くまモンのIC CARD

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「タッチ&ゴー」の動き

くまモンのIC CARD(くまモンのアイシーカード)は、熊本県内の鉄道・バス事業者各社で導入されている非接触型ICカード乗車券である。イメージキャラクターはくまモン。正式名称は熊本地域振興ICカード(くまもとちいきしんこうアイシーカード)。

概要[編集]

相互利用関係(クリックで拡大)

ソニーの非接触型ICカードFeliCaの技術を用いたIC乗車カードで、2015年(平成27年)4月1日に熊本県内に本社を置く九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道熊本バス熊本都市バスの5社が導入した。上記各社の路線バスおよび熊本電気鉄道の電車で使用できる。電子マネー機能も有しており、加盟店の商業施設で利用可能。

上記バス事業者5社と熊本市電で使える磁気式プリペイドカードであるTO熊カードの後継的なカードだが、バス事業者各社は導入・維持コストが安く熊本地区独自の各種サービスに対応しやすい地域独自のカードを導入する一方、熊本市は全国相互利用方式のICカードを導入する方針をとり、西日本鉄道などで導入されているnimocaを「でんでんnimoca」として採用したため、熊本市電とバス各社で別々のICカードが導入されることとなった。

2015年8月7日に熊本市電で片利用を開始し[1]、2016年3月23日に全国相互利用カード(nimoca・SUGOCAはやかけんSuicaPASMOICOCAPiTaPaTOICAmanacaKitaca)の片利用を開始することで、熊本市電とバスとの共通利用を図る[2][3][4]。なお、全国相互利用カードのシステムを地域独自カードにも対応させるのは全国初の試みである[5]

システム構築はNECおよびトリニティ[6][7][8]。カード発行とシステム運営は肥後銀行の子会社である肥銀カードが行っている。2015年の運営開始から、肥銀コンピュータサービスが運営を担当してきたが、2019年4月に肥銀カードに移管され、その後肥銀コンピュータサービスは2021年11月に九州デジタルソリューションズに社名変更している[9]

沿革[編集]

  • 2015年4月1日 - 発売開始。記念の特別仕様のカードを各社の窓口において合計1万枚限定で販売[10]
  • 2015年8月7日 - 熊本市電への片利用開始、熊本市電で「くまモンのIC CARD」が利用可能になる[1]
  • 2015年8月31日 - 定期券・シニアパス60の搭載を開始[11]
  • 2016年3月1日 - 熊本市が発行する高齢者・身障者・被爆者優待証(さくらカード)交付者対象の「おでかけICカード」をくまモンのICカードとして運用開始[12]
  • 2016年3月23日 - JR九州との提携で全国相互利用カードの片利用を開始、熊本市電の「でんでんnimoca」との相互利用開始[2][4][13]
  • 2019年4月1日 - 運営会社が肥銀コンピュータサービスから肥銀カードに変更[14]

利用範囲[編集]

バス[編集]

九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バスの一般路線バス全路線が利用できるほか、阿蘇くまもと空港リムジンバスでも利用できる。産交バスにおいては、TO熊カード未導入だった熊本都市圏外を運行する車両を含め全車で使用可能となった。産交バスが県内各地で運行するコミュニティバスでも多くが利用可能であるが、人吉周遊バス「じゅぐりっと号」と、トヨタ・ハイエース(まめバス)を使用する人吉地区の尾曲線・涼水戸温泉前線・小柿公民館前線・七地線および水俣市の水俣駅前 - 葛彩館線は使用不可である。また、都市間バスではTO熊カード時代からの天草・高森・福岡・延岡線に加え新たに大分線や九州横断バスでも使用可能となったが、それ以外の都市間高速バス(本州方面夜行便を含めた事前予約が必要な座席指定制の路線)・定期観光バスでは使用できない。

TO熊カードと同様の乗り継ぎ割引がある。

高速バス・長距離バス[編集]

高速バス・長距離バスは以下の路線を対象としている。※印は九州産交グループ運行分のみ対応。

熊本電気鉄道(電車)[編集]

熊本電気鉄道の鉄道路線全線で利用可能である。

熊本電鉄では無人駅から現金・回数券・定期券で乗車する場合は乗車時に整理券を車内で取るが、ICカードでの乗車処理を行うカードリーダーは車内ではなく各駅ホームに設置している。降車時の処理は有人駅(北熊本駅、駅係員配置時間中の藤崎宮前駅および黒髪町駅)では駅改札口で行い、それ以外はバスと同様の車載機による処理となる。

熊本市電[編集]

熊本市電はnimoca(でんでんnimoca)エリアであるが、当カードも利用できる。

辛島町電停でのA・B系統相互乗り換え時にはnimocaと同様にカードのみで乗り継ぎ処理が可能であるが、TO熊カードで適用されていた熊本市電同士の乗り継ぎ割引および熊本市電とバスの乗り継ぎ割引は適用されない。また、市電利用時にはポイントサービスは付与されないほか、市電の定期券は搭載できない。

商業施設[編集]

下通上通とその周辺部の店舗や、九州産交グループの商業施設などを中心に導入されている[15]

種類[編集]

