片岡啓治

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片岡 啓治(かたおか けいじ、1928年3月1日 - 2004年12月)は、日本のドイツ文学者、文化・思想評論家翻訳家

獨協大学名誉教授。

略歴[編集]

東京府出身。東京大学卒。ドイツ文学、哲学マルクス主義ヴィルヘルム・ライヒなどを翻訳し、寺子屋を運営。

1982年エルンスト・ブロッホ『希望の原理』の共訳で日本翻訳文化賞受賞。

獨協大学外国語学部助教授、83年教授。98年定年退職、名誉教授。

映画や日本現代文学、幕末史についても書いた。

著書[編集]

翻訳[編集]

  • 『夜の人』(ベルンハルト・ボルゲ、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1960
  • 『病める芸術か、健康な芸術か』(ジェルジ・ルカーチ、現代思潮社) 1960
  • 『ビスケーン湾の殺人』(ブレット・ハリディ、早川書房) 1961
  • 『ヘルマンとドロテア』(ゲーテ学習研究社、世界青春文学名作選) 1962
  • 『アルト・ハイデルベルク / 三色すみれ』(マイアー・フェルスター / シュトルム、学習研究社、学研新書、世界青春文学名作選) 1962
  • 「世界青春文学名作選」(学習研究社、学研新書) 1962、1964-1965
    第1『若きウェルテルの悩み / みずうみ / トーニオ・クレーゲル』(ゲーテ / シュトルム / トーマス・マン
    第3『人形つかい』(シュトルム)
    第11『水晶』(シュティフター
    第12『美しき誘い』(シュトルム)
    第16『春の調べ - よき友ハインの物語』(シュトラウス)
    第18『美しき惑いの年』(カロッサ
    第20『村のロメオとユリア』(ケラー
    第22『美しき魂の告白』(ゲーテ)
    第27『片意地娘』(ハイゼ
  • 第三帝国への抵抗』(ハンス・ロートフェルス、平井友義共訳、弘文堂) 1963
  • サダコは生きる ある原爆少女の物語』(カール・ブルックナー、学習研究社) 1963
  • 『喪われた栄光 プロシアの悲劇』(M・デーンホフ、学習研究社) 1963
  • トーマス・マン論』(G・ルカーチ、現代思潮社) 1963
  • 『死の記録 アウシヴィッツ収容所長の手記』(ルドルフ・ヘス、弘文堂) 1964、のち改題『アウシュヴィッツ収容所』(講談社学術文庫)
  • 『空気の話 生命を培う大気の生態』(テオ・レープザック、弘文堂) 1964
  • 『いのちの炎は燃えて 抵抗者たちの最後の手紙』(P・マルヴェッツィ,G・ピレリ編、弘文堂) 1965
  • 『ドイツの将来 その文化と政治経済』(マリオン・G・デーンホフ,ルドルフ・ワルター・レオンハルト,テオ・ゾンマー、弘文堂) 1965
  • 『工業社会とマルクス主義 ソヴエト・マルクス主義批判』(マルクーゼ林書店) 1967
  • 『唯一者とその所有』(シュティルナー、現代思潮社、古典文庫) 1967 - 1968
  • 『夢なきドイツ 繁栄の中の苦悩』(E・ウイセリンク、弘文堂新社) 1967
  • 『ポツダムからモスクワまで』(マルグレーテ・ブーバー=ノイマン、筑摩書房、現代世界ノンフィクション全集8) 1968
  • ゲシュタポ・狂気の歴史 ナチスにおける人間の研究』(ジャック・ドラリュ、サイマル出版会) 1968、のち講談社学術文庫
  • 『生と死の衝動』(ヘルベルト・マルクーゼ、清水多吉共訳、合同出版) 1969
  • 『精算』(デーリ、恒文社、現代東欧文学全集4) 1969
  • 『革命的ヒューマニズムの展望』(レオ・コフラー、河出書房新社) 1971
  • 『異化』(エルンスト・ブロッホ種村季弘,船戸満之共訳、現代思潮社) 1971
  • 『ロマンの魔術師 トーマス・マン論』(ジェルジ・ルカーチ、立風書房) 1971
  • 『弁証法的唯物論と精神分析』(ヴィルヘルム・ライヒ太平出版社、ライヒ著作集8) 1972
  • 『性道徳の出現』(ウィルヘルム・ライヒ、情況出版) 1972
  • ニヒリズム革命』(ヘルマン・ラウシュニング、学芸書林) 1972
  • 『息吹き』(ハインリヒ・マン、恒文社、東欧の文学) 1972
  • 表現主義』(J・ウィレット、平凡社) 1972
  • 『衝動的性格』(W・ライヒ、イザラ書房) 1973
  • ゲシュタポへの挑戦 ヒトラー暗殺計画』(ロジャー・マンヴェル,ハインリヒ・フレンケル、新人物往来社) 1973
  • 『血で書かれた言葉 最後の手紙が語るナチス残虐史』(P・マルヴェッツイ,G・ピレリ編、サイマル出版会) 1974
  • 車輪の下』(ヘッセ、春陽堂書店、春陽堂少年少女文庫) 1978
  • 『マルクス主義革命論史 1 マルクス・エンゲルスの革命論』(広松渉共編、紀伊国屋書店) 1982
  • 『希望の原理』(ブロッホ、山下肇ら共訳、白水社) 1982
  • 『操られる情報 ソ連・東欧のマス・メディア』(パウル・レンドヴァイ、朝日新聞社) 1984
  • 道化 つまずきの現象学』(コンスタンティン・フォン・バルレーヴェン、法政大学出版局、叢書・ウニベルシタス) 1986