無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜
| 無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜 | |
|---|---|
| 小説 | |
| 著者 | 九頭七尾 |
| イラスト | 上田夢人 |
| 出版社 | アース・スター エンターテイメント |
| 掲載サイト | 小説家になろう |
| レーベル | アース・スターノベル |
| 連載期間 | 2017年11月15日 - 2020年5月15日 |
| 刊行期間 | 2018年7月14日 - 2019年6月15日 |
| 巻数 | 全4巻 |
| 漫画:無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが -才能ゼロの成り上がり- | |
| 原作・原案など | 九頭七尾、上田夢人 |
| 作画 | 名苗秋緒 |
| 出版社 | アース・スター エンターテイメント |
| 掲載サイト | コミック アース・スター |
| レーベル | アース・スター コミックス |
| 発表期間 | 2018年11月10日 - |
| 巻数 | 既刊10巻(2025年10月現在) |
| アニメ | |
| 原作 | 九頭七尾 |
| 監督 | 矢花馨 |
| シリーズ構成 | 日暮茶坊 |
| 脚本 | 日暮茶坊 |
| キャラクターデザイン | 千葉孝幸、徐学文 |
| 音楽 | 朝比奈健人 |
| アニメーション制作 | studio A-CAT |
| 製作 | 無職の英雄製作委員会 |
| 放送局 | TOKYO MXほか |
| 放送期間 | 2025年10月1日 - 12月17日 |
| 話数 | 全12話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
| ポータル | ライトノベル・漫画・アニメ |
『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』(むしょくのえいゆう べつにスキルなんかいらなかったんだが)は九頭七尾による日本のライトノベル。小説投稿サイト『小説家になろう』にて2017年11月15日から2020年5月15日まで連載され[1][2][3]、2018年7月よりアース・スターノベル(アース・スター エンターテイメント)から書籍化されている。イラストは上田夢人。
メディアミックスとしては名苗秋緒によるコミカライズ『無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが -才能ゼロの成り上がり-』が『コミック アース・スター』(アース・スター エンターテイメント)にて2018年11月10日より連載中[4][5][6]。テレビアニメ化が発表され、2025年10月から12月まで放送された[7]。
原作ノベルとコミカライズ版の累計で、100万部の発行部数を記録している[8]。
あらすじ
[編集]十歳になると女神からの祝福として「職業」を与えられる世界。最上級職である《剣姫》の母と《魔導王》の父の間に生まれた主人公アレルは、祝福の儀を受けたが職業の祝福を持たない《無職》であることが判明する。しかしアレルは全く悲観することなく、人並外れた修行をすることで職業によって得られる「スキル」を自分自身の力のみで再現することに成功。
職業に縛られず、剣の都市では剣士系スキルを極め、魔法都市では魔法学園内の6つの学院全てを同時に履修するといった具合に、特定職のスキルを極める毎に別の職業を学んでいくアレルは、《無職》でありながら様々な上級職のスキルを併用できる非常識な強さを身に着けることになる。
登場人物
[編集]アレルとその関係者
[編集]- アレル
- 声 - 小野賢章(15歳以降)[7]、津田美波(幼少時代)
- 本作の主人公。《魔導王》・レオンと《剣姫》・ファラの息子。初登場時10歳。10歳で《無職》と認定されるが、本人の努力を楽しむ性格や身内が無職に寛容だったことから絶望することはなく、努力して《剣士》、《魔術師》、《調教師》と各職業系統の使うスキルを身に着け、異常な強さを発揮する。スキルの模倣は実際に他人が使うのを見なければ行えないため、修行のために各都市を回り、行く先々で騒動を起こすことになる。
