法 (文法)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

(ほう)、またはムード: mood)とは言語学で使われる用語で、文法カテゴリーの一つである。が表す出来事の現実との関係(事実的 (: realis) (en か反事実的 (: irrealis) (enか)や意図、聞き手に対する態度などを表す。特に動詞の形態に反映された場合のことを言うが、モダリティ(法性)と同義で語られることもある。断定、疑義、命令、可能・必然 (epistemic)[要出典]、許可・義務 (: deontic)、願望・要求 (propositional attitude)[要出典] などにかかわる。

印欧語の「直説法」、「命令法」、「接続法」(仮定法)、「希求法」、「条件法」、「禁止法」などがこれにあたる。

文法用語としての英語mood(述べ方)は、フランス語mode(方式)の訛形であるが、ゲルマン語に起源を持つもう一つのmood(気分)からも意味的な影響を受けている。

日本語[編集]

日本語においては「行く」(意志・命令・疑問など)「行こう」(意志・勧誘)「行け」(命令)「行くな」(否定命令=禁止)「行ったら」「行けば」(仮定・放任)「行かない」(否定)「行きたい」(希求)のように動詞活用形や助動詞終助詞といった文末の形態の違いが法に関わり[1]命題を包むような形で法が実現されていると分析されている[誰によって?]

英語[編集]

下の例は英語の「直説法」と「仮定法」の対比を示す。

直説法
As I wasn't born two hundred years ago, I didn't succeed to the throne.
「200年前に生まれなかったので、王様にならなかった」
仮定法(動詞の形態)
If I had been born two hundred years ago, I would have succeeded to the throne.
「200年前に生まれていたら王様になったのに」
仮定法(助動詞、あるいは原形)
His majesty requested of me that I (should) succeed to the throne.
「王は私に王位を継いでくれるよう頼んだ」

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 益岡・田窪(1991:104–120)。

参考文献[編集]

関連書籍[編集]

  • Palmer, F. R. (2001) Mood and Modality. Cambridge University Press.

関連項目[編集]