渡辺ぎ修

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本来の表記は「渡辺顗修」です。この記事に付けられた題名は技術的な制限または記事名の制約により不正確なものとなっています。
わたなべ ぎしゅう
渡辺 顗修
生誕 日本の旗 日本
出身校 京都大学大学院法学研究科
職業 刑事訴訟法学者
弁護士
団体 甲南大学大学院教授
大阪弁護士会
栄誉 博士(法学)(京都大学)

渡辺 顗修わたなべ・ぎしゅう1953年- )は、日本法学者弁護士甲南大学大学院教授・甲南大学法科大学院長博士(法学)。専門は刑事訴訟法。法律評論家、社会評論家。宗教評論家。元司法試験考査委員(刑事訴訟法)。
渡辺 修(わたなべ・おさむ)をペンネームとしている。本名は僧籍を持つことに関係し、本人も常に剃髪している。

人物[編集]

刑事訴訟にろう者、外国人労働者などに対する法的支援の問題について著書多数。自らも司法NPO当番弁護士制度を支援する会」代表となる等、支援活動のに身を置いている。
神戸学院大学教授時代は「被害者の人権」「加害者の人権」「第三者の一方的価値観による偏見」に関する問題を投げかけ、法律と感情の間に身を置いて考えさせる講義が多かった。甲南大学法科大学院教授となってからは、専門家養成ということもあり、法的解釈と理論構築のセンスを磨くことを第一としている。
「現場主義」の実践を教え、検察審査会について述べたり、自らもオウム真理教事件関連の刑事裁判傍聴や、神戸連続児童殺傷事件の事件現場などにも足を運んでいる。また、都市型公設事務所である弁護士法人大阪パブリック法律事務所の客員弁護士として、多数の刑事事件において自ら刑事弁護人として活動を行っている。なお、司法試験委員時代には、特に口述試験において独創的な問題を出すことで知られた。

経歴[編集]

著書[編集]

コラム『院長が語るBecause, KONAN』[編集]

渡辺が院長を務める甲南大学法科大学院は、2019年度より募集を停止することとなった。渡辺は2019年4月よりこれまでに発信してきたコラムを閉鎖することを予告している。


甲南大学法科大学院を物語る「ふたつの数式」-入学試験と司法試験」(2015年9月10日)
■「85/66/11」。
これは今年の司法試験の結果だ。
「志願,受験,合格」の数を示す。合格率16.7%,全国25位。本学が独自に採用している本法科大学院の位置づけの尺度ないし目標のひとつは,「関西に所在する法科大学院中,合格率で8位内に入ること」である。今年に限り,上位6番目。修了生の努力でこの基準を満たせた。感謝したい。合格数では,昨年の7名から二桁に戻った。これも各修了生が自己の目標に向かい努力した成果である。敬意を表したい。順位としては,31番目。「合格数で全国30番位内に入ること」という自ら科した目標は今年も果たせなかった。この点は,教員サイドの学習指導がなお浸透していないためであろう。
最後に,本学を修了し法曹を目指す74名が志しを果たせなかった。教員団が,最後までサポートしきれなかったことを認めなければならない。教える側の至らなさに忸怩たる思いが強い。
今後とも,ゼミ,授業などの履修,任意起案提出等々を呼びかけて「法科大学院での学び」から「合格への道」を見つけてもらえればありがたい。


■「137/116/68」。
これは前期の入学試験の結果だ。
「志願,受験,合格」の数を示す。前年同期の数字は,「99/82/55」であった。幸い,本甲南大学法科大学院にチャレンジしてみようと思う法曹志望者が3割ほど増えたこととなる(むろん,延べの回数だが,それだけこだわりをもってもらっていると思い,そのままの数字を用いている)。本学受験者が増えないのは,1万人を超える予備試験から法曹を目指す人にとって,「適性試験ー法科大学院」ルートである甲南大学法科大学院が充分に魅力のあるものと受け止めてもらえていないからである。さらに努力したい。 幸い,本学でも,予備試験合格者もいれば,さらにその資格で司法試験に合格した者もいる。プロとして早期に力が付くなら,法科大学院で学んで予備試験から司法試験にチャレンジするのでよいと本学は考えている。予備試験受験も勧めている。そして,ありがたいことに,今年司法試験に合格したうち2名は実は予備試験にも合格しており,その資格でも受験できた。が,学び舎を尊重して本学修了資格で司法試験にチャレンジし見事に合格してくれた。これにも感謝するとともに,予備試験を目指すのであっても,是非甲南大学法科大学院で学んでほしいと思う。


■「インの付くローヤー」。
これが,甲南大学法科大学院が目指す「弁護士の職域拡大」の方針だ。インハウス,インエリア,イングループ,インタウンなどなど。リーガルサービスが今は届かず,それがあったほうが円滑かつ安全で快適なビジネスと生活が約束される場,組織,つながり等々のユニットはたくさんある。そこに,弁護士は「居る」べきだ。「イン」(in)の付く弁護士のあり方を今後とも法科大学院の組織として取り組みたい。 そうした職域拡大を学ぶカリキュラムは用意しているー「企業法務論」「講座神戸市」「商取引法」などなど。
ところで,9月半ばには,文部科学省による法科大学院の5段階の「類型」評価も公にされよう。法科大学院については,社会にもよく見えるガラス張りでの評価を受け続けている。それが,質の高いローヤーを育てる場の質向上に繋がるであろう。
本学も,正直なところ,いつでも「募集停止」を覚悟しなければならないあやうい状況にあることは自他共に認めている。
だが,そんなマイナスの心配よりも,志しある法曹志望者とともに,ロマンを大切にし,ビジネスに強いローヤーが育っていく,そんなロースクール作りを続けたい。