- 15歳になって剣の都市ブレスギアに旅立ち、母・ファラが所属してたギルド「ドラゴンファング」に入る。《無職》でありながら剣神杯トーナメントに優勝して剣士系の頂点に立ち、自分の知る最強の剣士であるファラに再戦するため故郷へと帰る。
- 自分に出来たことゆえにライナとの間に生まれた双子・アークとレイラには幼少時から厳しい修行を課し、その一環として出た旅の途上で魔王を倒してしまった。
- なお、故郷の人間は家族以外その実力を理解しておらず、修行の旅も「使えない職業を与えられたショックで家出していたのだ」と思われている。
- ライナ
- 声 - 早見沙織[9]
- ヒロイン。初登場時11歳。自警団長・エバンスの娘。アレルと同郷の少女《剣士》。アレルより1歳年上。ブレスギアでアレルと再会する。後にアレルと結婚して21歳の頃に男女の双子・アークとレイラを産む。
- レオン
- 声 - 高橋伸也[10]
- アステアとアレルとミラの父であり、アークとレイラの祖父。初登場時35歳。
- 《魔術師》系の最上級職である《魔導王》と思われているが、実際にはその更に上の超級職である《魔導神》である(魔法学院で上級クラスに進級するとすぐに退学し、別の学院に入学し直していたため、実力を気付かれなかった)。
- ファラ
- 声 - 中原麻衣[10]
- アステアとアレルとミラの母であり、アークとレイラの祖母。初登場時35歳。
- 《剣士》系の最上級職である《剣姫》と思われているが、実際にはその更に上の超級職である《剣神》である(騒がれるのが面倒で、昇格を黙っていた)。
- アステア
- 声 - 礒部花凜[10]
- アレルの姉。ブラコン。初登場時13歳。アレルより3歳年上。アークとレイラの伯母。《領主》系の最上級職《女皇》。童顔かつ幼児体型で、アレルが成長した後も容姿はほとんど変化していない。
- アレルが《無職》だったことにショックを受け、彼が不自由なく暮らせる世界を創るため家を飛び出し、「皇国」を建国。命令を与えた相手に絶対的な忠誠心を植え付け服従を誓わせるスキル〈天命〉によって、わずかな期間で大国へと成長させた。
- 上級職であろうと《無職》であろうと差別されることなく平等な扱いを受けるその国風によって実際に救われた者もいるのだが、逆に言えば努力をして能力を高めることに意味がない世界であり、努力を生きがいとするアレルにとっては最も生きにくい国であった。そのため、「無駄な努力は止めてお姉ちゃんと結婚してこの国で楽しく暮らそう」という彼女の誘いはアレルに拒絶されてしまう。
- 〈天命〉は強力なスキルではあるが、相手に声を聴かせなければ効果は発動しない。そのためアレルは風魔法で彼女の発する声を遮断することで(アニメ版は自分の耳の周囲を風魔法で塞ぐことで)〈天命〉の効果を防いだ。また、母親のファラにも「母の愛はスキルになど縛られません」という謎の理屈によって〈天命〉が通用しなかった。
- ミラ
- 声 - 井口裕香[10]
- アレルの妹。ブラコン。《殺し屋》系の最上級職《暗殺姫》だが、兄も含めて周囲には隠している。アレルが10歳の頃に生まれた。祝福の儀を受けた直後に失踪し、ある目的の為に自分の能力を上げるための修行を行った。修行からの帰還後は、アレルの代わりにその息子であるアークに執着するようになる。
- アーク
- アレルとライナの息子。レイラと双子。アレルが20歳でライナが21歳の頃に生まれた。地球で中学1年生で病死した少年・田中帝王の生まれ変わり。アレルのつける修業で幼少時から非常識な実力を持つ。10歳で《無職》と認定される。実は異世界転生者で、すでに完成した人格を持っていてレイラのフォローをすることが多い。強くなれたのはともかく、《無職》と認定後、アレルから(レイラとの差を埋めるため)追加で課された特訓に嫌気が差して家を出ると言い出す。
- web連載版では第五章でアレルに代わってアークが主人公になり、上記の異世界転生者設定が独白で判明した。書籍版はアレルが主人公の第四章までで完結。漫画版は第五章分もコミカライズされている。
