火病

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火病
鬱火病
各種表記
ハングル 화병 / 홧병
울화병 / 울홧병
漢字 火病
鬱火病
発音 ファッピョン
ウラッピョン(<ウファッピョン)
日本語読み: かびょう、ひびょう
うっかびょう、うつひびょう
2000年式

MR式

英語表記:
Hwabyeong(hwa-byung) / Hwatbyeong
Ulhwabyeong / Ulhwatbyeong
Hwapyŏng / Hwatpyŏng
Ulhwapyŏng / Ulhwatpyŏng
Hwabyung / Hwapyung
Ulhwabyung / Ulhwapyung]]
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火病(ひびょう、かびょう、ファッピョン[1]、ファビョン[2]: 화병[注釈 1])は、鬱火病(うっかびょう、うつひびょう、ウルァッピョン/ウラッピョン[4]: 울화병[注釈 2]: 울홧병[6])の略称で、朝鮮民族に顕著にみられる文化依存症候群(文化結合症候群)[1][7][8][9][10][11]

精神疾患と指摘されている病気[3][12]中央日報は「火病は韓国だけで確認されている精神医学的症候群」と記載している時もあるが[13]北朝鮮でも類似の症状が確認されているように[14]、朝鮮民族(韓国民族)にみられる民族特有の情緒由来の疾病[11]。朝鮮民族が怒りや悔しさ、(ハン)などの感情が長期間持続した場合に患うとされる[15]。中央日報によると、では韓国のサラリーマンの90%が罹患経験があり、「くやしいことにあったり恨めしいことを体験して、積もった怒りを抑えることができずに表れる身体や精神のさまざまな苦痛」とし、主に胸にしこりがあるように感じる、苦しさと熱が体内からこみ上げてくるような症状が現れる[4]韓国健康保険審査評価院(HIRA)の調査結果で、2011年から2013年の3年間における火病と新たに診断された韓国人の年間平均が約11万5000人である。その内、女性患者数が約7万人で男性を大きく上回り、特に40~50代の中年層が多い[13][15]米精神医学会『精神障害の診断と統計マニュアル』の巻末附録「文化的定式化の概念と文化と結び付いた症候群の用語集」では「韓国人(Korean)にだけ現れる珍しい現象で、不安・うつ病・身体異常などが複合的に現われる怒り症候群」と記載され[1]、1995年[4]又は1996年[11]から「火病(hwa-byung)」として記載している[注釈 3]。韓国には火病専門の「火病クリニック」もある[8]

概説[編集]

朝鮮における火病の歴史は古く、朝鮮王朝時代にまでさかのぼる[19]正祖の母親は著書『閑中録』の中で怒りによって胸が痛み、極度の不安を感じたり、うつ状態になったりする火病と酷似した病を「火症」と表現している[20]。火病は「お腹の中に火の玉があがってくるようだ」という韓国人に特有な愁訴が特徴で、「怒りを抑圧し過ぎたことによって起きる心身の不調」とされる[21][9]

『DSM-IV精神疾患の診断・統計マニュアル』によれば、症候として、不眠疲労パニック、切迫した死への恐怖、不快感情、消化不良、食欲不振、呼吸困難動悸、全身の疼痛、心窩部に塊がある感覚などを呈する[16]、という。元「ミス・コリア」で韓方医のキム・ソヒョンによれば、冷えの症状のほか、消化不良、頭痛めまい、慢性疲労、不眠・抑うつ症状などが現れる[7]、という。

また、医師でメンタルヘルスガイドの中嶋泰憲によれば、不眠、激しい疲れ、パニック、今にも死んでしまうような感覚、冴えない気分、消化不良、食欲消失、息苦しさ、動悸、体の痛み、みぞおちのしこり感といった異変が心身に生じる、という[9]

精神科医キム・ジョンウによると、火病は一種のストレスの病気であるが、一般的なストレス病では急にストレスが表われる場合が多いのに対し、火病では同じストレスを六カ月以上受けるという[22]。また、怒りの原因を我慢することで起きるのが特徴であるという[22]。また、キム・ジョンウは、韓国人の精神科医が集まると「火病になる人は純粋で頑固な人が多い。患者が楽天的で、融通性があり、たまには人を騙したり、悪いことを見て見ぬ振りができれば、神経症にかからないのに」という話をよくすると述べている....[23]。火病の原因はであり、弱くて善なる人間が強者に対して感じる劣等感葛藤として現われるという[24]

傾向[編集]

かつては患者の80%が女性だったが、近年は男性の患者も増加傾向にあるとされる[17]

2012年現在、韓国の小・中・高校生648万人のうち105万人(16.2%)は、うつ病の兆候や暴力的な傾向を示す「要関心群」で、そのうち22万人は、すぐに専門家の診断や治療を受けるべき「要注意群」であるという[25]

