沖縄都市モノレール1000形電車

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沖縄都市モノレール1000形電車
2003年8月14日撮影(赤嶺駅にて)。
2003年8月14日撮影(赤嶺駅にて)。
基本情報
製造所 日立製作所川崎重工業
主要諸元
編成 2両固定編成(MC1・MC2)
電気方式 直流1500V
最高運転速度 65 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 165人(内座席65人)
車両定員 MC1:83人(内座席31人)
MC2:82人(内座席34人)
車両重量 MC1:27.5t
MC2:26.3t
編成重量 53.8t
全長 14000 mm
車体長 14700 mm
全幅 2980 mm
全高 5100 mm
車体材質 アルミニウム合金
主電動機 三相かご型誘導電動機(100kW×6台/編成)
主電動機出力 100kW
駆動方式 TD継手式2段減速直角駆動方式
編成出力 600kW
制御装置 VVVFインバータ制御IGBT素子)
制動装置 回生併用電気指令式電磁直通空気ブレーキ
保安装置 ATC/TD
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沖縄都市モノレール1000形電車(おきなわとしモノレール1000がたでんしゃ)は、沖縄都市モノレール跨座式モノレール車両である。

概要[編集]

2003年8月10日沖縄都市モノレール線開業時から使用されており、同社唯一の旅客用車両形式である。2両固定編成で、首里駅側の車両は1200番台、那覇空港駅側の車両には1100番台の番号が付けられているが、形式はいずれも1000形である。十位と一位の末尾2桁は編成番号で、各車両、同一編成では同一番号に揃えられている。

2001年の試運転開始時に試作車として1201+1101の1編成が日立製作所で製造された。翌2002年に全線での試運転開始に合わせて1202+1102 - 1207+1107の6編成が日立製作所で、1208+1108 - 1212+1112の5編成が川崎重工で製造され、この12編成が開業時より営業運転に使用されている。

開業後、2007年度に1編成増備される予定だったが実現せず、2009年度(2010年)に1213+1113の1編成、2016年度に1214+1114の1編成を増備、2017年度には1215+1115の1編成を増備し、現在15編成30両が在籍する。増備車はいずれも日立製。

2012年1月に発表された中長期経営計画で示されている2019年春の浦西延伸時の運転計画案では、必要車両数は発表時点での編成数より6編成多い19編成となっている[1]

構造[編集]

車体[編集]

アルミニウム合金製で、2001年に搬入された試作車は無塗装であったが、溶接跡が目立ったため、量産車では全塗装に変更され、後に試作車も塗装された。塗装は車体上部がグレー、下部が首里城を表すシンボルカラーの赤色で、裾部に黒色のラインが入る。ラッピングを施して運行されることがある。

前面には外開き式の非常用貫通路があり、丸みをおびた形となっている。また、時期によっては開通記念などの幕が貼られることもある。

行き先表示などの方向幕機器は設置されていない。

車内設備[編集]

車内
運転室後方に設けられているクロスシート
沖縄都市モノレールの車内案内表示装置(14編成系のLCD)
車内案内表示装置(LCD)

座席はロングシートで、表地の模様は紅型をモチーフにしている。運転室と乗降扉の間にクロスシートが運転室方向を向いて設置されており、この部分には側面窓はないが前面展望が可能である。側面窓は他の車両に比べ、大型の窓を設置している。そのため背ずりの部分が窓より高くなることから、背ずりが1人ごとに上に飛び出しており、定員着席を促すとともに景色を妨げないようにしている。

連結部には荷物置き場が設けられている。車椅子スペースは那覇空港側の車両の車端部に設置されており、この部分のみ側窓の下端が高い位置にある。側面窓は上部1/3が手動で開閉可能、下部が固定窓である。車椅子スペースの窓は固定窓である。

ドアに注意を促すステッカーは当初から貼られていたが、さらに注意を向けるため2008年中には幼児向けの大型のステッカーが全編成にはられた。

2010年にはバリアフリー化の観点から、連結面側座席の全席が優先席となり、優先席付近のつり革の色を黄色に変更したほか、乗降扉付近に点字付きの号車・ドア番号表示を追加している。これらは同年6月11日までに全編成に施工されている。

