牧野宗則

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牧野宗則
誕生日 1940年(昭和15年)2月11日
出生地 静岡県静岡市
国籍 日本の旗 日本
芸術分野 木版画
代表作 「月下岑嶺」「月影」(1983年)など[1]
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牧野 宗則(まきの むねのり、1940年(昭和15年)2月11日 - )は日本の木版画作家浮世絵木版画の高度な技術と創作木版画の精神性を融合・昇華させ、自然の生命の輝きを華麗に表現する。静岡県静岡市葵区出身。次女は同じく木版画家の風鈴丸[2][3]

来歴[編集]

  • 1940年 静岡市で生まれる。
  • 1955年 大村政夫(彫刻家・日展会員)の指導を受ける。この頃から伝統浮世絵木版画に強い関心を持ち、東京・京都の木版画摺師を訪ねて、伝統木版画の制作現場に触れる。
  • 1958年 静岡県立静岡高等学校卒業。卒業記念作品として『木版画集』を発行。家業の植物油脂卸売業を手伝いながら、創作版画の制作をする。彫り台・摺り台・刷毛・彫刻刀・鮫皮等の専門道具を揃えながら、たびたび東京・京都の摺師の仕事場を訪れ仕事を見学しながら技法を学ぶ。
  • 1958年 木版画摺師小川文彦・松本節太郎・佐々木茂ら多くの職人から伝統木版画の技術をまなび、高度な技法を修得していく。
  • 1968年 静岡県版画協会会員になる。
  • 1970年 技法修得のため諸作品の復刻を行う。
  • 1975年 木版画制作にすべてをかけ、プロの版画家として進むことを決意。
  • 1977年 全国各地で個展開催。
  • 1981年 福井県今立町(現・越前市)の越前和紙の紙漉師・岩野治夫との出会いがあり、自分の作品に適した手漉和紙づくりをはじめる。
  • 1982年 和歌山県有田郡清水町(現・有田川町)に伝わる紀州和紙「保田紙」の復活に際して「保田紙」を版画用紙として改良するために協力。
  • 1983年 静岡県美術家連盟会員になる。
  • 1983年 '83フィナール国際美術展に『月下岑嶺』を出品。
  • 1983年 '83日仏現代美術展(パリ展・グランパレ・ナショナル・ギャラリー)に『月影』を出品。
  • 1985年 上海大学美術学院招請訪問。任意(同美術大学副院長・版画家)の案内で、上海水印木刻(中国木版画)蘇州木版画の制作現場を訪問し、日本の伝統木版画と中国木版画との関係、及び制作技法の特徴について学ぶ。
  • 1986年 静岡県版画協会を退会する。
  • 1986年 牧野宗則後援会発会。
  • 1986年 ジョスリン美術館作品展(オマハ
  • 1986年 静岡県立美術館にて技法講座「伝統木版画の技法」を開催。
  • 1986年 訪米(ニューヨーク・シカゴ・オマハ・ボストン・シアトル)ボストン美術館訪問。
  • 1987年 『牧野宗則木版画集』発行(阿部出版)。
  • 1987年 日本縦断展を開催。
  • 1989年 日本生命創業100周年記念カレンダー「牧野宗則 日本の四季」発行
  • 1989年 郵政省より「静岡市制100周年記念・静岡駿府博覧会記念━絵入りはがき(5枚組)」が発行される。
  • 1989年 第一回川村賞受賞。牧野宗則の世界展(川村文化振興財団主催 日本生命協力)を開催。
  • 1990年 裾野市にアトリエを移す。(設計・象設計集団
  • 1990年 ラ・ホール富士(富士市勤労者総合福祉センター)に大型陶板壁画「なでしこの花」を制作。
  • 1991年 長崎県立美術館にて技法講座を開く。1992年にも開催。」
  • 1992年 浮世絵太田記念美術館で現存作家で初めての個展「北斎広重からの華麗なる展開 牧野宗則木版画展」を開催。続いて札幌・静岡・長崎・佐賀で開催。
  • 1992年 『牧野宗則自選木版画集』発行。
  • 1992年 伊藤忠商事(株)・(株)メイビスにより、作品『創世』の創作記念ビデオを制作。
