サイズを活かしたMA的運用だったクィン・マンサに対し、小型化の結果である本機はMS的運用が多く取られ、ファンネルとのコンビネーションや対複数の格闘戦もこなしている。

武装
胸部メガ粒子砲
クィン・マンサから引き継いで搭載された火器。左右に2基の計4機を搭載。
マシン・キャノン
胸部メガ粒子砲付近に内蔵された実弾火器。
腕部ビーム・サーベル
両腕の袖部分に格納された接近戦用武装。ほかのジオン系MSにみられる黄色ではなく、緑色のビーム刃を形成する。袖に収納時はビーム・ガンとしても使用が可能。
バインダー部メガ粒子砲
「4枚羽」の渾名の由来となる肩部装甲とつながるバインダーに搭載された火器。1枚のバインダーにつき2基の計8機が搭載。
バインダー部ビーム・サーベル
バインダーに格納されたサブ・アームごとに各1基を内蔵。ユニコーンガンダムの両腕を抑えるほどのパワーを持ち、敵機の拘束や奇襲・反撃にも使用可能。
ファンネル
バインダーに6基搭載されたサイコミュ兵器。カラーリングは小説版では銀色、アニメ版では機体カラーと同じ緑でデブリと誤認されるほどに小型。過去のファンネル搭載機同様、バインダーに戻すことで再充電可能。
ビーム・ガトリングガン
メガ粒子砲やファンネルは機体およびパイロットにかかる負担が大きい兵装であるため、それらを補助する携行兵装として用意された[21]4銃身式の大型ビーム機関砲。小説版の最終決戦の際には、マニピュレーターが欠損した右腕の前腕部側面に2挺装着して出撃している[22]
同じAE製で同一規格のジョイントを有するユニコーンガンダムやギラ・ズールも装備・使用している(アニメ版のみ)。
劇中での活躍
インダストリアル7強襲時は、数で勝るネェル・アーガマのMS隊を次々と撃破。そしてデブリ宙域に避難したネェル・アーガマにシナンジュやフル・フロンタル親衛隊と共に襲撃し、ユニコーンガンダムを鹵獲する。
パラオ攻略戦では脱走したユニコーンガンダムを捕える任務(実際にはユニコーンガンダムの真の性能を試そうとしたフル・フロンタルの策略)を受けて交戦するも、デストロイモードとなったユニコーンガンダムの性能と能力に押され、右手を失う等マリーダ共々無数の傷を負い、ネェル・アーガマに収容される。アニメ版ではバインダーや四肢を切断され、頭部をビーム・サーベルで刺される等、大破に近いほどの損傷を受けている。その後、小説版では袖付き・ジオン共和国軍・ガランシェール隊にネェル・アーガマが制圧された際には再びマリーダが搭乗し、ローゼン・ズールの右腕を切断する活躍を見せる。
小説版における最終決戦では、手首より先を失った右腕に2丁のビーム・ガトリングガンを装備して出撃し[22]、ユニコーンガンダムのバックアップを担当した。マリーダとの親和性の高まりにより機体から虹色の燐光を発しながら[23]、ユニコーンガンダムとシナンジュの戦闘に介入してシナンジュの足止めを請け負う。ファンネルを全弾失い撃墜直前まで追い詰められるが、4枚の大型バインダーの接続アームを自ら斬り落とし、大型バインダー自体を巨大なファンネルとして操り、シナンジュに質量弾として突撃・起爆させる[24]という荒業で、その場を何とか切り抜け離脱した。その後、バンシィのビーム・マグナムからネェル・アーガマを庇って爆散し、爆発ではない未知の光を戦場に散らしながら消えていった。

クシャトリヤ・ベッセルング

KSHATRIYA BESSERUNG

アニメ版に登場。ネェル・アーガマ内でトムラら「袖付き」側主導によって補修を受けた姿。「ベッセルング」とはドイツ語で「回復」の意(「ベッセルン」がより原音に近い)。

左腕は肘から先が失われており、右脚は膝から先がフレームのみ、コクピットと頭部内フレームが露出している。連邦軍機のパーツを使って改修したため、モノアイの色がピンクから緑に変わっている[25]。胸部メガ粒子砲の銃口は左右各2門のうち1門がそれぞれ塞がれている。バインダーは左右1枚ずつとなり、左側は内部フレームのみとなっている。ネェル・アーガマ内での攻防の際に使用された。

当初は原作小説と異なり、再登場しない予定であったため大破させられたクシャトリヤだったが、アニメでも再登場させることになったため改修案が新たにデザインされた。

クシャトリヤ・リペアード

諸元
クシャトリヤ・リペアード
KSHATRIYA REPAIRED
型式番号 NZ-666
所属 ロンド・ベル(ネェル・アーガマ)
全高 22.3m
本体重量 27.9t
全備重量 68.03t
出力 9,924kW
推力 198,680kg
センサー
有効半径
17,800m
武装 胸部メガ粒子砲×2
マシン・キャノン×2
ビーム・サーベル×1
バインダー部メガ粒子砲×2(×2)
バインダー部ビーム・サーベル×2
改造ファンネル×12
右脚部ビーム・ガトリングガン×1
左腕部ハイパー・ビーム・ジャベリン×1
3連装シュツルム・ファウスト×1
搭乗者 マリーダ・クルス

