澤井裕
澤井 裕(さわい ゆたか、1930年2月15日 - 2003年7月10日[1])は、日本の法学者。専門は民法。学位は、法学博士(大阪大学・論文博士・1971年)(学位論文「公害の私法的研究 」)[2]。関西大学名誉教授。大阪府出身。
人物[編集]
長らく関西大学法学部の看板教授であり、著書・論文をあわせると100を超える。澤井ゼミからは法曹をはじめとする多くの人材を輩出。澤井ゼミ出身の民法研究者は存在するが、自身が大学院(修士課程・博士課程)において指導教授として研究者志望の人間をとったことはなく、いわゆる直弟子にあたる人間は存在しない。
研究領域[編集]
研究領域は、不法行為法を中心としつつも債権法全般、物権法にも及ぶ。
後掲「公害の私法的救済」は公害問題が社会問題化する以前にものされた先駆的な研究書である。
略歴[編集]
大阪府大阪市生まれ。大阪府立豊中中学(現・豊中高校)、旧制浪速高校を経て、大阪大学医学部に入学。その後、法学部に転部し同学部を卒業し、大阪大学大学院修士課程修了。
修士課程修了後、関西大学法学部助手、同講師・同助教授・同教授に昇進。関西大学在職時には学部長をつとめ、明石三郎教授が学長であった際、学生部長を歴任。司法試験受験指導にも精力を傾注、長らく関西大学司法試験受験研究会会長として司法試験受験生を激励。1995年3月関西大学退職、関西大学名誉教授。
その後、福山平成大学教授となる。2003年、73歳で死去。
著書[編集]
- 『公害の私法的救済』(一粒社、1969年)
- 『隣地通行権裁判例の研究』(一粒社、1971年)
- 『大阪空港裁判の展開』(ミネルヴァ書房、1974年)
- 『公害差止の法理』(日本評論社、1976年)
- 『隣地通行権』「叢書民法総合判例研究4巻」(一粒社、1978年)
- 『債権法20講』(玄文社)
- 『テキストブック債権総論』(有斐閣、1985年)
- 『テキストブック事務管理・不当利得・不法行為』(有斐閣、1993年)
脚注[編集]
- ^ 沢井裕氏死去 関西大名誉教授・民法47NEWS
- ^ 博士論文書誌データベース