韓国健康保険審査評価院の調査結果では、韓国で火病の診療を受けた患者数が年間11万5000人に上り、そのうち女性患者数が7万人と男性を大きく上回り、特に40~50代の中年層が多かった[26]

2015年1月27日の就職ポータル「Career」の調査によると、韓国の会社員の90.18%が職場で火病の経験があると答えたとされている[27][28]

ネットスラング・衝動的憤怒[編集]

医師の中嶋泰憲は、ネットでは「急に怒り出す人」の代名詞のように使用されるが、本来の火病は韓国人が「怒りを長期間、心の底に抑圧させた結果」発症する文化依存症であり、主に韓国人の中年女性に起きる。そのため、意味が全くの誤解であると述べている[9]室谷克実によると、日本の2ちゃんねる用語では「火病 (かびょう・ファビョン)」といい、三橋貴明によると、2ちゃんねるのファビョンは、ヒステリックになって、何が何だかわからなくなり、最後に怒りのあまり倒れてしまう症状であるという[29]

かつて存在した2ちゃんねる用語のオンライン辞書である『2典』によると、2ちゃんねるでは、韓国人 (とおぼしき人) が、(本来の症状とは違うのだが)唐突に逆切れした場合などに使い、「ファビョーン」と伸ばして使用されることが多い、という[30]。また、「ファビョる」は「ファビョン」の動詞形で、逆上した人に対する侮蔑の意を込めて表現したもので、韓国・朝鮮人に限らず、単に「キレる」という意味でも使われる、という[30]

2010年に鹿児島大学法文学部教授の内山弘[31]は、2ちゃんねるとニコニコ動画からネット用語を収集し、動詞化語尾「~る」を使って創造された新語の一つに「ファビョる」を挙げている。意味は「ぶち切れ状態になること」で、朝鮮語の 「 (火病=ファビョン)」からであると述べている[32]

衝動的憤怒・憤怒調節障害[編集]

衝動的な憤怒は、火病でなく、間欠性爆発性障害(憤怒調節障害)である。精神的苦痛や衝撃直後に激憤または鬱憤から突発的な衝動的行動を起こす。こちらは韓国国外でも見られるが、韓国国内の成人の半分が憤怒調節障害を抱え、衝動的な犯罪が問題になっている[33]。過熱された憤怒過剰社会が韓国の社会問題となっている[34][35]韓国警察庁の「2015年の統計年報」によると、傷害や暴行などの暴力犯罪殺人殺人未遂などの重罪の内訳で、動機が「動機が偶発的か現実に不満」という間欠性爆発性障害由来である割合が41.3%となっている[36]

参考文献[編集]

  • 呉善花「火病に苦しむ韓国人」 『「反日韓国」の自壊が始まった』悟空出版、2014年11月7日。ISBN 978-4-908117-01-5 [信頼性の低い医学の情報源?]
  • キム・ソヒョン 『1日10分、めぐりをよくして不調を改善 しり温活美人』ポプラ社、2019年1月13日。ISBN 978-4-591-15836-4 

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 英語表記はHwabyung[3]であるが、Hwapyungとされている場合もある。
  2. ^ 〖漢方〗心気症。類語に鬱火症 (: 울화증) がある[5]
  3. ^ DSM-Ⅳ 精神障害の診断と統計マニュアル』の「文化に結びついた症候群の用語集」に記載が見られる[16][17]。『DSM-5 精神障害の診断と統計マニュアル』の「苦痛の文化的概念の用語集」には記載がない[18]

