人新世

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人新世(じんしんせい[1]、ひとしんせい[1]: Anthropocene[1])とは、人類地球地質生態系に与えた影響を発端として提案された、完新世に続く想定上の地質時代である。和訳名は人新世のほかに新人世(しんじんせい)もある[注釈 1]。人新世の特徴は、地球温暖化などの気候変動大量絶滅による生物多様性の喪失、人工物質の増大、化石燃料の燃焼や核実験による堆積物の変化などがあり、人間の活動が原因とされる[4]

人新世という用語は、科学的な文脈で非公式に使用されており、正式な地質年代とするかについて議論が続いている[5]。人新世に関しては、さまざまな開始年代が提案されている。完新世暦に対応させて12,000-15,000年前の農耕革命を始まりとするものから、1960年代という遅い時期を始まりとする意見まで幅がある[6]。人新世の最も若い年代、特に第二次世界大戦後は社会経済や地球環境の変動が劇的に増加しており、この時期はグレート・アクセラレーション(大加速)と呼ばれる[注釈 2][8]

語源・語義

英語 Anthropocene は、「man、human、人、人間」を意味する古代ギリシア語のアントローポス ἄνθρωποςラテン翻字:anthropos)を語源とする英語接頭辞 anthropo- と、「new、novel、新しい、最近」などを意味する古代ギリシア語のカイノス καινόςラテン翻字:kainos)を語源とする地質学分野の英語接尾辞地質時代名作成用接尾辞の一つ)-cene で構成される[9]

層序の学術用語の地質年代の「」の英語の語尾のカナ表記が「シーン」であることから自然史分野の術語では「アントロポシーン」を用いる[10][11]が,日本語音写形は英語発音とラテン語風発音の混在した「アントロポセン」[注釈 3]も使われている[注釈 4]。英語にもとづいた発音は「アンソロポシーン」となる[9]

用語の誕生

生態学者ユージン・F・ストーマー英語版が1980年代に "Anthropocene" という用語を造ったと記述されていることも多いが、この用語は1970年代半ばには非公式に使用されていた。オランダ大気化学者パウル・クルッツェンがそれを独自に再発見して普及したとされている[注釈 5][13]

人新世が普及するきっかけは、科学者の会議だった。2000年2月23日にクエルナバカで開催された地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP)の第15回科学委員会会議で、クルッツェンはプレゼンテーションを聞いていた。完新世に関する発言を聞いたクルッツェンは、完新世という語が現在を表現するには不適切ではないかと考えた。完新世は約1万1700年間にわたるが、石器時代と人類の影響が地球規模に及んだ現在では大きく違う。そこで、「完新世という言葉が用いられているが、われわれはもう人新世に入っているのではないか」という趣旨の発言をしたところ、会議は一瞬静まったのちに熱心な議論が始まった。クルッツェンに対して、人新世という語の特許を取っているかとたずねる者もいた[注釈 6]。反響の大きさに驚いたクルッツェンは、人新世という語を先に使っていたストーマーがいることを知る。クルッツェンはストーマーに連絡し、2000年5月にIGBPのニュースレターに共著論文を発表した。最初の論文は1ページだったが、2002年にクルッツェンは「人類の地質学」という論文を雑誌『ネイチャー』に発表し、アカデミックな場で次第に広まっていった。クルッツェンは人新世を隠喩として解釈している[注釈 7][16]

根拠となる仮説

人新世の概念が根拠とする仮説は大きく2つあり、グレート・アクセラレーション(大加速)とプラネタリー・バウンダリー(地球の限界)である[17]。人間活動が全地球的な環境に与える影響についての仮説は2010年代以降に増え、他に第6の大量絶滅仮説(後述)や、フィードバック効果に関するリスク仮説などがある[18]

グレート・アクセラレーション(大加速)

この仮説は2004年から使われている[注釈 8]。社会経済システムと地球システムの12の指標が、過去60年間に加速していると指摘する。社会経済システムの指標は、人口、実質GDP、海外直接投資、都市人口、1次エネルギーの使用、化学肥料の使用、巨大ダム、水利用、製紙、交通、遠隔通信、海外旅行となる。地球システムの指標は、二酸化炭素、窒素酸化物、メタン、成層圏オゾン、地球の表面温度、海洋酸性化、漁獲量、エビ養殖、沿岸窒素の増加、熱帯雨林の喪失、人間による土地利用の増大、陸域生物圏の劣化となる。これらの指標は20世紀後半から急速に上昇傾向にあり、地球環境への負の方向への変化を示している。グレート・アクセラレーションの考え方が普及するまでは、地球環境問題は温暖化などの個別の指標の分析にとどまっていた[8]

グレート・アクセラレーションは、6500万年前の巨大隕石の落下など過去の災害との類似点も比較されている。隕石の落下そのものは地質学的なスケールでは瞬時だが、その影響は長期間におよび大量絶滅も起こした。グレート・アクセラレーションも地質学的スケールには瞬時に終わるかもしれないが、その影響は長期間にわたって継続する[20]

プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)

この仮説は2009年に発表された[注釈 9]。当初の提唱者は、地球システムを研究するスウェーデンの環境学者ヨハン・ロックストロームと化学者のウィル・ステフェン英語版だった[注釈 10]。プラネタリー・バウンダリーは、人間による変化が地球の限界を超えつつあるという警告を含んでいる。地球をシステムとして考えると、恒常性を維持するフィードバックが働いている。しかし、引き返し不能点(ティッピング・ポイント)を超えると、システムは予想がつかない振る舞いをするようになる[22]

仮説では9つの限界点を指標にしている。限界点の種類は、海洋酸性化、気候変動、生物多様性の喪失、生物学的・化学的環境(窒素の循環、リンの循環)、土地利用変化、グローバルな淡水利用、成層圏オゾン層の破壊、大気エアロゾルの負荷化学物質による汚染となっている。この中で、気候変動、生物多様性の喪失、土地利用変化、生物学的・化学的環境は2009年時点ですでに限界を超えたとされている[23]

人類の影響

生物多様性

主な生物多様性に関する環境変化の分野をまとめたもの、基準値(青)に対する人が引き起した変化(赤)の割合として表されている

生物多様性における人類の影響は、人新世の主な属性の1つである[24]。人類の出現による生物の大量絶滅は、第四紀の大量絶滅完新世の大量絶滅と呼ばれ、地球に5度起きたという大量絶滅[注釈 11]の次にあたる「第6の大量絶滅期」とも呼ばれる[26][27]。人間の活動が生物種の絶滅速度を加速させていることに大半の専門家が同意している。その正確な割合には議論の余地があるものの、通常の絶滅速度の約100-1000倍とされる[注釈 12][29]。人類の影響がなければ、この惑星(地球)の生物多様性は指数関数的に成長し続けたであろう、と一部の学識者は仮定している[30]