アニメ版に登場。クシャトリヤ・ベッセルングが、ネェル・アーガマのクルーの手によって最終決戦に向けて更なる補修を受けた姿。

左腕の肘から先にはユニコーンガンダムのオプション兵装であったハイパー・ビーム・ジャベリンが接合され、欠損していた後部の2基のバインダー部分にはギラ・ズール用の大型プロペラント・ブースターを転用し、右脚仮設フレームの足裏にはビーム・ガトリングガンが内装され、フレームが露出していたいくつかの部分も装甲で補修されている。バインダーが減ったことで搭載武装は減少しているものの、これによる相対的な軽量化とブースターの推力によって機動性はむしろ向上している。ファンネルは小型シュツルム・ファウストの弾頭を先端に接合することで、それ自体を誘導ミサイルとする方式に改造された。従来の格納箇所であるバインダー裏面のラックは穴埋めされ、表面の開閉式カバー内部にコンテナを増設している。インダストリアル7宙域での決戦にて使用された。

ギラ・ズール

諸元
ギラ・ズール
GEARA ZULU
型式番号 AMS-129
所属 ネオ・ジオン軍残党「袖付き」
ジオン共和国軍
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
全高 20.0m[26]
本体重量 21.8t[26]
22.3t(親衛隊仕様機)[27]
27.3t(アンジェロ機)[28]
24.9t(エリク機)[29]
全備重量 55.2t[26]
56.5t(親衛隊仕様機)[30]
61.4t(アンジェロ機)[30]
56.4t(エリク機)[29]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[26]
出力 2,470kW[26]
2,670kW(親衛隊仕様機)[27]
2,870kW(アンジェロ機[28]、エリク機[29]
推力 62,100kg[31]
74,520kg(親衛隊仕様機)[30]
77,625kg(アンジェロ機)[30]
77,630kg(エリク機)[29]
センサー
有効半径
18,200m(一般機[31]、親衛隊仕様機[30]
19,200m(アンジェロ機[30]、エリク機[29]
武装 ビーム・マシンガン
ビーム・ホーク
ハンド・グレネード
シュツルム・ファウスト
シールド
他(「武装・装備」「主な武装」を参照)
搭乗者 サボア
ギルボア・サント
クワニ
アイバン
セルジ・ヘルファー(親衛隊仕様機)
キュアロン・マスカ(親衛隊仕様機)
アンジェロ・ザウパー
エリク・ユーゴ

「袖付き」の主力MS。もともとはギラ・ドーガに代わる新生ネオ・ジオン軍の次期主力機として、AE社によって開発が進められていた機体である[32]。本来は第二次ネオ・ジオン抗争の長期化に備えてのものであるが[33]、本格的な量産体制が整う前に終結したため生産計画は棚上げとなる[26][注 2]。その後、「袖付き」の蜂起によりジオン再興の象徴としての主力機が必要とされ、生産が本格化する[26]。しかし、小規模な「袖付き」の台所事情や[34]、MSの運用能力も十分に満足いくレベルではないことから[33]、予定されていたスペックでの量産計画は承認されず[34][注 3]、基本的にはギラ・ドーガの発展強化更新型の範疇を逸脱するものではない[26]。しかし、ギラ・ドーガによる実績や数年間の技術の進展[26]、再承認のための入念な設計の見直しにより[34]生産性や整備性は設計当初より改善されており、比較的容易に改修・強化が可能な非常に扱いやすい機体として完成する[26]。また、外観は大きく変わっているものの中身は基本的にギラ・ドーガとほぼ同じであるため機首転換の必要もなく、装備類も共用が可能となっている[33]。しかしながら、対抗機でありながらマイナーチェンジで細かい改良が積み重ねられているジェガンに対してアドバンテージを築くのは難しく、またロンド・ベル隊ではジェガンとリゼルの連携運用が基本となっており、インダストリアル7での戦いでも本機は苦戦を強いられている[33]

外観はオーソドックスなジオン・スタイルでまとめられており[32]、ガスマスクのような口元と、高機動型ザクIIを思わせる大腿部側面のメイン・スラスター・ユニット[27]が特徴[31]。手首と胸部には「袖付き」の由来であるエングレーブ風の装飾が施されており、部隊や階級によって装飾の模様および肩部スパイクなどの形状が異なる[32]。また、隊長機は額にブレード・アンテナが設置される。標準塗装はザクIIやギラ・ドーガと同様、濃淡グリーンを基調とする。