- レイラ
- アレルとライナの娘。アークと双子。アレルが20歳でライナが21歳の頃に生まれた。アレルのつける修業で幼少時から非常識な実力を持つ。10歳で《魔導剣姫》と認定される。アレルと比べて脳筋気味で単純なためか、正面からの力押し一辺倒になることが多い。幼少時からの修業も当たり前に受け入れており、アークがアレルから(レイラとの差を埋めるため)追加で課された特訓を「自分も受けたかった」と言っている。
- エバンス
- 声 - 大泊貴揮
- ライナの父親。アレルたちの故郷の村の自警団長の男性。アークとレイラの祖父。
剣の都市ブレスギア
[編集]- リリア
- 声 - 上坂すみれ[9]
- ロッドの娘で、職業は上級職《細剣士》。アレルやライナより年上だが、小柄で幼児体型。やる気を失った父に代わり、ギルド「ドラゴンファング」を支える中心人物だが基本的に身勝手で他人に頓着しない性格。ギルド対抗戦に必要な最低人数3人を揃えるため、アレルに目をつけて強引に勧誘する。《無職》と知った当初は手のひらを返して追い出そうとするが、アレルがブラックブレードのA級剣士5人を圧倒したことで態度を一変。色仕掛けで婚姻を迫りギルドに縛り付けようとするが、貧乳であるため巨乳好みのアレルには全く相手にされていない。
- その後、アレルがアークとレイラの修業のためにブレスギアを訪れた際に再会するが、都市は魔族の襲撃を受けており、人質をとられて戦えなくなった味方を無視して戦った挙句、ギルド拠点が陥とされそうになったので抜け穴から逃げようとしていた。アレルたちの助けで解決した後は父親に叱られ、戦闘で傷ついた都市の片付けをやらされていた。なお、すでに三十路だが、性格が災いして未だに独身。
- ロッド
- 声 - 四宮豪
- リリアの父で、「ドラゴンファング」のギルド長。かつてはファラと並ぶトップレベルの剣士で、メンバー育成にも熱心だったが、片腕を失ったことで二刀流が前提の最上級職《双剣王》のスキルが使えなくなり、酒に溺れて没落。しかし、スキルが使えない《無職》のアレルが剣神杯トーナメントを制した姿に感化されて復活。再び多くのメンバーが所属するようになったギルドを率い、厳しく鍛える日々を取り戻す。
- ゲオルグ
- 声 - 荻野晴朗
- 剣の都市ブレスギアにあるトップランクのギルド「ブラックブレード」のギルド長。職業は最上級職《剣帝》。中年の男。表向きは実力者として振る舞うが、裏ではギルドの地位を守るために卑劣な妨害行為も辞さない。
- 鬼神デゥルゲルダ
- 声 - 間宮康弘
- かつて邪神が魔界からこの世界に召喚した魔王軍の幹部の一人。当時の《剣神》アレキサンダーに倒されたが、自分を斬り殺した剣に怨念として取りつき、呪いの剣と化していた。剣神杯トーナメントでのアレルの快進撃に脅威を感じたゲオルグが剣を抜いたため彼の肉体を乗っ取って数百年ぶりに復活した。しかし、現代の《剣神》の教えを受けてそのスキルも習得していたアレルの敵ではなくあっさり倒され、滅びてしまう。
魔法都市アルスベル
[編集]- カイト
- 声 - 千葉翔也[11]
- 10歳の「祝福の儀」で《魔術師》の職業を授かり、魔法都市アルスベルの魔法学院への入学を目指す幼なじみ3人組のひとりで、唯一の男子。使える魔法スキルは<赤魔法>。馬車で乗り合わせたアレルが《無職》と名乗った際には嘲笑するが、アレルが最上級赤魔法エクスプロージョンでトロルキングを撃破する姿を目の当たりにし、態度を一変。弟子入りを志願し、以降は勝手に「師匠」と呼ぶようになる。10年後にアレルたちがアルスベルを訪れた時は赤の学院の教授となり、クーファと夫婦となっていた。
- クーファ
- 声 - 大久保瑠美[12]
- 幼なじみ3人組のひとりで、使える魔法スキルは<青魔法>の少女。勝ち気な性格で、カイトとはしばしば口喧嘩を繰り広げる。10年後は青の学院で教授となっていた。
- コレット
- 声 - 小倉唯[11]
- 幼なじみ3人組のひとりで、使える魔法スキルは<緑魔法>の少女。気弱で緊張しやすく、失敗を恐れて行動できない性格だったが、アレルの助言によって自信を取り戻し、無事に魔法学院への入学を果たす。10年後は黄の学院の補助教員となっていた。