ドアの上部には車内案内表示装置が設置されている。2016年度までは、片側にLEDランプにより案内があるが、もう片側はシールを貼っただけとなっているものが主流だったが、現在はすべての編成で片側に液晶ディスプレイ(LCD)方式の車内案内表示装置で、もう片方が新しいシールが貼ってあるものとなっている。その他、ドアチャイムが取り付けられており、機器更新の際に更新された。

次駅や駅接近時の案内放送は自動放送で、駅接近時には駅ごとに異なる沖縄音楽をアレンジしたチャイムが流れる(那覇空港駅:『谷茶前』、赤嶺駅:『花の風車』、小禄駅:『小禄豊見城』、奥武山公園駅:『じんじん』、壺川駅:『唐船ドーイ』、旭橋駅:『海ぬちんぼーら』、県庁前駅:『てぃんさぐぬ花』、美栄橋駅:『ちんぬくじゅうしぃ』、牧志駅:『いちゅび小節』、安里駅:『安里屋ユンタ』、おもろまち駅:『だんじゅかりゆし』、古島駅:『月ぬ美しゃ』、市立病院前駅:『クイチャー』、儀保駅:『芭蕉布』、首里駅:『赤田首里殿内』)。

増備車では車内設備を中心に改良が図られている。

2009年度増備車(1213+1113)では以下の点が変更されている。

  • ロングシートの方にも手すりが片側3つずつ追加されているほか、車体中心部のつり革の数も増加している。優先席の座席の表地は守礼門シーサーハイビスカスが描かれた赤い色に変更された。
  • 優先席付近のつり革の色は製造当初より黄色であるほか、位置を他のつり革より10cm低くした。
  • 乗降扉付近に点字付きの号車・ドア番号表示を追加した。
  • ドア付近の床面を黄色に塗装し、乗客に注意を促している。
  • 火災対策から貫通路に透明の貫通扉が設置されたほか、天井が従来のポリカーボネイト製から金属製へと変更された。そのためクーラーの吹き出し口、荷物棚のデザインがやや変更された。

2016年度増備車(1214+1114)と2017年度増備車(1215+1115)では以下の点が変更されている[2]

  • 側面窓の上下寸法を縮小して窓下端の位置を高くした。
  • 座席の変更。
    • 乗降を容易にするためドア周辺の空間を拡大し、扉間の座席は縦幅を縮小し12人掛けから10人掛けとした。
    • 背ずりは一体型となり、窓下端の位置を高くしたこととあわせて、窓下端より上の張り出しと、背ずりと窓の間にあった空間がなくなった。これにより通路幅が従来車より18cm拡大された。
    • 扉と座席の間に袖仕切りを設置した。
  • 扉には開扉予告灯を設置した。
  • 車内案内表示器にはこれまでの日本語漢字・日本語仮名・英語に加え、中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語の表示を追加した。

運転台[編集]

運転台

運転台は、右側に設置されており、右片手のワンハンドルでマスコンのノッチ数は力行4段、ブレーキ7段、非常である。マスコンのノッチを力行から切に戻し、P2にすると定速運転となる。ドアエンジンには空気式を採用している。

乗務員1名によるワンマン運転が行われているが、ATOを搭載せず全区間で手動運転。

機器[編集]

主電動機は出力100kWの三相かご型誘導電動機を6台搭載している。1200形の先頭台車のみ主電動機を搭載していない。制御装置はIGBT素子の日立製VVVFインバーター制御(1C2M)となっている。

ブレーキは回生ブレーキ併用の電気指令式ブレーキとなっており、動力車では停止寸前まで回生ブレーキが作動し、遅れを空気ブレーキで補うようになっている。

台車は2軸ボギー構造となっており、電動台車と付随台車で構成されている。走行軸と水平輪(案内輪と安定輪)よって構成され、車体を直接支持するボルスタレス台車を採用している。

駆動装置は、2段減速直角カルダン駆動方式で直接台車枠に固定されており、主電動機をたわみ板式接手(TD接手)を介して結合している。このほか、台車には集電装置、車体接地装置、ATC・TD用信号用アンテナ等が取り付けられている。

静止型インバータは架線電圧のDC1500Vを群のインバータで分圧し、それぞれのインバータにより直流から交流に変換し、トランスで合成して規定の電圧(AC200V3相-60Hz)を出力する。1214Fでは2基装備となった。

密着式連結器を装備しているが、通常は連結運転は行わない。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]