小説版では、従来機のOSを使い回すため、当時の連邦軍ではすでに採用が中止されていたアームレイカー式操縦桿を採用しているとされたが[35]、アニメ版では一般的なグリップ式に変更された[30]

武装・装備
ビーム・マシンガン
ギラ・ドーガのものと同様、ペレット状のビームを連射する[26]標準装備の携行火器で、当時の標準的な連射力・集弾率をもつ[31]。モードの切り替えにより通常のビーム・ライフルとしても使用可能[30]。マガジン(Eパック)はフォアグリップを兼ねており[31]、バナナ型となり装弾数が増えているが[27]、ギラ・ドーガ用のものとも互換性がある[30]。予備マガジンは3セットずつ、フロント・スカート左右にマウント可能。
基本設計に優れており拡張性が高く、本体のセンサーに直接リンクする大型センサーや[31]、銃身下部にグレネード・ランチャー・ユニットを装備することが可能[26]
ビーム・ホーク
接近戦用の武装。2基のビーム発生器を内装し、側部からマサカリ状のビーム刃を発生させるビーム・ホーク、ツルハシ状にしたビーム・ピック、先端から杭状に発生させるビーム・パイルと[34]、状況に合わせて変化させることが可能。2基同時の展開も可能で、使用時には柄を伸長させる[30]
ハンド・グレネード
MS用手榴弾。磁気・接触・時限・熱探知など複数のモードで反応する信管をセット可能[26]
シュツルム・ファウスト
命中精度向上のため弾体後部に4枚の安定板が追加され、グリップと照準器が一体になった発射器を使用する[30]
シールド
右肩にザクIIと同様のL字型シールドを装備する。表面にシュツルム・ファウスト(上記と異なる従来型)4発をマウント可能。なお、左肩はスパイクのない球状のアーマーを装備。
重装用バックパック
ジェネレーター直結型のオプション兵装を運用するために開発された大型のバックパック[28]。内蔵されたジェネレーターによる対応火器へのエネルギーの安定供給のほか、スタビライザーと2基の大型プロペラント・タンクを接続することで長時間の作戦行動が可能となる[28]。少数が製造され、親衛隊仕様機に優先的に配備されている[28]
ランゲ・ブルーノ砲・改
重装用バックパック対応兵器のひとつで、ギラ・ドーガ重装型のランゲ・ブルーノ砲を宇宙での運用に特化するため、実弾兵器から長射程のビーム・ランチャーとして改良されている[28]。貫通力強化のために収束率を極限まで高めたビームを高速で発射する[28]。後述のアンジェロ機のほか、ラプラス跡での戦闘ではガランシェール隊のギルボア・サント機ほか1機も装備している。
その他武装
ギラ・ドーガ用の武装もそのまま使用可能[31]
ランゲ・ブルーノ砲・改を装備したガランシェール隊所属機のうち、ギルボア機は副兵装としてビーム・ガトリングガンを、もう1機はサブ・マシンガンとギラ・ドーガのシールド(裏にシュツルム・ファウスト4発)を装備する。
ガランシェール隊がガルダ輸送機からミネバ・ラオ・ザビらを奪還する際には、アイバン機[34](重装用バックパック装備)がスキウレリック・ドムIIのロケット・バズーカを、クワニ機[34]ザクIIのザク・マシンガン、2連ザク・バズーカと3連装ミサイル・ポッド8基、グフカスタムのガトリング・シールド、ドムのジャイアント・バズ、ロケット・バズーカ、ゲルググJのビーム・マシンガン、陸戦型ジムのミサイル・ランチャー、リック・ディアスのクレイ・バズーカ、ハイザックおよびマラサイのビーム・ライフルを使用し、母艦のガランシェールに搭載された状態で連邦軍MS隊へ向け発砲している。これらは地球のジオン残党軍から譲り受けたもので[36]、漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』によれば、カークス隊のクイント中尉が一年戦争からの歴戦の中でかき集めてきたものとされる。
最終決戦に際してネェル・アーガマの所属となった3機(大腿部にオレンジ色の識別帯が施されている)のうち2機も、ガランシェールから持ち込んだ上記の武装の一部を使用[37]。一般機はスキウレ、親衛隊仕様機は2連ザク・バズーカおよびジェガンのシールドを装備する。残る1機の一般機は、ジェガンのビーム・ライフルとシールドを携行する。

ギラ・ズール(親衛隊仕様機)

フル・フロンタル直属の親衛隊に与えられた特別仕様機[27]。本仕様こそが設計段階における本来の標準スペックであるともいわれる[38][注 4]

高機動を誇るフロンタルのシナンジュとの連携を図るため、大腿部メイン・スラスター(高機動型ザクIIR-2型を思わせるカバーが追加されている)をはじめとする推力の大幅な強化が図られ、バックパックはギラ・ドーガのプロペラント増加型の比推力を改善したものを装備し、長時間の作戦行動も可能となっている[27]。外観的には、両肩に大型のスパイク・アーマーを装備してより攻撃的になり、「袖付き」の装飾は親衛隊であることを示すために一般機より広範囲に施されている[32]