- 魔法学院の院長たち
- レッドラ (赤)
- 声 - 天﨑滉平
- ブルーナ(青)
- 声 - 佐々木未来
- グリン(緑)
- 声 - 手塚ヒロミチ
- イエロア(黄)
- 声 - 高橋伸也
- ホワイト(白)
- 声 - 愛原ありさ
- ブラグ(黒)
- 声 - 加藤渉
- アルスベルには赤・青・緑・黄・白・黒のそれぞれの魔法に対応した学院があるが、それぞれが自分たちの使用する魔法が至上のものと信じて他の学院をライバル視しており、年に1回行われる魔導神祭における対抗戦以外での交流はほぼ皆無である。そのため、アレルが6つの学院を掛け持ちで入学していても、誰も気づくことはなかった。
- マティ(マスティマ)
- 声 - 梶原岳人
- 黒の学院の図書室で無造作に置かれていた本に封印されていた悪魔。アレルが本を開いたことで復活し、魔界への帰還の手土産としてアレルの命を狙う。魔法を完全に封じる結界を展開し、魔術師を無力化するはずだったが、剣士スキルも使えるアレルには通用せず、反撃の隙もなく物理攻撃で一方的に切り刻まれる。不死身の肉体は魔力の消耗により徐々に縮小し、最終的には手のひらサイズにまで弱体化。降参した後、アレルの呪縛魔法によって使い魔として従属させられる。
- 本来は数万の配下を従える魔界の侯爵だが、力を失った現在では、アレルの周囲からは「小悪魔」程度にしか認識されていない。アレルの非常識な言動に対して、常識人としてツッコミを入れる役回りを担うことが多い。面従腹背の姿勢を取りつつも、呪縛による苦痛を避けるため、渋々従っている。
- プルル
- 声 - 小倉唯
- 都市から配分される予算の配分を削られることに立腹した黒の学院長が、黒魔法の力を証明するために魔界から召喚したグラトニースライム。物理攻撃が無効な上に、魔法を吸収して際限なく巨大化するため倒す方法はほぼ無いが、アレルが使用した6系統の魔法全てを一つに統合した消滅魔法・イレミネーションによって撃退される。わずかに残っていた破片に隷属魔法をかけることでアレルの第2の使い魔となり、「プルル」と名付けられた。アレルが敵の魔法攻撃を防御する盾として重宝されるが、育ちすぎるとその都度イレミネーションによってトリミングされて元の大きさに戻っている。
- なお、黒の学院長はプルルを召喚してすぐに食べられてしまい肉体を失ったが、黒魔法によって幽霊としてこの世に留まり学院長を続けることになった。
皇国編
[編集]- グレッゾ
- 魔法都市アルスベルからの帰郷途中、アレルが立ち寄った都市の支配者。上級職《大領主》のスキル<絶対命令>を用い、相手の意志を無視して命令を強制することができる。その力を背景に、都市の住民を職業ごとに六等級へと分け、自らを頂点とする差別的な階級社会を築き上げていた。下位等級の者は利用できる店すら制限されるなど、徹底した支配を行っていた。
- しかし、最下級とされる《無職》のアレルには<絶対命令>が通用せず、逆に痛手を負わされて取り逃がしてしまう。さらに直後に皇国軍が侵攻。皇国の《女皇》アステアのスキル〈天命〉の影響下では<絶対命令>が無効化され、都市は皇国の支配下に置かれ、グレッゾは領主の座を追われることとなった。
- アニメ版では皇国編が1話に圧縮された影響で階級都市のエピソードが削られたため登場しない。
- 皇国八将軍
- 皇国において突出した能力を誇る八人の女性最上級職。内訳は《忍姫》クレハ、《獣王》ティルガ、《竜騎姫》ドーラ、《戦姫》リアナ、《死霊王》イグベルギア、《大聖女》フィーナ、《海賊姫》キナ、《魔剣姫》エレネラ。
- 女皇アステアから「《無職》のアレルを連れてくるように」と命じられると、理由を問わずにその命令を遂行しようとする。階級都市の制圧時にアレルの痕跡をつかんだことで、手柄を競い合う形で強引に連行を試みるが、アレルの《無職》とは思えぬ戦闘力に翻弄され、結局取り逃がしてしまう。その後、先回りしてアレルの故郷の村を皇国軍で制圧しようとするも、《剣神》ファラと《魔導神》レオンに返り討ちに遭う。
