池田元

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いけだ はじめ
池田 元
池田元 田端文士村記念館にて 2021年7月11日.jpg
一般社団法人 随筆春秋 代表理事
生誕1962年12月
愛媛県の旗愛媛県松山市
住居東京都の旗東京都
国籍日本の旗日本
別名荒川十太(筆名)
職業文学同人誌代表理事
会社経営者
人材育成コーチ
影響を受けたもの佐藤愛子 (作家)
荒川十太夫(先祖)
肩書き随筆春秋 代表理事
研修設計 代表取締役
受賞随筆春秋賞(公募)
公式サイトhttps://随筆春秋.jp

池田 元(いけだ はじめ、1962年12月[1] - )は、日本の一般社団法人随筆春秋代表理事[2]。荒川十太の筆名で、同人誌 随筆春秋の事務局長を務めている[2]。読みは「あらかわ とおた」。生業として有限会社研修設計の代表取締役を務める[1]

概要[編集]

池田 元は、愛媛県松山市の出身である。祖母方の先祖は代々、の剣術指南役を務めている。元禄時代には、赤穂浪士である堀部安兵衛不破数右衛門切腹した際の介錯人を務めた。その先祖の名を荒川十太夫という。池田の筆名 荒川十太はこれに由来する。池田は、その先祖から数えて10代目の子孫にあたる[3]

公儀幕府)から介錯人を拝命するというのは、当時では大変名誉なことであった。このエピソードは、講談「荒川十太夫」や、浪曲「ほまれの三百石」で、現在も語り継がれている。講談師の神田松鯉人間国宝)や神田伯山が、その「荒川十太夫」を好んで口演する。2022年10月歌舞伎座「十月大歌舞伎」では、この講談をもとにした新作歌舞伎が上演された。主演は、尾上松緑である[3][4]

イラストレーターのもりいくすおが、荒川十太夫を描いている。モデルは、テレビでこの役を演じた俳優渡辺謙である。このもりいくすおとの縁がきっかけで、池田は、赤穂浪士の子孫や関係者、歴史研究者らと知己を得た。そこにエッセイストの近藤健がいた。

その縁で、池田は現在、一般社団法人随筆春秋の代表理事を務めている[2]

エピソード[編集]

佐藤愛子先生[編集]

佐藤愛子直木賞作家)の夫 田畑麦彦(筆名)は、かつて社員教育の会社を経営していた。その田畑の特異な金銭感覚が災いし、結局会社は倒産し多額の借金を抱えてしまう。

妻である佐藤愛子が馬車馬のように働きそれを返済していく。佐藤愛子の小説『晩鐘』にそのことが描かれている。

一方、池田は田畑の社員教育の流れをくむ会社に在籍していたことがある。佐藤愛子の『晩鐘』執筆にあたり、池田が資料としてそのあたりのことをまとめて報告した。『晩鐘』のあるページには、池田が提供したその文章の一節が、訂正なしで掲載されている[5]

池田は、そんな佐藤愛子の配慮に感激し望外の喜びを感じた、と述懐している。旧随筆春秋公式ホームページに紹介されていた。

池田元と近藤健[編集]

近藤健と池田元は奇縁で結ばれている。

大石内蔵助以下四十七人の赤穂義士が、本所・吉良邸へ討ち入ったのは、元禄15年(1702)12月のことである。その前年、江戸城松の廊下で藩主浅野内匠頭が起こした刃傷事件の敵討ちである。義士たちは吉良上野介の首級をあげ、みごと本懐を遂げる。世にいう「吉良邸討入り」である。その後、大名四家にお預けとなった義士たちは、翌年2月に切腹を命じられる。

義士切腹に際し、熊本藩邸にお預けになっていた堀部弥兵衛安兵衛の父)の介錯を行ったのが米良市右衛門で、近藤健はその13代後の子孫にあたる。一方、松山藩邸では堀部安兵衛不破数右衛門介錯荒川十太夫が行っている。池田元は十太夫の10代目の子孫になる。二人の末孫は、奇しくも堀部弥兵衛安兵衛親子の介錯を行っている。のちに近藤と池田は、赤穂義士研究家の佐藤誠を介して知己となった。

すでに随筆春秋の事務局員であった近藤の勧めもあり、池田が入会する。その後、池田は随筆春秋の法人化を図り、一般社団法人随筆春秋を立ち上げ代表理事に、近藤は同人誌随筆春秋の代表として現在に至っている。

2022年は、赤穂義士の討入りから320年という節目の年である[6][7][8][9]

主な関係者一覧[編集]

 (太字は、存命人物)

