「エルサレムをイスラエルの首都とするアメリカ合衆国の承認」の版間の差分

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'''首都エルサレム宣言'''(しゅとエルサレムせんげん)は、アメリカの[[ドナルド・トランプ]]大統領が2017年12月6日にイスラエルの首都をエルサレムとして認識・承認した出来事である<ref>[https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2017-12-11/pdf/2017-26832.pdf#page=1 Presidential Documents(9683 of December 6, 2017)][[合衆国政府印刷局]](PDFファイル)2018年5月15日閲覧。</ref>。これはアメリカの約70年にわたる外交政策の転換で、アメリカ大使館も[[テルアビブ]]から[[エルサレム]]に移転する計画を命じている<ref name="nyt271206_2-0">[https://www.nytimes.com/2017/12/06/world/middleeast/trump-jerusalem-israel-capital.html Trump Recognizes Jerusalem as Israel's Capital and Orders U.S. Embassy to Move][[ニューヨーク・タイムズ]](2017年12月6日, Mark Landler)2018年5月15日閲覧。</ref><ref>[http://www.foxnews.com/politics/2017/12/06/trump-officially-recognizes-jerusalem-as-israels-capital-orders-us-embassy-move.html Trump officially recognizes Jerusalem as Israel's capital, orders embassy move for US][[FOXニュース]](2017年12月7日,Alex Pappas)2018年5月15日閲覧。</ref>。認識を示した後、{{仮リンク|エルサレム大使館法|en|Jerusalem Embassy Act}}のもと大使館放棄に署名<ref name="signswaiver">[https://www.timesofisrael.com/trump-signs-waiver-to-keep-us-embassy-in-tel-aviv/ Trump signs waiver, won't move US embassy to Jerusalem]The TIMES of Israel(2017年6月1日,Eric cortellessa)2018年5月15日閲覧。</ref>、テルアビブからエルサレムへの大使館の移転する計画を少なくとも6ヶ月遅らせた<ref name="signswaiver"/><ref>[https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2017-12-26/pdf/2017-28027.pdf#page=1 Presidential Documents(No. 2018-02 of December 6, 2017)][[合衆国政府印刷局]](PDFファイル)2018年5月15日閲覧。</ref>。[[ベンヤミン・ネタニヤフ]][[イスラエルの首相|首相]]はこの決定を歓迎、称賛した。2018年2月23日、国務省は新たな大使館が5月に開設されると発表した<ref>[http://www.jpost.com/Israel-News/US-confirms-Jerusalem-embassy-opening-in-May-543467 U.S. CONFIRMS JERUSALEM EMBASSY OPENING IN MAY]エルサレムポスト(2018年2月23日,Michael wilner)2018年5月15日閲覧。</ref>。
{{Expand English|United States recognition of Jerusalem as capital of Israel|date=2018-03}}
{{特筆性|date=2017-12}}
'''首都エルサレム宣言'''は、[[2017年]][[12月6日]]、[[アメリカ合衆国]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]][[ドナルド・トランプ]]が[[イスラエル国|イスラエル]]の首都を[[エルサレム]]と宣言・承認した出来事である<ref>[https://mainichi.jp/articles/20171206/k00/00e/030/277000c エルサレム首都認定、大使館も移転方針 7日表明] - [[毎日新聞]] 2017/12/06</ref>。


この決定は[[欧州連合]][[共通外交・安全保障政策]]をはじめとする多くの国際機関・国の首相・大統領によって批判された。[[国際連合安全保障理事会]]でもアメリカの決定を非難するよう提案されたが、14対1の票決後にアメリカは拒否権を行使した。[[国際連合総会]]は後にトランプ大統領を非難する{{仮リンク|国際連合総会決議ES-10/L.22|en|United Nations General Assembly resolution ES-10/L.22}}には128対9で、35カ国が棄権している。
==経緯==


この決定は[[ヨルダン川西岸地区]]と[[ガザ地区]]のパレスチナ人の憤怒、パレスチナ人によるデモ活動をもたらした。2017年12月25日に[[サラフィー主義]]団体はイスラエルに向けて約30発のロケット弾を発射、その約半数がガザ地区に着弾した。[[アシュケロン]]と[[スデロット]]付近で2人が財産面で軽微な被害を受け、[[ハマース]]は攻撃の責任のあるサラフィー主義者を処理した<ref name="nwrockest">[http://www.newsweek.com/hamas-arresting-and-torturing-jihadis-prevent-war-israel-752108 HAMAS IS ARRESTING AND TORTURING JIHADIS TO PREVENT WAR WITH ISRAEL]ニューズウィーク(2017年12月19日,Jack moore)2018年5月15日閲覧。</ref><ref>[https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.829791 Analysis | Hamas Arrests and Tortures Salafi Militants to Curb Gaza Rocked Fire Into Israel][[ハアレツ]](2017年12月19日,Amos Harel)2018年5月15日閲覧。</ref>。
==脚注==

[[イスラエル独立宣言]]70周年にあたる2018年5月14日、[[在エルサレムアメリカ合衆国総領事館]]の旧所在地にあたるエルサレムの{{仮リンク|アルノナ|en|Arnona}}にアメリカ大使館を開館された。

== 背景 ==
[[1949年]]にイスラエル国が建国されると、アメリカはこれを新しい国であると認めたが、エルサレムのために国際的体制の確立が望ましいと考え<ref>[https://unispal.un.org/UNISPAL.NSF/0/510EF41FAC855100052566CD00750CA4 See General Assembly, A/L.523/Rev.1, 4 July 1967]2017年12月6日閲覧。{{リンク切れ|date=2018年5月}}</ref>、最終的な社会的地位は交渉を通して解決された<ref>[https://www.haaretz.com/news/u-s-only-israel-palestinians-should-decide-jerusalem-s-future-1.2548 U.S.: Only Israel, Palestinians Should Decide Jerusalem's Future]ハアレツ(2009年12月8日,Natasha Mozgovaya,Barak Ravid)2018年5月15日閲覧。</ref>。アメリカは1949年のイスラエルによるエルサレム首都宣言と1950年に発表したエルサレムを第2の首都とするヨルダンの計画に反対した<ref name="CRS-MARK">[https://fas.org/man/crs/RS20339.pdf Jerusalem:The U.S. Embassy and P.L. 104-45]FAS 2018年5月15日閲覧。</ref>アメリカは1967年の戦後、イスラエルの東エルサレムの併合にも反対している<ref name="CRS-MARK"/>。アメリカはエルサレムの将来は和解における主役にあるべきだという立場を公式なものとしている<ref name="CRS-MARK"/><ref>[http://www.jta.org/2011/08/16/news-opinion/politics/solving-the-white-house-photo-mystery-over-jerusalem-israel Solving the White House photo mystery over 'Jerusalem, Israel']JTA(2011年8月16日,Adam Kredo)</ref>。以降も政府はテルアビブからエルサレムまでアメリカ大使館を移転することにより、エルサレムの将来が、交渉が妨げられる可能性のある一方的な行動の対象ではないという立場を維持した<ref name="CRS-MARK"/>。

[[1992年アメリカ合衆国大統領選挙]]中、ビル・クリントンは政権がイスラエルの首都としてエルサレムを支えるとして約束するとともに、イスラエルの主権はエルサレムに繰り返し障害が出ているとしてジョージ・W・ブッシュ大統領を非難した。しかし、1993年の{{仮リンク|オスロ合意|en|Oslo Accords}}の後、クリントン政権はイスラエルとパレスチナ人の交渉妨害をしない体で計画を進めていない<ref name="Never-ending_story">[https://www.haaretz.com/israel-news/1.769498 From Bill Clinton to Trump: The Never-ending Story of the Jerusalem Embassy Move]ハアレツ(2017年2月5日)</ref>。

1995年、エルサレム大使館の法案が議会を通過、エルサレムはイスラエルの首都として認識されるべきだと明言した<ref>[http://legislink.org/us/pl-104-45 Pub.L. 104-45]1995年エルサレム大使館法、1995年11月8日、109 Stat. 398.</ref>。同法はアメリカの大使館が5年以内にエルサレムに移転しなければならないものであると述べた<ref name="Never-ending_story"/>。同法の支持はアメリカ国内の政治を反映していると見なされた。クリントン大統領はエルサレム大使館法に反対、6ヶ月毎に延期に延期を重ねていった<ref name="Never-ending_story"/>。

2000年の大統領選挙運動でブッシュ大統領はクリントン大統領が約束通りに大使館を移動していないことを批判、クリントンが選ばれるならクリントンは自分自身に向けた計画を開始するつもりだろうと述べたが、ブッシュ大統領が就任するとクリントンの約束事を支持した<ref name="Never-ending_story"/>。

2008年、民主党のバラク・オバマ候補者はエルサレムをイスラエルの首都であると呼んだ。2008年6月4日、オバマ大統領はエルサレムはイスラエルの首都として完全堅持されるべきであるとの民主党の意向を受けて指名され、初の外交政策スピーチでアメリカのイスラエル広報委員会(AIPAC)に語った。そのすぐ、オバマ大統領はこれらの問題の解決に向けた交渉は明らかに当事者となるだろうし、エルサレムもその交渉の一部になるだろうと述べている<ref>[http://www.abc.net.au/news/2017-12-07/what-have-past-presidents-said-about-israel-and-jerusalem/9234736 Donald Trump: What past US presidents have said about recognising Jerusalem as Israel's capital]ABCニュース(2017年12月6日)</ref>。

[[2016年アメリカ合衆国大統領選挙]]で、トランプは選挙公約の1つにイスラエルのテルアビブからエルサレムへのアメリカ大使館の移転を掲げており、それについて永遠なるユダヤ人の中心と述べた<ref>[https://www.politico.com/story/2016/12/trump-us-embassy-jerusalem-232724 Will Trump move the U.S. Embassy to Jerusalem?]Politico(2017年12月15日,Andrew Hanna,Yousef Saba)2017年12月11日閲覧。</ref>。2017年6月1日、トランプ大統領はエルサレム大使館法を放棄する文書に署名、1995年以降の大統領と同じようにエルサレムへの移転を6ヶ月遅らせた。ホワイトハウスはこれについて、イスラエルとパレスチナ間の交渉の支援となり、後に約束された動きが訪れるだろうと述べている<ref>[https://www.theatlantic.com/politics/archive/2017/06/trump-didnt-move-the-us-embassy-to-jerusalembut-he-still-might/528903/ Trump Didn't Move the U.S. Embassy to Jerusalem—but He Still Might]アトランティック(2017年12月11日閲覧)</ref>。

== 発表 ==
2017年12月6日、トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都として正式に認め、テルアビブからエルサレムへの大使館の移転の方針を発表した。声明では[[東エルサレム]]を将来パレスチナ国家の首都とするかどうかには言及していないが、エルサレムにおける国境を巡る紛争は解決していないというのがアメリカの認識だと述べた。また、[[エルサレムの旧市街とその城壁群]]についても支援を明言した<ref name="nyt271206_2-0"/>。発表後にトランプ大統領は大使館放棄の旨署名し、移転は少なくとも6ヶ月延期している<ref>[https://www.timesofisrael.com/after-jerusalem-recognition-trump-signs-waiver-delaying-embassy-move/ After Jerusalem recognition, Trump signs waiver delaying embassy
move]The Times of Israel(2017年12月7日)2017年12月24日閲覧。</ref>。

トランプ大統領の発表後、トルコ・ヨルダン・ドイツ・イギリスのアメリカ大使館はイスラエルに旅行・在住しているアメリカ人に対して警告・警報の発表に加え、暴力行為含む抗議活動が生じる可能性についても海外のアメリカ人に警告した。エルサレムのアメリカ領事館は公務員の[[エルサレムの旧市街とその城壁群]]への移動を制限した。ヨルダンのアメリカ大使館は関係者について、首都を離れることを禁止し、職員の子供たちは学校から帰宅するよう呼びかけた<ref>[https://www.timesofisrael.com/us-jerusalem-consulate-in-fresh-warning-to-its-citizens-in-wake-of-trump-speech/ US Jerusalem Consulate in frash warning to its citizens in wake of Trump speech]The Times of Israel,staff, T.O.I.;Agencies.(2017年12月10日閲覧。)</ref>。

=== 国務省の発言 ===
[[レックス・ティラーソン]]国務長官は後ほど大統領の声明について、エルサレムの最終的な地位が明らかにされていないもので、両当事者に国境含む最終的な地位の交渉・決定が委ねられることが明らかであると述べた<ref>[https://www.washingtonpost.com/world/tillerson-us-embassy-move-to-jerusalem-should-take-at-least-two-years/2017/12/08/83ec13ac-7170-4058-9972-11d4a8e8cc18_story.html U.S. Embassy's move to Jerusalem should take at least two years, Tillerson says][[ワシントン・ポスト]](2017年12月8日)2017年12月9日閲覧。</ref>。国務省の当局者は12月8日にアメリカにおけるエルサレムの扱いについて、実用的な変化が直ちに起こることはないと述べた。これはエルサレム出生の市民のパスポートに国名を記載しないというアメリカの方針が含まれている。同日、{{仮リンク|デービッド・マイケル・サッターフィールド|en|David M. Satterfield}}国務次官補は現時点で領事館の運営やパスポート発行に関しては方針に変更はないと述べた。

[[File:Flickr - Government Press Office (GPO) - “Slichot” Prayer (2).jpg|thumb|left|[[嘆きの壁]]に向けて祈っている{{仮リンク|イスラエル系ユダヤ人|en|Israeli Jews}}]]

[[ヘザー・ノーアート]]国務次官は[[嘆きの壁]]のある国を問われると、我々はエルサレムをイスラエルの首都として認識していると述べた<ref>[https://www.usatoday.com/story/news/politics/2017/12/08/what-country-jerusalem-trumps-proclamation-avoids-some-thorny-questions/932088001/ What country is Jerusalem in? Trump's proclamation avoids some thorny questions][[USAトゥデイ]]、2017年12月9日閲覧。</ref>。