- さらに、女皇の正体に気づいたアレルと娘のお仕置きにやってきたファラがそれぞれ単独で皇都へ乗り込んだ際には、残された八将軍が守備役として立ちはだかる。しかし、双方に完膚なきまでに敗北を喫し、女皇の家族に手を出すことの禁忌を痛感することとなった。以降は、たとえアステアの命令であっても彼女のためにならないと判断すれば、盲目的に従うのではなく反抗も辞さない姿勢を取るようになる。
- なお、皇国は国民が平等に扱われる体制を敷いており、八将軍の給料も一般兵と同じである。しかし、彼女らは〈天命〉に従うことで精神的な充足を得られるため、待遇に対する不満を抱くことはない。
用語
[編集]- 職業
- 本作の世界における「職業」とは、生活の糧を得る「仕事」を指すものではなく、10歳になると受ける「祝福の儀」によって女神から授けられる才能の特典を意味する。作中では《剣士》《商人》などのように《》で括って表記され、RPGにおけるキャラクタークラスに近い概念である。
- 親と同じものになることが多いが、実際に儀式を受けるまでは何が授けられるかは分からない。職業には「基本職」「上級職」「最上級職」「超級職」の4段階あり、通常は基本職として経験を積むことで上位の職へと昇格するが、まれに最初から上級職を授かる者も存在する。超級職は伝説に残るレベルの幻の職業である。
- また、《盗賊》《殺し屋》《詐欺師》など、いわゆる悪党系の職業も存在し、これらを授けられた者は本人の資質に関係なく社会的に差別され、結果として裏社会で生きる道を選ばざるを得ないケースが多い。
- スキル
- 職業を授かると同時に自動的に得られる能力で、作中では<>で括って表記される。たとえば、《剣士》であれば<剣技>、《商人》であれば<目利き>といった具合に、職業に対応した特定のスキルが付与される。スキルを持たない者と比べて、戦闘や生活面で圧倒的な優位性を持つとされる。
- 本来のスキルは女神の祝福によって付与され、使用者が意識するだけで自動的に発動する。しかしアレルのスキルは他人の使うスキルを分析した上で、発動する仕組みを自分自身の力のみで再現したものである。そのため、スキルの内容に独自のアレンジを加えることも可能であり、ライナから《剣士》の<双刃斬り>を模倣した際には、本来ならば一度の発動で2つしか飛ばないはずの斬撃を3つに増やすことで、オリジナルを超えた攻撃力を発揮している。
- 《無職》
- 主人公・アレルが祝福の儀で授かった職業。いかなるスキルも得られず、別の職業に成長することもないため、世間では「才能無し」として極端に蔑視される存在である。しかしアレルは、並外れた努力と修練によって、スキルを持つ者と同等以上の能力を自力で再現しており、その生き様が物語の核心となっている。
- 加護
- 職業と同様に、女神から《無職》を含むすべての人間に授けられる能力。全身を覆う微かに光るオーラのようなもので、受けたダメージを一定量肩代わりする防護機能を持つ。RPGにおける「ヒットポイント」に相当する概念であり、減少した加護は時間の経過による自然回復、あるいは聖水の摂取によって回復する。
- 魔法
- この世界の魔法は大きく分けると以下の6系統に分かれており、同じ基本職の《魔術師》であっても覚える魔法スキルが異なるため、通常は1系統の魔法しか使用できない。スキルさえあれば基本的な魔法はイメージするだけで自動的に術式が作られるが、応用的な魔法は魔法文字を正しい文法で組み合わせて術式を書き換える必要があるため、祝福の儀で《魔術師》となった者は10歳で魔法都市へ行き、6つの学院のいずれかの入学試験を受けるのが通常である。
- アレルは魔法スキルを持たないため、父親のレオンから6種類の魔法文字と文法を学び、あらかじめ作成した術式を丸暗記することで魔法を使用している。
- 赤魔法 - 火や熱などに関する魔法
- 青魔法 - 水や氷、冷気などに関する魔法
- 緑魔法 - 大気や天候などに関する魔法
- 黄魔法 - 土や金属などに関する魔法
- 白魔法 - 光や生命などに関する魔法
- 黒魔法 - 闇や死などに関する魔法
- 人格分離法
- アレルが6系統すべての魔法を習得するために編み出した学習法。自らの意志で人格を分離し、複数の思考を同時並行で行うことで、異なる内容を同時に学習したり、睡眠中に魔法訓練を続けることが可能となり、習得に要する時間を飛躍的に短縮することができた。多重人格とは異なり、分離された人格は元の性格をそのまま保持している。
