湯の峰温泉

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Hot springs 001.svg湯の峰温泉
Kumano Kodo pilgrimage route Yunomine Onsen World heritage 熊野古道 湯の峰温泉56.JPG
温泉街
温泉情報
所在地 和歌山県田辺市本宮町
交通 バス - 龍神バス熊野交通奈良交通:バス停「湯の峰温泉」
泉質 含硫黄炭酸水素塩泉(ナトリウム
泉温(摂氏 92 ℃
湧出量 約30 L/分
pH 7.0
液性の分類 中性
浸透圧の分類 低張性
宿泊施設数 15(旅館4・民宿11)
総収容人員数 507 人/日
外部リンク 熊野本宮観光協会
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湯の峰温泉(ゆのみねおんせん)は、和歌山県田辺市本宮町(旧国紀伊国牟婁郡)にある温泉。世界最古の共同浴場とも言われ、古くから熊野詣の旅人達にとっての湯垢離と休息の場として知られていた。2004年には、温泉としては世界で唯一の世界遺産にも登録されている。

概要[編集]

上流側から

川湯温泉渡瀬温泉と並ぶ、熊野本宮温泉郷の3つの温泉の1つ[1]四村川の流れる谷の両岸に、十数軒の旅館が並ぶ温泉街を持つ[1][2][3]。約1800年の歴史を持つ温泉であり[4][5][6]、後述の「つぼ湯」は事実上世界最古の共同浴場とも言われている[7]。温泉のほぼ中心地には公衆浴場、および天然温泉の岩風呂である「つぼ湯」が位置している[8]。泉質は含硫黄の炭酸水素塩泉に分類され、湧出温度は92度、湧出量は毎分約30Lであり、神経痛、リウマチ性疾患、皮膚病、糖尿病などに効能を持つとされる[8][9]

公衆浴場には一般湯、くすり湯、貸切湯、休憩場、温泉くみとり場などがあり、温泉くみとり場では10L100円で温泉水を持ち帰ることもできる[8][10]。また「つぼ湯」は、1日に7回も湯の色が変化するといわれており、2004年7月には参詣道の一部として、温泉としては唯一の世界遺産としても登録されている[4][5]。公衆浴場前の川沿いには「湯筒」という熱湯の源泉の自噴口があり、観光客達も卵や野菜を茹でることができる他[4][10]、近所の土産物店などでも温泉卵や茹で野菜などが販売されている[2][4]

この地は後述する通り、中世の説経節「小栗判官」において小栗が蘇生を遂げた地とされるため、この温泉の周辺には、餓鬼阿弥となった小栗が湯の峰にやって来るまでに乗っていた車が捨てられたと伝えられる「車塚」、蘇生した小栗が力試しをするために持ち上げた石だとされる「力石」、小栗の髪を結っていた藁を捨てたところに稲が自然に生えて来たという「不蒔の稲」など、伝承にまつわる多くの遺構が現存している[2][11]

またこの温泉は、1887年コバノイシカグマ科シダであるユノミネシダが日本で初めて発見された地であり、和名はこの温泉の呼称に由来している。生育地は町の公衆浴場の裏手にあり、昭和3年にこの種の北限生育地として天然記念物に指定されている。公衆浴場の正面入り口左手の壁にはそれを説明したプレートが設置されている。

歴史[編集]

4世紀ごろに熊野国造大阿刀足尼によって発見され、後に歴代の上皇による熊野御幸によってその名が広く知られるようになった[4]。古より熊野詣の旅人達はここで湯垢離を行って身を清め、長旅の疲れを癒していたとされる[4][5][6]。この温泉には「一遍上人名号碑」或いは「爪書き岩」などと呼ばれる、時宗の開祖である一遍が、経文を爪で刻み込んだと伝えられる岩が現在まで残っている[4][11]。また中世の説経節「小栗判官」においては、餓鬼阿弥の姿となってしまった小栗判官が、この温泉での湯治によって元の姿に戻ったという伝説も残されている[4][12]