=== アメリカ国内の反応===
==== 元イスラエル大使 ====
元イスラエル大使11人のうち9人が外交政策の転換を批判している。1959年から1961年にイスラエル大使を務めた{{仮リンク|オグデン・リード|en|Ogden Reid}}は正しい決定だと思うと述べており、1997年から1999年のイスラエル大使を務めた{{仮リンク|エドワード・S・ウォーカー|en|Edward S. Walker Jr.}}はエルサレムをイスラエルの首都とする認識を支持しているが、イスラエルとパレスチナの最終的な境界について疑問を呈していた。{{仮リンク|ダニエル・C・クルツァー|en|Daniel C. Kurtzer}}はアメリカが国際的に孤立する可能性を指摘し、{{仮リンク|リチャード・ジョーンズ (外交官)|en|Richard Jones (U.S. diplomat)|label=リチャード・ジョーンズ}}は大使館の移転により暴力行為が深刻化する懸念を表明した。{{仮リンク|マーティン・インダイク|en|Martin Indyk}}始め数人の元イスラエル大使はイスラエルの首都として西エルサレムを受け入れ、東エルサレムをパレスチナの首都として認めることに同意すると述べた<ref>[https://www.nytimes.com/2017/12/07/world/middleeast/israel-jerusalem-ambassadors-state-trump.html Nearly Every Formar U.S. Ambassador to Israel Disagrees With Trump's Jerusalem Decision]ニューヨーク・タイムズ(2017年12月7日,Sewell Chan)2017年12月10日閲覧。</ref>。

==== キリスト教 ====
{{仮リンク|国立教会評議会|en|National Council of Churches}}(NCC)は38もの異なる宗派を代表して、首都エルサレム宣言が紛争悪化に繋がり犠牲者が増す可能性が出てしまうと述べ、右派の[[福音主義]]団体はこの決定を支援した<ref>[https://www.haaretz.com/us-news/.premium-1.827412 American Christen Organizations Split in Response to Trump's Jerusalem Move]ハアレツ(2017年12月7日,Debra Nussbaum Cohan)2017年12月12日閲覧。</ref>。

この動きは多くのアメリカの[[保守]]的な福音主義団体とアメリカによるイスラエルのためのキリスト教指導者である[[ジェリー・ファルエル]]と[[マイク・ハッカビー]]などによって支援されていた<ref>[http://www.jpost.com/Israel-News/Intense-push-by-US-evangelicals-helped-set-stage-for-Trumps-decision-on-Jerusalem-517293 Intense push by US evangelicals helped set stage for Trump's decision on Jerusalem - Israel News]エルサレムポスト、2017年12月12日閲覧。</ref>。トランプ大統領の顧問の1人である福音主義者の{{仮リンク|ジョニー・ムーア|en|Johnnie Moore Jr.}}はトランプ大統領の宣言について、支持している福音主義者の有権者の基盤を作る、1つの果たされた選挙公約になったと述べた<ref>[http://www.cnn.com/2017/12/06/politics/american-evangelicals-jerusalem/index.html Why evangelicals are 'ecstatic' about Trump's Jerusalem move]CNN(Daniel Burke)2017年12月12日閲覧。</ref>。{{仮リンク|キリスト教徒とユダヤ人の国際共同活動|en|International Fellowship of Christians and Jews}}の創設者{{仮リンク|イェチエル・エクスタイン|en|Yechiel Eckstein}}はこれを歓迎した<ref name="JP_Jewish_Org_reaction>[http://www.jpost.com/Diaspora/How-US-Jewish-groups-are-reacting-to-Trumps-recognition-of-Jerusalem-as-Israels-capital-517280 How US Jewish Groups Are Reacting To Trump's Recogniton of Jerusalem as Israel's Capital]エルサレムポスト</ref>。

==== ユダヤ機関 ====
51のユダヤ機関と数多くの団体により構成される{{仮リンク|アメリカの主要なユダヤ機関指導者協議会|en|Conference of Presidents of Major American Jewish Organizations}}含む<ref>[https://www.voanews.com/a/american-jews-support-trump-jerusalem-decision/4153051.html Trump's Jerusalem Move Welcomed by Most Major American Jewish Groups]voanews(Michael Lipin)</ref>アメリカの著名なユダヤ組織の大半はこの動向について歓迎を表明した:[[アメリカ・イスラエル公共問題委員会]]・{{仮リンク|北米ユダヤ人連合|en|Jewish Federations of North America}}・{{仮リンク|アメリカユダヤ人議会|en|American Jewish Congress}}・[[アメリカユダヤ人委員会]]・{{仮リンク|アメリカハダサー女性シオニスト機関|en|Hadassah Woman's Zionist Organization of America}}・{{仮リンク|正統派連合|en|Orthodox Union}}・アメリカの{{仮リンク|国立イスラエル若年者評議会|en|National Council of Young Israel}}

アメリカの保守派活動家やイスラエルなど、世界中の保守派活動家がイスラエルの首都をエルサレムとして認識するアメリカの方針を歓迎した<ref>[http://www.jpost.com/Diaspora/Conservative-Movement-backs-Trump-recognition-of-Jerusalem-as-capital-of-Israel-517589 Conservative Movement Backs Trump's Recognition of Jerusalem as Capital of Israel]エルサレムポスト</ref>。[[正統派 (ユダヤ教)|正統派]]による正統派連合はアメリカ大使館をエルサレムへ移転する計画を始めるトランプ大統領の意向に感謝を述べた<ref>[https://advocacy.ou.org/union-orthodox-jewish-congregations-america-applauds-president-trumps-historic-change-u-s-policy-toward-status-jerusalem/ Union of Orthodox Jewish Congregations of America Applauds President Trump's Historic Change of U.S. Policy toward the Status of Jerusalem – OU Advocacy Center]advocacy(2017年12月6日)</ref>。

[[名誉毀損防止同盟]]は{{仮リンク|イスラエルとパレスチナ問題の解決法|en|Two-state solution}}を支援しながら、首都エルサレム宣言について重要かつ長年の事案であると認識している。アメリカ・イスラエル公共問題委員会はエルサレムに対する支持を表明しているが、アメリカ大使館の移転についてはイスラエルとパレスチナ間の和平交渉の結果が判断出来ないと述べた。[[アメリカシオニスト機構]]率いる{{仮リンク|モートン・クレイン|en|Morton Klein}}はトランプ大統領は明らかに認めたものであると述べた。[[サイモン・ウィーゼンタール・センター]]はトランプ大統領について歴史に残る間違った決定であると述べた<ref>[https://www.haaretz.com/us-news/1.827377 U.S. Jewish Groups Divided in Reactions to Trump's Jerusalem Announcement]ハアレツ(2017年12月6日)2017年12月12日閲覧。</ref>。

{{仮リンク|ユダヤ人共和党連合|en|Republican Jewish Coalition}}は首都エルサレム宣言を歓迎している<ref>[https://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/238974 Jewish organizations hail Trump's Jerusalem move]Arutz Sheva</ref>一方、[[改革派 (ユダヤ教)|改革派]]は不平等であると批判、紛争悪化の原因になると述べた。次のように声明を発表している<ref name="JP_Jewish_Org_reaction/><ref>[https://www.timesofisrael.com/liberal-us-jews-blast-trumps-expected-jerusalem-declaration/ Liberal US Jews blast Trump's expected Jerusalem declaration]Times of Israel(2017年12月6日,Eric Cortellessa)2017年12月12日閲覧。</ref>:エルサレムはイスラエル国民とユダヤ人にとって永遠の都であり、大統領は適切な時期にテルアビブからエルサレムへのアメリカ大使館の移転すべき理由について話すべきである

{{仮リンク|アメリカユダヤ人民主会議|en|Jewish Democratic Council of America}}はエルサレムをイスラエルの首都とする決定に支持を表明したが、故意にパレスチナとイスラエルの和平の維持を怠ったとしてトランプ大統領を非難した。中東政策団体の[[J Street]]は首都エルサレム宣言は早すぎたもので、対立が生じる結果を招いてしまうと述べた。また、J Streetと{{仮リンク|新イスラエル基金|en|New Israel Fund}}、改革派シオン主義団体の{{仮リンク|アメイヌ|en|Ameinu}}は中東和平の妨げや暴動が発生する可能性について懸念を表明した<ref name="JP_Jewish_Org_reaction/>。

==== 他の組織 ====
2017年12月、北米の[[ユダヤ学]]者130人以上がトランプ大統領の決定を批判、アメリカ政府に緊張感の解消及びエルサレムの将来におけるパレスチナの正当な権益を明らかにするよう求めた。[[ハアレツ]]によると、ユダヤ人学者の多くはトランプ政権・現在のイスラエル政府を批判してきたという<ref>[https://www.haaretz.com/us-news/1.827850 Trump's Jerusalem Backlash Continues: Over 100 Jewish Studies Scholars Issue Condemnation]ハアレツ(2017年12月9日,Judy Maltz)2017年12月11日閲覧。</ref><ref>[https://www.jta.org/2017/12/10/news-opinion/united-states/over-130-jewish-studies-scholars-sign-statement-criticizing-trumps-jerusalem-decision Over 130 US Jewish studies scholars criticize Trump's Jerusalem decision]Jewish Telegraph Agency(2017年12月10日)2017年12月11日閲覧。</ref>。

{{仮リンク|アメリカ・イスラム関係評議会|en|Council on American-Islamic Relations}}と{{仮リンク|ムスリム広報委員会|en|Muslim Public Affairs Council}}を含むアメリカのムスリム公民権擁護団体は外交政策の転換について拒絶した。12月5日、ムスリムと[[宗教間対話|異教徒]]、人権団体はホワイトハウスの周辺で抗議デモを行った<ref>[http://www.milligazette.com/news/16018-american-muslims-reject-trumps-move-to-recognize-jerusalem-as-capital-of-israel American Muslims reject Trump's move to recognize Jerusalem as capital of Israel]The Milli Gazette(2017年12月7日,Adbus Sattar Ghazali)2017年12月13日閲覧。</ref>。

== イスラエルとパレスチナの反応 ==
=== イスラエル ===
イスラエルの[[ベンヤミン・ネタニヤフ]][[イスラエルの首相|首相]]はトランプ大統領の声明が発表された直後の12月6日、声明を歴史に残るような勇気のある決定と称賛し、イスラエルの首都をエルサレムとしない時の平和はないもので、70年近くにわたってイスラエルの首都であったと付け加えた<ref name="bbc3">[http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-42250340 World reacts to Trump move on Jerusalem]BBCニュース(2017年12月7日)2017年12月11日閲覧。</ref>。後にトランプ大統領の声明に対して非難されると、イスラエルに対する[[ロケット]]攻撃や我々に対するひどい対立に対する非難は聞いたことがないと述べた<ref>[http://www.bbc.com/news/world-middle-east-42297437 US allies round on Trump over Jerusalem]BBCニュース(2017年12月10日)2017年12月10日閲覧。</ref>。

[[クネセト]]では[[イェシュ・アティッド]]、[[ユダヤ人の家]]、[[イスラエル我が家]]、[[リクード]]の中道・左派・右派に肯定的な反応が見られた。[[アイザック・ヘルツォーク]]は首都エルサレム宣言を歴史的正義と呼んだが、イスラエルとパレスチナの将来あるべき姿の実現に向けたことが求められると付け加えた。これとは対照的に、{{仮リンク|宗教シオン主義者|en|Religious Zionism}}で[[ユダヤ人の家]]所属の{{仮リンク|ベザレル・スモットリッチ|en|Bezalel Smotrich}}は次のように声明を発表した:30年間、我々は現実的な解決策としてパレスチナ国家の陥没に嵌り、時間は物事を再考するようになった。

{{仮リンク|シオニスト連合|en|Zionist Union}}を率いる{{仮リンク|アヴィ・ギャベイ|en|Avi Gabbay}}はエルサレムをイスラエルの首都として認識するのは和平のために重要であるということからトランプ大統領の声明発表を支持している<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/jerusalem-move-affect-israel-171210122104793.html How will US Jerusalem move affect Israel's far right]Aljazeera、2017年12月10日閲覧。</ref><ref name="knesset">[http://www.jpost.com/Israel-News/Knesset-Speaker-Thank-you-POTUS-now-the-rest-of-the-world-517223 Knesset Speaker: Thank you, POTUS - now, the rest of the world]エルサレムポスト、2017年12月13日閲覧。</ref>。

[[ユダヤ・トーラ連合]]で副教育大臣である{{仮リンク|メイア・ポルシュ|en|Meir Porush}}は住宅供給を必要としている[[ユダヤ・サマリア地区]]とエルサレムにとっては無意味な宣言よりは良いものであると述べた。[[ユダヤ・トーラ連合]]所属の{{仮リンク|イスラエル・イヒラー|en|Yisrael Eichler}}も同様な意見を表明、アメリカ大使館1棟よりも若い夫婦のための家1000棟が必要だろうと述べた。

対照的に[[メレツ]]は首都エルサレム宣言は東エルサレムを首都とするパレスチナ国の建国に留まるべきで、トランプ大統領の宣言は事実上シオニストとイスラエル建国における価値観の裏切りとなるものだと述べた<ref name="knesset"/>。

{{仮リンク|統一アラブ・リスト・タール|en|United Arab List}}所属の{{仮リンク|アイマン・オデフ|en|Ayman Odeh}}と[[ハニーン・ゾービ]]はアメリカはもう和平仲介者として行動できないと述べ、オデフはトランプ大統領について放火魔で、すべての地域を狂気で燃やす人だと述べた<ref>[https://www.timesofisrael.com/labors-gabbay-welcomes-trumps-jerusalem-move-urges-trust-building-measures/ Lador's Gabbay welcomes Trump's Jerusalem move, urges 'trust-building' measures]Times of Israel、2017年12月13日閲覧。</ref>。