2010年の調査では、地球の全光合成生物資源の約半分を占める海洋の植物プランクトンは、過去1世紀間に大幅に減少した。1950年からでも、藻類の生物量は恐らく海洋温暖化によって約40%減少したと判明した[31]。2015年に公開された研究では、シイノミマイマイ科のハワイマイマイ絶滅[32]を通して、生物多様性の危機は現実であり、地球上の全生物種の7%がすでに消滅している可能性があるとの結論を導き出した[33][34]。人間による捕食は、他の頂点捕食者を捕まえて食べるなど世界規模の食物網に広範な影響を及ぼし、全世界に分布する歴史上で唯一の「スーパー捕食者」であると指摘された[35]

2018年時点の全哺乳類の生物量[36][37]

  家畜(大半がブタとウシ) (60%)
  人間 (36%)
  野生 (4%)

2017年5月に『米国科学アカデミー紀要』で発表された研究は、人類によって大量絶滅に類似の生物学的全滅(biological annihilation)が進行中であることを指摘し、かつて地球に生息していた動物個体の50%がすでに絶滅していると示唆した[38][39]。同アカデミー紀要で2018年5月に発表された別の研究によると、文明の夜明け以来、野生哺乳類の83%が消滅している。現在では家畜が地球にいる全哺乳類の生物量の60%を占めており、人間(36%)と野生哺乳類(4%)がこれに続く[36][40]生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム英語版(IPBES)がまとめた2019年の生物多様性と生態系サービスに関するグローバル評価報告書英語版によると、動植物種の25%が絶滅の危機に瀕している [41]

昆虫が急速に減少しているという論文も多数出されており、2019年の研究によれば、全ての昆虫種のうち40%が減少しており、数十年で絶滅する可能性がある。特に花粉を媒介するハチやチョウなどの虫や動物の排泄物や死骸を分解する虫、水中に産卵する虫の状況が悪化している[注釈 13]。原因は森林伐採、農地開発、農薬や殺虫剤などの化学物質とされる。昆虫の減少は、それをエサとする全動物の減少、受粉を昆虫に依存する植物の減少、栄養分のリサイクルの減少につながる。顕花植物の75%と、食料供給の1/3にあたる作物の受粉は昆虫に依存している[42]

生物地理学と夜行性

人類の影響による生物分布の永続的な変化は、地質記録で特定可能になるとされている。しばしば当初の予想よりも速い速度で、多くの種族がかつて彼らには寒すぎる地域へと移動するのを、研究者達は確認している[43]。これは気候変化の結果として部分的に発生したものだが、農業や漁業にも対応したり、世界旅行を通じて外来種が新たな地域へと偶発的に入ったことにも対応して発生している[28]

複数の研究者が、人口増加と人類活動の拡大により、ゾウ、トラ、イノシシなど通常は日中に活動する動物種の多くが夜行性になり、人間との接触を避けていることを発見している[44][45]

気候

さまざまな手法で得られた過去2000年間の気温の復元。

人間の活動から生じる地質学的兆候の1つは、大気中の二酸化炭素(CO2)含有量の増加である。過去数百万年間におよぶ氷期間氷期のサイクルで、自然のプロセスはCO2を約100ppm(180ppmから280ppmへと)変化させた[46]。2013年時点で、人為的なCO2の正味排出量は大気濃度を同程度に増加させ、280ppm(完新世または産業革命前の平衡値)から400ppmになり[47]、 2015-2016年のCO2月次監視データは400ppmを超える上昇傾向を示している[46]。地球の気候システムにおけるこの数値は、以前の同様の変化よりもはるかに速く、規模もより大きい[48]

この増加の大部分は、石炭石油天然ガスといった化石燃料の燃焼によるものである。人間による二酸化炭素の排出は、温暖化に影響を与えているとされる。特に北極圏では2倍以上のペースで温暖化が進んでおり、2020年には北極圏に位置するベルホヤンスクで過去最高の気温38度を記録した[42]。温暖化で海底や永久凍土の中にあるメタンが空気中に排出されると、メタンの温室効果は二酸化炭素の25倍あるために温暖化がさらに進む悪循環となる[49]

完新世と人新世を区別する根拠の一つに、気候変動の周期がある。氷期から間氷期のサイクルは10万年、4万年、2万年の周期がある[注釈 14]。氷期から間氷期サイクルの中では急激な気候変動も繰り返されており、「暴れる気候」とも呼ばれる[注釈 15]。完新世は「暴れる気候」がない安定した気候であり、来年が今年と似ていることを前提とした生活が可能となり、人間が農耕による安定した食糧生産を行う基盤となった[51]。地球表面の30%が氷に覆われた最終氷期の終焉は、より多くの水(H2O)がある暖かな世界へとつながった。人類は前の更新世にも存在していたが、繁栄したのは完新世からであり、21世紀は地球の歴史上どの時点よりも多くの人類が生息している[52]。しかし、人新世の気候変動によって安定性が失われる可能性がある[51]

地形学

アラル海が縮小する様子。ソビエト連邦の自然改造計画による農業政策で湖水は減少したが、近年は水位が戻りつつある[53]

人間の活動に起因する排水パターンの変化は、地質構造が侵食されている大陸の大部分で地質時代にわたって持続するだろう。これにはグレーディングと排水制御により定義される道路や高速道路の経路が含まれる。人間の活動(例えば、採石造園)による地球表面の形状への直接的な変化も人間の影響を記録するものである。鉱業によって変形した地形は宇宙からも確認できる[54]

気候変動による極地の氷の融解も人工衛星から確認できる規模となっている[55]。温暖化による海面上昇も地形の変形をもたらす。気温上昇が2度を超えれば、南極では氷の融解が加速化して海面上昇が2倍になる可能性がある。パリ協定以降に各国が出した削減目標では、21世紀中に3度上昇すると予想されている[56]。北極圏では永久凍土の融解で地盤が変化してインフラストラクチャーに被害が出ており、建築物の沈下によるノリリスク油流出事故も起きた[57]。温暖化のペースが続いた場合、世界の山間部の氷河は21世紀中盤で消滅するという研究結果も出た[58]

