澄ましバター

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作り立ての澄ましバターで、まだ液体状である。
室温に置いた澄ましバター

澄ましバター(Clarified butter)は、バターから無脂乳固形分と水分を分離除去(レンダリング)し、精製した乳脂肪[1]

家庭では溶かしバターを放置し、比重分離させて使われる。加熱により水分が蒸発すると、タンパク質などの水溶性成分が、表面に浮かんだり底に沈む。これを掬い取ったり、削り落として得られる。

工業的には、直接蒸発法で析出させた無脂乳固形分をデカンテーション遠心分離で分離した後、真空乾燥されるほか、クリーム乳化状態を壊したうえで遠心分離により液体として分離して製造される[2][3]

性質[編集]

発煙点が、通常のバター(163-190℃)よりも高く(252℃)[4]ソテー等のより高温で加熱する調理に適している。 また、新鮮なバターよりも保存性が高く、賞味期限がずっと長い。 精製により乳糖カゼインをほとんど含まないため、乳糖不耐症や牛乳アレルギーの人でも摂取できる。

地域的なバリエーション[編集]

ロシアの澄ましバター

インド亜大陸南アジアギーは、バターを長時間加熱して水分を蒸発させ、乳固形分をキャラメル化させて濾すことでナッツの風味を付けたものである[5][6][7][8]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ Clarified butter - Glossary - How to cook”. BBC Good Food. 2010年6月7日閲覧。
  2. ^ Butteroil | Butter Oil | Composition | Preparation | Production | Uses”. Dairyforall.com. 2010年6月7日閲覧。
  3. ^ Walstra, P. Wouters, J. Geurts, T. (2006). Dairy Science and Technology, CRC Press - Taylor and Francis Group
  4. ^ Amy Brown, Understanding Food: Principles and Preparation, 5th ed., 2014, ISBN 1133607152, p. 468
  5. ^ Iyer, Raghavan (2008). 660 Curries, p. 21. New York: Workman Publishing. ISBN 978-0-7611-3787-0.
  6. ^ Jaffrey, Madhur (1982). Madhur Jaffrey’s Indian Cooking, p. 211. London: BBC Books. ISBN 0-8120-6548-4.
  7. ^ Sahni, Julie (1998). Julie Sahni’s Introduction to Indian Cooking, p. 217 under “usli ghee.” Berkeley: Ten Speed Press. ISBN 0-89815-976-8.
  8. ^ Landis, Denise (2003). All About Ghee New York Times - Food Chain