=== パレスチナ自治政府とハマース ===
パレスチナ自治政府関係者は首都エルサレム宣言はアメリカが和平交渉に不向きであることを示していると述べた<ref name="bbc">[http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-42287429 Jerusalem: Trump's envoy Haley berates 'outrageous UN hostility']BBCニュース(2017年12月8日)2017年12月9日閲覧。</ref>。[[ラーミー・ハムダッラー]][[パレスチナ自治政府首相|首相]]は外交政策の転換が和平交渉の破壊に繋がると述べた<ref name="pope">[https://www.nytimes.com/2017/12/06/world/europe/trump-jerusalem-pope.html U.N., European Union and Pope Criticize Trump's Jerusalem Announcement]ニューヨーク・タイムズ(2017年12月6日,Jason horowitz)2017年12月10日閲覧。</ref>。[[マフムード・アッバース]][[パレスチナの大統領|大統領]]は宣言について、アメリカが和平仲介者としての役割を放棄することを意味していると語った<ref name="bbc3"/>。{{仮リンク|リヤド・アル=マリキ|en|Riyad al-Maliki}}外相もアメリカは和平交渉における仲介者としての役割を果たすことができなかったと述べた<ref name="league">[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/arab-league-condemns-move-dangerous-illegal-171209185754563.html Arab League condemns US Jerusalem move]Al Jazeera、2017年12月12日閲覧。</ref>。{{仮リンク|アドナン・アル=フサイニー|en|Adnan al-Husayni}}は[[イスラム協力機構]]にエルサレムをパレスチナの首都として認めるよう求めた<ref>[http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Palestinian-official-Recognize-Jerusalem-as-Palestinian-capital-517735 Palestinian official urges Istanbul summit: Recognize Jerusalem as our capital]エルサレムポスト、2017年12月12日閲覧。</ref>。

[[ハマース]]は新たな[[インティファーダ]]の呼びかけを行い<ref>[https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel/hamas-calls-for-palestinian-uprising-over-trumps-jerusalem-plan-idUSKBN1E11BR?feedType=RSS&feedName=topNews Hamas calls for Palestinian uprising over Trump's Jerusalem plan]ロイター通信(2017年12月7日,Nidal al-Mughrabi,Dan Williams)2017年12月8日</ref></ref>[https://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/jerusalem-live-updates-israel-capital-donald-trump-latest-news-palestine-us-president-recognise-a8094321.html Hamas call for new Palestinian uprising in wake of Trump announcement on Jerusalem]The Independent(2017年12月6日)2017年12月7日閲覧。</ref>、わずかながらパレスチナ人がそれに応じた<ref>[https://www.nbcnews.com/news/world/why-trump-s-provocative-jerusalem-move-hasn-t-sparked-uprising-n828656 Why Trump's provocative Jerusalem move hasn't sparked an intifada]NBCニュース(2017年12月12日,Rachel Elbaum)2017年12月13日閲覧。</ref><ref>[https://www.vox.com/world/2017/12/12/16762734/trump-jerusalem-capital-protests-palestinians-israelis Trump's Jerusalem move was supposed to destabilize the entire Middle East. It didn't]Vox(2017年12月12日,Sarah Wildman)2017年12月13日閲覧。</ref><ref>[https://www.theatlantic.com/international/archive/2017/12/trump-jerusalem-days-of-rage/547880/ Trump Did Not Bring Jerusalem Crashing Down]The Atlantic(2017年12月8日,Emma green)2017年12月13日閲覧。</ref>。

パレスチナ人はトランプ大統領の肖像画や像を燃やし、大使館移転に抗議して[[サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ]]と[[ムハンマド・ビン・サルマーン]]の絵を引き裂いた<ref>[http://www.presstv.com/Detail/2017/12/10/545091/Gaza-US-Palestine-Jerusalem-Israel-Trump-Salman-Saudi-Arabia PressTV-Gazans burn photos of Saudi king, crown prince]PressTV(2017年12月10日)2018年5月15日閲覧。</ref>。

=== エルサレムに拠点を置くキリスト教教会 ===
2017年12月6日、{{仮リンク|エルサレムのギリシャ正教会|en|Greek Orthodox Church of Jerusalem}}のエルサレム総主教である[[セネフィロス3世 (エルサレム総主教)|セネフィロス3世]]は広くエルサレムで最も年長であるキリスト教の人物と考えられている。そのセネフィロス3世の動向を注視しているトランプ大統領に他の教会の司教12人が手紙を送った<ref>[https://www.theguardian.com/world/2017/dec/06/us-recognition-of-jerusalem-as-israel-capital-what-it-means What does US recognition of Jerusalem as Israel's capital mean?]ガーディアン(2017年12月6日)</ref>:我々をエルサレム統一という目的から破壊的な分割へ深く遠く動かしたことで聖地には憎悪・対立・暴動・苦難の増した状況が与えられた

セネフィロス3世は別として、手紙はエルサレムのローマ・カトリック教会のローマ教皇の行政官と同様にエルサレムの[[シリア正教会]]・[[アルメニア教会]]・[[エチオピア正教会]]、[[コプト正教会]]大司教の上層部のほか、フランシスコ会士や{{仮リンク|マルカイトギリシャカトリック教会|en|Melkite Greek Catholic Church}}、[[マロン典礼カトリック教会]]、{{仮リンク|エルサレム・中東聖公会|en|Episcopal Church in Jerusalem and the Middle East}}、{{仮リンク|アルメニアカトリック教会|en|Armenian Catholic Church}}、{{仮リンク|シリアカトリック教会|en|Syriac Catholic Church}}、{{仮リンク|ヨルダンと聖地の福音ルター派教会|en|Evangelical Lutheran Church in Jordan and the Holy Land}}の総主教も署名している<ref>[https://www.timesofisrael.com/heads-of-jerusalem-churches-deliver-last-minute-plea-to-trump/ Heads of Jerusalem churches deliver last-minute plea to Trump]Times of Israel(Sue surkes)2017年12月11日閲覧。</ref>。

== 国際の反応 ==
エルサレムをイスラエルの首都として認めるトランプの決定は多くの国の大統領・首相から否定的な反応が見られた。ヨーロッパで首都エルサレム宣言に反対した国にはアメリカの同盟国であるイギリス・ドイツ・フランス・イタリアが含まれている。[[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ]]は全世界が都市の現状を尊重することに傾倒しているままだという嘆願を述べた。[[中華人民共和国|中国]]は中東における緊張の潜在的拡大について注意を促した<ref name="pope"/>。

=== 国際連合 ===
==== 安全保障理事会 ====
[[国連安全保障理事会]]は国連決議や[[国際法]]に違反しているとして、12月7日に緊急招集を行い、15人のうち14人がトランプの決定を非難したが、アメリカの支持なしに声明を出すことはできなかった<ref>[https://www.wsj.com/articles/fourteen-of-15-security-council-members-denounce-u-s-stance-on-jerusalem-1512777971 Fourteen of 15 Security Council Members Denounce U.S. Stance on Jerusalem]Wall Street Journal(2017年12月9日,Farnaz Fassihi)2017年12月9日閲覧。</ref>。緊急招集はボリビア・イギリス・エジプト・フランス・イタリア・セネガル・スウェーデン・ウルグアイの要請で行われた<ref name="pope"/>。アメリカ国連大使の[[ニッキー・ヘイリー]]は国連をイスラエルと敵対する世界の機関の1つと呼んだ<ref name="bbc"/>。イギリス・フランス・スウェーデン・イタリア・日本は緊急招集でトランプの決定に批判した国々に含まれている<ref>[http://www.irishexaminer.com/breakingnews/world/trumps-recognition-of-jerusalem-condemned-at-un-security-council-meeting-817874.html Trump's recognition of Jerusalem condemned at UN security council meeting]irishexaminer.com(2017年12月8日)2017年12月9日閲覧。</ref>。12月18日、安全保障理事会の首都エルサレム宣言の承認を撤回する決議がアメリカにより拒否され、14対1となった<ref>[https://www.theguardian.com/world/2017/dec/18/us-outnumbered-14-to-1-as-it-vetoes-un-vote-on-status-of-jerusalem US outnumbered 14 to 1 as it vetoes UN vote on status of Jerusalem]ガーディアン(2017年12月18日,Peter Beaumont)2017年12月19日閲覧。</ref>。

トランプ大統領の宣言前の2017年11月に国連総会ではエルサレムをイスラエルの首都とするイスラエルの主張について、拒否する決議に賛成151カ国・反対6カ国・棄権9カ国で可決されていた<ref>[http://www.jpost.com/Israel-News/UN-disavows-Israeli-ties-to-Jerusalem-515730 151 UN states vote to disavow Israeli ties to Jerusalem - Israel News]エルサレムポスト、2017年12月9日</ref>。

==== 総会 ====
12月21日に国連総会はアメリカの決定を非難、他の国に対してエルサレムに外交施設の開設を控えるよう命じるため、{{仮リンク|国連総会決議ES-10/L.22|en|United Nations General Assembly resolution ES-10/L.22}}の投票を行い、結果は128対9と棄権35となった<ref>[https://nyti.ms/2p5V6aJ Defying Trump, U.N. General Assembly Condemns U.S. Decree on Jerusalem]ニューヨーク・タイムズ(2017年12月21日,Rick gladstone)2017年12月22日閲覧。</ref>。アメリカの[[北大西洋条約機構]]同盟国は決議の異議主張はしておらず、29カ国のうち25カ国が賛成に投票している<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/jerusalem-resolution-country-voted-171221180116873.html UN Jerusalem resolution: How each country voted]www.aljazeera.com</ref>。

=== ヨーロッパ ===
==== 欧州連合 ====
[[フェデリカ・モゲリーニ]][[欧州連合外務・安全保障政策上級代表]]は[[欧州連合]]加盟国の政府はエルサレム問題について、東エルサレムを首都とするパレスチナ国への責任を再確認したことを強調した<ref>[https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel-france/u-s-has-excluded-itself-from-middle-east-peace-process-france-idUSKBN1E2102 Trump's Jerusalem plan revives tensions in
EU diplomacy]ロイター通信(2017年12月8日)2017年12月9日閲覧。</ref>。モゲリーニは都市の最終的な立場が争われている中で大使館をエルサレムに移動するべきではないと述べた。また、イスラエルの東エルサレム合併は1980年の{{仮リンク|国連総会決議478|en|United Nations Security Council Resolution 478}}によって国際法違反と見なされていると指摘した<ref name="pope"/>。12月11日、モゲリーニは欧州諸国はエルサレムに大使館を移転しないと述べた<ref name="wapo">[https://www.washingtonpost.com/world/middle_east/hezbollah-rally-attracts-thousands-as-trumps-jerusalem-fallout-continues/2017/12/11/94374cf0-de93-11e7-9eb6-e3c7ecfb4638_story.html Hazbollah rally attracts thousands as Trump's Jerusalem fallout continues]ワシントン・ポスト(2017年12月11日,Suzan Haidamous,Louisa loveluck)2017年12月12日閲覧。</ref>。

==== 欧州諸国の政党 ====
ヨーロッパではエルサレムのに対するトランプの認識について反イスラム政治家からの支持を受けていた。チェコ共和国の[[ミロシュ・ゼマン]][[チェコの大統領|大統領]]は欧州は臆病者がする対応であると述べた。反イスラム的な[[自由党 (オランダ)|自由党]]党首の[[ヘルト・ウィルダース]]は自由を愛する国々は大使館をエルサレムに移転してエルサレムへの支援の確約をするべきであると述べた。[[オーストリア自由党]]党首の[[ハインツ=クリスティアン・シェトラーヒェ]]も同じくオーストリア大使館をエルサレムに移転するべきだと述べている<ref>[https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2017/12/11/who-supports-trump-on-jerusalem-europes-anti-islam-politicians/ Who supports Trump on Jerusalem? Europe's anti-Islam politicians]ワシントン・ポスト(2017年12月11日,Adam taylor)2017年12月12日閲覧。</ref>。

=== アラブとムスリム各国 ===
[[サウジアラビア]]の[[サウジアラビアの国王一覧|国王]]である[[サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ]]はエルサレムに大使館を移転しようものならイスラム教徒の目に余る挑発となるだろうと述べた。[[エジプト]]の[[アブドルファッターフ・アッ=シーシー]][[近代エジプトの国家元首の一覧|大統領]]はイスラエルとパレスチナ間の和平交渉の実行可能性について同様の懸念を表明した。[[ヨルダン]]政府はトランプ大統領は国際法・国連憲章に違反していると述べた<ref name="bbc3"/>。[[トルコ]]の[[レジェップ・タイイップ・エルドアン]][[トルコの大統領|大統領]]はイスラエルはテロ国家であると述べた<ref>[https://www.aljazeera.com/news/2017/12/erdogan-israel-terrorist-state-171211085734826.html Erdogan: Israel is a terrorist state]Al-Jazeera(2017年12月11日)</ref>。

12月10日、[[アラブ連盟]]は[[カイロ]]で緊急会議を開催した。会談後、{{仮リンク|アハマド・アブル・ゲイト|en|Ahmed Aboul Gheit}}事務総長はアメリカの外交政策の転換は国際法違反であり、{{仮リンク|イスラエルの領土占領|en|Israeli-occupied territories}}の合法化に繋がるとの声明を発表した。また、ゲイトはアメリカの和平交渉の公約について疑問を呈している<ref name="league"/>。