- 戦闘面で応用することで、魔法の準備をしながら武器で戦う、複数の術式を同時に構築して一つの魔法へ統合する、といった離れ業を可能にする。また、洗脳系スキルによる支配を受けても、人格を分離して主人格を交代させることで無効化できる。
- このあまりに人間離れした学習法を聞いた学院長たちは、口をそろえて「お前は本当に人間か?」とアレルにツッコミを入れた。
- 原作およびコミカライズ版では、寝ながら飛行魔法を練習している場面で「人格分離法」の詳細が説明されているが、アニメ版では「眠りながら魔法を使える」という描写のみが示され、理論的背景には触れられていない。
反響
[編集]Amazon.co.jpの書籍版1巻販売ページにて、ある読者が本作について「不快感の塊のような主人公」「バトルシーンもひどく擬音だらけの落書き」などと酷評。作者の九頭はこの感想に対して『小説家になろう』に投稿した最新話のあとがきで「単なる読解力不足」と反論し、「たぶん書籍版はもとよりWEB版もちゃんと読んではないんだろうなぁ」と苦言を呈す。後日、反論を受けた読者側は投稿を追記し、再び本作品および作者を批判する、という口論が起こり、ネット上で話題になった[13]。
テレビアニメ版は、地上波より1週先行配信されているdアニメストア、ABEMA、U-NEXTでは、再生回数ランキングで首位を争っている[14][15]。
既刊一覧
[編集]小説
[編集]- 九頭七尾(著)・上田夢人(イラスト) 『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』 アース・スター エンターテイメント〈アース・スターノベル〉、全4巻[3]
- 2018年7月14日発売[16]、ISBN 978-4-8030-1204-0
- 2018年11月15日発売[17]、ISBN 978-4-8030-1248-4
- 2019年3月15日発売[18]、ISBN 978-4-8030-1274-3
- 2019年6月15日発売[19]、ISBN 978-4-8030-1303-0
漫画
[編集]- 九頭七尾(原作)・上田夢人(原作)・名苗秋緒(漫画) 『無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが -才能ゼロの成り上がり-』 アース・スター エンターテイメント〈アース・スターコミックス〉、既刊10巻(2025年10月10日現在)
- 2019年6月12日発売[20]、ISBN 978-4-8030-1298-9
- 2020年3月12日発売[21]、ISBN 978-4-8030-1395-5
- 2020年9月12日発売[22]、ISBN 978-4-8030-1447-1
- 2021年3月12日発売[23]、ISBN 978-4-8030-1497-6
- 2021年10月12日発売[24]、ISBN 978-4-8030-1568-3
- 2022年5月12日発売[25]、ISBN 978-4-8030-1642-0
- 2023年10月12日発売[26][27]、ISBN 978-4-8030-1846-2
- 2024年6月12日発売[28]、ISBN 978-4-8030-1959-9
- 2025年3月12日発売[29]、ISBN 978-4-8030-2090-8
- 2025年10月10日発売[30]、ISBN 978-4-8030-2195-0
テレビアニメ
[編集]2023年10月にテレビアニメ化が発表された[27][31]。2025年10月から12月までTOKYO MXほかにて放送された[12][32]。
スタッフ
[編集]- 原作 - 九頭七尾[7]
- キャラクター原案 - 上田夢人、名苗秋緒[7]
- 監督 - 矢花馨[7]
- シリーズ構成 - 日暮茶坊[7]
- キャラクターデザイン - 千葉孝幸、徐学文[33]
- 総作画監督 - 千葉孝幸、Xu Xuewen
- プロップデザイン - 山本恭平
- 色彩設計 - 勝田綾太、山本真希[33]
- 美術設定 - 金延連[33]
- 美術監督 - 安田ゆかり[33]