人間以前に発生したことのない自然プロセスの一例として、カルテマイト英語版層の堆積は人新世のプロセスを表す[59]。カルテマイトとは、コンクリート石灰モルタル、または洞窟環境外にあるその他の石灰質素材から派生した二次堆積物である[60]。カルテマイトは人工構造物(鉱山やトンネルを含む)の上または下で成長し、鍾乳石石筍流華石といった洞窟生成物の形状と似たものになる[61]

地質学

時期区分

地質学の時期区分には「累代」「」「」「」「」の階層があり、累代が最大で、期が最小の区分となる[62]。最も新しい「代」にあたる新生代には7つの「世」があり、暁新世、始新世、漸新世、中新世、鮮新世、更新世、完新世となる。人新世は、これまで完新世の後半とされていた時期を分割して新しい区分にすることになる。地質学的な時期は巨視的時間スケールにあたるが、人間の活動の影響が地質学的に見ても無視できない規模に達していることを示している[注釈 16][64]。堆積物や氷床コアにおける人類活動の気候的、生物学的、地球化学的特徴に関するレポートには、20世紀半ば以降の時代が完新世とは異なる地質時代として認識されるべきだという示唆がある[65]

堆積学的記録

森林伐採や道路造成のような人間の活動が、地球表面の至る所で土砂輸送率の平均値を高めていると考えられている[28]。しかし、世界中の多くの河川におけるダム建設は、人新世における土砂堆積速度がどの場所でも必ずしも増加するとは限らないことを意味している。 例えば、世界中にある三角州の多くは実際にそうしたダムによって土砂堆積物が不足しており、成長するどころか海面上昇に追いつくことができずに沈下しつつある[28][66]

プラスティックの生産が始まって以来、その破片であるマイクロプラスチックが堆積するようになった。マイクロプラスチックは海底から高山まで拡散しており、数百年間にわたって残ると推定される[注釈 17][67]。堆積速度は1940年代から15年ごとに倍増しており、海底で堆積したマイクロプラスチックの2/3は洗濯などで合成繊維の衣服から抜けた繊維だった。マイクロファイバーはプランクトンの活動の妨げになるほか、誤って食べる原因にもなる[68]

化石記録

technofossilの一例

農業やその他作業による侵食の増加は、堆積物の組成変化および他の場所での堆積速度の増加に反映されるであろう。埋め立て政策のある土地区画では、工学的構造物がゴミや瓦礫とともに埋められて保存される傾向がある。 ボートから投棄されたり河川や小川によって運ばれたゴミや瓦礫は、海洋環境の特に沿岸地域に蓄積することになる。 層序に保存されたこうした人工物は「technofossil」[注釈 18]として知られる[28][69]

生物多様性の変化もまた種の導入と同じく化石記録に反映されることになる。 たとえば家禽のニワトリは、元々は東南アジアの赤色野鶏だが、人類の繁殖と消費を通じて世界で最も一般的な鳥になり、年間600億羽以上が消費されて、その骨は埋立地で化石化していくことになる[70]。したがって、埋立地は「technofossil」を発見するための重要な資源である[71]

微量元素

微量元素に関しては、現代社会に多くの明確な特徴が残されている。例えば、ワイオミング州アッパーフレモント氷河英語版では、1960年代の原子兵器試験プログラムの氷床コア塩素の層があり、同じく1980年代の石炭発電所に関連した水銀の層がある。

1945年から1951年まで、核の放射性降下物は原子爆弾の実験場所周辺で局所的に見られたが、1952年から1980年にかけての熱核兵器(水爆)実験では炭素14プルトニウム239その他人工的な放射性核種の世界的な過剰数値が明確に残った。世界的な放射性核種の最高濃度は1965年のことで、人新世の始まりを正式に定義させるためのベンチマークとして提案された年代の1つである[72]

人類による化石燃料の燃焼により、世界中の最近の堆積物で黒色炭素、無機灰、球状炭素質粒子の濃度が上昇している。 これらの濃度は1950年頃から世界中でほぼ同時に著しく増加している[28]。2019年9月17日には、黒色炭素(ブラックカーボン)の粒子が胎盤の胎児面から検出されたとの研究論文が科学誌『ネイチャー コミュニケーションズ』で発表された [73]

期間の定義

人新世の開始時期について議論が続いている。2015年3月のレポートは、人新世の始まりとして1610年または1964年のいずれかを示唆するものだった[74]。他の学者達は人新世の物理層にあるダイアクロナス英語版[注釈 19]な特徴を指摘し、開始と影響は時間経過と共に広がっていくため、単一の瞬間または開始日までは収斂特定できないと反論している[75]

石器時代

地球で起きている環境変化の大半が産業革命の直接的な結果と考えられる一方、古気候学者ウィリアム・ラディマン英語版は人新世が約8,000年前の農耕の発展や定住性文化の発展と共に始まったと主張している[76]温室効果ガスの排出の影響は産業時代が始まりではなく、古代の農民が穀物を育てるために森林を伐採した時期の8,000年前からだという[77]。8,000年前、地球には数百万人が存在していたが、それでも基本的には原始的であった[78]。この主張は、人新世の初期年代が人類の本質的な足跡を説明するという主張の根拠となっている[79]

別の科学者は、この新しい用語を農耕の端緒や新石器革命(約12,000年前)と結び付けている。土地利用、生態系、生物多様性種の絶滅における人口爆発の影響など、人間に関連した証拠は数多い。人間の影響が生物多様性を大きく変えたか停止させたと複数の科学者が考えている[4]。昔の年代を主張する者達は、地質学的証拠に基づいて、提案された人新世が現在の14,000-15,000年前に始まった可能性があると位置付けている。これが「人新世の始まりは何千年も前にさかのぼるべきだ」という他の科学者達の示唆につながっている[80]

この時点で、人類は南極を除く全大陸に散在しており、新石器革命が進行中だった。この時期に人類は狩猟採集での自給自足を補填するまたは置き換える目的で農業や畜産を発展させた[81]。このような革新に続いて、大型哺乳類や陸鳥から始まる絶滅の波が起こった。この波は、人類の狩猟による直接的な影響と、農業での土地利用変化の間接的な影響の両方によって進行した。

ラディマンの研究には、約40万年前の間氷期からのデータによって異論が唱えられた。現在の完新世間氷期が終了するには、さらに16,000年が経過しなければならないことを示唆するもので、そのため初期の人新世仮説は無効とされている[82]