[[イラン]]はアメリカの決定は国連決議違反にあたり、新たにインティファーダが生じる可能性を指摘した。[[レバノン]]の{{仮リンク|ミシェル・アウン|en|Michel Aoun}}大統領は外交政策の転換は和平の道から逸脱するものであると述べた。[[カタール]]の{{仮リンク|ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー|en|Mohammed bin Abdulrahman bin Jassim Al Thani}}外相は平和を求める人に対して死刑宣告を言い渡したと述べた<ref name="bbc3"/>。[[インドネシア]]の[[ジョコ・ウィドド]][[インドネシアの大統領一覧|大統領]]はこの決定を非難、アメリカに再考するよう求めた。[[マレーシア]]の[[ナジブ・ラザク]][[マレーシアの首相|首相]]も同様に我々はイスラエルの首都をエルサレムと認識することについて強く否定すると述べた<ref>[https://www.voanews.com/a/indonesia-slams-american-jerusalem-plan/4153226.html Indonesia Slams American Jerusalem Plan]VOA(2017年12月7日,Krithika varagur)2017年12月11日閲覧。</ref>。

12月13日、[[イスタンブール]]で開催された[[イスラム協力機構]]の会議では過半数を占める50カ国以上がエルサレムの自由に関するイスタンブール宣言を通過させるとともに東エルサレムを首都とするパレスチナ国の世界的な認知を求めた。パレスチナ自治政府の[[マフムード・アッバース]]大統領は首脳会談にて、アメリカは中東和平に加わることは適切ではなく、公正な交渉人として受け入れることは出来ないと述べた<ref>[https://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/jjerusalem-latest-updates-mahmoud-abbas-palestinian-israel-us-middle-east-peace-process-palestine-a8107036.html Jerusalem latest: Palestinians will not accept any US role in peace process 'from now on', says Mahmoud Abbas][[インデペンデント]](2017年12月13日、[[ベイルート]]、Bathan McKernan)2017年12月13日閲覧。</ref><ref>[https://edition.cnn.com/2017/12/13/middleeast/oic-jerusalem-intl/index.html Muslim leaders call for recognition of East Jerusalem as Palestinian capital]CNN(2017年12月13日)</ref>。主要国首脳会議で、イスラエルまたはアメリカに対する制裁が生じない間<ref>[http://www.france24.com/en/20171213-middle-east-muslim-leaders-urge-recognise-east-jerusalem-capital-palestine Muslim leaders urge world to recognise East Jerusalem as capital of Palestine]フランス24(2017年12月13日)</ref>、ニューヨーク・タイムズはイスタンブール宣言についてトランプの決定に対する最も強硬な対応であると報じた<ref>[https://www.nytimes.com/2017/12/13/world/middleeast/muslims-jerusalem-palestinians.html Muslim Leaders Declare East Jerusalem the Palestinian Capital]ニューヨーク・タイムズ(2017年12月13日)</ref>。[[コプト正教会]]教皇{{仮リンク|アレクサンドリアのタワドロス2世|en|Pope Tawadros II of Alexandria}}はアメリカの決定に抗議、[[マイク・ペンス]]副大統領との会談を取り消した。コプト正教会はトランプの決定に対して数百万人のアラブ人の感情を考慮していなかったとの声明を発表した<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/egypt-coptic-pope-cancels-pence-meeting-jerusalem-171209174617042.htm Egypt: Coptic pope cancels Pence meeting over Jerusalem]Al-Jazeera、2017年12月11日閲覧。</ref>。

==== 聖戦主義者の運動 ====
{{仮リンク|聖戦主義|en|Jihadism}}者は武装闘争を求めた<ref name=":0">[https://www.diis.dk/en/node/11704 Trump's Jerusalem Statements open up a new front for transnational jihadists]Danish Institute for International Studies(2017年12月12日,Mona Kanwal Sheikh)2018年1月21日閲覧。</ref>。[[AQIM]]はアフリカ北部ですべての戦闘機をパレスチナ解放に集中させる声明を発表した<ref name=":0"/>。[[カシミール]]グループのアンサル・ガズワット=ウル=ヒンドはアメリカとイスラエルの大使館を攻撃、世界中のイスラム教徒に両国に財産面の利益で害を与えるよう呼びかけた<ref name=":0"/>。エジプトの{{仮リンク|ハズム運動|en|Hasm Movement}}は暴動を起こすよう求め<ref name=":0"/>、[[アラビア半島のアルカーイダ]]はパレスチナ人に資金提供・武器の提供で支援するようイスラム教徒に呼びかけた<ref name=":0"/>。アフガニスタンの[[ターリバーン]]はアメリカの大使館移転を反イスラム的な偏見であると述べた<ref name=":0"/>。ソマリアの[[アル・シャバブ (ソマリア)|アル・シャバブ]]はイスラム教徒に武器で対応するよう呼びかけている<ref name=":0"/>。

ターリバーン及び過激派シーア派組織の指導者はアメリカに対する反対を表明した<ref name="isis">[https://www.nytimes.com/2017/12/08/world/middleeast/isis-jerusalem.html Terrorist Groups Vow Bloodshed over Jerusalem Decision. ISIS? Less So]ニューヨーク・タイムズ(2017年12月8日、Rukmini Callimachi)2017年12月10日閲覧。</ref>。[[ISIL]]は12月8日に他の聖戦主義者のグループとアラブ指導者を非難した。また、紛争を政治に利用する敵対グループが自己主張にすぎないと非難、イスラエルのアラブ近隣諸国の敗北を主張したほか、イスラエルはブレスレットが手首を守るのと同じように聖戦に携わるイスラム・ゲリラ戦士の軍隊のストライキからユダヤ人を守ると述べた<ref name="isis"/>。

=== 中国 ===
[[中華人民共和国|中国]]は歴史的に東エルサレムを首都とするパレスチナ国を支持し、それはトランプの声明発表後も変わらないと述べた<ref>[http://www.scmp.com/news/hong-kong/community/article/2123202/why-china-so-worried-about-us-recognising-jerusalem-israels Why is China worried about Trump recognising Jerusalem as Israel's capital?]South China Morning Post(2017年12月6日、Liu Zhen)2017年12月9日閲覧。</ref>。声明発表後、中国国営メディアはアメリカとヨーロッパの同盟国間で首都エルサレム宣言に対する不支持と同宣言に対するパレスチナの反対を強調した放送を長い時間続けたほか、中東における不安定・不透明の危険性を強調したニュースを報じた。一部の分析者は大使館の移転によりエルサレムの最終的な地位の交渉について、イスラエルがパレスチナに対して譲歩する可能性があると主張した<ref>[https://www.voanews.com/a/china-state-media-backlash-to-trump-jerusalem-decision/4153187.html China State Media: Sweeping Backlash to Trump's Jerusalem Decision]VOA(2017年12月7日、Bill Idle)2017年12月9日閲覧。</ref>。中国大使館は声明発表後にイスラエルがますます複雑・過激化する可能性があるとして旅行者に警告を発している<ref>[http://www.scmp.com/news/china/diplomacy-defence/article/2123578/chinese-travellers-israel-put-alert-donald-trumps Chinese visitors to Israel put on alert as Trump move boosts tensions]South China Morning Post(2017年12月9日、Kinling Lo)</ref>。

=== 他国・組織 ===
[[ベネズエラ]]の[[ニコラス・マドゥロ]][[ベネズエラの大統領|大統領]]は[[非同盟運動|非同盟諸国]]首脳会議のために[[イスタンブール]]を訪れる前にトランプの宣言について非合法的で許されない違法な宣言であると国営テレビで発表した<ref>[http://vtv.gob.ve/presidente-maduro-viaja-a-turquia-para-encuentro-conjunto-mnoal-con-comunidad-islamica-frente-a-agresion-de-trump-contra-palestina/ Presidente Maduro viaja a Turquía para encuentro conjunto Mnoal con Comunidad Islámica frente a agresión de Trump contra Palestina]Venezolana de Televisión(2017年12月11日、スペイン語)2017年12月13日閲覧。</ref>。

発表後、右翼シオニスト組織{{仮リンク|ベター運動|en|Betar}}は[[神殿の丘]]と[[ナーブルス]]と[[ヘブロン]]の世界的な認知を求めた<ref>[http://www.jpost.com/International/Right-wing-groups-call-for-international-recognition-of-Temple-Mount-517743 Right-wing groups call for International recognition of Temple Mount - International]エルサレムポスト(2017年12月18日閲覧)</ref>。

[[グアテマラ]]の[[ジミー・モラレス]]大統領は12月24日に大使館をエルサレムに移転する旨発表した<ref>[http://amp.timeinc.net/time/5078997/guatemala-israel-embassy-jerusalem Guatemala Says it Will Relocate its Embassy in Israel to Jerusalem]TIME(2017年12月25日)</ref>。

数カ国の政府は2018年5月14日にエルサレムで開館したアメリカ大使館に反応した。[[日本]]と[[マレーシア]]は移転が更なる緊張感を招く懸念を表明した国の中にある<ref>[https://japantoday.com/category/politics/Japan-expresses-concern-at-relocation-of-U.S.-Embassy-in-Israel-to-Jerusalem Japan expresses concern at relocation of U.S. Embassy in Israel to Jerusalem]Japan Today(2018年5月15日)</ref><ref>[https://www.nst.com.my/news/nation/2018/05/369541/malaysia-opposes-opening-us-embassy-jerusalem Malaysia opposes opening of US embassy in Jerusalem]New Straits Times(2018年5月15日)</ref>一方、[[ロシア]]と[[ベネズエラ]]は既存の国際協定と矛盾した行動をとっていた<ref>[http://www.xinhuanet.com/english/2018-05/15/c_137178921.htm Russia, Egypt criticize U.S. embassy relocation to Jerusalem]Xinhua(2018年5月15日)</ref><ref>[https://www.telesurtv.net/english/news/Venezuela-Condemns-Israel-Attack-Against-Palestinian-People-20180514-0016.html Venezuela Condemns Israel Attack Against Palestinian People]teleSUR(2018年5月14日)</ref>。

== 抗議デモと暴力 ==
週末の12月16日-17日、[[アメリカ]]・[[パキスタン]]・[[オランダ]]・[[ドイツ]]・[[レバノン]]・[[ヨルダン]]・[[オーストラリア]]・[[モンテネグロ]]・[[イラン]]・[[モロッコ]]・[[ポーランド]]・[[イギリス]]・[[ギリシャ]]・[[インドネシア]]の大勢の人による抗議デモが世界各地で行われた<ref>[https://www.dailysabah.com/politics/2017/12/18/crowds-gather-around-world-to-protest-trumps-jerusalem-decision Crowds gather around world to protest Trump's Jerusalem decision]Daily Sabah</ref>。

=== イスラエルとパレスチナ ===
[[File:The burning of the American and Israeli flags and the image of Mohammed bin Salman 02.jpg|thumb|right|ガザ地区の抗議(2017年12月9日)]]

[[ベツレヘム]]では、トランプの発表に対する抗議の意味で宗教指導者により[[降誕教会]]外のクリスマスツリーの明かりを3日間消した<ref>[http://www.cbc.ca/news/world/trump-declaration-on-jerusalem-dampens-christmas-cheer-in-bethlehem-1.4442356 Some tourists 'afraid to come' to Bethlehem after Trump's Jerusalem declarations: CBC's Derek Stoffel]CBCニュース、2017年12月15日閲覧。</ref>。[[ナザレ]]は講義の意味でクリスマスの祝会の規模を縮小、歌と踊りの公演を取り止めた<ref>[https://www.reuters.com/article/us-israel-palestinians-christmas/nazareth-cuts-back-christmas-celebrations-to-protest-trumps-jerusalem-move-idUSKBN1E82AM Nazareth cuts back Christmas calebrations to protest Trump's Jerusalem]ロイター通信(2017年12月14日)2017年12月15日閲覧。</ref>。

ヨルダン川西岸・ガザ地区ではデモが生じ、2017年12月18日時点で9人のパレスチナ人が衝突で死亡している<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/security-council-weigh-resolution-jerusalem-171217191838743.html UN Security to weigh resolution on Jerusalem]Al-Jazeera、2017年12月18日閲覧。</ref>。12月8日、ガザ地区の国境付近の暴動で2人の抗議者が射殺された。抗議の際、14歳のパレスチナ人の少年が[[ゴム弾]]に当たって重傷を負っている<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/palestinian-teen-coma-shot-rubber-bullet-171217210649934.html Palestinian teen in coma after shot with rubber bullet]Al-Jazeera、2017年12月19日閲覧。</ref>。

12月9日、ハマース所属の2人がイスラエルによるガザ地区からのロケット攻撃により死亡している。ガザ保健省は軍事施設の衝突で15人が負傷したと発表している<ref>[https://www.washingtonpost.com/world/gaza-death-toll-in-us-embassy-violence-rises-to-4-as-israel-responds-to-rockets/2017/12/09/85755ae2-dc70-11e7-a241-0848315642d0_story.html Gaza death toll in U.S. embassy violence rises to 4 as Israel responds to rockets]ワシントン・ポスト</ref>。

12月10日、イスラエルの警備員がエルサレム中央バス停付近でパレスチナ人に刺されて重傷を負っている<ref>[http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Stabbing-attack-at-Jerusalems-Central-Bus-Station-517600 Palestinian critically wounds security guard in Jerusalem stabbing]エルサレムポスト、2017年12月13日閲覧。</ref>。12月11日、[[イスラエル国防軍]]はガザ地区からイスラエルに向けて2発のロケットが発射されたと発表した<ref>[http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IDF-responds-to-Gaza-rockets-with-attacks-on-Hamas-517754 IDF RESPONDS TO GAZA ROCKETS WITH ATTACKS ON HAMAS TARGETS]エルサレムポスト、2017年12月11日閲覧。</ref>。12月12日、[[イスラーム聖戦 (パレスチナ)|イスラーム聖戦]]所属の2人が爆発により死亡、無人機攻撃によるものだと主張されたが後にイスラエル国防軍はこれを否定、イスラーム聖戦は事故であったと主張した<ref>[https://www.haaretz.com/israel-news/1.828541 Gaza-based Islamic Jihad Drops Claim of Israeli Drone Strike]ハアレツ(2017年12月12日)</ref>。