- 3D監督 - 後藤優一
- 撮影監督 - 加納篤[33]
- 編集 - 村井秀明[33]
- 音響監督 - 森下広人[7]
- 音響効果 - 林佑樹[33]
- 音響制作 - ダックスプロダクション[7]
- 音響制作担当 - 川添憲五[33]
- 音楽 - 朝比奈健人[7]
- 音楽制作 - MAGNET
- 音楽プロデューサー - 君塚耕太
- チーフプロデューサー - 江波戸憲司、松田大洋、山岡勇輝、大森慎司、後藤哲、大貫佑介
- プロデューサー - 村上滋基、佐藤友紀、柴山智歩、猪狩秋帆、君塚耕太、清水美幸、佐藤俊亮、髙橋暁、馬場哲平
- アニメーションプロデューサー - 本田稔裕
- アニメーション制作 - studio A-CAT[7]
- 製作 - 無職の英雄製作委員会[33](YTE、ドコモ・アニメストア、アース・スター エンターテイメント、MAGNET、BSフジ、studio A-CAT、カルチュア・エンタテインメント、ブシロードムーブ)
主題歌
[編集]各話リスト
[編集]| 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1話 | 無職宣告 | 日暮茶坊 | 矢花馨 | 矢花馨 |
| 2025年 10月1日 |
| 第2話 | 剣の都市ブレスギア | 10月8日 | ||||
| 第3話 | ギルド対抗戦 | 張瑾輝 |
| 10月15日 | ||
| 第4話 | 地下ダンジョン | 木尾寿久 | 大山博史 | 新井将生 | 梶浦紳一郎 | 10月22日 |
| 第5話 | 剣神杯 | 秋月月日 | おぎ原まこと | Jinhui Zhang |
| 10月29日 |
| 第6話 | アレルの帰省 | 木尾寿久 | 西田正義 | 箕ノ口克己 |
| 11月5日 |
| 第7話 | 魔法都市アルスベル | 日暮茶坊 | 矢花馨 |
| 11月12日 | |
| 第8話 | 魔法学院 | 秋月月日 | おぎ原まこと | 村上勉 |
| 11月19日 |
| 第9話 | 飛行レース | 日暮茶坊 | 新井将生 | 箕ノ口克己 |
| 11月26日 |
| 第10話 | 悪魔の契約 | 秋月月日 | 西田正義 |
| 12月3日 | |
| 第11話 | 無職の英雄 | 木尾寿久 | おぎ原まこと | 村上勉 |
| 12月10日 |
| 第12話 | 女皇の皇国 | 日暮茶坊 | 矢花馨 |
| 12月17日 | |
放送局
[編集]| 放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [35] | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年10月1日 - 12月17日 | 水曜 22:00 - 22:30 | TOKYO MX | 東京都 | |
| 2025年10月3日 - 12月19日 | 金曜 0:30 - 1:00(木曜深夜) | BSフジ | 日本全域 | 製作参加 / BS/BS4K放送 / 『アニメギルド』枠 |
| 2025年10月6日 - 12月22日 | 月曜 22:30 - 23:00 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / 字幕放送[36] / リピート放送あり |
| 配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
|---|---|---|
| 2025年9月24日 | 水曜 22:00 更新 | |
| 2025年10月1日 | 水曜 22:00 以降順次更新 |
|
BD
[編集]| 巻 | 発売日[37] | 収録話 | 規格品番 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2026年1月30日 | 第1話 - 第4話 | TCBD-1870 |
| 2 | 2026年2月27日予定 | 第5話 - 第8話 | TCBD-1871 |
| 3 | 2025年3月27日予定 | 第9話 - 第12話 | TCBD-1872 |
