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氷柱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
熊本県古閑の滝。大規模な氷柱の例

氷柱(ひょうちゅう[1]、つらら[1])はの柱。特に「つらら」は岩場や建物の軒下などから水滴が垂れてできる棒状に伸びた氷を指す。

1983年(昭和58年)の対馬勝年らの提案では、水滴が凍結して下方に伸びたものを「つらら」、下から上方に伸びたものを「氷筍」、両者が接合したものを「氷柱」と呼ぶことを提案している[2]

形成環境

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つららの先端部にはまず薄い氷の管が形成され、内部には常に未凍結の水が残されており、その周囲から中心に向かって凍結を繰り返すことで成長する[2]。その形状は鍾乳洞鍾乳石と似ている。

氷筍とは成長する向きが反対方向であるだけでなく、氷筍は根元付近を除いて単結晶であることが多いのに対して、つららは多数の結晶粒で構成される多結晶である[2]。これは管の中心に向かって凍るために凍結界面で析出した空気が逃げ場を失って気泡として取り込まれるためである[2]

蛇口から漏れた水道水やから染み出た地下水が寒気によって凍った氷柱もある[3]

日本においては、滝や渓谷にできる大きな氷柱群は一部で冬の観光名所になっている。埼玉県秩父地方では、散水して人工的に氷柱を育てることも行われている[4]

語源と季語

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「つらら」の語源は「つらつら」の転といい、古来はなど表面がつるつるし光沢のあるものを呼んでいたとされる[5]。古くは「たるひ(垂氷)」と言った。この言葉は東北地方方言の「たろひ」などに残っている[6]秋田弁では「たろんぺ・タロンぺ」。

俳句では晩冬季語

氷柱ができる主な滝・渓谷、断崖

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氷柱の画像

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脚注

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出典

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  1. ^ a b 菅野倫匡「近現代語のコーパスを構築する際の「同字異訓」の問題に関する覚え書き」『筑波日本語研究』第27号、筑波大学、1923年、1-34頁。 
  2. ^ a b c d 竹内ほか「低温室にできた氷柱の結品構造」『新潟大災害研年報』第20号、新潟大学、1998年、137-142頁。 
  3. ^ 「氷のカーテン迫力満点 青森・深浦の千畳敷」 河北新報ONLINE NEWS(2018年2月7日) 2019年2月26日閲覧。
  4. ^ 「人工のつらら、幻想的な造形美 埼玉・横瀬」 朝日新聞デジタル(2019年1月9日) 2019年2月26日閲覧。
  5. ^ 「つらら」『日本国語大辞典』[1]
  6. ^ 「つらら」『日本方言大辞典』[2]

関連項目

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