12月14日早朝、[[イスラエル航空宇宙軍]]はハマース施設3箇所を目標に3発のロケットを発射、{{仮リンク|エシュコル地域会議|en|Eshkol Regional Council}}付近に1発着弾、ガザ地区の{{仮リンク|ベイト・ハヌン|en|Beit Hanoun}}の学校に2発が着弾し教室に被害が生じた。パレスチナ治安当局者によると、イスラエル軍によるハマース施設の攻撃は大きな被害を受け、軽傷者と付近の家屋の軽微な被害が報告されたと発表した<ref>[https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5056572,00.html IAF attacks 3 Hamas targets in Gaza after rocket fire to Sderot, Eshkol]Ynetnews、2017年12月18日閲覧。</ref>。

12月14日、イスラエルとガザ地区の国境は閉鎖され、数万人のパレスチナ人と過激派がガザ地区のハマースの集会に集まった。イスラエル航空宇宙軍は{{仮リンク|ケレム・シャロム越境地点|en|Kerem Shalom border crossing}}と{{仮リンク|エレス越境地点|en|Erez Crossing}}は治安状況に応じて無期限に閉鎖されるだろうと述べている<ref name="reuters">[https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-turkey-france-israel/erdogan-and-macron-to-urge-u-s-to-turn-back-on-jerusalem-decision-sources-idUSKBN1E30GG Erdogan and Macron to urge U.S. to turn back on Jerusalem decision: so]ロイター通信(2017年12月9日)2017年12月9日閲覧。</ref>。

パレスチナ保健省は{{仮リンク|イスラエル国境警備隊|en|Israel Border Police}}に攻撃した人やガザ地区の身体障害を患った抗議者含む4人のパレスチナ人が12月15日に殺害され<ref>[http://edition.cnn.com/2017/12/15/middleeast/jerusalem-protests-friday-intl/index.html Four dead, hundreds wounded as protests over Jerusalem hit second week]CNNニュース、2017年12月18日閲覧。</ref>、約400人が衝突により負傷したと発表した<ref>[http://abcnews.go.com/International/palestinians-killed-hundreds-injured-day-rage-pences-visit/story?id=51809870 4 Palestinian dead, hundreds injured in clashes ahead of Mike Pence's visit]ABCニュース、2017年12月18日閲覧。</ref>。

パレスチナ保健省は12月22日の衝突で2人のパレスチナ人が死亡、120人が負傷したと発表した。イスラエル航空宇宙軍は約2000人の抗議者がガザ地区の国境で兵士たちに岩を投げたりタイヤを燃やしている旨の声明を発表した<ref>[https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel-palestinians/two-palestinians-killed-in-anti-us-protests-after-u-n-vote-on-jerusalem-gaza-ministry-idUSKBN1EG1GC Two Palestinian killed in anti-US protests after U.N. vote on Jerusalem-Gaza ministry]ロイター通信、2017年12月27日閲覧。</ref>。

2017年12月のガザ地区からのパレスチナのロケット発射は[[ガザ侵攻 (2014年)|ガザ侵攻]]以来の大きな攻撃となった<ref>[https://www.reuters.com/article/us-israel-palestinians/israel-strikes-hamas-targets-in-gaza-after-palestinian-rocket-attacks-idUSKBN1EC0RZ Israel strikes Hamas targets in Gaza after Palestinian rocket attacks]ロイター通信(2017年12月18日)2017年12月25日閲覧。</ref>。2018年1月1日時点でパレスチナの武装勢力によりガザ地区からイスラエルに発射したロケットは少なくとも18を数える。イスラエルのネタニヤフ首相に応じてイスラエル国防軍はスト中のハマース施設40棟を標的にし<ref>[http://www.i24news.tv/en/news/israel/diplomacy-defense/164153-180101-rocket-fired-from-gaza-strip-hits-southern-israel Israeli fighter jets strike Hamas facility in retaliation for Gaza rocket fire]i24News(2018年1月1日)2018年1月2日閲覧。</ref><ref>[https://www.thenational.ae/world/mena/israel-targets-hamas-sites-after-gaza-rocket-attack-1.692167 Israel targets Hamas sites after Gaza rocket attack]The National Agence-France Presse(2018年1月1日)2018年1月2日閲覧。</ref>、イスラエル国防軍{{仮リンク|ガディ・エイセンコット|en|Gadi Eizenkot}}[[参謀総長 (イスラエル国防軍)|参謀総長]]により2017年12月に20発のロケットが発射された<ref>[http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/IDF-Chief-warns-against-excessive-force-in-response-to-Gaza-rocket-fire-522632 IDF Chief warns against excessive force in response to Gaza rocket fire]エルサレムポスト(2018年1月2日)2018年1月2日閲覧。</ref>。

ガザ地区から発射されたロケットの大半はイスラエルに着弾することは無かったが、一部[[スデロット]]や[[アシュケロン]]などの住宅地に着弾している。イスラエル国防軍はガザ地区のハマース施設を軍事目標として襲撃、はあれあは更なるロケット発射防止のためガザ地区の[[サラフィー主義]]の武装勢力を逮捕し拷問するだろうと報じている<ref name="nwrockest"/>。

1月11日、イスラエル国防軍との衝突でガザ地区・ヨルダン川西岸地区でそれぞれ1人が死亡した。イスラエル国防軍はガザ地区で武装勢力の暴動により国防軍が危険にさらされていたと述べた。他の事例ではパレスチナ当局者のガッサーン・ダグフラスは何もなしに攻撃したものだと主張しているが、軍が岩で攻撃されたあと主な抗議者に銃撃を行うと述べた。トランプの宣言以来、死者17人がもたらされており、内訳はパレスチナ人が16人とイスラエル人が1人である<ref>[http://www.bbc.com/news/world-middle-east-42654826 Two Palestinian teens killed in clashes with Israeli troops]BBC</ref>。

=== ムスリム国 ===
トランプの発表後、イラン・ヨルダン・チュニジア・ソマリア・イエメン・マレーシア・インドネシアでデモが行われた<ref name="reuters"/>。デモと衝突は12月10日まで続けられた。レバノンの首都[[ベイルート]]の付近ではアメリカ大使館の外でレバノンの治安部隊と衝突しており、催涙ガスや放水砲が使用された<ref name="wapo"/>。

ヨルダンの[[アンマン]]ではアメリカ大使館で数百人規模の抗議が行われ、アメリカ[[臨時代理大使]]の解雇・追放をヨルダンに要求した<ref>[http://www.aljazeera.com/news/2017/12/jordanians-demand-closure-embassy-amman-171207170857947.html Jordanians damand closure of US embassy in Amman]Al-Jazeera、2017年12月13日閲覧。</ref>ほか、インドネシアの[[ジャカルタ]]ではアメリカ大使館外で数千人規模の抗議が行われ<ref name="bbc3"/>、モロッコの首都[[ラバト]]では12月10日に数万人規模の抗議が行われた<ref>[https://www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-rally-in-morocco-against-us-jerusalem-move/ Tens of thousands rally in Morocco against US Jerusalem move]Times of Israel、2017年12月12日閲覧。</ref>。

レバノンの[[ヒズボラ]]議長である[[ハサン・ナスルッラーフ]]は12月11日に再度パレスチナ・イスラエルに焦点を当てると述べ、アラブ諸国に対して和平交渉の放棄と新たにパレスチナでアルジャジーラを呼びかけるよう求めた<ref>[https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel-hezbollah/hezbollahs-nasrallah-says-group-to-focus-on-israel-idUSKBN1E51OV Hazbollah's Nasrallah says group to focus on Israel]ロイター通信(2017年12月11日)2017年12月12日閲覧。</ref>。同日にベイルートではヒズボラの支持者達がパレスチナ・ヒズボラの旗を振りながら{{仮リンク|アメリカの死|en|Death to America}}!イスラエルの死!と復唱していた<ref name="wapo"/>。

ベイルートでは数千人のヒズボラの支持者達がアメリカの死!イスラエルの死!と復唱しながらデモ行進をしていた。アメリカの決定に対して[[テヘラン]]では数百人の保守派が集まり、''アメリカは殺人鬼だ''、''パレスチナ人の母は子供を失っている''、''アメリカの死''などの歌詞が含まれる音楽を演奏した<ref>[https://www.i24news.tv/en/news/international/middle-east/162429-171211-death-to-america-israel-thousands-of-hezbollah-supporters-protest-in-beirut 'Death to America, Israel': thousand s of Hezbollah supporters protests in Beirut]ITV</ref>。

インドネシアでは抗議が継続して10日目となる12月17日、依然として約8万人がジャカルタで首都エルサレム宣言に抗議デモを行っていた。イスラム教徒の聖職者はアメリカ製の製品のボイコットを求めた。アンワル・アッバース{{仮リンク|インドネシアウラマー評議会|en|Indonesian Ulema Council}}代表はボイコットを要求する嘆願書を読み上げた<ref>[https://www.timesofisrael.com/indonesia-clerics-want-boycott-of-us-goods-over-jerusalem-recognition/ Indonesia clerics urge US boycott as 80,000 protest Jerusalem recognition]Times of Israel</ref>。

12月27日、イラン政府はエルサレムをパレスチナの首都として認める法案を可決した初のムスリム国となった<ref>[http://www.newsweek.com/iran-recognizes-jerusalem-capital-city-palestinians-response-trump-declaration-760356 Iran Recognizes Jerusalem as Palestinian Capital City in Response to Trump Declaration]ニューズウィーク(2017年12月27日、Jack Moore)</ref><ref>[http://aa.com.tr/en/middle-east/iran-assembly-recognizes-jerusalem-as-palestine-capital/1016460 Iran assembly recognizes Jerusalem as Palestine capital]Anadolu Agency、2018年1月1日閲覧。</ref>。

=== アメリカ ===
アメリカのイスラム教の組織の呼びかけに応じた数百人のイスラム教徒が[[ホワイトハウス]]外で[[合同礼拝 (クルアーン)|合同礼拝]]を行った。中には{{仮リンク|パレスチナのカフィエ|en|Palestinian keffiyeh}}や[[パレスチナの旗]]を身に纏いながらイスラエルの東エルサレム合併やヨルダン川西岸地区の存在を非難するプラカードを持った抗議者がいた<ref>[https://www.timesofisrael.com/muslims-pray-outside-white-house-to-protest-trump-jerusalem-move/ Muslims pray outside White House to protest Trump Jerusalem move]Times of Israel</ref>。

[[タイムズスクエア]]の[[7番街 (マンハッタン)|7番街]]では数百人の親パレスチナ派の抗議者によって抗議活動が行われたほか、一部の親イスラエル派の抗議者も集まった。両者は押しあったり揉み合いの事態になったことが報告され、警察により1人が拘束された<ref>[https://www.nbcnewyork.com/news/local/Israel-Palestine-Jerusalem-Protest-Times-Square-462905703.html Hundreds Protest Against US Jerusalem Move in Times Square]NBC New York</ref>。

FacebookでISILを称賛していた元[[アメリカ海兵隊]]員は12月25日に[[サンフランシスコ]]の{{仮リンク|桟橋39号|en|Pier 39}}でISILの影響を受けたテロ計画を立てたとして逮捕された。動機の一つに首都エルサレム宣言を挙げている<ref>[https://www.usatoday.com/story/news/2017/12/22/ex-marine-cites-trumps-jerusalem-decision-planned-isis-attack-christmas-fbi/978164001/ Ex-Marine cites Trump's Jerusalem decision in planned ISIS attack on Christmas: FBI]USAトゥデイ</ref>。

=== ヨーロッパ ===
[[オランダ]]では12月8日、[[デン・ハーグ]]のアメリカ大使館外で抗議者により反イスラエルと親パレスチナのスローガンを復唱した。抗議者はトランプの政治的・外交的・道徳的価値観に関する決定と題した共同記者会見を行い、さらに抗議者たちはトランプはイスラム教と外国人を嫌悪しており、人種差別主義者で、人民主義談話とその周縁化に向けた行動をとっており、首都エルサレム宣言に驚きはないと述べている<ref>[http://aa.com.tr/en/middle-east/protesters-in-europe-africa-decry-us-move-on-jerusalem/999260 Protesters in Europe, Africa decry US move on Jerusalem]Anadolu Agency</ref>。

ドイツでは約1000人の反イスラエル・反米の抗議者が[[ベルリン]]の[[ブランデンブルク門]]にあるアメリカ大使館の外でデモを行った。12月10日、約2500人のデモ隊がベルリンの[[ノイケルン区]]で[[ダビデの星]]の旗を燃やした。11人が法に違反したとした逮捕された。ダビデの星を燃やした行為はドイツのアンゲラ・メルケル首相によって非難された<ref>[http://www.dw.com/en/chancellor-angela-merkel-condemns-burning-of-israeli-symbols-in-berlin/a-41736113 Chancellor Angela Merkel condemns burning of Israeli symbols in Berlin]Deustche Welle</ref>。

イギリスでは12月10日に[[ロンドン]]のアメリカ大使館外で数千人が抗議し、主催者は約3000人の抗議者が親パレスチナ派のスローガンを叫んだと主張した。抗議は他に[[マンチェスター]]・[[ブリストル]]・[[バーミンガム]]・[[ノッティンガム]]・[[ダブリン]]・[[ベルファスト]]・[[ロンドンデリー]]で行われた<ref>[http://aa.com.tr/en/europe/trumps-jerusalem-move-protested-across-uk/999335 Trump's Jerusalem move protested across UK]Anadolu Agency</ref>。