古代

人新世の出発点として、完新世の最終フェーズであるサブアトランティック期英語版[注釈 20]の開始をあげる説がある[83]。当時は、ローマ帝国がヨーロッパ、中東、北アフリカの大部分を占めていた。インドのほぼ全域を統一するマウリヤ朝は、古代で最大の経済規模だった。中国では漢王朝による政治が行われた。日本は弥生時代で稲作が盛んになった。アフリカではナイル川流域にナパタメロエと言った王国が広がっていた。中米ではオルメカ文明、南米ではチャビン文化などのプレ・インカ文明があった[84]。これらの文明においては、数に対する抽象概念、余剰知識の活用による科学(実践的な知識をシステマティックに省察することで生み出される)などの共通点もみられる[85]。古代文明は、サブアトランティック期より前から農耕や伐採によって生態系に大きな影響を与えていた[注釈 21]。加えて、採掘などの一部活動はより広範囲な自然条件の変化をともなった[87]

ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の植民地化

マーク・マスリンとサイモン・ルイスは、人新世の始まりがヨーロッパ人のアメリカ大陸到着に関連した二酸化炭素レベルの落ち込みであるオービス・スパイク(Orbis Spike)にさかのぼる必要があると主張している。1610年頃になると、主にアメリカ大陸の森林再生の結果として、世界の二酸化炭素レベルは285ppm以下に低下した[88]。これは、ヨーロッパ人が持ち込んだ病気によって先住民の人口が急激に減少し、農地を放棄したのが原因である可能性が高く、約5000万人または先住民の90%が死亡した可能性がある。マスリンとルイスにとっては、このオービス・スパイクが国際標準模式層断面及び地点(GSSP)を表すものである。彼らはまた、同大陸の植民地化が世界的な貿易ネットワークと資本主義経済の発展に貢献し、産業革命とグレート・アクセラレーションの始まりに重要な役割を果たした点から、ヨーロッパ人のアメリカ大陸到着に人新世を関連付けることは理にかなっていると主張している[89]。ヨーロッパとアメリカの病気、奴隷貿易、作物の伝播などをめぐる関係は、コロンブス交換とも呼ばれ、「コロンブスの最初の航海を口火として始まった大規模な探検と収奪にともなう、動植物や病原体の大移動」を指す[注釈 22][91][90]

ヨーロッパ人による植民地化でアメリカ大陸の環境は変化した。北米では1685年には森林破壊の影響による洪水が始まり、18世紀には土壌流失が始まっていた。奴隷の労働力に依存した綿花とタバコの栽培は土壌への負担も大きく、2年から3年で収穫が減ったために農地が移っていき、産業革命以降の表土喪失やダストボウルへとつながってゆく[92]

産業革命

大気の証拠に基づく1つの提案として、蒸気機関を発明した産業革命開始時期の1780年頃に設定しようとする案がある[93][94]。クルッツェンは人新世の始まりとして産業革命を提案した[95]。ラヴロックは、人新世が1712年のニューコメン蒸気機関の初実用化から始まったと提案している[96]気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、長期間における温室効果ガスの変化に関連するベースラインとして、産業革命前の時代(1750年として選択)を採用している[97]。産業革命が前例のない世界的な人類の影響の先駆けとなったのは明白であるが[98]、地球の景観の大部分はすでに人間の活動によってだいぶ変えられていた[99]

「黒いブリザード」と呼ばれた1934年のサウスダコタのダストボウル(砂嵐)。大規模なものは高さ数百メートルに達した[100]

大気汚染は、産業革命が最も早く進んだイギリスにおいて問題となった。石炭利用が始まった17世紀には、煤煙による建築物の腐食、肺結核や風邪の増加が記録された。18世紀には炭酸ナトリウムを使うソーダ工業によって酸性雨が降り、工場周辺では農地や森林が枯れた。イギリスでは規制のためにアルカリ法英語版(1863年)が制定され、大気中の二酸化炭素・塩素・硫黄・アンモニアなどを測定する公害観測が始まった[注釈 23][102]。19世紀にはイギリスから排出されたガスが他の地域で酸性雨を降らすようにもなり、生物に悪影響を及ぼすようになった[注釈 24]。アメリカでは過剰な農地化によって1930年代にダストボウルと呼ばれる砂嵐が起き、8億5000万トンの表土が失われて350万人の農民が農地を放棄した。[注釈 25][104]。同様の土壌の荒廃はソビエト連邦時代のウクライナなど世界各地で起きた[106]

産業革命は、気候変動に影響を与える人間の活動が、不平等のもとで進められた点も明らかにしている。2008年時点の先進国は全人口の18.8%でありながら、1850年以降の二酸化炭素排出量の72.6%を利用している。21世紀初頭の全人口のうち45%にあたる貧困層の人々の排出量は7%であり、最富裕層にあたる7%の人々の排出量は50%となっている[107]

1940年代以降

1945年のトリニティ実験は人新世の始まりとして提案されている一つである。

2016年の国際シンポジウム[108]では、グレート・アクセラレーションの開始時期にあたる1950年代が区切り目ではとの意見も示された。この年代は、大気中核実験や安価な原油を利用した工業化による大量生産大量消費、地球規模の大衆化による人工物質の増大、化学肥料農薬品種改良による食糧生産の増大や抗生物質による感染症の予防によって平均余命人口過多が顕著となる時代にあたる[109]。国を超えた広域汚染として最初に問題とされたのは、酸性雨だった。1972年から初の環境問題の国際会議として国際連合人間環境会議が始まり、ヨーロッパと北米で対策が進んだ[注釈 26][110]

2015年1月、AWGのメンバー38人中26人が、提案された新時代の出発点として1945年7月16日に行われた最初の核実験であるトリニティ実験を示唆する論文を発表した[111]。しかし、他の時期を支持する少数派もいる[111]。2019年6月時点で批准プロセスは継続中であり、1945年のトリニティ実験が他の案よりも有力である。2019年5月、AWGは20世紀半ばを開始年代とする票決を行ったが、2021年まで最終決定は行われない模様である[109][112]。トリニティ実験以降の核実験や原子力発電所の事故、産業による化学物質は人間の身体に影響を及ぼし、放射線障害公害病を引き起こした[注釈 27][113]

人新世のマーカー

AWGの報告書『地質年代区分としての人新世 - 科学的エビデンスと最新議論ガイド』(2019年)には、人新世の地層を確認するエビデンスとして、プラスティック、化学物質、放射性物質、絶滅の痕跡、人間活動に起因する地形の変形などがリストにされている[114]