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 呉善花 2014, p. 192
  2. ^ Red Velvetジョイ、最近変わった宿舎生活と“火病(ファビョン)”を告白|スポーツソウル日本版” (日本語). スポーツソウル. 2021年7月4日閲覧。
  3. ^ a b “火病にはワールドカップが薬?”. 中央日報 日本語版. (2006年6月12日). https://japanese.joins.com/JArticle/76686 
  4. ^ a b c 韓国人の火病急増、サラリーマン90%が病む…その原因は?” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月10日閲覧。
  5. ^ 大阪外国語大学朝鮮語研究室編; 主幹: 塚本勲―北嶋静江『朝鮮語大辞典 下巻 ㅅ~ㅎ』角川書店、昭和61年2月20日、ISBN 4-04-012200-3、1809頁。
  6. ^ 朝鮮總督府編『朝鮮語辭典』朝鮮總督府、大正九年三月三十日發行、六四三頁
  7. ^ a b キム・ソヒョン 2019, p. 58
  8. ^ a b 久保田るり子 (2003年12月10日). “恨(ハン)と火病(ファッピョン)”. 産経新聞. 2019年10月31日閲覧。
  9. ^ a b c d 中嶋泰憲 (2010年12月16日). “火病(韓国):怒りを抑圧した結果の心身の異変”. AllAbout. 2019年11月1日閲覧。
  10. ^ 慎武宏 (2018年7月19日). “『グッド・ドクター』の生みの親・韓国は先進国の中で「もっとも医師の少ない国」?”. YahooNews. 2019年11月1日閲覧。
  11. ^ a b c 火病にはワールドカップが薬?” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月10日閲覧。 “1996年、米国精神医学会は火病を正式疾病の1つとして公認しました。火病はこれまで「恨(ハン)」を抱いて暮らしてきた韓国民族特有の情緒から始まった疾病です。”
  12. ^ 韓国・済州島に「慰安婦像」 日本史捏造でも、消し去れぬ島の数万人虐殺史SANKEI EXPRESS 2015年10月19日09:14配信、2/5ページ)2019年10月26日確認
  13. ^ a b 韓国、火病患者が年間11万5000人…男性より女性に多い” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月10日閲覧。
  14. ^ パク・ヨンミ著・満園真木訳『生きるための選択 ―少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った』辰巳出版、2015年11月20日 初版第1刷発行、ISBN 978-4-7778-1609-5、40頁。Hwa-byung―a common diagnosis in both North and South Korea that roughly translates into “disease caused by mental or emotional stress".
  15. ^ a b 韓国人は、なぜ“ファビョる”のか? 年間11万人以上が患う「火病」と「恨(ハン)」の真実 (2015年2月27日)” (日本語). エキサイトニュース. 2022年6月10日閲覧。
  16. ^ a b American Psychiatric Association [編]; 髙橋三郎、大野裕、染谷俊幸訳『DSM-IV 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院、1996年5月15日発行 第1版第1刷、ISBN 4-260-11804-8、809頁。原著第4版 (Washington D.C.: American Psychiatric Association, 1994) の全訳。
  17. ^ a b “火病とFコード〜病を隠して育てて来た韓国の風土変えよう” (朝鮮語). 中央日報. (2007年11月13日). http://healthcare.joins.com/master/healthmaster_article_view.asp?contCode=011000&total_id=2945064 [リンク切れ]
  18. ^ American Psychiatric Association [編]; [日本語版用語監修] 日本精神神経学会 [監訳] 髙橋三郎、大野裕「苦痛の文化的概念の用語集」『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院、2014年6月15日 第1版第1刷発行、ISBN 978-4-260-01907-1、827~831頁。
  19. ^ 年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか” (日本語). S-KOREA(エスコリア). 2021年3月3日閲覧。
  20. ^ 年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか” (日本語). S-KOREA(エスコリア). 2021年3月3日閲覧。
  21. ^ 呉善花 2014, p. 193
  22. ^ a b 呉善花 2014, p. 195
  23. ^ 呉善花 2014, pp. 195–196
  24. ^ 呉善花 2014, p. 197
  25. ^ 金秀恵 (2013年2月17日). “韓国の小中高生、22万人は「精神科の受診が必要」”. 朝鮮日報 日本語版. オリジナルの2013年2月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130217032500/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/17/2013021700185.html 2013年2月17日閲覧。 
  26. ^ 年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか” (日本語). S-KOREA(エスコリア). 2021年3月3日閲覧。
  27. ^ 한국인 화병 급증, 한국인에게만 발생…직장인 90% ‘화병 경험’” (朝鮮語). 뉴스1 (2015年1月28日). 2019年9月26日閲覧。
  28. ^ “韓国人の火病急増、サラリーマン90%が病む…その原因は?”. 中央日報 日本語版. (2015年1月28日). https://japanese.joins.com/JArticle/195921 
  29. ^ 三橋貴明室谷克実『韓国人がタブーにする韓国経済の真実』PHP研究所、ISBN 978-4-569-79661-1、2011年6月18日 発行、163頁。
  30. ^ a b 2典プロジェクト『2典 第3版』宝島社、2005年8月13日 第1刷発行、ISBN 4-7966-4754-6、448頁。
  31. ^ 研究者詳細 - 内山 弘”. ris.kuas.kagoshima-u.ac.jp. 2022年6月10日閲覧。
  32. ^ 内山弘「ネットの日本語 -2ちゃんねるとニコニコ動画を中心に-」 (pdf) 『地域政策科学研究』第7巻、鹿児島大学、2010年3月10日、 230頁。
  33. ^ 韓国の成人の半分が憤怒調節障害、どのように怒りを堪えるか” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月11日閲覧。
  34. ^ 【時論】憤怒調節障害を病んでいる大韓民国(1)” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月11日閲覧。
  35. ^ 【時論】憤怒調節障害を病んでいる大韓民国(2)” (日本語). 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年6月11日閲覧。
  36. ^ 憤怒調節障害” (日本語). www.donga.com (2017年6月20日). 2022年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]