本仕様は「袖付き」の中でも出撃回数が非常に多いにもかかわらず、撃墜スコアは微々たるものであったとされるが、これは戦場で先陣を切るフロンタルへの介入を親衛隊隊長が禁じたためといわれる[27]。しかし、攻撃に転じれば一騎当千と形容され、敵軍から恐れられたという[27]

劇中では、セルジ機がユニコーンガンダムのビーム・マグナムの至近弾により誘爆し、キュアロン機もラプラス跡での戦闘で同機のビーム・サーベルに貫かれ撃破される。アニメ版終盤においては、ネェル・アーガマに残された鹵獲機の1機が運用されている。

映画『機動戦士ガンダムNT』に登場するジオン共和国軍のゾルタン・アッカネン大尉率いる部隊が運用するギラ・ズールの外観は親衛隊仕様機と同様(所属を偽るため、「袖付き」の装飾もそのまま)だが、スペックは一般機と同じ数値となっている[29]

漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』では、ジオン軍残党部隊の機体が登場。部隊のMSに共通する重装用バックパック(後述、プロペラントタンク装備)に換装されており、袖と胸の装飾は消されている。宇宙世紀0112年にサイド6の廃棄コロニー群で僚機のギラ・ズールおよびリゲルグとともに資材をあさるが、突如現れたランデッガー重工のMSティグリス2機の急襲に遭い、「噛みつき」によって撃破される。

主な武装
シールド
一般機と異なり、ギラ・ドーガのものをベースに軽量化などの改良が施されたものを装備する[27]。キュアロン機はラプラス跡での戦闘時に一般機のシールドも装備し、合計8発のシュツルム・ファウストを搭載する。
ビーム・スナイパー・ライフル
ラプラス跡での戦闘時にキュアロン機が携行する。ビーム・マシンガンでは届かない長射程からの狙撃に使用される[30]。センサーはビーム・マシンガン用のオプションと共通[30]

ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)

親衛隊隊長であるアンジェロ・ザウパー大尉の専用機。親衛隊仕様機にパーソナル・カラーである紫を基調とした塗装が施され[32]、胸部の装飾も異なる。ブレード・アンテナと重装用バックパックを装備する。

初登場時にはランゲ・ブルーノ砲・改を装備し、ユニコーンガンダムと交戦するシナンジュを援護する。パラオ防衛戦ではサブ・マシンガンを携行し、シナンジュに随伴する。ラプラス跡での戦闘ではビーム・ショット・ライフルを携行し、ユニコーンガンダムに挑むも返り討ちに遭い、小説版では両腕と頭部を、アニメ版では四肢を切断される。

主な武装
ビーム・ショット・ライフル
重装用バックパック対応兵器のひとつ[39]サザビーのものの改修型で[30]、収束・拡散ビームの撃ち分けが可能[39]。後端にグリップがあり、上部中央にエネルギー充填用のコッキング・レバーを有する[30]

ギラ・ズール(エリク・ユーゴ機)

『機動戦士ガンダムNT』に登場する、ジオン共和国軍のエリク・ユーゴ中尉の専用機。親衛隊仕様機をベースとしているが[40]、頭部のひさし、胸部の装甲形状と装飾、肩部スパイク・アーマーの端部やフロント・スカート端部の形状といった細部が異なり[40]、全体的に筋肉質で力強いイメージで作画されている[41]</ref>。アンジェロ機と同様に指揮官用のブレード・アンテナと重装用バックパックを備えるが、ブレード・アンテナの形状はアンジェロ機と異なり、ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス機)のように大小2本で構成されたものとなっている[40]。塗装はエリクのパーソナル・カラーであるダーク・ブルーを基調とする[40]

主な武装
ビーム・マシンガン・コンパクト
一般機のビーム・マシンガンを切り詰めて短くして、取り回しを良くしている[29][40]。近接戦闘用[29]
ビーム・ナギナタ
ゲルググと同様の両刃型ビーム・サーベル。

ゼー・ズール

諸元
ゼー・ズール
ZEE ZULU
型式番号 AMS-129M
全高 20.3m[42]
本体重量 28.9t[42]
全備重量 42.8t[43]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[42]
出力 2,470kW[42]
センサー
有効半径
18,200m[42]
武装 ビーム・マシンガン×1
ヒート・ナイフ×2
アイアン・ネイル×2
搭乗者 アヴリル・ゼック
テッセラ・マッセラ

