永守重信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
ながもり しげのぶ
永守 重信
Mr.Nagamori met Abhisit Vejjajiva in 2010.png
生誕 (1944-08-28) 1944年8月28日(74歳)
京都府向日市
国籍 日本の旗 日本
出身校 職業訓練大学校電気科
職業 実業家
影響を受けたもの 見城尚志(工学博士
テレビ番組 カンブリア宮殿[1]
肩書き 日本電産株式会社代表取締役会長CEO
子供 永守知博(次男)
受賞 受賞歴[2]

永守 重信(ながもり しげのぶ、1944年8月28日 - )は日本電産の創業者。『フォーブス』誌によると2018年3月時点の総資産は5760億円で、日本長者番付で6位。

長男はレック株式会社代表取締役社長の永守貴樹。次男は、エルステッドインターナショナルの代表取締役社長・永守知博[3]

経歴[編集]

1944年8月28日京都府向日市において、6人兄弟の末っ子として誕生。

1963年3月京都市立洛陽工業高等学校を卒業。

1967年3月、職業訓練大学校(現在の職業能力開発総合大学校電気科首席の学業成績で卒業。

音響機器制作会社ティアックに就職後、同社子会社である山科精器取締役の経歴を経て、ティアックの持ち株を元に、1973年7月、日本電産を創業する。社長を含めて3人での創業であった。以後、日本電産代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)として、同社を日本を代表する小型モーター製造会社に育て、モーター事業において、世界トップ・シェアの業績を誇る世界的な大企業に育て上げた。

2014年6月ソフトバンクグループ社外取締役に就任[4]

2014年10月、日本電産代表取締役兼最高経営責任者(CEO)に就任。

2014年1月、日本経済新聞社が実施した「平成の名経営者ランキング」において第1位となる。

2014年11月17日に発刊された『日経ビジネス』誌において、発表された「社長が選ぶベスト社長」ランキングにおいて第1位を獲得。

2014年12月、永守財団を設立する。

2017年9月30日、ソフトバンクグループ社外取締役を退任。

2018年3月、京都学園大学理事長に就任。

2018年8月、郷里の向日市へ市民会館を新築して寄付することを表明。名称は「永守重信市民会館」で、工費は約32億円[5]

経営指針[編集]

優秀な技術を持つが経営不振に陥った企業を次々買収し、子会社化して再建させることで知られる。個人で筆頭株主となり、会長にも就任して、経営不振に陥った企業の再建を行う。日本電産グループ内には、3Q6Sを行う組織が存在する。6Sは製造業でよく使われる5Sに「作法」を加えたもの、3QはQuality Worker/Company/Products。

「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の三つを経営哲学としている。また、日本電産創業時に「同族会社にしない」「下請けはやらない」「世界に君臨する企業を目指す」という経営理念を掲げており、それを実践している。

インタビューなどでは「仕事が一番楽しい」と答え、1日16時間(余暇と睡眠で合計8時間のみ)、年間365日、元日の午前を除いて働くという。これは「他人の2倍働いて成功しないことはない、倍働け」「絶対に楽してもうけたらあかん」といった、母親からの教えによる。しかしM&Aで傘下に収めるなどした海外企業での見聞を通じて、生産性を重視する方向へ考え方を変え、2016年には将来の残業ゼロを目指すことを宣言した[6]

日本電産の売上高・利益を成長させる戦略自体には変わりはなく、2015年に発表した中期戦略目標(Vision 2020)では売上高を2兆円に増やすことを盛り込んだ[7]。2017年の記者会見では「2030年度に連結売上高10兆円」という構想を語った[8]

エピソード[編集]

1978年、日本電産が倒産危機に陥った時、「困ったときの神頼み」で京都の九頭竜大社の神主に鑑定を受けると、運命は来年の節分に変わるから経営を継続するようにと助言された。翌年の節分に、IBMからの大量注文が入り、倒産の危機を乗り越えて急成長していった、と新聞のインタビューで述べている[9]。なお現在、九頭竜大社では鑑定は行っていない。

日本電産創業期には会社の規模も小さく、新入社員採用試験として「大声試験」「早飯試験」「マラソン試験」「試験会場先着順」「留年組専用試験」など独自の試験を実施したことがある[10]

発言[編集]

  • 私は「一番以外はビリだ」と思って生きてきました。二番でもいいなんて言う考え方は駄目です。それから、異端者を評価しない会社も問題です。ちょっと変わった人間が世の中にないものを生み出している。
  • 今日のことは今日やる。「今月は無理だ。来月やります」で、一年のうち1か月がなくなってしまうから、達成率が80%となってしまう。しかし、使うほうのお金は100%使っているから、赤字になる。
  • 「ノー」の連発からは何も生まれない。「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」という、常に前向きな姿勢を持ってこそ、すばらしい成果が待っている
  • 「休みたいなら辞めれば良い」
  • 「3Q・6S」

著書[編集]

単書[編集]

  • 『奇跡の人材育成法』PHP研究所 ISBN 978-4569702209 (2008年7月23日出版)
  • 『情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!』PHP研究所 ISBN 978-4569640303(発売日:2005年3月2日出版)
  • 『「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房 ISBN 978-4837917687 (1998年11月出版)
  • 『奇跡の人材育成法―どんな社員も「一流」にしてしまう 』PHP研究所 ISBN 978-4569562117 (1989年7月出版)
  • 『技術ベンチャー社長が書いた体あたり財務戦略』ジャテック出版 ISBN 978-4880440460 (発売日:1986年1月出版)

共著[編集]

永守賞[編集]

永守賞は、モーター発電機アクチュエータ等の周辺分野を含めた技術の表彰制度である。公益財団法人永守財団が運営する。

永守賞大賞受賞者
2015年度 - 赤津観
2016年度 - 藤本博志
2017年度 - 岩路善尚

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ “「社員が変わる!会社が伸びる!~永守流 正しいM&A~」”. カンブリア宮殿. (2008年5月26日). http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20080526.html 2012年6月26日閲覧。 
  2. ^ “永守重信 受賞歴”. 日本電産. http://www.nidec.co.jp/corporate/top/awards.html 2012年6月26日閲覧。 
  3. ^ 「製造業向けに情報サイト-エルステッドインター」『日刊工業新聞』、2009年4月30日、17面。
  4. ^ 「ソフトバンク、社外取締役に永守氏 日本電産社長 」2014/5/19 19:49日本経済新聞
  5. ^ 「永守・日本電産会長、市民会館を寄付 出身の京都・向日市に」日本経済新聞ニュースサイト(2018年8月27日)2018年9月6日閲覧。
  6. ^ 【変わる働き方】(2)「人の倍働く」信条の日本電産が大転換 グローバルな競争に勝つための残業ゼロ『産経新聞』朝刊2017年5月2日(2018年9月6日閲覧)。
  7. ^ 日本電産トップメッセージ(2018年9月6日閲覧)。
  8. ^ 日本電産「10兆円企業」目指す 売上高8倍の野心計画も…永守氏「120歳までやる!」SankeiBiz(2017年6月17日)2018年9月6日閲覧。
  9. ^ YOMIURI ONLINE 七転八起
  10. ^ 著書 日本電産 永守イズムの挑戦に記載

外部リンク[編集]