湯殿山 (山形県)

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湯殿山
Mt. Yudono shrine torii gate 2006-10-28.jpg
湯殿山神社の鳥居と北西から望む湯殿山
山頂はわずかに見えていない
標高 1,500 m
所在地 日本の旗 日本
山形県鶴岡市西村山郡西川町
位置 北緯38度31分51秒
東経139度59分05秒
座標: 北緯38度31分51秒 東経139度59分05秒
山系 出羽山地
湯殿山の位置
Project.svg プロジェクト 山
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湯殿山(ゆどのさん)は、月山南西山腹にある山。標高1,500m。月山、羽黒山と共に出羽三山の1つとして、修験道の霊場でもある。

麓には湯殿山神社がある。

概要[編集]

 湯殿山は、「出羽三山」(湯殿山、月山、羽黒山)のうち、月山の南西に連なる標高1,504mの火山で、かつては、旧・山形県東田川郡朝日村(現・鶴岡市)と同県西村山郡西川町の境界となっていた[1]

南から見た湯殿山 (左)、姥ヶ岳 (中央)、月山 (右端)。

 湯殿山は、古来より山岳信仰の対象とされており、同山の薬師岳の北の中腹の川沿いにある湯殿山神社は、五穀豊穣や家内安全の御神徳があるとされている[1]。この神社は、社殿も拝殿もないという点が大きな特徴である[1]。なお、湯殿山神社の御神体は、温泉水が湧出する場所にある茶褐色の巨岩で、この巨岩には、温泉水の影響により生じた水酸化鉄がウロコ状の塊となって付着している[1]。御神体であるこの巨岩は、「三山奥ノ院」とされる[1]

 中世を通じて崇敬を集め、伊達政宗の母(義姫)は子宝を祈願し成就したことから深く帰依したという[2]。天正7年(1579年)病を患った最上義光も治癒祈願した。

 湯殿山神社とその周辺の詳細については、「語るなかれ、聞くなかれ」とされており、松尾芭蕉も『おくのほそ道』における湯殿山の部分については、「総じてこの山中の微細、行者の法式として他言することを禁ず。よって筆をとどめてしるさず」と記し、「語られぬ湯殿にぬらす袂かな 」と句を詠むのみにとどめている[1]

湯殿山神社周辺。

 現在は、上述の御神体の近くまで道路が通じているほか、湯殿山から月山や羽黒山へ向かう登山路も開拓されてきている[3]。バスでは、湯殿山神社の直近、徒歩で5分程度の距離の場所まで行くことができる[1]

 湯殿山神社の本宮から月山への登山路は、出羽三山参拝の最難所とされており、特に中腹には、「水月光」「石月光」などの岩場が1.5kmほど続き、その間、鉄の梯子や鎖を利用して登らざるをえなくなる[3]。なお、湯殿山神社から湯殿山の山頂までの登山道がないため、冬季は、月山道路(月山花笠ライン)の月山第一トンネルの入口や県立自然博物園の裏から、スキーによる登山を行う方が快適とする主張もある[1]

湯殿山スキー場[編集]

湯殿山 (山形県)
所在地 山形県鶴岡市田麦俣字六十里山104-5
最長滑走距離 2000m
最大傾斜 35
ウェブサイト http://www.yudonosan.com/

 湯殿山スキー場は、第三セクターである湯殿山観光開発公社が運営してきた、2500mものコース延長を誇る庄内地方最大のスキー場であり、利用者は年間3万人以上といわれる[4]。 なお、スキー場があるのは厳密には湯殿山ではなく、品倉山である。

経営悪化による公社の解散[編集]

 湯殿山スキー場は、近年、利用客の減少で経営が悪化し、湯殿山観光開発公社は、以前リフトの新設(1994年)等のためにした借入金(鶴岡市から3000万円、JA庄内たがわから1億1396万円)の返済に窮することとなった[5]。このため、公社は、自らを解散して、筆頭株主である鶴岡市にスキー場の運営を引き継ぐことを検討し始めた[6]。その結果、2013年11月22日、鶴岡市の朝日中央公民館で開催された、公社の臨時株主総会にて、2014年夏までに資産や負債を整理して解散を行うために、鶴岡簡易裁判所に、債権者である鶴岡市とJA庄内たがわとの調停を申し立てることが決議された[5]

 鶴岡市長は、公社の解散決定を受け、2013年11月25日の定例記者会見で、市が施設や土地を買い取る意向を明らかにした[4]。市が負債を清算すれば、経営は安定する見通しだという[4]。なお、鶴岡市などによると、スキー場は国有地に存在するため、廃業すれば原状復帰等のために20億円近い費用がかかるという[4]

 2014年3月20日、鶴岡市は、鶴岡簡易裁判所が示した、債務者・湯殿山観光開発公社と、債権者・市及びJA庄内たがわとの調停案を受け入れることを決め、市議会3月定例会で関連議案が可決され、4月17日に調停が成立することとなった[6]

 この調停案は、公社の資産を市に売却するなどして、市からの借入金全額と、JA庄内たがわからの借入金の一部とを返済し、そのうえで、市がJAと損失補償契約を結び、市がJAからの借入金の残額を弁済するというものだった[6]

 公社は4月下旬の臨時株主総会にて、解散の承認と清算人の選任を行い、夏に解散する予定となった[6]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 「湯殿山」(ヤマケイオンライン)
  2. ^ 『伊達氏治下記録』巻之1、p.p.37
  3. ^ a b 「湯殿山」(山形県鶴岡市観光連盟)
  4. ^ a b c d 「湯殿山スキー場継続 鶴岡市、施設など買収へ」(『河北新報』2013年11月26日)
  5. ^ a b 「湯殿山観光開発公社、解散へ調停申し立て決議」(『山形新聞』2013年11月23日)
  6. ^ a b c d 「湯殿山スキー場、債務整理調停成立へ 運営公社めぐり鶴岡市など」(『山形新聞』2014年3月21日)

関連項目[編集]