漢意

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漢意(からごころ、唐心の意)は、本居宣長が提唱した思想概念・批評用語の一つ。

概要[編集]

はかりごとを加えず善悪ともにありのままのさまを尊ぶ大和魂に対して、物事を虚飾によって飾りたて、様々な理屈によって事々しく中華思想を正当化したり、あるいは不都合なことを糊塗したりする、はからいの多い態度を指す。

本居宣長は『源氏物語』や和歌の研究(『源氏物語玉の小櫛』『石上私淑言』)を通して、人間のあるがままの感情を、善悪の倫理的な判断に及ぶことなく、そのままに肯定すること(もののあはれの説)が文学、ひいては人間のあるべき姿であると考えるに至った。これは、当時の社会にあっては、文学を幕府から開放する極めて先鋭な文学意識であり、「大和魂」と「漢意」の研究によるその思想体系[1]は、後世の国文学に大きな影響を与えた。

宣長の漢意論は精神的・文化的側面から論じられているところに特色があるが、宣長独自の文献批判に基づく外交史『馭戎慨言』においては、文化面だけでなく政治・外交面においても日本人として自立した価値観を持つことを訴えている。

漢意に言及している著作[編集]

脚注[編集]

  1. ^ (本居宣長『玉勝間永楽屋東四郎、文化9 [1812] )