法科大学院公的支援」基準見直し -エリート法科大学院と新興小規模法科大学院」 (2015年12月17日)


1 今般文部科学省「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」の見直しが平成27年12月11日付けで公にされた。一定の数値によって「法科大学院らしい法科大学院」であるかどうか,5段階に類型評価する。類型に応じた基礎額の補助はなされるが,もともとどの類型にあたっても前年度よりも減額される扱いである。
次に,法科大学院らしいソフトウエア=加算プログラムを用意し実施しているかどうかによって,補助金の加算・不加算を決める。前年度と同額以上の補助金を受けるには,法科大学院あげて「法科大学院らしさ」を作り上 げなければならない。法曹養成教育のあり方から弁護士などの職域拡大までが法科大学院の任務となる。


2 予想されてはいたが,下位にある本学などには,大変厳しい査定基準となっている。 例えば,司法試験の累積合格率。 「公的支援見直し強化・加算プログラム」の基準に累積合格率が組み込まれるのは、次年度からであるが、計算の起点は、開学以来の修了生数合格者数である。そして,累積合格率が全国平均以上であれば12点をもらえる。 だが,新興法科大学院である本学にとっては,なによりも合格者が出ることを重視した。合格率を劣後させた時期があったことを認めざるを得ない。全国平均50.33%(平成27年基準)に至るのは至難の業だ。自業自得だ。
他方,夜間開講といった新興法科大学院が手がけるプロジェクトについては,国会などでもおりおり社会人の学びの場を拡大する意味で重視するべきだといった趣旨の発言はみられた。が,蓋を開けてみると,実際の補助金行政の中では,一旦最下位ランクに位置付けられた法科大学院であって夜学もやっているのであれば,その努力を買って4点を加算するのに留まる。
本学のように,正面から『昼夜開講・秋入学』によって,司法改革が目指したもの,多様な社会人が学び法曹を目指して深みと広がりのある司法の担い手を育成することを手がけたところで評価はされない。
ここでも,エリート法科大学院がモデルとなっている。学部卒業とともに進学する優秀な学生が集まる昼間開講型の法科大学院がこの国の法曹養成の基軸なのだろう。
そうした枠組の中では,地方・新興の夜間法科大学院は,さほど評価は受けない。やむをえない。


3 入学者選抜についても,一方で,競争倍率が2倍以上であれば,8点もらえる。さらに入学定員充足率が70%以上であればさらに8点をもらえて,これだけで16点となる。
しかし,今や,適性試験の実受験者数は激減している。
現に,法科大学院への入学資格のある者の受験者数は平成27年実施分で,合計3517名に留まる。法科大学院の定員が平成26年度段階では3169名である。ある意味で,「法科大学院全入時代」と言える。
他方,法律科目自体の出来・不出来をストレートに競う予備試験の受験者数は1万人を超える。法律を学んで優秀な成績を修める者が,法曹適性を有することは誰にも明らかなことだ。予備試験から法曹を目指す若者が増えるのは自然なことである。
そして,このふたつの数値の比較からも,適性試験で縛られた法科大学院入学試験が,この国に必要な優秀な法曹を育てる土台作りなっているなどとはもはや言えない。
その中でさらに競争倍率2倍を維持できるのは,結局は,伝統ある上位校となる。
かくして,点数を重ねて33点以上は第1類型,27点から32点が第2A類型,20点~26点が第2B類型,,,と続く。12点以下の第3類型該当校は,上位類型の法科大学院と連合をしない限り,補助金はでない。
本学が,こうした厳しい査定の中,どの類型に位置付けられるやら,来年9月の新聞報道が恐い。


4 当初74校まで拡大した法科大学院が今や伝統校を含む49校しか次年度に募集を継続しない状態になった。
少数エリート大学にのみ法科大学院を置き,またそうした大学の法科大学院生が予備試験でも多勢合格する。法曹養成にかける国の財政が特定のエリート集団に事実上二重に投資されているとみていい。こうした司法試験合格者の寡占状態の妥当性は,歴史が判断する。
目下の所,私学の小規模法科大学院を預かる現場としてできることはと言えば,政府のそうした施策の中であっても,甲南学園ならではの工夫と努力で,ビジネスを支える中堅のローヤーが、少数ではあっても確実に育つ土台作りの継続である。
そのための努力は、教授会あげて惜しまずに続けていく。受験を通して実務家として信頼される法曹養成を心がけることは、院生も教員も同じことである。
それでも,政府筋が描く「法科大学院像」から外れる時期が来たならば,まったく未練なく撤退する予定でいる.。

所属学会[編集]

  • 日本刑法学会会員
  • 法と言語学会会員理事
  • 大阪弁護士会刑事弁護委員会委員

外部リンク[編集]

脚注[編集]