地質学的過去の大きな摂動に関連したスケールに匹敵する、人類の地球規模の影響を説明するマーカーが、大気組成のわずかな変化の代わりとして必要とされている[115][116]。この目的を果たす有用な候補が土壌圏であり、何世紀または何千年も続く特徴を備えた気候と地球化学の歴史情報を保持することが可能である[117]。 人間の活動は現在、土壌形成の6番目の要因として確立している[118]。それは土壌形成に直接的な影響を及ぼし、さまざまな目的の整地や掘削や堤防建設、肥料やその他廃棄物の追加による有機物の濃縮、継続的な栽培や過放牧による有機物の枯渇なども起こる。また侵食された素材や汚染物質の漂流による間接的な影響もある。人為的土壌とは、繰り返される耕作、肥料の添加、汚染、密閉、または人工物の濃縮など、人類活動の影響を受ける土壌のことである。世界土壌資源照合基準においては、アンスロソル英語版およびテクノソル英語版として分類される。それらは、人為的影響の優位性を証明する人工物の宝庫であり、したがって人新世の信頼できるマーカーとされる。一部の人為起源の土壌は地質学上のゴールデンスパイクと見なされるかもしれず、化石の出土を含む明確な証拠をともなう地層がある[83]。化石燃料のための掘削はまた、数百万年間が検出可能と思われる穴や空洞も作った[119]。宇宙生物学者のデビッド・グリンスプーン英語版は、アポロ11号の月面着陸地点を、唯一無二の出来事および人工物であり地質時間スケールを超えて存続するだろうから、人新世のゴールデンスパイクになると提案している[120]

文化

人新世という言葉は、人間の活動が地球規模で環境を激変させ、長期的な痕跡を残すという考えを広めることに貢献した。この考えは自然科学から文化への一方向な影響でなく、相互に影響を与え合う関係にある [注釈 28][122]

人新世は、自然科学以外の分野でも普及が進んだ。2016年1月に上野国立科学博物館で行われた国際シンポジウム「アントロポシーン(人の時代)における博物館 生物圏(バイオスフィア)と技術圏英語版(テクノスフィア)の中の人間史をめざして」では、自然史と人間の活動の歴史(特に産業史技術史科学史哲学史宗教等)の知見で人新世を総体的にとらえることが試みられた。また、人新世は層序学の学術用語としては検討中だが、一般用語として「ルネッサンス」などと同じように人々に使われることは妨げられないことが確認された[注釈 29][123]

学術分野

人文学界では、学術誌の特集課題[124]、会議[125][126]、専門分野のレポート[127]を通して注目を集めている。2013年には、ベルリンの世界文化会館英語版マックス・プランク科学史研究所によって人新世カリキュラムも開始された。これは人新世に関する研究・教育・学習のための方法の樹立を目的としており、学際的な共学習英語版共創英語版の活動を進めている[128]

人新世の概念が広まることで、既存の学術分野に変化をもたらした。自然科学においては地球システム科学が生まれ、社会科学人文科学においては環境人文学が生まれた[129]

地球システム科学

地球システム科学英語版は、地球を単一のシステムとしてとらえ、全地球的な環境を研究する。地球システム科学が扱うデータは、現在の地球環境の状況に加えて、長期の過去も含まれる。これにより、人間活動が地球に与える影響を明らかにすることを目的としている[130]。地球システム科学が可能となったのは、地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP)が1983年に設立され、地球環境の物理的・科学的・生物的要素の分析を続けてきたデータの蓄積の成果がある[注釈 30][131]

環境人文学

環境人文学は、変化する環境と人間の関係を理解し、危機に対応するための学際的な学問である。自然観や環境に対する価値観・倫理観を形成する文化的・哲学的な枠組みを研究し、政策立案や価値観の創造に関わる活動も含まれる[132]。環境人文学の成立にあたっては、1970年代の環境哲学、1980年代の環境史英語版、1990年代のエコクリティシズム、そして人新世の普及による人間観の変化がもとになっている[133][134]

ポップカルチャー・芸術

人新世の概念はポップカルチャーや芸術の領域にも影響を与え、環境アートをはじめ人新世に関連のあるアート作品も制作されるようになった[135]。たとえばKelly Jazvacら3名の共同による『プラスティグロメレート英語版』(2013年)という作品のタイトルの意味は、「人が撒き散らかしたゴミ、または石油製品などが海中等の様々な物質とともに熱せられるなどして石のような塊になった物質」を指す[注釈 31] [136]。人新世をテーマとする展覧会として、ニコラ・ブリオーによる台北ビエンナーレの『グレート・アクセラレーション』(2014)、長谷川祐子によるモスクワ国際現代美術ビエンナーレ英語版の『雲 ⇆ 森』(2017)なども開催された[137]

人新世の概念の普及には映像作品も影響を与えており、『Anthropocene』(2015年)、『Anthropocene: The Human Epoch』(2018年)、『L'homme a mangé la terre』(2019年)などのドキュメンタリー映画は注目を集めた[138][139][140]クリス・ジョーダン英語版はミッドウェイ諸島のアホウドリを撮影し、親鳥からプラスティックを与えられて消化できずに死亡した雛の姿を発表した[141]。ジョーダンはのちにこれを『アホウドリ』(2017年)として映画化した[142]。プラネタリー・バウンダリーの提唱者でもあるヨハン・ロックストロームは、Netflixのドキュメンタリー『地球の限界: 私たちの地球の科学』(2021年)に出演して問題の解決を訴えた[143]。ドキュメンタリー以外の作品としては、アニメ映画『天気の子』(2019年)がある。この作品は気候変動に見舞われる近未来の世界が舞台となり、登場人物が読む雑誌の誌面に「アントロポセン」と書かれているシーンがある[144]。漫画では、産業社会が崩壊し特異な生態系におおわれた地球を舞台にした『風の谷のナウシカ』を人新世に関連づける言及もなされている[145][146]

研究史

前史

1873年には、イタリア地質学者アントニオ・ストッパーニ英語版が地球における人類の力および影響の増大を認めて「人類代 (anthropozoic era)」に言及していた。アメリカの地理学者ジョージ・P・マーシュ英語版は『人間と自然 - 人間行為によって改変されたものとしての自然地理学』(1864年)で産業が地形や地質に与える影響を指摘した[147]

人新世の初期概念は、1938年にソビエト連邦鉱物学者ウラジーミル・ヴェルナツキーによるノウアスフィアで提案された[注釈 32][148]。ソビエト連邦の科学者は、1960年代には早くも「人新世」という用語を使用して最新の地質時代である第四紀に言及していたようである[149]

