瀬戸内海式気候

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
瀬戸内海と瀬戸大橋、下津井城からの眺め
大阪市の雨温図
瀬戸内海式気候の地域(3:黄色)

瀬戸内海式気候(せとないかいしききこう)とは、日本気候区分の一つである。瀬戸内式気候(せとうちしききこう)や瀬戸内海型気候とも呼ばれることがある。主に瀬戸内地方で見られる。

特徴[編集]

夏の季節風四国山地に、冬の季節風は中国山地によって各々遮られる。このため年間を通じて天気湿度が安定しており、降水月が5、6、7月(梅雨時)と9月(秋雨・台風時)の二峰性となっており、二峰の間の8月(盛夏)の降水量が著しく少なく雨温図上大きく凹むことが最も顕著な特徴となる。年間を通した降水日数(1mm以上の降水が観測される日数)も、梅雨梅雨に類似する気象現象を含む)を除いて少ないのが特徴で風向によって降水日数に増減がある太平洋側気候日本海側気候の地域と事情が異なる。降水量は年間1000~1600mm前後である。が少ない時には、旱害が起こる事もある。その対策として、農地に隣接した土地にため池を作ることが古くから行われた。また太平洋側、日本海側のに降った雨がを通して流れてくるためダムを作ること(徳島県北部、香川県における吉野川)や上流域にある天然の湖沼の利用(近畿地方における琵琶湖など)によって水不足に対応できる。宅地化や利水の改善の結果でため池は減少傾向にあるが、現在も大阪府泉州地域、兵庫県東播磨地域や淡路島には大小様々な溜池が(その本来の用途を失っているものも含めて)存在している。その他、香川県には山地が少なく水がよく不足するため多くのため池があることで知られている。ケッペンの気候区分では温帯夏雨気候に該当する地域も存在する。[要出典]

特に岡山県岡山市では1989年以降、降水日数が全国の県庁所在地では最少であるため「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。九州有明海沿岸部も温暖で降水日数も少なく、瀬戸内海式気候に近い気候である。

比較的温暖な気候であるが、日本海に直接面する地域、または中国山地のブロックが弱い地域に当たる福岡県北九州地方大分県北部、山口県南部、愛媛県西部などは北西の季節風の影響で冬季の降水日数が日本海側ほどではないものの他の瀬戸内側の地域に比べて多く、日本海側気候の特徴がややみられる。また、中国山地の山麓となる広島県南西部の広島市周辺でも、冬季の降雪日数は他の瀬戸内沿岸地域に比べるとやや多くなっている。

降雪量及び降雪日数は、瀬戸内海の沿岸部では比較的少ないが、山沿い(特に讃岐山脈石鎚山地)では積雪量は多くなり、多くの道路路面凍結する。

また、和歌山県北部、徳島県北部は南海型太平洋側気候との、福岡県北九州地方、大分県中部は九州型太平洋側気候との、京都府南部、奈良県北部、滋賀県南部は、東海型太平洋側気候または中央高地型内陸気候との、それぞれ境界(遷移地域)となっている。

瀬戸内海式気候の地方[編集]

地形等の関係で下記地域でも他気候を示す地域があり、逆に下記地域以外でも瀬戸内海式気候を示す地域がある。

気候のデータ[編集]

気象庁・気象統計情報より 降水日数は1mm以上

瀬戸内海式気候が明瞭な地域[編集]

