シコラクス (衛星)

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シコラクス
Sycorax
仮符号・別名 S/1997 U 2Uranus XVII
発見
発見日 1997年9月6日
発見者 ブレット・J・グラッドマン
フィリップ・D・ニコルソン
ジョセフ・A・バーンズ
ジョン・J・カヴェラース
軌道要素と性質
平均公転半径 12,179,000 km
離心率 (e) 0.5224
公転周期 (P) 1288.28 日
軌道傾斜角 (i) 146.84° (天王星の赤道面に対して)
159.403°(局所的なラプラス面に対して)
152.51°(黄道面に対して)
天王星の衛星
物理的性質
赤道面での直径 ~190 km
表面積 ~110,000 km2
体積 ~3,600,000 km3
質量 ~5.4 ×1018 kg
平均密度 ~1.5 g/cm3
表面重力 0.040 m/s2
脱出速度 0.087 km/s
アルベド(反射能) 0.07
表面温度
最低 平均 最高
~64K
大気圧 0 kPa
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シコラクス英語:Sycorax、確定番号:Uranus XVII)は、天王星衛星である。発見時の仮符号は S/1997 U 2ある。シコラックスとも表記される。

シコラクスは1997年9月6日から9月7日にかけて、ブレット・J・グラッドマンフィリップ・D・ニコルソンジョセフ・A・バーンズジョン・J・カヴェラースパロマー山天文台の200インチヘール望遠鏡を使って発見した。その際、同じく天王星の衛星キャリバンも発見している。

シコラクスの直径はアルベド(反射能)が0.07であるとの仮定から、190kmと推定されている。また、内衛星群と異なり軌道も大きく傾いており、逆行軌道を持つ不規則衛星である。岩と氷の塊と推定されているが、その表面は異様に赤く、エッジワース=カイパー・ベルト天体と類似を示唆する。恐らく、捕獲されたカイパーベルト天体であろう。

命名の由来

シコラクスという名前は、ウィリアム・シェイクスピア戯曲テンペスト』に登場する怪物キャリバンの母である、舞台の島の元持主の魔女シコラクスにちなんで付けられた。

なお、題材となった『テンペスト』では、当のシコラクスは登場しない。息子キャリバンや主人公のプロスペロー、彼女に幽閉されていた妖精アリエル等、数人の登場人物の台詞に上がるのみの故人である。