地球を一つのシステムとして考えることは、ヴェルナツキーの他に1950年代の生物学者ユージン・オダム英語版のエコシステム、1980年代のジェームズ・ラヴロックのガイア仮説などもある[150]。生態学者ユージン・F・ストーマーも異なる意味で「人新世」を使用していた[151]。人間の製造した化学物質が生態系に与える悪影響は生物学者レイチェル・カーソン沈黙の春』(1962年)で指摘され、資源の制約と経済活動の関係についてはローマクラブの報告書『成長の限界』(1972年)がある[152]。しかし、これらの研究は全地球的なデータにはもとづいていなかった[150]

用語の普及

人新世という用語が広まるにつれて、正式な地質年代として登録する活動も始まった。2008年、ロンドン地質学会の層序学委員会は人新世を地質時代区分の正式な単位にすることを検討し、国際層序委員会(ICS)では第四紀層序学小委員会の人新世ワーキング・グループ英語版(AWG)も設立された[153][93]。委員会の過半数が、この提案にはメリットがあり、さらに検証する必要があると判断した。地質学会から独立したさまざまな科学者のワーキンググループが、地質時間スケールに人新世が正式に受け入れられるか否かを判断するようになった[注釈 33][156]

2012年にリオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議英語版では、動画作品『ようこそ、人新世へ』がオープニング上映され、国際社会に知られるようになった。2014年には学術誌『人新世レヴュー(The Anthropocene Review)』が創刊され、2015年には国際学術連合会議の国際プロジェクト「フューチャー・アース」プロジェクトが開始されて『人新世マガジン(Anthropocene Magazine)』が定期刊行された[157]

AWGは2016年4月にオスロで会合を開き、人新世を真の地質時代とする議論を支持する証拠をまとめた[158]。証拠が評価されると、AWGは2016年8月に新しい地質時代として人新世を勧告することを票決した[159]。ICSがこの勧告を承認した場合、この用語を採用する提案は、地質時間スケールの一部として正式採用される前に国際地質科学連合(IUGS)によって批准される必要がある[160]

2019年6月時点で、ICSとIUGSは、この用語を地質時代の公認下位区分としては正式に承認していない[153][161][160]。AWGは、地質時間スケールで人新世を定義するための公式なゴールデンスパイク(GSSP)の提案に向けて2016年4月に票決を行い、その勧告を2016年8月の万国地質学会議に提示した[159]。2019年5月、AWGの会員34人がICSに対して公式提案を行うことに賛成票を投じた[109][162]

2019年4月、AWGは2016年会合で開始されたプロセスを継続するために、ICSへの正式な提案を票決すると発表した[162]。2019年5月21日、AWGの識者34人のうち29人の会員が2021年までに公式提案がなされることに賛成票を投じた。またAWGは20世紀半ばを開始日とする支持にも29票を投じた。国際標準模式層断面及び地点の候補地が10ヵ所認定されており、うち1ヵ所が最終提案に含まれるよう選択される予定である[109][112]。可能性があるマーカーには、マイクロプラスチック重金属熱核兵器の試験によって残った放射性原子核などがある[163]

議論

人新世とそれに付随する時間尺度や生態学上の含意は、死と文明の終焉[164]、記憶と保管記録[165]、人文主義的調査の範囲と方法[166]、および「自然の終焉」への感情的反応[167] についての議論を呼んでいる。人新世がもたらすイデオロギーな側面も批判されている[168]

「人」の定義

人新世における「人」とは何を指すかという議論がある。人新世では人間の影響が自明とされるが、人間による環境操作を正当化する人間中心主義につながることが問題とされる[注釈 34][170]

地域や生活によってエネルギー消費の不平等が存在し、全ての人間が同じように環境に影響を与えているわけではない。たとえば牧畜生活と都市生活ではエネルギー消費の差が1000倍ともいわれ、2008年時点で20億人の人々は電力を使用せずに暮らしている。「人」というくくりで同じ責任を課すことには批判もある[171]

自然や生物種の存続が重要とされる場合、異性愛による再生産の「未来の世代のために環境を守る」という価値観が中心となる点が批判されている。これらはフェミニズムクィア理論の観点からも批判されている[172]。「人」の範囲を拡張して、人間社会を体内の微生物・ウイルス・食用の生物・ペットを含む複数の生物種のコミュニティとみなすマルチスピーシーズのアプローチもある[173]

科学者コミュニティと社会のギャップ

科学者の研究の質と、社会に及ぼす影響のギャップが問題とされている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム英語版(IPBES)では地球のエコシステムに関する知見を報告書にまとめたが、一般社会やメディアでは注目を集めず、経済政策に反映されていない。気温上昇を1.5度から2度以下に抑えるための二酸化炭素の排出可能量は600から800ギガトンとされ、2016年に排出減少を始めれば25年の猶予があったが、2025年に排出減少を始めた場合は10年の猶予しかなく遅すぎるという警告も出された[注釈 35][175]

人新世の社会的起源

人新世が人間の活動を原因(人為起源)とするならば、それは社会活動の帰結でもあり、社会起源ともいえる。自然科学に重点を置いた人新世の議論は、この世界を形作った資本主義帝国主義人種主義などの体系的不平等が考慮されていないという指摘がある。この観点からは人新世は政治・経済的な起源も重要とされる[176]

人新世によって全人類が被害をこうむるという表現がなされることがあるが、そうした表現が災害における不平等を隠すという批判がある。2005年のハリケーン・カトリーナにおけるニューオーリンズの黒人社会と白人社会の違い[171]、2011年のタイの洪水における地方政府と中央政府の対立[注釈 36][178]、海面上昇におけるツバルバングラデシュとオランダの違いなどが一例である[171]

技術的な解決策

人新世の将来に対するアプローチとして、ジオエンジニアリング気候工学による解決という案がある。人新世という用語の普及に貢献したクルッツェンは、ステフェンや歴史学者ジョン・マクニール英語版らと共同執筆した論考で、人新世を3つのステージ(1800年から1945年、1945年から2005年、2015年以降)に分け、ステージ3では人間が地球システムを管理することを求めた。これは気候工学による環境問題の解決にあたる[注釈 37][180]。こうした解決案は批判もされており、いくつかの論点がある。 (1) 素朴な人間中心主義や技術楽観主義である[170]。 (2) 人新世の社会的起源に対する視点がなく、産業革命以降に続いてきた構造的な格差を温存する可能性がある[181]

