測量船 (詩集)

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測量船
著者 三好達治
発行日 1930年12月20日
発行元 第一書房
ジャンル 詩集
日本の旗 日本
言語 日本語
ウィキポータル 文学
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測量船』(そくりょうせん) は三好達治による日本詩集。達治の処女詩集で39編の詩を収録している[1]。1930年(昭和5年)に刊行された[1]。新鮮なリリシズムと緻密な言語感覚で高く評価される[要出典]

叙情性と品格と西欧象徴詩の作風を兼ね備えた昭和の代表的名詩集。シャルル・ボードレールの影響を受けた新散文詩運動の中で書かれた詩を収める。純粋な叙情の底を一貫して流れるのは孤独な魂である。[要出典]

概要[編集]

第一書房より、1000部、定価1円にて発行。「雪」「乳母車」「甃(いし)のうへ」など39編を収録。フランス詩の影響もうかがわせるが、それ以上に日本的抒情と古典的な優美さをもつ。また、達治の特徴である写生から立体的な言語の音楽性への追求も感じさせ、現代抒情詩の展開に大きな役割を果たした。[要出典]

第一書房版の他に南北書園版、冬至書房版がある。また第一書房版はのちに日本近代文学館により復刻された。

評価[編集]

昭和初期の代表的詩集であり、三好達治は高く美しい言語感覚への高い評価を受ける。丸山薫は、「三好達治君は理解力の詩人である。彼に関する限りに於いて理解力はもはや直ちに創造への作用以外の何事でもないであらう。」[2]と評価し、阪元越郎からは「ニヒリズムの中に転々としてゐるかのやうだった」[3]ともいわれている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 藤本寿彦. "測量船(三好達治の詩集)". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2023年5月23日閲覧
  2. ^ 丸山薫「詩に就て-『測量船』の世に出るに際して」『詩・現実的』第四冊、1931年3月、[要ページ番号]
  3. ^ 阪元越郎「詩の周囲」[要文献特定詳細情報]