流れる

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流れる』(ながれる)は、1955年に出版された幸田文の小説。1954年にデビューした幸田の、作家としての名声を確立した傑作である。自身の体験を踏まえて、華やかな花柳界と零落する芸者置屋の内実を描ききった作品。新潮社文学賞日本芸術院賞を受賞した。

1956年成瀬巳喜男監督によって映画化された。出演は田中絹代山田五十鈴栗島すみ子杉村春子高峰秀子など。

小説[編集]

参考文献[編集]

  • 「流れる」『日本文芸鑑賞事典 近代名作1017選への招待 第16巻(昭和26〜30年)』 pp.247-258、ぎょうせい、1987年

映画[編集]

流れる
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監督 成瀬巳喜男
脚本 田中澄江
井手俊郎
製作 藤本真澄
出演者 田中絹代
山田五十鈴
高峰秀子
音楽 斎藤一郎
撮影 玉井正夫
編集 大井英史
配給 東宝
公開 日本の旗 1956年11月20日
上映時間 117分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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流れる』は、1956年に公開された日本映画。製作、配給は東宝モノクロスタンダード。 

企画・制作[編集]

ストーリーはほぼ原作のまま受け継がれている。

この時期の成瀬は、前年に公開された『浮雲』でキャリアの頂点を極めていた。他の作品でも見られる、女性を中心に人物を情感豊かにリアルに描く手腕は、本作でも遺憾なく発揮された。特に本作では、大勢の登場人物それぞれに明確な個性を色付けしており、キャスト連の迫真の演技と相まって肉厚で豪華な作品となっている。

キャストには田中絹代山田五十鈴高峰秀子という日本映画界を代表する名女優を三枚看板に擁し、岡田茉莉子杉村春子中北千枝子賀原夏子らが脇を固めた。さらに日本映画史上初のスター女優で、当時既に一線を退いていた栗島すみ子が特別出演を果たし、強烈な存在感を見せる重厚な演技で往時のファンを歓喜させた。花柳界という舞台設定と合わせて正に「女性オールスター映画」とも呼ぶべき絢爛豪華な顔ぶれとなっている。男優では宮口精二加東大介仲谷昇佐田豊らが出演している。スタッフにおいても「成瀬組」の名スタッフが結集し、成瀬映画の真髄を究めた作品となっている。

あらすじ[編集]

大きな川の畔にある置屋「つたの屋」に新しい女中がやってきた。梨花という名のその女性は、女主人つた奴に気に入られる。懸命に「つたの屋」に尽くす梨花だが、当家には落魄の臭いが立ち込めていた。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

エピソード[編集]

  • 成瀬からのたっての願いで、19年ぶりに映画に登場した栗島すみ子は、撮影の合間にも大女優の貫禄を見せつけ、成瀬のことを「ミキちゃん」と呼んでいた。栗島が「あたしはミキちゃんを信用して来てんだから。」と、セリフを一切覚えず現場入りした事は語り草になっている。なお映画界へのデビューは成瀬(の監督デビュー)が1930年、栗島が1921年で、年齢も栗島が3歳上。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]