スウェーデンでは12月8日に[[ストックホルム]]で抗議者により[[イスラエルの国旗]]が燃やされた<ref>[https://www.thelocal.se/20171209/demonstrators-in-stockholm-set-fire-to-israeli-flag Demonstrators in Stockholm set fire to Israeli flag]The Local</ref>。[[マルメ]]のデモ行進中、[[スウェーデン・ラジオ]]はデモ参加者たちが我々はマルメからインティファーダを発表した!自由を返せ!そしてユダヤ人を撃つ!と叫んでいると報じた<ref>[https://www.thelocal.se/20171209/anti-semitic-chants-reported-at-malm-demonstration Anti-Semitic chants heard at Malmo demonstration]The Local(2017年12月9日)2017年12月12日閲覧。</ref><ref name="IntifadaMalmo">[https://www.timesofisrael.com/second-jewish-building-in-sweden-attacked-in-attempted-firebombing/ Second Jewish building in Sweden attacked with firebombs]Times of Israel(2017年12月12日)2017年12月12日閲覧。</ref>。

12月9日、12人の男が{{仮リンク|ヨーテボリシナゴーグ|en|Gothenburg Synagogue}}で[[火炎瓶]]を投げたが、建物内の人々は地下に隠れていたため負傷者は報告されなかった。このことは親パレスチナ派の抗議に続いた<ref>[https://www.haaretz.com/world-news/europe/1.827932 Firebombs Hurled at Synagogue in Sweden Following Protests Against Jewish]ハアレツ(2017年12月10日)</ref>。後ほど3人が攻撃により逮捕された。スウェーデンの[[ステファン・ロベーン]][[スウェーデンの首相|首相]]含む政治家がこの攻撃を非難している<ref>[https://www.washingtonpost.com/world/europe/3-people-arrested-in-fire-bomb-attack-on-swedish-synagogue/2017/12/10/15d4b466-dd8e-11e7-b2e9-8c636f076c76_story.html 3 people arrested in firebomb attack on Swedish synagogue]ワシントン・ポスト</ref>。12月11日、マルメのユダヤ人墓地礼拝堂が未遂ながら放火の標的となっている<ref name="IntifadaMalmo"/><ref>[https://www.jta.org/2017/12/11/news-opinion/world/after-second-incident-swedish-anti-semitism-watchdog-warns-of-wave-of-attacks After second incident, Swedish anti-Semitism watchdog warns of wave of attacks]JTA(2017年12月11日)</ref>。

ベルリンやイェーテボリ、ウィーンでの抗議では''イスラエルの死''や''ユダヤ人を殺す''など、反ユダヤ主義の歌が復唱された<ref>[https://www.irishtimes.com/news/world/europe/angela-merkel-condemns-burning-of-israeli-flags-in-berlin-1.3323573 Angela Merkel condemns burning of Israeli flags in Berlin]The Irish Times</ref>。

=== 他国 ===
12月16日、[[ナショナルジオグラフィックチャンネル]]のデンマーク人のジャーナリスト2人が[[リーブルヴィル]]で[[アッラーフ・アクバル]]と叫ぶイスラム教徒によって刃物で刺されたとガボンのエチエンヌ・カビンダ・マカガ国防相が述べた。逮捕された抗議者はエルサレムをイスラエルの首都と認めたアメリカに対して複数回攻撃を行っていると警察に述べている<ref>[https://www.reuters.com/article/us-gabon-attack/two-danish-journalists-wounded-in-islamist-knife-attack-in-gabon-idUSKBN1EB0B2 Two Danish journalists wounded in Islamist knife attack in Gabon]ロイター通信</ref>。

== エルサレムへの大使館移転 ==
2018年2月、アメリカ政府はエルサレムの南部{{仮リンク|アルノナ|en|Arnona}}地区にあるアメリカ総領事館と合併、同年5月に大使館として開館するドナルド・トランプ大統領の計画が実行された。この動きは[[イスラエル独立宣言]]70周年に合わせて予定されていたことである<ref>[https://www.theguardian.com/us-news/2018/feb/23/us-brings-forward-jerusalem-embassy-opening-israel-to-may US brings forward Jerusalem embassy opening to May: Ceremony timed to coincide with 70th anniversary of Israel's independence]ガーディアン(2018年2月23日)</ref><ref>[https://www.timesofisrael.com/us-to-move-embassy-to-jerusalem-on-may-14-day-of-independence-declaration/ US Embassy in Jerusalem to open in May - in time for Israel's 70th anniversary]The Times of Israel(2018年2月23日)</ref>。

2018年5月14日の大使館記念式典に出席したアメリカ代表者の中にはトランプの側近・当局者である[[スティーブン・マヌーチン]]、[[イヴァンカ・トランプ]]、[[ジャレッド・クシュナー]]、{{仮リンク|ロバート・ジェフレス|en|Robert Jeffress}}、{{仮リンク|ジョン・ハギー|en|John Hagee}}が含まれていた<ref>[https://www.nytimes.com/2018/05/14/world/middleeast/robert-jeffress-embassy-jerusalem-us.html Robert Jeffress, Pastor Who Said Jews Are Going to Hell, Led Prayer at Jerusalem Embassy]ニューヨーク・タイムズ(2018年5月14日)</ref>。

この移転の動きについて両者の議員は共に賞賛した。[[チャック・シューマー]]上院少数党[[院内総務]]はこの動きは長引くだろうと述べた<ref>[https://www.nytimes.com/2018/05/14/us/politics/trump-jerusalem-embassy-middle-east-peace.html Jerusalem Embassy Is a Victory for Trump, and a Complication for Middle East Peace]ニューヨーク・タイムズ(2018年5月15日、Julie Hirschfeld Davis)2018年5月15日閲覧。</ref>。

大使館の移転は{{仮リンク|2018年ガザ地区国境抗議|en|2018 Gaza border protests}}が拡大化する中での出来事であった<ref>[https://www.aljazeera.com/news/2018/05/world-leaders-react-embassy-relocation-jerusalem-180514142652207.html World leaders react to US embassy relocation to Jerusalem]Al-Jazeera(2018年5月14日)</ref><ref>[https://www.telegraph.co.uk/news/2018/05/14/palestinians-killed-israeli-troops-gaza-protests-ahead-us-embassy/ At least fifty-fivdj Palestinians killed by Israeli troops in Gaza protests as US opens Jerusalem embassy]The Telegraph(2018年5月14日)</ref>。

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
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* {{仮リンク|イスラエルの国際的な認知|en|International recognition of Israel}}
* [[米以関係]]
* {{仮リンク|エルサレムの地位|en|Status of Jerusalem}}

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[[Category:アメリカ合衆国の外交]]
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2018年5月16日 (水) 12:14時点における版

首都エルサレム宣言(しゅとエルサレムせんげん)は、アメリカのドナルド・トランプ大統領が2017年12月6日にイスラエルの首都をエルサレムとして認識・承認した出来事である[1]。これはアメリカの約70年にわたる外交政策の転換で、アメリカ大使館もテルアビブからエルサレムに移転する計画を命じている[2][3]。認識を示した後、エルサレム大使館法のもと大使館放棄に署名[4]、テルアビブからエルサレムへの大使館の移転する計画を少なくとも6ヶ月遅らせた[4][5]ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの決定を歓迎、称賛した。2018年2月23日、国務省は新たな大使館が5月に開設されると発表した[6]

この決定は欧州連合共通外交・安全保障政策をはじめとする多くの国際機関・国の首相・大統領によって批判された。国際連合安全保障理事会でもアメリカの決定を非難するよう提案されたが、14対1の票決後にアメリカは拒否権を行使した。国際連合総会は後にトランプ大統領を非難する国際連合総会決議ES-10/L.22英語版には128対9で、35カ国が棄権している。

この決定はヨルダン川西岸地区ガザ地区のパレスチナ人の憤怒、パレスチナ人によるデモ活動をもたらした。2017年12月25日にサラフィー主義団体はイスラエルに向けて約30発のロケット弾を発射、その約半数がガザ地区に着弾した。アシュケロンスデロット付近で2人が財産面で軽微な被害を受け、ハマースは攻撃の責任のあるサラフィー主義者を処理した[7][8]

イスラエル独立宣言70周年にあたる2018年5月14日、在エルサレムアメリカ合衆国総領事館の旧所在地にあたるエルサレムのアルノナ英語版にアメリカ大使館を開館された。

背景

1949年にイスラエル国が建国されると、アメリカはこれを新しい国であると認めたが、エルサレムのために国際的体制の確立が望ましいと考え[9]、最終的な社会的地位は交渉を通して解決された[10]。アメリカは1949年のイスラエルによるエルサレム首都宣言と1950年に発表したエルサレムを第2の首都とするヨルダンの計画に反対した[11]アメリカは1967年の戦後、イスラエルの東エルサレムの併合にも反対している[11]。アメリカはエルサレムの将来は和解における主役にあるべきだという立場を公式なものとしている[11][12]。以降も政府はテルアビブからエルサレムまでアメリカ大使館を移転することにより、エルサレムの将来が、交渉が妨げられる可能性のある一方的な行動の対象ではないという立場を維持した[11]

1992年アメリカ合衆国大統領選挙中、ビル・クリントンは政権がイスラエルの首都としてエルサレムを支えるとして約束するとともに、イスラエルの主権はエルサレムに繰り返し障害が出ているとしてジョージ・W・ブッシュ大統領を非難した。しかし、1993年のオスロ合意の後、クリントン政権はイスラエルとパレスチナ人の交渉妨害をしない体で計画を進めていない[13]

1995年、エルサレム大使館の法案が議会を通過、エルサレムはイスラエルの首都として認識されるべきだと明言した[14]。同法はアメリカの大使館が5年以内にエルサレムに移転しなければならないものであると述べた[13]。同法の支持はアメリカ国内の政治を反映していると見なされた。クリントン大統領はエルサレム大使館法に反対、6ヶ月毎に延期に延期を重ねていった[13]

2000年の大統領選挙運動でブッシュ大統領はクリントン大統領が約束通りに大使館を移動していないことを批判、クリントンが選ばれるならクリントンは自分自身に向けた計画を開始するつもりだろうと述べたが、ブッシュ大統領が就任するとクリントンの約束事を支持した[13]

2008年、民主党のバラク・オバマ候補者はエルサレムをイスラエルの首都であると呼んだ。2008年6月4日、オバマ大統領はエルサレムはイスラエルの首都として完全堅持されるべきであるとの民主党の意向を受けて指名され、初の外交政策スピーチでアメリカのイスラエル広報委員会(AIPAC)に語った。そのすぐ、オバマ大統領はこれらの問題の解決に向けた交渉は明らかに当事者となるだろうし、エルサレムもその交渉の一部になるだろうと述べている[15]

2016年アメリカ合衆国大統領選挙で、トランプは選挙公約の1つにイスラエルのテルアビブからエルサレムへのアメリカ大使館の移転を掲げており、それについて永遠なるユダヤ人の中心と述べた[16]。2017年6月1日、トランプ大統領はエルサレム大使館法を放棄する文書に署名、1995年以降の大統領と同じようにエルサレムへの移転を6ヶ月遅らせた。ホワイトハウスはこれについて、イスラエルとパレスチナ間の交渉の支援となり、後に約束された動きが訪れるだろうと述べている[17]

発表

2017年12月6日、トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都として正式に認め、テルアビブからエルサレムへの大使館の移転の方針を発表した。声明では東エルサレムを将来パレスチナ国家の首都とするかどうかには言及していないが、エルサレムにおける国境を巡る紛争は解決していないというのがアメリカの認識だと述べた。また、エルサレムの旧市街とその城壁群についても支援を明言した[2]。発表後にトランプ大統領は大使館放棄の旨署名し、移転は少なくとも6ヶ月延期している[18]

トランプ大統領の発表後、トルコ・ヨルダン・ドイツ・イギリスのアメリカ大使館はイスラエルに旅行・在住しているアメリカ人に対して警告・警報の発表に加え、暴力行為含む抗議活動が生じる可能性についても海外のアメリカ人に警告した。エルサレムのアメリカ領事館は公務員のエルサレムの旧市街とその城壁群への移動を制限した。ヨルダンのアメリカ大使館は関係者について、首都を離れることを禁止し、職員の子供たちは学校から帰宅するよう呼びかけた[19]

国務省の発言

レックス・ティラーソン国務長官は後ほど大統領の声明について、エルサレムの最終的な地位が明らかにされていないもので、両当事者に国境含む最終的な地位の交渉・決定が委ねられることが明らかであると述べた[20]。国務省の当局者は12月8日にアメリカにおけるエルサレムの扱いについて、実用的な変化が直ちに起こることはないと述べた。これはエルサレム出生の市民のパスポートに国名を記載しないというアメリカの方針が含まれている。同日、デービッド・マイケル・サッターフィールド英語版国務次官補は現時点で領事館の運営やパスポート発行に関しては方針に変更はないと述べた。

嘆きの壁に向けて祈っているイスラエル系ユダヤ人英語版

ヘザー・ノーアート国務次官は嘆きの壁のある国を問われると、我々はエルサレムをイスラエルの首都として認識していると述べた[21]

アメリカ国内の反応

元イスラエル大使

元イスラエル大使11人のうち9人が外交政策の転換を批判している。1959年から1961年にイスラエル大使を務めたオグデン・リード英語版は正しい決定だと思うと述べており、1997年から1999年のイスラエル大使を務めたエドワード・S・ウォーカー英語版はエルサレムをイスラエルの首都とする認識を支持しているが、イスラエルとパレスチナの最終的な境界について疑問を呈していた。ダニエル・C・クルツァー英語版はアメリカが国際的に孤立する可能性を指摘し、リチャード・ジョーンズ英語版は大使館の移転により暴力行為が深刻化する懸念を表明した。マーティン・インダイク英語版始め数人の元イスラエル大使はイスラエルの首都として西エルサレムを受け入れ、東エルサレムをパレスチナの首都として認めることに同意すると述べた[22]