「袖付き」が地球侵攻に備え、AE社に開発を委託した水陸両用MS[44][注 5]。「袖付き」は局地専用MSの開発に消極的であったが、ギラ・ズールの総合性能が極めて高く、そのコンセプトが名機であるザクIIに近いことから、例外的に同機をベースとした局地専用機の開発案が複数提示されたと言われており、本機もそのひとつである[44]。基本フレームはベース機と同一であるが、水圧軽減のための外装の改修や水中用の増加装備により、長時間の水中行動と、水陸ともに高い機動性を得ている[44]。内装部品は地上での運用に対応したものに改められている[45]。塗装は濃淡シー・ブルーを基調とする。

地球のジオン残党軍に補充用のギラ・ズール1機およびパイロットを含む数名とともに2機が送られ、不時着した「袖付き」の友軍の救援を依頼している[45]

アニメ版では、トリントン基地襲撃において2機が参戦。シャンブロとともに基地へ向かう途中、海中で2機のアクア・ジムを撃破する。その後、ザク・マリナーカプールらとともにトリントン湾岸基地に上陸。水中用装備を外したあと、基地に配備されていたジムIIらと交戦。当初はジオン残党軍らとともに連邦側を圧倒するも、バイアラン・カスタムとの戦闘で1機は両腕を切断され、もう1機は体当たりでビルに叩きつけられる。

漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、アニメ版で両腕を切断された機体はカークス隊のテッセラ・マッセラ中尉、ビルに叩きつけられた機体は「袖付き」のアヴリル・ゼック中尉が搭乗していたとされる。それ以前のダカール襲撃で初陣を飾り、水中から上陸部隊の援護をおこない、練度の高いパイロットが搭乗する水中型ガンダムとアクア・ジムに苦戦しつつも作戦を成功に導く。トリントン基地戦では2機とも脱出し、海岸の洞窟にあるカークス隊基地へ帰還。その後、同基地を襲撃する海賊との戦闘では残存装備をアヴリル機に集中して出撃、主戦力として活躍する。殿として戦う最中に因縁深いバイアラン・カスタムと遭遇するが、共闘する形で海賊を殲滅し、無事に脱出を果たす。

小説版では、ダカール侵攻においてその中心人物であるマハディ・ガーベイと、シャンブロの支援に3機が提供される。海中でアクア・ジム数機を撃破するが、地上での連邦軍トライスター隊との交戦によって2機が撃破される。残る1機はトリントン基地襲撃に参加するが、その後の去就は不明。

武装・装備
水中用装備
ベスト状の潜水装置と首周りのバラスト・タンク[32]、背部のハイドロ・ジェット推進器、つま先のフィンからなる、水中用の増加装備[44]ジオン公国軍が開発した水陸両用MSのデータをもとに開発されている[44]。これらによって膨らんだ外観はズゴックなどの水陸両用MSを想起させる[42]。推進器とフィンは離水後にパージし、陸戦用の除装状態となる[44]。ほかに腹部のタンク状の装備があるが(これも離水後にパージ)、これについて言及した資料はない。
ビーム・マシンガン
本機専用の携行火器で、ギラ・ズールのものをベースとしているがセンサーはオミットされ、銃身に小型のセンサーらしきものが追加されており、マガジンも短い。グレネード・ランチャー・ユニットを装備。水中ではシーリングされた銃器コンテナに収納されるが、水中でのビーム収束率を高めた偏向射撃モードへの切り替えも可能となっている[44]
ヒート・ナイフ
セラミック高分子化合物で形成された[44]、ヒート系の格闘用武装[43]。従来のもののようにブレード部全体ではなく、刃の部分のみが赤熱する[44]。腰部背面の鞘に2本を収納する。
アイアン・ネイル
「ヒート・クロー」とも呼ばれ[43]、両前腕部甲に装備。使用時には3枚のブレード(構造・機構はヒート・ナイフと同様)が前方に展開し[44]、さらにヒート・ナイフを逆刃で保持することで、甲殻類のハサミを思わせる水陸両用MSらしい外観となる[42]

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ローゼン・ズール

諸元
ローゼン・ズール
ROZEN ZULU
型式番号 YAMS-132
全高 22.5m[46]
本体重量 25.8t[46]
29.6t[47][48] / 25.8t[49](右腕改修後)
全備重量 72.6t[46]
76.4t[48] / 50.8t[49](右腕改修後)
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[46]
一部ガンダリウム合金(アニメ版)[50]
出力 4,950kW[46]
推力 257,200kg[46]
センサー
有効半径
18,200m[46] / 108,200m[49]
武装 3連装メガ粒子砲×2
シールド
サイコ・ジャマー
有線式シールド・ユニット(右腕改修後)
搭乗者 アンジェロ・ザウパー
ゼクスト・アーデ(テスト・パイロット)

ギラ・ズール(親衛隊仕様機)をベースに[51]第一次ネオ・ジオン抗争ネオ・ジオン軍に運用されたハンマ・ハンマのコンセプトを昇華させて開発した機体[32]