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b https://kenshu.co.jp/ 左記は、有限会社研修設計HPのトップページ。ここに池田元の簡単な経歴が掲載されている。
  2. ^ a b c https://zuishun-episode.amebaownd.com/posts/23057733 左記は、随筆春秋資料室HPの1ページ。「随筆春秋とは」と題して、随筆春秋に関する説明事項が記載されている。ここに、池田元が随筆春秋の代表理事であることが明記されている。
  3. ^ a b https://kenshu.co.jp/99_blank052.html 左記は、研修設計公式HPの1ページ。池田元の先祖のことが自身の筆により綴られている。
  4. ^ https://www.kabuki-bito.jp/news/7725 左記は、歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」HPの1ページ。「松緑出演『荒川十太夫』10月歌舞伎座で上演決定、「神田松鯉神田伯山 歌舞伎座特撰講談会」も開催」とのタイトルでこの件に関して、詳細が記述されている。以下はその冒頭部分。――2022年10月歌舞伎座「十月大歌舞伎」において、講談師人間国宝神田松鯉が口演する名作「荒川十太夫」をもとに、尾上松緑主演による新作歌舞伎の上演が発表されました。――
  5. ^ 池田の提供した部分。佐藤愛子著『晩鐘』第6章より以下に抜粋する。 ――でとは違う活気が全身に漲っている様子を見ると、これが本来、彼が生きるべき道筋で、彼は遠廻りをしたけれどもやっとその途に辿りついたのかもしれないと人に思わせた。  ソノサービスでは毎月、新しい製品を作り、そのパンフレットや見本品を持って営業部員が会員を廻る。「十三の販売の魔術的公式」や「管理者自己開発プログラム」や、「聞き方、話し方講座」などである。その中にはアメリカの企業教育家の教材を翻訳したものもあれば、企業の成功者の回顧談を集めたものや経済評論家や教育家に依頼して商品化する教材もある。英語を翻訳出来るほどの語学力はなく、経済に精通しているわけでもない辰彦は、実務家としての力は何もなかった。彼はただ、それまでの交友関係の中から、語学に堪能な者や経済の動向に詳しい人物などを選び出しては企画部に招聘したり講演会に講師を頼むなど、それなりに忙しそうに動き廻っていた。 「やけに忙しそうだけど、どんなことしてるの?」  と杉は訊いた。 「一口にはいえないよ。企画全般だよ」  辰彦は答える。―― ※文中の「辰彦」というのが佐藤愛子の元夫「田畑麦彦(筆名)」である。「杉」が佐藤愛子。「ソノサービス」というのがその田畑が起こした会社。現実には、「日本ソノサービスセンター」という名称だった。産業教育の教材を販売する会社である。田畑は小説の新人賞を取っている。東急電鉄の社長も務めた実業家 篠原三千郎(東急電鉄創業者 五島慶太の盟友)と、服部時計店の創業者 服部金太郎の娘の子息として、銀のスプーンをくわえてこの世に生を受けた。それが、会社を倒産させ多額の借金を抱えることになる。佐藤愛子直木賞受賞作『戦いすんで日が暮れて』にもこのあたりのことが描かれている。佐藤愛子は、『晩鐘』を書き上げたことでやっと、田畑麦彦を人として理解し受け入れることができるようになったとその旨を「あとがき」などに著している。
  6. ^ https://www.ako-minpo.jp/news/8126.html 左記は、赤穂民報(2013年05月23日)の記事「荒川十太夫の子孫が義士墓参」。ここに、荒川十太夫のことが記述されている。その荒川十太夫から数えて10代目の子孫である池田元についても記述がある。
  7. ^ https://kenshu.co.jp/99_blank052.html 左記は、有限会社研修設計HPの配下のページ。「堀部安兵衛の介錯人・荒川十太夫のこと」と題して、経営者の池田元が書いている。ここに、このへんのことが綴られている。
  8. ^ http://karansha.com/merake.html 左記は、花乱社(出版社)のHP。ここに、『肥後藩参百石 米良家~堀部弥兵衛の介錯人 米良市右衛門とその族譜』(近藤健佐藤誠 著)が掲載されている。本書の299ページ以降「米良家歴代事跡」に当該米良市右衛門の出自や略歴が記されている。本書の34ページ以降「第三章 堀部弥兵衛の介錯人米良市右衛門」には、米良市右衛門が堀部弥兵衛介錯人を務めるまでの経緯がかなり細かく記述されている。
  9. ^ https://zuishun-episode.amebaownd.com/posts/14107722 左記は、「随筆春秋資料室HP」内の「近藤健と池田元」。ここに、このあたりのことが記述されている。
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p https://zuishun-episode.amebaownd.com/posts/23057733 左記に、「主な関係者一覧」「同人誌 随筆春秋の組織」として、近藤健が代表を務める、随筆春秋との関係性についての一覧が記述されている。
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m https://zuishun-episode.amebaownd.com/posts/23046942 左記は、「随筆春秋資料室HP」内の「随筆春秋の沿革」のページ。ここに、池田元が代表理事を務める随筆春秋と、遠藤周作北杜夫金田一春彦堀川とんこう佐藤愛子竹山洋近藤健らとの関係性が記述されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]