時間尺度

人新世の期間についての議論として、将来に及ぼす影響がある。仮に排出ゼロをただちに実現したとしても、それまでの完新世と同じ安定した気候を取り戻すには、数世紀から数十世紀が必要とされる[注釈 38]

他方で、時間尺度の観点から人新世を批判する意見もある。地質学的な出来事としては短期間なので、遠い未来の地質学者は数千年という人間文明の存在には気付かないだろうという指摘がある[注釈 39][183]

生物多様性

2012年7月13日、ニューヨーク・タイムズ紙のオプエド記事 は、海洋の生物多様性の終わりを予測して「サンゴ礁は人新世に死んでしまう最初の、ただし確実に最後ではない、主要な生態系になるだろう」とサンゴ礁の将来を断定した[注釈 40][184]。この寄稿記事はすぐに自然保護活動家の間で多くの議論を生んだ。ザ・ネイチャー・コンサーバンシー英語版(TNC)はウェブサイト上で反論し、サンゴ礁を減少させる人間の影響が続いているとはいえサンゴ礁を保護する立場を擁護した[注釈 41][186]

類似語

デヴィッド・グリンスプーンは、人新世をさらに2つの「原始人新世」と「成熟人新世」に分けている。彼はまた「テラサピエンス」という用語や賢い地球(Wise Earth)に言及している[187]

均質新世(Homogenocene)は、現在という地質時代を定義するのに使用されるさらに特有の用語であり、そこでは生物多様性が減少していき、主に意図的または不注意により世界中から持ち込まれた侵入種(作物、家畜)が原因で、世界中の生物地理学生態系が互いにますます似通ってくる時代を指す。均質新世という用語は、1999年の学術誌『Journal of Insect Conservation』の編集記事「諸外国への動物相の移転:ここが均質新世の出現」でマイケル・サムウェイズにより最初に使用された[188]。この用語は2000年に生態学者ジョン・L・カーナットの「均質新世の手引き」と題された短いリストで再び使用されており[189]、それはイギリス歴史学者ジョージ・ウィリアム・コックス英語版による『Alien species in North America and Hawaii: impacts on natural ecosystems』[190](和訳:北アメリカとハワイの侵入種:自然生態系への影響)の批評総括であった[注釈 42][189]

政治経済的な観点からは、人間が選択した資本主義がこの状況を作ったという主張にもとづく資本新世(Capitalocene)という語もある[191][192][193]。また、生物の輸送や殺戮によるモノカルチャー奴隷強制労働などを象徴するために植民新世(Plantationocene)という語もある[191]