キリスト教

国立教会評議会英語版(NCC)は38もの異なる宗派を代表して、首都エルサレム宣言が紛争悪化に繋がり犠牲者が増す可能性が出てしまうと述べ、右派の福音主義団体はこの決定を支援した[23]

この動きは多くのアメリカの保守的な福音主義団体とアメリカによるイスラエルのためのキリスト教指導者であるジェリー・ファルエルマイク・ハッカビーなどによって支援されていた[24]。トランプ大統領の顧問の1人である福音主義者のジョニー・ムーアはトランプ大統領の宣言について、支持している福音主義者の有権者の基盤を作る、1つの果たされた選挙公約になったと述べた[25]キリスト教徒とユダヤ人の国際共同活動英語版の創設者イェチエル・エクスタイン英語版はこれを歓迎した[26]

ユダヤ機関

51のユダヤ機関と数多くの団体により構成されるアメリカの主要なユダヤ機関指導者協議会英語版含む[27]アメリカの著名なユダヤ組織の大半はこの動向について歓迎を表明した:アメリカ・イスラエル公共問題委員会北米ユダヤ人連合英語版アメリカユダヤ人議会英語版アメリカユダヤ人委員会アメリカハダサー女性シオニスト機関英語版正統派連合英語版・アメリカの国立イスラエル若年者評議会英語版

アメリカの保守派活動家やイスラエルなど、世界中の保守派活動家がイスラエルの首都をエルサレムとして認識するアメリカの方針を歓迎した[28]正統派による正統派連合はアメリカ大使館をエルサレムへ移転する計画を始めるトランプ大統領の意向に感謝を述べた[29]

名誉毀損防止同盟イスラエルとパレスチナ問題の解決法英語版を支援しながら、首都エルサレム宣言について重要かつ長年の事案であると認識している。アメリカ・イスラエル公共問題委員会はエルサレムに対する支持を表明しているが、アメリカ大使館の移転についてはイスラエルとパレスチナ間の和平交渉の結果が判断出来ないと述べた。アメリカシオニスト機構率いるモートン・クレイン英語版はトランプ大統領は明らかに認めたものであると述べた。サイモン・ウィーゼンタール・センターはトランプ大統領について歴史に残る間違った決定であると述べた[30]

ユダヤ人共和党連合英語版は首都エルサレム宣言を歓迎している[31]一方、改革派は不平等であると批判、紛争悪化の原因になると述べた。次のように声明を発表している[26][32]:エルサレムはイスラエル国民とユダヤ人にとって永遠の都であり、大統領は適切な時期にテルアビブからエルサレムへのアメリカ大使館の移転すべき理由について話すべきである

アメリカユダヤ人民主会議英語版はエルサレムをイスラエルの首都とする決定に支持を表明したが、故意にパレスチナとイスラエルの和平の維持を怠ったとしてトランプ大統領を非難した。中東政策団体のJ Streetは首都エルサレム宣言は早すぎたもので、対立が生じる結果を招いてしまうと述べた。また、J Streetと新イスラエル基金英語版、改革派シオン主義団体のアメイヌ英語版は中東和平の妨げや暴動が発生する可能性について懸念を表明した[26]

他の組織

2017年12月、北米のユダヤ学者130人以上がトランプ大統領の決定を批判、アメリカ政府に緊張感の解消及びエルサレムの将来におけるパレスチナの正当な権益を明らかにするよう求めた。ハアレツによると、ユダヤ人学者の多くはトランプ政権・現在のイスラエル政府を批判してきたという[33][34]

アメリカ・イスラム関係評議会英語版ムスリム広報委員会英語版を含むアメリカのムスリム公民権擁護団体は外交政策の転換について拒絶した。12月5日、ムスリムと異教徒、人権団体はホワイトハウスの周辺で抗議デモを行った[35]

イスラエルとパレスチナの反応

イスラエル

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はトランプ大統領の声明が発表された直後の12月6日、声明を歴史に残るような勇気のある決定と称賛し、イスラエルの首都をエルサレムとしない時の平和はないもので、70年近くにわたってイスラエルの首都であったと付け加えた[36]。後にトランプ大統領の声明に対して非難されると、イスラエルに対するロケット攻撃や我々に対するひどい対立に対する非難は聞いたことがないと述べた[37]

クネセトではイェシュ・アティッドユダヤ人の家イスラエル我が家リクードの中道・左派・右派に肯定的な反応が見られた。アイザック・ヘルツォークは首都エルサレム宣言を歴史的正義と呼んだが、イスラエルとパレスチナの将来あるべき姿の実現に向けたことが求められると付け加えた。これとは対照的に、宗教シオン主義者英語版ユダヤ人の家所属のベザレル・スモットリッチ英語版は次のように声明を発表した:30年間、我々は現実的な解決策としてパレスチナ国家の陥没に嵌り、時間は物事を再考するようになった。

シオニスト連合英語版を率いるアヴィ・ギャベイ英語版はエルサレムをイスラエルの首都として認識するのは和平のために重要であるということからトランプ大統領の声明発表を支持している[38][39]

ユダヤ・トーラ連合で副教育大臣であるメイア・ポルシュ英語版は住宅供給を必要としているユダヤ・サマリア地区とエルサレムにとっては無意味な宣言よりは良いものであると述べた。ユダヤ・トーラ連合所属のイスラエル・イヒラー英語版も同様な意見を表明、アメリカ大使館1棟よりも若い夫婦のための家1000棟が必要だろうと述べた。

対照的にメレツは首都エルサレム宣言は東エルサレムを首都とするパレスチナ国の建国に留まるべきで、トランプ大統領の宣言は事実上シオニストとイスラエル建国における価値観の裏切りとなるものだと述べた[39]

統一アラブ・リスト・タール所属のアイマン・オデフ英語版ハニーン・ゾービはアメリカはもう和平仲介者として行動できないと述べ、オデフはトランプ大統領について放火魔で、すべての地域を狂気で燃やす人だと述べた[40]

パレスチナ自治政府とハマース

パレスチナ自治政府関係者は首都エルサレム宣言はアメリカが和平交渉に不向きであることを示していると述べた[41]ラーミー・ハムダッラー首相は外交政策の転換が和平交渉の破壊に繋がると述べた[42]マフムード・アッバース大統領は宣言について、アメリカが和平仲介者としての役割を放棄することを意味していると語った[36]リヤド・アル=マリキ英語版外相もアメリカは和平交渉における仲介者としての役割を果たすことができなかったと述べた[43]アドナン・アル=フサイニー英語版イスラム協力機構にエルサレムをパレスチナの首都として認めるよう求めた[44]

ハマースは新たなインティファーダの呼びかけを行い[45]</ref>Hamas call for new Palestinian uprising in wake of Trump announcement on JerusalemThe Independent(2017年12月6日)2017年12月7日閲覧。</ref>、わずかながらパレスチナ人がそれに応じた[46][47][48]

パレスチナ人はトランプ大統領の肖像画や像を燃やし、大使館移転に抗議してサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズムハンマド・ビン・サルマーンの絵を引き裂いた[49]

エルサレムに拠点を置くキリスト教教会

2017年12月6日、エルサレムのギリシャ正教会英語版のエルサレム総主教であるセネフィロス3世は広くエルサレムで最も年長であるキリスト教の人物と考えられている。そのセネフィロス3世の動向を注視しているトランプ大統領に他の教会の司教12人が手紙を送った[50]:我々をエルサレム統一という目的から破壊的な分割へ深く遠く動かしたことで聖地には憎悪・対立・暴動・苦難の増した状況が与えられた

セネフィロス3世は別として、手紙はエルサレムのローマ・カトリック教会のローマ教皇の行政官と同様にエルサレムのシリア正教会アルメニア教会エチオピア正教会コプト正教会大司教の上層部のほか、フランシスコ会士やマルカイトギリシャカトリック教会英語版マロン典礼カトリック教会エルサレム・中東聖公会アルメニアカトリック教会英語版シリアカトリック教会英語版ヨルダンと聖地の福音ルター派教会英語版の総主教も署名している[51]

国際の反応

エルサレムをイスラエルの首都として認めるトランプの決定は多くの国の大統領・首相から否定的な反応が見られた。ヨーロッパで首都エルサレム宣言に反対した国にはアメリカの同盟国であるイギリス・ドイツ・フランス・イタリアが含まれている。フランシスコは全世界が都市の現状を尊重することに傾倒しているままだという嘆願を述べた。中国は中東における緊張の潜在的拡大について注意を促した[42]

国際連合

安全保障理事会

国連安全保障理事会は国連決議や国際法に違反しているとして、12月7日に緊急招集を行い、15人のうち14人がトランプの決定を非難したが、アメリカの支持なしに声明を出すことはできなかった[52]。緊急招集はボリビア・イギリス・エジプト・フランス・イタリア・セネガル・スウェーデン・ウルグアイの要請で行われた[42]。アメリカ国連大使のニッキー・ヘイリーは国連をイスラエルと敵対する世界の機関の1つと呼んだ[41]。イギリス・フランス・スウェーデン・イタリア・日本は緊急招集でトランプの決定に批判した国々に含まれている[53]。12月18日、安全保障理事会の首都エルサレム宣言の承認を撤回する決議がアメリカにより拒否され、14対1となった[54]

トランプ大統領の宣言前の2017年11月に国連総会ではエルサレムをイスラエルの首都とするイスラエルの主張について、拒否する決議に賛成151カ国・反対6カ国・棄権9カ国で可決されていた[55]

総会

12月21日に国連総会はアメリカの決定を非難、他の国に対してエルサレムに外交施設の開設を控えるよう命じるため、国連総会決議ES-10/L.22英語版の投票を行い、結果は128対9と棄権35となった[56]。アメリカの北大西洋条約機構同盟国は決議の異議主張はしておらず、29カ国のうち25カ国が賛成に投票している[57]

ヨーロッパ

欧州連合

フェデリカ・モゲリーニ欧州連合外務・安全保障政策上級代表欧州連合加盟国の政府はエルサレム問題について、東エルサレムを首都とするパレスチナ国への責任を再確認したことを強調した[58]。モゲリーニは都市の最終的な立場が争われている中で大使館をエルサレムに移動するべきではないと述べた。また、イスラエルの東エルサレム合併は1980年の国連総会決議478英語版によって国際法違反と見なされていると指摘した[42]。12月11日、モゲリーニは欧州諸国はエルサレムに大使館を移転しないと述べた[59]

欧州諸国の政党

ヨーロッパではエルサレムのに対するトランプの認識について反イスラム政治家からの支持を受けていた。チェコ共和国のミロシュ・ゼマン大統領は欧州は臆病者がする対応であると述べた。反イスラム的な自由党党首のヘルト・ウィルダースは自由を愛する国々は大使館をエルサレムに移転してエルサレムへの支援の確約をするべきであると述べた。オーストリア自由党党首のハインツ=クリスティアン・シェトラーヒェも同じくオーストリア大使館をエルサレムに移転するべきだと述べている[60]

アラブとムスリム各国

サウジアラビア国王であるサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズはエルサレムに大使館を移転しようものならイスラム教徒の目に余る挑発となるだろうと述べた。エジプトアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領はイスラエルとパレスチナ間の和平交渉の実行可能性について同様の懸念を表明した。ヨルダン政府はトランプ大統領は国際法・国連憲章に違反していると述べた[36]トルコレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスラエルはテロ国家であると述べた[61]

12月10日、アラブ連盟カイロで緊急会議を開催した。会談後、アハマド・アブル・ゲイト英語版事務総長はアメリカの外交政策の転換は国際法違反であり、イスラエルの領土占領英語版の合法化に繋がるとの声明を発表した。また、ゲイトはアメリカの和平交渉の公約について疑問を呈している[43]

イランはアメリカの決定は国連決議違反にあたり、新たにインティファーダが生じる可能性を指摘した。レバノンミシェル・アウン大統領は外交政策の転換は和平の道から逸脱するものであると述べた。カタールムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー英語版外相は平和を求める人に対して死刑宣告を言い渡したと述べた[36]インドネシアジョコ・ウィドド大統領はこの決定を非難、アメリカに再考するよう求めた。マレーシアナジブ・ラザク首相も同様に我々はイスラエルの首都をエルサレムと認識することについて強く否定すると述べた[62]

12月13日、イスタンブールで開催されたイスラム協力機構の会議では過半数を占める50カ国以上がエルサレムの自由に関するイスタンブール宣言を通過させるとともに東エルサレムを首都とするパレスチナ国の世界的な認知を求めた。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領は首脳会談にて、アメリカは中東和平に加わることは適切ではなく、公正な交渉人として受け入れることは出来ないと述べた[63][64]。主要国首脳会議で、イスラエルまたはアメリカに対する制裁が生じない間[65]、ニューヨーク・タイムズはイスタンブール宣言についてトランプの決定に対する最も強硬な対応であると報じた[66]コプト正教会教皇アレクサンドリアのタワドロス2世英語版はアメリカの決定に抗議、マイク・ペンス副大統領との会談を取り消した。コプト正教会はトランプの決定に対して数百万人のアラブ人の感情を考慮していなかったとの声明を発表した[67]

聖戦主義者の運動

聖戦主義英語版者は武装闘争を求めた[68]AQIMはアフリカ北部ですべての戦闘機をパレスチナ解放に集中させる声明を発表した[68]カシミールグループのアンサル・ガズワット=ウル=ヒンドはアメリカとイスラエルの大使館を攻撃、世界中のイスラム教徒に両国に財産面の利益で害を与えるよう呼びかけた[68]。エジプトのハズム運動は暴動を起こすよう求め[68]アラビア半島のアルカーイダはパレスチナ人に資金提供・武器の提供で支援するようイスラム教徒に呼びかけた[68]。アフガニスタンのターリバーンはアメリカの大使館移転を反イスラム的な偏見であると述べた[68]。ソマリアのアル・シャバブはイスラム教徒に武器で対応するよう呼びかけている[68]