設計当初からシナンジュの予備パーツの流用が決定しており[50]、コックピット周辺に組み込まれたサイコフレームの構成も[52]そのまま採用されている[50]。いわゆるサイコミュ搭載機ではあるが、本機はニュータイプではない一般兵の搭乗を前提としており、準サイコミュ装置も組み込んだサイコミュ技術のハイブリット・タイプ[52]として完成したとされる。サイコフレームには一般人の微弱な感応波も感知できる機能があり、その特性を機体制御に特化させ、攻撃面では準サイコミュに総合的な火器管制を担当させている[50]

また、ユニコーンガンダムに対する「切り札」としても開発されており、対ユニコーンガンダム用の兵装としてサイコ・ジャマーを装備する[50]。本機はバラをモチーフにデザインされ[52]、肥大化した両肩・両腕とハイヒール状の両足により、トップ・ヘビーなバランスの外観となっている[46]。背部のプロペラント・タンクはシナンジュと共通[46]

アニメ版では、両肩アーマー内側に小説版にはなかったスラスターが追加された。

親衛隊隊長のアンジェロ・ザウパー大尉が搭乗。ネェル・アーガマを襲撃せんとするゼネラル・レビル所属の多数のMSに対しシナンジュと2機のみで迎撃、撃破せずに頭部や手足を破壊してそのほとんどを戦闘不能にする。ネェル・アーガマとの共闘が決裂した際には、同艦の格納庫内でクシャトリヤ・ベッセルングと格闘戦になるが、ユニコーンガンダムにインコムのケーブルを掴まれた(その際、本機のコックピット周辺から紫色の光が漏れている)右前腕部をみずからの左腕で破壊し、フロンタルを乗せ同艦のハッチを破壊して脱出する。右腕はその後改修され、最終決戦ではユニコーンガンダムと交戦、味方機を巻き込みながら攻撃をかける。サイコ・ジャマーでの拘束に成功するが、マリーダの死により想定値を超えたバナージの感応波により破られ、最後は錯乱したアンジェロが左腕部インコムのクローをみずからのコックピット周囲に突き立てる。アンジェロは一時的に気を失うも無事であった。

漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、アンジェロの指名により親衛隊のゼクスト・アーデ少尉がテスト・パイロットを務め、彼の機付長であるスポッターにより最適化作業がおこなわれる。また、「演習」と称してクラーケ・ズールとともに盗賊のハイザック部隊を殲滅する(その際にもコックピット周辺から光が漏れている)。

武装
3連装メガ粒子砲
両腕のクロー・アーム中央に装備されている。これらはインコムとして有線誘導により簡易的なオールレンジ攻撃が可能で、各3基のリレー・インコムを使用して方向転換をおこなう[50]
シールド / 有線式シールド・ユニット
ガンダリウム合金製で[50]、中央部にIフールド・ジェネレーター、その周囲に3門のメガ粒子砲を装備。Iフィールドは防御だけでなく、各メガ粒子砲を偏向させての拡散照射が可能[50]
右腕部欠損後、代替として装備案のひとつであった有線式遠隔誘導装置を内蔵したシールド・ユニットとして右腕先端に取り付けられている[47]。こちらも引き続きインコムとしてオールレンジ攻撃が可能[47][53]
サイコ・ジャマー
背部コンテナに複数格納されている、バラのような形状の特殊デバイス[47]。サイコミュではなく、機械的な複合誘導方式で対象を中心とした[47]サイコ・フィールドを形成し、内部に感応波を妨害する強力な波動を発生させ[49]、領域内のサイコミュ機能を完全に遮断する[47]。しかし、感応波の波動が妨害能力を超える場合は遮断が不可能となる[49]
アニメ版『UC』劇中では8基を射出するも、2基はユニコーンガンダムの頭部バルカン砲で撃破される。しかし、残る6基で八面体のフィールドを形成し、ユニコーンガンダムのデストロイモードを解除させ、一時的に拘束する。

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クラーケ・ズール

諸元
クラーケ・ズール
KRAKE ZULU
型式番号 YAMS-130
頭頂高 21.1m
本体重量 33.6t
全備重量 64.38t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 3,580kW
センサー
有効半径
18,200m
武装 有線式メガ・ビーム砲
ビーム・マシンガン
ビーム・ホーク
搭乗者 アンジェロ・ザウパー
スポッター機付長

漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。サイコミュ高機動試験用ザクのコンセプトを宇宙世紀0096年の技術レベルで再現した機体で、親衛隊仕様機を母体として開発された。

通常の腕部を残したまま肩部にメガ粒子砲を内蔵した有線式遠隔兵器となる大型の腕部を追加、下半身は機体名称にある「クラーケ()」を想わせる8本の大推力スラスターユニットに換装。その加速性能や機動性は巡航形態のデルタプラスに追従可能なものとなっている。機体本体以上の大きさを持つ、長距離航行用の大型プロペラント・ブースターを背部に装着する場合もある[38]