出典・脚注

注釈

  1. ^ 第2ドイツテレビ (ZDF) の番組 "ANTHROPOCENE - The Rise of Humans"(制作:ZDF Enterprises〈en〉) [2]NHKによる和訳タイトルは『新人世 人類の時代に未来を見つめて』[3]
  2. ^ 例えば、ロンドン地質学会は1945年をグレート・アクセラレーションとして言及している[7]
  3. ^ th の部分だけ、英語発音[ð]ではなくラテン語発音[t]の音写になっている。仮にラテン語古典式発音[antrōpokēnē]を音写するなら「アントローポケーネー」となる。
  4. ^ 英語発音[/ˈænθɹəpəˌsiːn/]。地質年代片仮名表記は、International Chronostratigraphic Chart にある単元名の「一般的な英語読みをそのまま片仮名にしたもの」がJISの基本方針である[12]
  5. ^ ストーマーは「私が1980年代に "Anthropocene" という語を使い始めたが、パウルが私に連絡するまで全く世に出なかった」と書いている[13]
  6. ^ クルッツェンは「誰かが完新世に関して何事かを述べている会議に自分は出席していた。突然これは間違いだと自分は思った。この世界はあまりにも変わってしまっている。そこで私は言ったんだ「違うよ、我々は人新世にいる」とね。私は咄嗟の思い付きでその言葉を作り上げました。誰もがショックを受けていてました。全員が固まってしまったようだった」と述べている[14]
  7. ^ クルッツェンはオゾンホールの研究でノーベル賞を受賞しており、隠喩の力を熟知していた。たとえば「大気中のオゾン濃度の減少」ではなく「オゾン・ホール」と呼んだほうが、人々の想像を喚起して環境問題を考えさせる影響は大きい。人新世についても、クルッツェンは人間と自然の関係の隠喩だと語っている[15]
  8. ^ IGBPが刊行した『グローバル変動と地球システム - 逼迫する地球環境』という書籍から出た仮説となる[19]
  9. ^ 『ネイチャー』や『サイエンス』など複数の科学誌に掲載された[21]
  10. ^ ロックストロームは水資源のレジリエンスが専門、ステフェンは気候科学や地球科学を専門とする[21]
  11. ^ オルドビス紀デボン紀ペルム紀三畳紀白亜紀の大量絶滅をビッグファイブとも呼ばれる[25]
  12. ^ 絶滅速度の増加は、少なくとも1500年以降は通常ペースを上回っており、19世紀およびそれ以降に加速していると推測される[28]
  13. ^ 2017年までの27年間にドイツの昆虫の生物量は75以上減少し、プエルトリコの熱帯雨林では節足動物全体の生物量が1/10から1/60にまで減っている。[42]
  14. ^ 琵琶湖の湖底のスギ花粉の分析では2万年周期の変動が判明した[50]
  15. ^ 最終氷期の急激な温暖化と寒冷化はダンスガード・オシュガーサイクルと呼ばれ、グリーンランド周辺では数十年間に16度の温暖化も起きた[51]
  16. ^ 近年になって新しく認められた区分としては、2020年に決定したチバニアン期がある[63]
  17. ^ 海底には、海流によってマイクロプラスチックの集まるホットスポットができる。地中海海底では、1平方メートルあたり最大190万個が層をなす場所もあった[67]
  18. ^ まだ定訳は存在しない。直訳するなら「科学技術化石」「テクノ化石」で、人間の科学文明から出たごみ(主に不燃構造物)が地中廃棄されて、地層内で化石同様に形を留めることを言う。
  19. ^ 堆積岩形成物中における素材が似たような性質ながら、堆積場所によって「その年代が異なる」こと。詳細は英語版en:Diachronismを参照。
  20. ^ 国際層序委員会の公式分類とは別に、完新世を5つに区分けしたAxel BlyttとRutger Sernanderによる研究分類における、最も新しい「2600年前-現在まで」を指す期間。詳細は英語版en:Blytt-Sernander systemen:Subatlanticを参照。
  21. ^ 最古の叙事詩ともいわれるバビロニアのギルガメシュ叙事詩には、英雄ギルガメシュが森の神フンババを殺してエンリル神の罰を受ける物語がある。ギルガメシュの目的は森のレバノンスギだったが、紀元前3000年当時すでに乱伐によって減少しており、ギルガメシュが罰を受けたのは森林を保護する観点があるという解釈もなされている[86]
  22. ^ コロンブス交換という表現は、歴史学者アルフレッド・クロスビーが1972年に最初に使った[90]
  23. ^ 初代アルカリ監視官のロバート・アンガス・スミス英語版は『大気と雨』(1872年)で世界初の「酸性雨」という表現を使った[101]
  24. ^ 産業がもたらす環境への悪影響を問題提起した作品として、古くはヘンリック・イプセンの戯曲『民衆の敵』(1882年)がある。ジャーナリズムによる扇動、経済開発に反対する少数派への攻撃など21世紀にも通じる問題が描かれている[103]
  25. ^ アメリカ作家ジョン・スタインベックはこの時代に苦難の生活をした農民を中心とした小説『怒りの葡萄』(1939年)を書いた[104]。ダストボウルによる農耕の危機は、映画『インターステラー』(2014年)のインスピレーションの源にもなった[105]
  26. ^ スウェーデンの土壌学者スヴァンテ・オーデン英語版は、北欧の酸性雨はイギリスやドイツから運ばれた硫黄酸化物が中心であるという研究を1968年に発表した。カナダとアメリカ北東部の酸性化もいちじるしく、越境大気汚染に関する合意覚書を交換した。1987年には「30%クラブ」と呼ばれる二酸化硫黄の削減協約、1991年には窒素酸化物の削減協約などが続いた[110]
  27. ^ これらは作品のテーマにもなった。ネバダやユタを舞台に自然・女性・核技術のつながりについて書くテリー・テンペスト・ウィリアムス英語版水俣病について書いた石牟礼道子らがいる[113]
  28. ^ 英語圏では、人新世をタイトルに含む書籍の出版点数が2016年から2017年に急増し、2019年に70点、2020年に79点となった。内容の多くが社会科学や人文科学となっている。日本で人新世のタイトルの出版物は、2016年発行の雑誌『5 Designing Media Ecology』6号の特集「アンソロポセンの光と影 - 人間と自然の未来」とされる[121]
  29. ^ 「アントロポシーン」は英語での発音からで、地質年代を表す層序の学術用語ならば語尾の発音は通常「~シーン」となる[123]
  30. ^ IGBPには中核となる8つのプロジェクトがあり、地球大気化学研究(IGAC)、全地球海流研究(JGOFS)、地球変化と陸域生態系研究(GCTE)、水循環の生物的側面研究(BAHC)、古環境の変遷研究(PAGES)、沿岸域における陸地 - 海洋相互作用研究(LOICZ)、土地利用・被覆変化研究(LUCC)、全地球海洋生態系動態研究(GLOBEC)となる。この他に大規模な国際研究プロジェクトもある[131]
  31. ^ 作者はKelly Jazvac, Patricia Cororan, チャールズ・ムーア[136]
  32. ^ ヴェルナツキーは1938年に『scientific thought as a geological force(地質学的な力としての科学的思考)』を書いた[148]
  33. ^ 2008年に地質学者のヤン・ザラシーヴィッチポーランド語版は学術誌『GSA Today』で、人新世という時代が今や適切であることを示唆した。ザラシーヴィッチはのちに人新世ワーキング・グループ(AWG)の委員長も務めた[93][154]。米国地質学会は2011年の年次会合のタイトルを「太古代から人新世へ:過去は未来への鍵」と称した[155]
  34. ^ 古代ギリシアの哲学者アリストテレスは著作『政治学』で、アンソローポスを「ゾーン・ポリティコン(政治的生物)」と定義した。古代ギリシアで政治に参加できるのは成人男性の市民であり、女性や奴隷は排除されていた[169]
  35. ^ アメリカでは、ドナルド・トランプ政権が科学政策や環境規制の弱体化を行い、パリ協定からの離脱を決定するという出来事も起きた。のちのジョー・バイデン政権は2021年にパリ協定に復帰した[174]
  36. ^ バンコクの中心部は洪水の被害が少なかったが、他方で中央政府が地方政府の対応に干渉した地域では洪水の被害が悪化したという研究がある[177]
  37. ^ クルッツェンは、冷却効果をもつ硫酸エアロゾルを成層圏に散布する論考を2006年に発表し、従来は軍事利用などの危険性から行われていなかった分野への進出が必要だと論じた[179]
  38. ^ 大気中の二酸化炭素の残留期間は、多数は数百年、10%から15%は1万年、7%は10万年とされる[182]
  39. ^ ピーター・ブランネンの指摘による[183]
  40. ^ 生態学者ロジャー・ブラッドベリーによる[184]
  41. ^ 世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフは1995年と比べて半減しており、サンゴがストレスを受けた時に起きる白化現象が多発している[185]
  42. ^ ジャーナリストのチャールズ・C・マン英語版は著書『1493 : 世界を変えた大陸間の「交換」』で、同質新世のメカニズムおよび進行中の結末に関する見通しを述べている[189]

出典

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  • エミリー・セキネ 著「まずは火山を愛すること - 日本における地質学的親近感の形成」、寺田匡宏、ダニエル・ナイルズ 編『人新世を問う - 環境、人文、アジアの視点』京都大学学術出版会、2021年。 
  • ミッシェル・セール 著、及川馥, 米山親能 訳『自然契約』法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、1994年。 
  • ロハン・デスーザ 著「炭素の森と紛争の河 - 南アジアの歴史叙述から見た人新世」、寺田匡宏、ダニエル・ナイルズ 編『人新世を問う - 環境、人文、アジアの視点』京都大学学術出版会、2021年。 
  • クリストフ・ボヌイユ; ジャン=バティスト・フレソズ 著、野坂しおり 訳『「人新世とは何か 」―〈地球と人類の時代〉の思想史』青土社、2018年。 
  • ヨハン・ロックストローム; マティアス・クルム英語版 著、谷淳也, 森秀行 訳『小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発』丸善出版、2018年。 
  • アナ・ツィン英語版, Heather Swanson, Nils Bubandt, Elaine Gan 編『Arts of Living on a Damaged Planet: Ghosts and Monsters of the Anthropocene』Univ Of Minnesota Press、2017年。 

関連項目

外部リンク