温泉の中心部には、天台宗寺院である東光寺が位置している。東光寺の本尊は湯の峰温泉の源泉の周囲に湯の花が積もって薬師如来の形となったものであり[2][13]、その本尊の胸から温泉が噴出していたことから「湯の胸温泉」と呼ばれていたものが転じて「湯の峰温泉」の名になったとされている[2][14][15][16]

湯の峰の評判は、平安時代後期の公卿藤原宗忠の日記『中右記』や、鎌倉時代前期の公卿・広橋頼資日記『頼資卿記』など、熊野詣を行った中世の貴族たちの日記にも記されている。熊野御幸の時代にも、皇族や貴紳がこの地を訪れたが、それらはあくまで休養としてのものである。熊野詣との関連で、湯垢離(ゆごり)による潔斎の場としての地位を獲得するのは、熊野御幸の盛期を過ぎた14世紀頃からであると考えられており、室町時代に入ると旅の疲れを癒す意味もあって参拝前に入浴したという。この時期には、熊野の地で修行に励んだ一遍もこの地を訪れている。

しかし、近世には、西国三十三所の優越とともに、潔斎の場としての意義は薄れ、単なる湯治場としての性格が勝ってくるようになった。また、江戸時代に作成された温泉番付では、「本宮の湯」として勧進元に名を連ねている。名の由来となった湯峯薬師をまつる東光寺熊野九十九王子のひとつ湯の峰王子が温泉街内に今もある。

1957年昭和32年)9月27日厚生省告示第310号により、熊野本宮温泉郷の一部として川湯温泉渡瀬温泉とともに国民保養温泉地に指定された。毎年10月には川湯・渡瀬両温泉と共に献湯祭を開き、熊野本宮大社に献湯している。

ギャラリー[編集]

文化財[編集]

湯の峰温泉 つぼ湯(世界遺産)

交通[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 熊野本宮温泉郷 - 和歌山県観光協会
  2. ^ a b c d e 湯の峰温泉 つぼ湯(和歌山県) - せたがや日和
  3. ^ 湯の峰温泉 - 熊野古道 湯の峰温泉の民宿 くらや
  4. ^ a b c d e f g h 湯の峰温泉 - 熊野本宮観光協会
  5. ^ a b c 湯の峰温泉 - 田辺市熊野ツーリズムビューロー
  6. ^ a b 古道物語 - 熊野本宮 湯の峰温泉 あづまや
  7. ^ 温泉の"最古"あれこれ - 日本源泉かけ流し温泉協会
  8. ^ a b c 湯の峰温泉 公衆浴場・つぼ湯 - 熊野本宮観光協会
  9. ^ 【1800年の歴史を体験】日本最古の世界遺産の温泉「湯の峰温泉つぼ湯」で7色に変化するお湯を体験しよう! - ゆ~ナビニュース
  10. ^ a b 湯の峰温泉つぼ湯 - 南紀・熊野ええ旅ねっと
  11. ^ a b 周辺の観光地 - 熊野本宮 湯の峰温泉 あづまや
  12. ^ 珍しい“世界遺産”の温泉が和歌山に!「つぼ湯」の魅力&入浴ルール - icotto
  13. ^ 本宮町史編さん委員会[2002: 132]
  14. ^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会[1983: 696]
  15. ^ 湯の峰温泉 - 日本風景街道 熊野 ~シーニックバイウェイ熊野~
  16. ^ 湯峰八日薬師祭 - 熊野本宮観光協会
  17. ^ a b 熊野参詣道”. 国指定文化財等データベース. 文化庁. 2009年6月11日閲覧。
  18. ^ 田辺市の指定 文化財一覧表”. 田辺市教育委員会. 2008年12月20日閲覧。
  19. ^ 世界遺産登録推進三県協議会(三重県・奈良県・和歌山県)、2005、『世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道』、世界遺産登録推進三県協議会、pp.39,75
  20. ^ 磨崖名号碑(伝一遍上人名号石)”. わかやま文化財オンライン. 和歌山県. 2015年2月14日閲覧。

関連項目[編集]