  • 1992年 同ビデオが第5回日本産業文化映像祭において文部大臣賞受賞。1992年教育映画・ビデオ祭において優秀作品賞受賞。
  • 1992年 静岡新聞社創刊50周年記念・SBS静岡放送開局40周年記念として牧野宗則木版画3部作「創世」「五彩の海」「むらさきの風」を発表。
  • 1992年 クーポール会館(静岡市)に大型陶板壁画「むらさきの風」を制作。
  • 1993年 NHKテレビ「土曜美の朝」放映。
  • 1993年 NHKBSテレビ生紀行「豊饒の干潟を描く」放映。
  • 1994年 静岡県文化奨励賞受賞。
  • 1994年 作品を再度摺り増しする気持ちはないので、資料として残したい版木以外は二度と摺れないようにするために、とりあえず約60種の作品約300枚位の版木を焼却する。
  • 1997年棟方志功・牧野宗則二人展」を九州各地で開催。
  • 1999年 浮世絵太田記念美術館で「北斎・広重からの華麗なる展開」第2回牧野宗則木版画展。
  • 1999年 掛川二の丸美術館(静岡県掛川市)にて「海の光・山の光━生きる歓び 牧野宗則木版画展」開催
  • 1999年 神戸阪急ミュージアムにて「牧野宗則木版画展」開催。(神戸新聞社共催)
  • 1999年 Bunkamura Gallery(東京渋谷)で個展開催。('02 '04 '06 '08)
  • 2000年 南アルプス市立春仙美術館にて「自然讃歌━牧野宗則展」開催。
  • 2000年 静岡新聞社創刊60周年・SBS静岡放送開局50周年記念の作品を風鈴丸と共に制作、発表。松坂屋静岡店で「牧野宗則・風鈴丸親子展」開催。
  • 2001年 静岡市文化功労者。
  • 2001年 平野美術館(浜松市)にて「牧野宗則・風鈴丸木版画二人展」開催。
  • 2002年 富士市総合センターフィランセ富士に大型陶板壁画「光明」を制作。
  • 2003年 文化庁長官表彰受賞。
  • 2003年 郵政公社より「新静岡市発足記念・絵入りはがき(5枚組)」発行。
  • 2003年 「国際園芸博覧会━浜名湖花博」の公式記念メダルの原画「sweet angel」を制作。
  • 2004年 版木の美しい部分のみを切り取り、版木そのもので作品制作することを決断。ブロックス・アートと名付け作品を発表する。
  • 2007年 長崎大丸にて「伝統版画300年の奇蹟━牧野宗則木版画展」開催。(長崎新聞社主催)
  • 2007年 太宰府天満宮宝物殿「平成の餘香帖」完成記念展の「春彩」を出陳・収蔵。
  • 2007年 裾野市民文化センターにて「牧野宗則・風鈴丸木版画親子展」開催。(裾野振興公社・裾野市民文化センター主催)
  • 2008年 富士市文化センター・ロゼシアターにて「牧野宗則・風鈴丸親子展」開催。(富士市文化振興財団主催)
  • 2009年 浮世絵大田記念美術館にて「第3回 北斎・広重からの華麗なる展開━牧野宗則展」開催。
  • 2009年 掛川二の丸美術館にて「伝統版画300年の奇蹟 牧野宗則展」開催。
  • 2009年 「牧野宗則全木版画集」発行。(阿部出版・静岡新聞社)
  • 2009年 静岡空港ターミナルビルに陶板壁画「いのちの花」制作。
  • 2010年 ニューヨークのニッポンクラブで「牧野宗則展」開催。
  • 2021年(令和3年)12月17日-26日、コロナ禍で延期されていた次女・風鈴丸との「二人展」を銀座和光ホールで開催[4]

その他[編集]

1980年頃より毎年数回日本各地の主要百貨店・ギャラリー等で個展開催。

脚注[編集]

  1. ^ 版画ネット(牧野宗則)
  2. ^ 旬な人・風鈴丸(前編)株式会社しずおかオンライン(2009年04月23日)
  3. ^ 旬な人・風鈴丸(後編)株式会社しずおかオンライン(2009年04月25日)
  4. ^ “現代の浮世絵”表現競う・静岡の牧野宗則さん風鈴丸さん、都内で二人展静岡新聞社(2021年12月14日)