  • 一般券 - 個人情報を登録しない(紛失しても再発行できない)無記名式と、個人情報を登録する記名式がある。記名式には小児用・普通身障者用・小児身障者用カードもあり、小児用・小児身障者用は小学6年生の3月31日まで有効。普通身障者用カードは1年間の有効期限がある。発売額は2,000円(ストアードフェア1,500円+デポジット500円)。
  • 定期券 - 記名式カード・小児用カード・身障者用カード・小児身障者用カードに搭載可能。2015年8月サービス開始。
  • 学生カード - 中学生、高校生、大学生、専門学校生などが対象の記名式カード。鉄道・バス利用時に100円ごとに2ポイント(他種は1ポイント。詳細は後述)が付与される。複数人分の運賃支払いは不可能。
  • おでかけICカード - 熊本市内に在住する70歳以上の高齢者及び身障者が対象の記名式カード。運賃が大人正規の1割となるおでかけICカード①(身障者用)と、2割となるおでかけICカード②(高齢者用)の2種類がある。いずれも利用は熊本市内の一般路線バス(しろめぐりん(観光周遊バス)や一部の臨時バスも含む)に限られ、その他のバスは利用できない。また、他の市町村へ(から)は境界停留所から(まで)正規運賃での利用となる。なお、利用時には熊本市から交付される「さくらカード」を一緒に携帯して降車の際、乗務員に提示する。2種類とも数年度ごとに更新が必要。
  • シルバーパス - 高齢者向け全線乗り放題パスを搭載した記名式カード。九州産交バス・産交バスが発売しているサンコーパス65(満65歳以上)と、熊本電気鉄道が発売しているシニアパス60(満60歳以上)を搭載できる。熊本電鉄のみ2015年8月サービス開始、九州産交バス・産交バスは開始日未定。

発売箇所[編集]

バスや電車の車内、各バス・鉄道事業者営業窓口で購入できる。バスや電車の車内では無記名式カードのみを販売している。

チャージ[編集]

カード販売窓口、加盟店の商業施設、カード対応のバス・熊本電鉄電車車載機(運賃箱)、熊本市電車内(運賃箱)、チャージ機で行うことができる。

バス・電鉄電車内でのチャージは1回につき3,000円までで、カードの残高が20,001円以上の場合車内でのチャージはできない。市電車内でのチャージは最高20,000円までで、カードの残高が10,001円以上の場合車内でのチャージはできない。いずれの場合も千円札のみ使用可能で、硬貨や千円札以外の紙幣ではチャージできない。なお、カードのチャージ限度額は30,000円である。

肥銀カードおよび日専連ファイナンスが発行するクレジットカードと紐付けしてのオートチャージに対応する。

ポイント[編集]

鉄道・バスでの利用金額が2,000円ごとにボーナスポイントがつく。最高10,000円以上で250ポイント(学生カードは300ポイント)が、基本ポイントと別に付与される。なお年に数回、期間限定でポイントが倍付けとなるキャンペーンや、カード会員限定でポイントが付与されるアンケートを実施している。キャンペーンやアンケートは、公式ウェブサイトで事前に発表される。

鉄道やバス・買い物利用でのポイントのほかに、公式ウェブサイトで事前に発表される指定のボランティア活動またはイベントに参加すると付与されるスペシャルポイントが共通ポイントとなっており、100円ごとに1ポイント(学生カードで鉄道・バスを利用時のみ100円ごとに2ポイント)が付与される。1ポイント1円換算でポイントを交換してSF(ストアードフェア)として使うことができる。ただし、おでかけICカード利用の場合は買い物利用についてのみポイントの対象となり、付与されたポイントはSFチャージできない。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 市電で熊本地域振興ICカード「くまモンのIC CARD」が使えます 熊本市交通局 2015年7月24日
  2. ^ a b 県内バス、全国型IC乗車券対応 来月23日~ - 熊本日日新聞2016年2月2日
  3. ^ 熊本県内路線バス(電鉄電車含む)における「SUGOCA」等の 全国相互利用 10 社の交通系ICカード利用サービス開始について (PDF)
  4. ^ a b “県内路線バス 全国型IC乗車券の利用可に”. 熊本日日新聞. (2016年3月23日). https://kumanichi.com/news/local/main/20160323007.xhtml 
  5. ^ 市電における熊本地域振興ICカード利用環境構築について (PDF) - 熊本市交通局、平成25年度 第4回熊本市公共交通協議会(平成25年10月1日開催)資料
  6. ^ NEC、熊本県内の公共交通機関や商業施設で利用できる「熊本地域振興ICカード」のシステムを構築 - 日本電気、2015年4月1日
  7. ^ 熊本地域振興ICカード(愛称:くまモンのIC CARD) 2015年4月サービス開始 - トリニティ、2014年12月9日
  8. ^ 「くまモン」のICカードで地域振興、新システムが稼働 - ITmediaエンタープライズ、2015年4月1日
  9. ^ 会社概要”. 九州デジタルソリューションズ. 2021年12月14日閲覧。
  10. ^ くまもんのIC CARD(熊本地域振興ICカード)サービスイン記念カードの発売について 2015年3月6日
  11. ^ 8/31『くまモンのIC CARD』に定期券導入! ICカード定期券により、通勤通学がますます便利になります! (PDF)
  12. ^ おでかけICカードについて
  13. ^ 熊本の電車・バス、全国相互利用ICカードに対応…3月23日から
  14. ^ ≪重要≫ 運営会社変更のお知らせ”. 肥銀カード (2019年3月26日). 2021年12月14日閲覧。
  15. ^ 使えるお店一覧

参考資料[編集]

外部リンク[編集]