瀬戸内海周辺で降水日数の最多月が冬季以外、最少月が冬季の地域。梅雨時と秋雨時以外の降水量は盛夏時を含め少ない。

最多月降水日数 最少月降水日数 年間降水量 最多月降水量 最小月降水量 8月降水量 年平均日照時間
大阪 11.2(6月) 5.5(12月) 1279.0mm 184.5mm(6月) 43.8mm(12月) 90.9mm 1996.4時間
和歌山 11.0(6月) 5.2(12月) 1316.9mm 188.6mm(7月) 44.4mm(1月) 86.0mm 2088.8時間
神戸 10.9(6月) 4.7(1月) 1216.2mm 181.6mm(6月) 37.8mm(1月) 90.9mm 1995.1時間
姫路 11.1(6月) 4.6(12月) 1199.0mm 167.0mm(7月) 35.9mm(1月) 95.9mm 2032.6時間
洲本 11.5(6月) 5.6(12月) 1406.6mm 200.8mm(6月) 45.6mm(1月) 106.9mm 2066.8時間
岡山 10.4(6月) 4.2(12月) 1105.9mm 171.5mm(6月) 31.0mm(12月) 87.4mm 2030.7時間
玉野 10.7(6月) 5.3(12月) 1003.9mm 145.1mm(6月) 30.8mm(12月) 74.8mm 2126.4時間
高松 10.3(6月) 6.2(12月) 1082.3mm 150.6mm(6月) 37.3mm(12月) 85.8mm 2053.9時間
福山 10.2(6月) 4.2(12月) 1117.2mm 176.7mm(7月) 31.0mm(12月) 83.0mm 2096.1時間
大三島 11.1(6月) 5.0(12月) 1123.2mm 180.6mm(6月) 37.0mm(12月) 74.4mm 2009.8時間
松山 11.5(6月) 6.4(12月) 1314.9mm 223.6mm(6月) 46.0mm(12月) 89.6mm 2017.1時間
10.4(6月) 4.2(12月) 1381.3mm 227.7mm(7月) 35.6mm(12月) 97.1mm 2051.0時間
広島 10.7(6月) 4.9(12月) 1537.6mm 258.6mm(7月) 41.2mm(12月) 110.8mm 2042.3時間

太平洋側気候(九州型)が少し加わる地域 [編集]

瀬戸内海周辺で降水日数の最多月が夏季、最少月が冬季以外で、春から梅雨時の降水量が顕著に多い地域。冬季は日照時間がやや少なく、降雪も少なくない。

最多月降水日数 最少月降水日数 年間降水量 最多月降水量 最小月降水量 年平均日照時間
山口 11.6(6月) 6.2(10月) 1886.5mm 323.2mm(7月) 58.7mm(12月) 1894.8時間
下関 11.1(6月) 6.2(10月) 1684.3mm 287.1mm(7月) 60.2mm(12月) 1880.5時間
八幡 12.4(6月) 7.6(10月) 1729.3mm 299.9mm(7月) 68.0mm(12月) 1825.1時間

太平洋側気候(南海型)が少し加わる地域[編集]

瀬戸内海周辺で降水日数の最多月が夏季、最少月が冬季で、夏季と秋季に南からの季節風の影響をある程度受ける地域。台風襲来時に降水量が顕著に多くなる傾向があり、降水量のピークが梅雨時と秋雨時の明確な二峰性を示さない。

最多月降水日数 最少月降水日数 年間降水量 最多月降水量 最小月降水量 8月降水量 年平均日照時間
徳島 11.8(6月) 4.6(12月) 1453.8mm 210.0mm(9月) 38.9mm(1月) 172.9mm 2092.9時間
大分 12.0(6月) 3.8(12月) 1644.6mm 273.8mm(6月) 34.4mm(12月) 172.2mm 2001.8時間

中央高地式気候・東海型太平洋側気候が少し加わる地域[編集]

降水日数の最多月が夏季、最少月が冬季で、降水量は梅雨時、秋雨時を除いて少ない。盆地や内陸部にある為に日照時間が多くなく、寒暖の差も大きい。日本海に近く、冬の降雪日数と降雪量がやや多い傾向がある。

最多月降水日数 最少月降水日数 年間降水量 最多月降水量 最小月降水量 8月降水量 年平均日照時間
奈良 11.7(6月) 6.1(12月) 1316.0mm 188.8mm(6月) 47.3mm(12月) 111.8mm 1823.0時間
京都 11.6(7月) 6.3(12、1月) 1491.3mm 220.4mm(7月) 48.0mm(12月) 132.1mm 1775.1時間
上野 12.1(6月) 6.3(12月) 1363.9mm 195.4mm(6月) 42.6mm(12月) 90.9mm 1765.9時間
大津 12.6(6月) 7.1(1月) 1529.7mm 229.2mm(6月) 50.4mm(12月) 142.8mm 1816.0時間

出典[編集]

宮崎の地理(8)・第3節日本の気候 - ウェイバックマシン(2006年1月4日アーカイブ分)

関連項目[編集]