ターリバーン及び過激派シーア派組織の指導者はアメリカに対する反対を表明した[69]ISILは12月8日に他の聖戦主義者のグループとアラブ指導者を非難した。また、紛争を政治に利用する敵対グループが自己主張にすぎないと非難、イスラエルのアラブ近隣諸国の敗北を主張したほか、イスラエルはブレスレットが手首を守るのと同じように聖戦に携わるイスラム・ゲリラ戦士の軍隊のストライキからユダヤ人を守ると述べた[69]

中国

中国は歴史的に東エルサレムを首都とするパレスチナ国を支持し、それはトランプの声明発表後も変わらないと述べた[70]。声明発表後、中国国営メディアはアメリカとヨーロッパの同盟国間で首都エルサレム宣言に対する不支持と同宣言に対するパレスチナの反対を強調した放送を長い時間続けたほか、中東における不安定・不透明の危険性を強調したニュースを報じた。一部の分析者は大使館の移転によりエルサレムの最終的な地位の交渉について、イスラエルがパレスチナに対して譲歩する可能性があると主張した[71]。中国大使館は声明発表後にイスラエルがますます複雑・過激化する可能性があるとして旅行者に警告を発している[72]

他国・組織

ベネズエラニコラス・マドゥロ大統領非同盟諸国首脳会議のためにイスタンブールを訪れる前にトランプの宣言について非合法的で許されない違法な宣言であると国営テレビで発表した[73]

発表後、右翼シオニスト組織ベター運動英語版神殿の丘ナーブルスヘブロンの世界的な認知を求めた[74]

グアテマラジミー・モラレス大統領は12月24日に大使館をエルサレムに移転する旨発表した[75]

数カ国の政府は2018年5月14日にエルサレムで開館したアメリカ大使館に反応した。日本マレーシアは移転が更なる緊張感を招く懸念を表明した国の中にある[76][77]一方、ロシアベネズエラは既存の国際協定と矛盾した行動をとっていた[78][79]

抗議デモと暴力

週末の12月16日-17日、アメリカパキスタンオランダドイツレバノンヨルダンオーストラリアモンテネグロイランモロッコポーランドイギリスギリシャインドネシアの大勢の人による抗議デモが世界各地で行われた[80]

イスラエルとパレスチナ

ガザ地区の抗議(2017年12月9日)

ベツレヘムでは、トランプの発表に対する抗議の意味で宗教指導者により降誕教会外のクリスマスツリーの明かりを3日間消した[81]ナザレは講義の意味でクリスマスの祝会の規模を縮小、歌と踊りの公演を取り止めた[82]

ヨルダン川西岸・ガザ地区ではデモが生じ、2017年12月18日時点で9人のパレスチナ人が衝突で死亡している[83]。12月8日、ガザ地区の国境付近の暴動で2人の抗議者が射殺された。抗議の際、14歳のパレスチナ人の少年がゴム弾に当たって重傷を負っている[84]

12月9日、ハマース所属の2人がイスラエルによるガザ地区からのロケット攻撃により死亡している。ガザ保健省は軍事施設の衝突で15人が負傷したと発表している[85]

12月10日、イスラエルの警備員がエルサレム中央バス停付近でパレスチナ人に刺されて重傷を負っている[86]。12月11日、イスラエル国防軍はガザ地区からイスラエルに向けて2発のロケットが発射されたと発表した[87]。12月12日、イスラーム聖戦所属の2人が爆発により死亡、無人機攻撃によるものだと主張されたが後にイスラエル国防軍はこれを否定、イスラーム聖戦は事故であったと主張した[88]

12月14日早朝、イスラエル航空宇宙軍はハマース施設3箇所を目標に3発のロケットを発射、エシュコル地域会議英語版付近に1発着弾、ガザ地区のベイト・ハヌン英語版の学校に2発が着弾し教室に被害が生じた。パレスチナ治安当局者によると、イスラエル軍によるハマース施設の攻撃は大きな被害を受け、軽傷者と付近の家屋の軽微な被害が報告されたと発表した[89]

12月14日、イスラエルとガザ地区の国境は閉鎖され、数万人のパレスチナ人と過激派がガザ地区のハマースの集会に集まった。イスラエル航空宇宙軍はケレム・シャロム越境地点英語版エレス越境地点英語版は治安状況に応じて無期限に閉鎖されるだろうと述べている[90]

パレスチナ保健省はイスラエル国境警備隊英語版に攻撃した人やガザ地区の身体障害を患った抗議者含む4人のパレスチナ人が12月15日に殺害され[91]、約400人が衝突により負傷したと発表した[92]

パレスチナ保健省は12月22日の衝突で2人のパレスチナ人が死亡、120人が負傷したと発表した。イスラエル航空宇宙軍は約2000人の抗議者がガザ地区の国境で兵士たちに岩を投げたりタイヤを燃やしている旨の声明を発表した[93]

2017年12月のガザ地区からのパレスチナのロケット発射はガザ侵攻以来の大きな攻撃となった[94]。2018年1月1日時点でパレスチナの武装勢力によりガザ地区からイスラエルに発射したロケットは少なくとも18を数える。イスラエルのネタニヤフ首相に応じてイスラエル国防軍はスト中のハマース施設40棟を標的にし[95][96]、イスラエル国防軍ガディ・エイセンコット英語版参謀総長により2017年12月に20発のロケットが発射された[97]

ガザ地区から発射されたロケットの大半はイスラエルに着弾することは無かったが、一部スデロットアシュケロンなどの住宅地に着弾している。イスラエル国防軍はガザ地区のハマース施設を軍事目標として襲撃、はあれあは更なるロケット発射防止のためガザ地区のサラフィー主義の武装勢力を逮捕し拷問するだろうと報じている[7]

1月11日、イスラエル国防軍との衝突でガザ地区・ヨルダン川西岸地区でそれぞれ1人が死亡した。イスラエル国防軍はガザ地区で武装勢力の暴動により国防軍が危険にさらされていたと述べた。他の事例ではパレスチナ当局者のガッサーン・ダグフラスは何もなしに攻撃したものだと主張しているが、軍が岩で攻撃されたあと主な抗議者に銃撃を行うと述べた。トランプの宣言以来、死者17人がもたらされており、内訳はパレスチナ人が16人とイスラエル人が1人である[98]

ムスリム国

トランプの発表後、イラン・ヨルダン・チュニジア・ソマリア・イエメン・マレーシア・インドネシアでデモが行われた[90]。デモと衝突は12月10日まで続けられた。レバノンの首都ベイルートの付近ではアメリカ大使館の外でレバノンの治安部隊と衝突しており、催涙ガスや放水砲が使用された[59]

ヨルダンのアンマンではアメリカ大使館で数百人規模の抗議が行われ、アメリカ臨時代理大使の解雇・追放をヨルダンに要求した[99]ほか、インドネシアのジャカルタではアメリカ大使館外で数千人規模の抗議が行われ[36]、モロッコの首都ラバトでは12月10日に数万人規模の抗議が行われた[100]

レバノンのヒズボラ議長であるハサン・ナスルッラーフは12月11日に再度パレスチナ・イスラエルに焦点を当てると述べ、アラブ諸国に対して和平交渉の放棄と新たにパレスチナでアルジャジーラを呼びかけるよう求めた[101]。同日にベイルートではヒズボラの支持者達がパレスチナ・ヒズボラの旗を振りながらアメリカの死英語版!イスラエルの死!と復唱していた[59]

ベイルートでは数千人のヒズボラの支持者達がアメリカの死!イスラエルの死!と復唱しながらデモ行進をしていた。アメリカの決定に対してテヘランでは数百人の保守派が集まり、アメリカは殺人鬼だパレスチナ人の母は子供を失っているアメリカの死などの歌詞が含まれる音楽を演奏した[102]

インドネシアでは抗議が継続して10日目となる12月17日、依然として約8万人がジャカルタで首都エルサレム宣言に抗議デモを行っていた。イスラム教徒の聖職者はアメリカ製の製品のボイコットを求めた。アンワル・アッバースインドネシアウラマー評議会英語版代表はボイコットを要求する嘆願書を読み上げた[103]

12月27日、イラン政府はエルサレムをパレスチナの首都として認める法案を可決した初のムスリム国となった[104][105]

アメリカ

アメリカのイスラム教の組織の呼びかけに応じた数百人のイスラム教徒がホワイトハウス外で合同礼拝を行った。中にはパレスチナのカフィエ英語版パレスチナの旗を身に纏いながらイスラエルの東エルサレム合併やヨルダン川西岸地区の存在を非難するプラカードを持った抗議者がいた[106]

タイムズスクエア7番街では数百人の親パレスチナ派の抗議者によって抗議活動が行われたほか、一部の親イスラエル派の抗議者も集まった。両者は押しあったり揉み合いの事態になったことが報告され、警察により1人が拘束された[107]

FacebookでISILを称賛していた元アメリカ海兵隊員は12月25日にサンフランシスコ桟橋39号英語版でISILの影響を受けたテロ計画を立てたとして逮捕された。動機の一つに首都エルサレム宣言を挙げている[108]

ヨーロッパ

オランダでは12月8日、デン・ハーグのアメリカ大使館外で抗議者により反イスラエルと親パレスチナのスローガンを復唱した。抗議者はトランプの政治的・外交的・道徳的価値観に関する決定と題した共同記者会見を行い、さらに抗議者たちはトランプはイスラム教と外国人を嫌悪しており、人種差別主義者で、人民主義談話とその周縁化に向けた行動をとっており、首都エルサレム宣言に驚きはないと述べている[109]

ドイツでは約1000人の反イスラエル・反米の抗議者がベルリンブランデンブルク門にあるアメリカ大使館の外でデモを行った。12月10日、約2500人のデモ隊がベルリンのノイケルン区ダビデの星の旗を燃やした。11人が法に違反したとした逮捕された。ダビデの星を燃やした行為はドイツのアンゲラ・メルケル首相によって非難された[110]

イギリスでは12月10日にロンドンのアメリカ大使館外で数千人が抗議し、主催者は約3000人の抗議者が親パレスチナ派のスローガンを叫んだと主張した。抗議は他にマンチェスターブリストルバーミンガムノッティンガムダブリンベルファストロンドンデリーで行われた[111]

スウェーデンでは12月8日にストックホルムで抗議者によりイスラエルの国旗が燃やされた[112]マルメのデモ行進中、スウェーデン・ラジオはデモ参加者たちが我々はマルメからインティファーダを発表した!自由を返せ!そしてユダヤ人を撃つ!と叫んでいると報じた[113][114]

12月9日、12人の男がヨーテボリシナゴーグ英語版火炎瓶を投げたが、建物内の人々は地下に隠れていたため負傷者は報告されなかった。このことは親パレスチナ派の抗議に続いた[115]。後ほど3人が攻撃により逮捕された。スウェーデンのステファン・ロベーン首相含む政治家がこの攻撃を非難している[116]。12月11日、マルメのユダヤ人墓地礼拝堂が未遂ながら放火の標的となっている[114][117]

ベルリンやイェーテボリ、ウィーンでの抗議ではイスラエルの死ユダヤ人を殺すなど、反ユダヤ主義の歌が復唱された[118]

他国

12月16日、ナショナルジオグラフィックチャンネルのデンマーク人のジャーナリスト2人がリーブルヴィルアッラーフ・アクバルと叫ぶイスラム教徒によって刃物で刺されたとガボンのエチエンヌ・カビンダ・マカガ国防相が述べた。逮捕された抗議者はエルサレムをイスラエルの首都と認めたアメリカに対して複数回攻撃を行っていると警察に述べている[119]

エルサレムへの大使館移転

2018年2月、アメリカ政府はエルサレムの南部アルノナ英語版地区にあるアメリカ総領事館と合併、同年5月に大使館として開館するドナルド・トランプ大統領の計画が実行された。この動きはイスラエル独立宣言70周年に合わせて予定されていたことである[120][121]

2018年5月14日の大使館記念式典に出席したアメリカ代表者の中にはトランプの側近・当局者であるスティーブン・マヌーチンイヴァンカ・トランプジャレッド・クシュナーロバート・ジェフレス英語版ジョン・ハギー英語版が含まれていた[122]

この移転の動きについて両者の議員は共に賞賛した。チャック・シューマー上院少数党院内総務はこの動きは長引くだろうと述べた[123]

大使館の移転は2018年ガザ地区国境抗議英語版が拡大化する中での出来事であった[124][125]

脚注

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  3. ^ Trump officially recognizes Jerusalem as Israel's capital, orders embassy move for USFOXニュース(2017年12月7日,Alex Pappas)2018年5月15日閲覧。
  4. ^ a b Trump signs waiver, won't move US embassy to JerusalemThe TIMES of Israel(2017年6月1日,Eric cortellessa)2018年5月15日閲覧。
  5. ^ Presidential Documents(No. 2018-02 of December 6, 2017)合衆国政府印刷局(PDFファイル)2018年5月15日閲覧。
  6. ^ U.S. CONFIRMS JERUSALEM EMBASSY OPENING IN MAYエルサレムポスト(2018年2月23日,Michael wilner)2018年5月15日閲覧。
  7. ^ a b HAMAS IS ARRESTING AND TORTURING JIHADIS TO PREVENT WAR WITH ISRAELニューズウィーク(2017年12月19日,Jack moore)2018年5月15日閲覧。
  8. ^ Analysis | Hamas Arrests and Tortures Salafi Militants to Curb Gaza Rocked Fire Into Israelハアレツ(2017年12月19日,Amos Harel)2018年5月15日閲覧。
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関連項目