本機はほぼ技術試験機であったが、当初からデータ収集が即実戦データとなることを前提として開発され、アンジェロ・ザウパーがテストパイロットとなり、機体色を紫としている。アンジェロが本機のテストパイロットとなったのはローゼン・ズールへの機種転換を円滑に行うためであったともされている[38]

『UC バンデシネ』においてはパラオ攻略戦に参戦。その後のラプラス史跡での戦闘でユニコーンガンダムとの交戦で細切れに切断されている。

アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』においても、アンジェロによって運用はされていた、とある。ローゼン・ズールの存在を知らない賊によって「新型」と誤認されて奪われそうになっており、その際スポッターにより運用されている。

ガランシェール

航宙貨物船。全長約120m(アニメ版では全長146m)。最大貨物積載量500t超。搭載可能MS数4機。宇宙世紀0096年代では旧式にあたる。クルーは33人。三角錐状の船体は宇宙だけでなく大気圏内の飛行能力も持ち、宇宙と地球を往復することも可能である。表向きは「リバコーナ貨物」という民間の貨物船を装っているが、実際は「袖付き」の船でクシャトリヤやギラ・ズールなどのMSを搭載している。通常は非武装だが、ガルダとの戦いではスキウレ砲や搭載MSが装備する武装を使って戦闘を行っている。艦長はスベロア・ジンネマン

「ラプラスの箱」の引き渡しに関わったことをきっかけにユニコーンガンダムと深く関わることになり、中立の立場で様々な陣営を転々とするバナージと敵対したり協力したりと立場を変えながらも行動を共にする。最終的には無人で操縦され、(原作では連邦軍と「袖付き」双方に対して、アニメ版では連邦軍に対しての)囮となって自沈する。

漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、一年戦争時にジオン公国の貨客船としてサイド3からソロモンへ向かう同型艦が登場する。ただし各部の小さな翼状のものはなく、細部の形状も異なる。

同型艦
ブランダムール
漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場する2番艦。ゴティ・ハヤミ中尉を艦長とし、ルガー・ルウ中尉を中心に「ブランダムール隊」が結成される。こちらも民間船を装っており、船体に"Wild Rapids Farm"と記されている。当初の搭載MSはリバウドーベン・ウルフガルスJガルスK
ガランシェールJr.
映画『機動戦士ガンダムNT』に登場。元ガランシェール艦長のジンネマンを含む、ミネバ直属の部隊が運用する。

その他の登場兵器(袖付き)

以下の兵器はリンク先を参照。

ジオン共和国

「袖付き」に協力する。小説版のみに登場し、アニメ版には登場しない。リンク先を参照。

ジオン残党軍

すべて一年戦争時以降、地上に潜伏していたジオン公国軍の残党であり、シャンブロ以外のほとんどが過去作品に登場した機体だが、本作独自の改修がなされたものや完全に新規のバリエーションも存在する。「袖付き」とは協力関係にあり、シャンブロのみ機体に同様の装飾が見られる。

シャンブロ

諸元
シャンブロ
SHAMBLO
型式番号 AMA-X7
開発 [宇宙世紀の企業#ガーベイ・エンタープライズ
生産形態 試作機
全高 31.8m(陸上戦闘形態)
全長 77.8m(水中巡航形態)
本体重量 196.8t
全備重量 283.9t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 21,460kW
推力 226,480kg(ホバー)
センサー
有効半径
12,800m(陸上)
240km(ソナー水中)
武装 大口径メガ粒子砲
拡散メガ粒子砲
リフレクター・ビット×10
大型アイアン・ネイル×2
搭乗者 『UC』小説版
マハディ・ガーベイ(機長兼攻撃担当)
ロニ・ガーベイ(防御担当)
アッバス・ガーベイ(操縦担当)
ワリード・ガーベイ(索敵担当)
『UC』アニメ版
ロニ・ガーベイ
『UC バンデシネ』
マハディ・ガーベイ
ロニ・ガーベイ

ジオン残党軍に所属している水陸両用試作MA。原作小説と『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ネオ・ジオンのシンパの援助と技術供与を受けた宇宙世紀の企業#ガーベイ・エンタープライズ社によって建造された。アニメ版では、第一次ネオ・ジオン抗争ネオ・ジオンの設計案を元にジオン残党軍と「袖付き」によって建造され、フロンタルは「ハマーンの遺産」と言及している。連邦海軍内で「海の亡霊(シーゴースト)」と呼ばれていた。

水中用MAをニュータイプ専用機化するという計画は、一年戦争時からグラブロ試作水中ビット搭載型などで検討されている。ジオン残党軍でもヘリオス・マリナーなどが開発されており、これらによって蓄積されたデータや技術が本機の開発および完成に繋がったとされる[54]