脚注
[編集]ユニットメンバー
出典
[編集]- ↑ “無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜”. 小説家になろう. 2025年3月10日閲覧。
- ↑ “無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜”. 小説家になろう. 2025年3月10日閲覧。
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- 1 2 3 4 「『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』メインビジュアル&ティザーPV公開、追加声優に大久保瑠美さん! OP主題歌は花耶さん、ED主題歌はウタヒメドリーム オールスターズが担当」『アニメイトタイムズ』アニメイト、2025年7月20日。2025年7月23日閲覧。
- ↑ 「ラノベ作家、「低評価」口コミに猛反論 「単なる読解力不足」と苦言」『J-CASTニュース』ジェイ・キャスト、2018年7月18日。2024年9月3日閲覧。
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- ↑ 「【週間サブスクランキング】『ワンパンマン』『SPY×FAMILY』が安定感 週の後半は『無職の英雄』が席巻」『gamebiz』2025年10月18日。2025年10月26日閲覧。
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- ↑ “無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが-才能ゼロの成り上がり-10”. アース・スター エンターテイメント. 2025年10月10日閲覧。
- ↑ 「『無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが』TVアニメ化決定」『ラノベニュースオンライン』Days、2023年10月13日。2024年9月3日閲覧。
- ↑ “アニメ「無職の英雄」10月1日にスタート、アレルの過去や戦闘シーン収めたメインPV”. コミックナタリー. ナターシャ (2025年9月5日). 2025年9月5日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “STAFF&CAST”. TVアニメ『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』公式サイト. 2025年7月23日閲覧。
- 1 2 “ONAIR”. TVアニメ『無職の英雄 ~別にスキルなんか要らなかったんだが~』公式サイト. 2025年9月16日閲覧。
- ↑ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ↑ “週間番組表(2025/10/06~2025/10/12)”. AT-X. エー・ティー・エックス. 2025年9月10日閲覧。
- ↑ “Blu-ray”. TVアニメ『無職の英雄 ~別にスキルなんか要らなかったんだが~』公式サイト. 2025年10月1日閲覧。
外部リンク
[編集]- 無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜 - 小説家になろう
- 無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが - アース・スターノベル
- 無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが -才能ゼロの成り上がり- - コミック アース・スター
- TVアニメ『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』公式サイト
- TVアニメ『無職の英雄 〜別にスキルなんか要らなかったんだが〜』公式 (@mushoku_eiyu) - X(旧Twitter)