法人成り

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法人成り(ほうじんなり)とは、個人事業主が手続きを行い、株式会社合同会社などの法人に成り代わることである。

メリット[編集]

法人成りを行うことにより、個人事業主として経営を行うよりも利益を得られる場合がある。

税率[編集]

個人事業主の利益に対しては「所得税が課せられる」のに対し、法人に対しては法人税が課せられる。所得税は超過累進課税で計算されるため、利益を得れば得るほど租税を引かれる。それに対し、法人税の税率は常に一定であるため、ある水準の所得を超えた場合、法人の方が有利である。

消費税の免除[編集]

消費税は2年前の課税売り上げ金額に応じて課せられるので、新設の法人はそれがないため、結果として免除されることとなる。尚、資本金が1,000万円以上の法人の場合は特例で課税される。また法人設立時の資本金で判断されるので、999万円で会社を立ち上げて、しばらくしてから増資して1000万円を超えた場合でも、消費税は2年間免除される。

デメリット[編集]

業種や従業員数に関わらず、労働保険(労災保険雇用保険)や社会保険(健康保険厚生年金保険)の強制適用事業となり、保険関係成立届の提出などの面倒な手続きや経費が嵩む。

労働保険[編集]

労働保険の保険料の徴収等に関する法律(通称:徴収法)第3条、4条の規定によって、法人が設立された時点で、法律上当然に保険関係が成立するので、事業主は、法人設立の日(当日起算)から10日以内に、「保険関係成立届」を提出しなければならない。

ただ、労働保険事務組合に労働保険の事務処理を委託しているか否かによって、提出先が異なる。労働保険事務組合に労働保険の事務処理を委託していれば、所轄公共職業安定所長に、そうでなければ、所轄労働基準監督署長に、それぞれ書類を提出する決まりになっている。

社会保険[編集]

中小企業の多くは、従業員が全国健康保険協会の被保険者となるが、健康保険組合を設立する事もできる。ただ、その場合は、一社での単独設立の場合は、一般被保険者が常時700人以上、複数の法人が集まって共同で設立する場合は、一般被保険者が合算して常時3,000人以上という要件を満たさなければならない。
また、健康保険組合を設立するのであれば、その法人に使用される一般被保険者の2分の1以上の同意(共同設立の場合は、一般被保険者の2分の1以上の同意を各社について得なければならない。)を得て規約を作り、厚生労働大臣の認可を得なければならない。
  • 厚生年金保険の場合は、法人設立の日(当日起算)から5日以内(船舶を用いる事業を営む法人であれば10日以内)に、日本年金機構の所轄年金事務所に提出する。

参考文献[編集]

  • 小林敬幸著『個人事業者・フリーランスのための小さな会社をつくるメリット・デメリット』(秀和システム)ISBN 4-79802-747-2

関連項目[編集]

外部リンク[編集]