正面からは扁平に潰れた菱形シルエット、2本の前足とその先端から展開される3本爪の大型アイアン・ネイルを持つ。その付け根からは貝殻を思わせる丸みを帯びた装甲が張り出している。細長い流線型のボディ、上方からはスペードの形に見える先端部分は猛禽類の嘴を想起させる有機的な曲線、頭部と思わしき部分には単眼センサーを閃かせているなど、往年の特撮映画の怪獣を思わせる外観の機体である。水中潜行時は肩の装甲を閉じて前足を収納し、丸みを帯びた形状になる。肩の装甲内には電磁流体誘導推進ユニット(MHD)を仕込んでおり、スリットから海水を吸い込み超伝導コイルで推進機関に誘導した後、引き入れた海水を加速して後方へ噴射することによって推進する[55]。この無音推進システムは初期のもので、パワー不足を理由に使われなくなって久しいが、同機はさらに内蔵のミノフスキー粒子#ミノフスキー・クラフト・エンジンから粒子を常時散布してIフィールド力場を形成し、イオン化した海水を機体の保護膜とすることで潜航時の抵抗を大幅に低減したため、超静粛にして驚異的な機動力を獲得している[55]。陸上では、ミノフスキー・クラフトとホバーを併用して移動する[56]

本機は単独パイロットないしは少人数パイロットで運用可能で、コックピット・ブロックは前面の壁一面がスクリーンとなっており、その手前に操縦・索敵・防御を司るオペレーター席が並ぶ(搭乗人数は、メディアによって一定していない)。コックピット後方の一段高いスペースは機長席となり、攻撃オペレートの役割も兼ね、非常時には一元操作も可能。アニメ版では「袖付き」から供与されたサイコフレームの搭載によって単独のニュータイプパイロットによる運用が可能だが、メインパイロット用のシートと、それに相対するメインパイロットのモニター担当者用のシートの複座式となっている[57]。『UC バンデシネ』でもアニメ版と同じく複座式で、マハディがモニター担当。

主な武装は頭部カバー内に収納された大口径メガ粒子砲と両肩の肩部装甲に設置された拡散メガ粒子砲に加え、拡散メガ粒子砲を乱反射することで広範囲への攻撃や敵機のビーム兵装を反射することで防御にも転用できるリフレクター・ビット(背部VLSに10機収納)、両腕の大型アイアン・ネイルである。なお、リフレクター・ビットは滞空時間を延ばすため、ローター駆動付きのバルーン浮遊方式となっている。

その他の登場兵器(ジオン残党軍)

以下の兵器はリンク先を参照。

脚注

注釈

  1. ^ リゼルC型(ゼネラル・レビル配備機)の記述では「リミッター上限を解除」とされている。
  2. ^ この時点で開発され、温存されていたとする資料もある[33]
  3. ^ 大規模なアップデートがおこなわれなかったとする資料もある[33]
  4. ^ デザイナーであるカトキハジメも、最初に親衛隊仕様機をデザインし、それからガランシェール隊用にスペック・ダウンした一般機をデザインしたため、自分の中では本仕様が標準のギラ・ズールであると述べている[31]
  5. ^ 一方で、「袖付き」が開発したとする資料も多い[32][43]

出典

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参考文献

  • 書籍
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    • 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』KADOKAWA、2016年7月26日。ISBN 978-4-04-104668-5 
  • ムック
    • 『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集11 量産型モビルスーツBOOK』双葉社、2016年9月9日。ISBN 978-4-575-46494-8 
  • 分冊百科
    • 『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル』第34号(RX-0 フルアーマー・ユニコーンガンダム)、デアゴスティーニ・ジャパン、2020年1月7日。 
  • 雑誌
    • 『ガンダムエース』2019年5月号、KADOKAWA。 
    • 『ホビージャパン』2019年5月号、ホビージャパン。 
  • プラモデル付属説明書
    • HGUC 1/144 NZ-666 クシャトリヤ』バンダイ、2009年10月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール』バンダイ、2009年12月。 
    • 『HGUC 1/144 D-50C ロト ツインセット』バンダイ、2010年3月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)』バンダイ、2010年7月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129M ゼー・ズール』バンダイ、2011年1月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(親衛隊仕様)』バンダイ、2011年2月。 
    • 『HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール』バンダイ、2012年2月。 
    • 『HGUC 1/144 RAS-96 アンクシャ』バンダイ、2012年5月。 
    • 『HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール(エピソード7 Ver.)』バンダイ、2014年8月。 
    • RG 1/144 MSN-06S シナンジュ』バンダイ、2016年8月。 
    • 『HGUC 1/144 RGM-96Xsジェスタ(シェザール隊仕様 A班装備)』プレミアムバンダイ、2018年11月。 
  • 映画パンフレット特典冊子
    • 「最終報告書 U.C.0097 “不死鳥狩り”作戦にまつわる経緯と結果について」『機動戦士ガンダムNT』パンフレット、創通・サンライズ、2018年11月30日。 

関連項目