汚損愛好症

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汚損愛好症(おそんあいこうしょう、英:Mysophilia)とは、汚された人間もしくは汚された衣類などに性的興奮を覚える性的嗜好であり、パラフィリア(性的倒錯)の一つとされる。日本語では「不潔嗜好」とも訳されている(JST科学技術用語日英対訳辞書)。糞尿愛好症との境界は曖昧である。英名「ミソフィリア(Mysophilia)」は汚物全般に対する性嗜好を総括する呼称であり糞尿による汚損も含むが、糞尿へのフェティシズムは「コプロフィリア(Coprophilia)」、単に食糞という場合は「コプロファギア(Coprophagia)」を用いる。

概要[編集]

この性的嗜好は、対象が糞尿などの汚物やにより汚されている状態に性的興奮を覚え、清拭されると興奮が萎えるというものである。下着に残った汚れや、入浴していない人体の臭い、あるいは排泄物や分泌物、汗で汚れた人体・着衣を好む。糞尿愛好症と違う部分は、あまりに汚れすぎていると興奮が醒める点にある。そのため臭いに対するフェティシズムとしばしば重複する。

下着泥棒やブルセラ利用客が顕著な例として知られるため男性に多いという印象があるが、男性肉体労働者スポーツ選手の汗の臭いに対する性的固着など女性にもしばしば見られる。1981年アメリカカナダ合作映画ポーキーズ』には、男性更衣室の汗の臭気で発情する女性教師が描かれている。

特定の呼称[編集]

ウンスジ[編集]

ウンスジとは、不潔嗜好に含まれる用語の一つである。 下穿き[1] に付着した大便の残滓を指す俗語。「ウンコの筋」の略。インターネット上の限られた範囲で通用する隠語スラング)である。

股間に密着した下着を着用する女性に多いと思われがちであるが[2]、信頼できる統計が無いので実態はわからない。男性の場合については、イギリスで1964年に940名を対象に行なわれた調査によれば、ほとんどすべての人のパンツに大便による黄色や茶色の汚れが見られ、明らかに便の付着したものもあった[3]

身体に密着する下着は股間の当て布(クロッチ)が狭く、特にTバックなどは性行為前の小道具としては有用だが下着としての本来の機能は低いため、汚物が付着しやすく、日常生活において長時間の着用には向いていない。

ただ、ある程度の時間穿き続けていればどれだけ配慮しても汚れが移ることは避けられない。特に何らかの理由で下着が食い込んだ場合や、排便時の拭きが甘くなった場合は顕著となる。それ以外で日常生活においてこうした汚れが頻発するとすればなどの疾患か、出産・加齢などによる括約筋の弱化などがあげられる。

脚注[編集]

  1. ^ パンツ(男性用の下着)・パンティ・ズロース・ふんどしなど、下半身に着ける下着の総称。
  2. ^ 女性の下穿きは、第2次世界大戦後に、股間に密着しないズロース(ふくらみを持たせて、肌、特に性器に接触しないようになっているもの)から密着型のパンティに移行したが、当初、保守的な人々を中心に、汚れやすいなどを理由に強い反発があった(上野千鶴子 スカートの下の劇場 ひとはどうしてパンティにこだわるのか』 河出書房新社 1989年)。
  3. ^ ローズ・ジョージ 大沢章子訳 『トイレの話をしよう』 日本放送出版協会 2009年)

参考文献[編集]

  • 上野千鶴子 『スカートの下の劇場 ひとはどうしてパンティにこだわるのか』  河出書房新社 1989年
  • ローズ・ジョージ 大沢章子訳 『トイレの話をしよう』 日本放送出版協会 2009年

関連項目[編集]