水原一平
みずはら いっぺい 水原 一平 | |
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生誕 |
1984年12月31日(38歳)[1]![]() |
出身校 | カリフォルニア大学リバーサイド校 |
職業 | 通訳 |
身長 | 186 cm |
配偶者 | あり |
水原 一平(みずはら いっぺい、1984年12月31日 - )は、北海道苫小牧市出身の日本の通訳。メジャーリーグベースボール(MLB) のロサンゼルス・エンゼルスに大谷翔平の専属通訳として所属している[2]。既婚[3]。
経歴[編集]
生い立ち[編集]
6歳まで北海道苫小牧市で過ごし、1991年に和食料理人の父がロサンゼルスで板前を始めたことをきっかけにアメリカ合衆国へ移住した[1]。
学生時代は高校までサッカー部とバスケットボール部に所属していた[1][4]。
2007年にカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業した[5]。
通訳者として[編集]
ロサンゼルス・ドジャースに所属していた野茂英雄の活躍によってMLBに興味を持ち、2012年2月には岡島秀樹の専属通訳としてニューヨーク・ヤンキースに採用された[4][6]。しかし、岡島が仮契約中に行われたフィジカルチェックを左肩に異常が見つかったとしてパスできず契約解除となったことに伴い、水原の契約も解除されてしまった[6]。
2012年からは帰国して北海道日本ハムファイターズの球団通訳となり、ブランドン・レアードやクリス・マーティンなど日本ハムに所属する外国人選手の通訳や生活のサポートを務めた[7]。選手たちに「連絡があったらすぐ駆けつける」と約束し、選手の家族にまで配慮を行った[4]。のちに妻となる女性とは、当時日本ハム所属のルイス・メンドーサを介して知り合ったという[4]。
日本人選手からも好かれており、「一平ちゃん」との愛称で呼ばれた。また陽岱鋼(当時日本ハム所属)とは特に仲がよく、たびたびキャッチボール相手を頼まれた[4]。
マスメディアによる外国人選手たちへの取材に協力的で、記者たちから好評であった[4]。
大谷翔平の専属通訳として[編集]
2017年オフに日本ハムファイターズ所属だった大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスへ移籍したことに伴い、以降大谷の専属通訳としてエンゼルスに所属。通訳以外にも運転手やキャッチボールの相手など、公私にわたり大谷をサポートしている[8][9][10][11]。
「大谷のスケジュールはとても特殊であり、大谷のキャッチボール相手が周りにいないときもある。(その際に)私が進み出てキャッチボールをする」と話していた[12]。
MLBへ所属した日本人選手の中にはクラブハウス(選手たちの控え室)で孤立してしまう者もいたことを耳にしており、大谷を孤立させないように注力した。エンゼルスの選手たちがあるスマートフォンゲームで遊んでいることに着目し、大谷がそれをダウンロードして仲間に加わった。その3年後の2021年の取材時点でも、水原たちは同ゲームをずっと楽しんでいた[12]。
2018年に結婚した。同年、大谷から新婚旅行のチケットを贈られている[3]。
2018年には1月から11月14日時点まで大谷と毎日顔を合わせており、オールスターゲーム期の休暇にはユニバーサル・スタジオ・ハリウッドへ同行した[8]。
2018年から2019年春にかけて大谷が故障からのリハビリテーションおよび復帰のための調整を行っていた期間には、大谷と冗談を言い合ったり、スマートフォンゲーム『クラッシュ・ロワイヤル』を一緒に遊ぶなどしてリラックスさせた。クラブハウス管理人のエンゼルは「水原が大谷をすごく助けてくれている。だから精神的にも良い状態だったと思う」と語ったという[9]。
2020年2月に大谷が米国での自動車運転免許を取得した後も、大谷が運転する際には助手席に同乗した[13]。
2021年に大谷がMLBオールスターゲームの前夜祭となるホームランダービーに出場した際には、捕手役を務めた[14]。独身の大谷が誰とともに登場するのか注目された同日のレッドカーペットショーは、ともに歩いた[15]。11月22日、エンゼルスから「MVI」(最優秀通訳)に選出された。
2021年オフのMLBの労使協定交渉に伴うロックアウト中、選手と球団職員の接触ができなくなることからエンゼルスを一時退職した。3月10日の協定締結後に球団へ復職している。
大谷も参加した2023年の第5回ワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表のチーム通訳の役目も担っている[16]。また、初の日系人の代表選手となったラーズ・ヌートバーの招聘の際には、栗山英樹監督[注 1]からの連絡役や通訳も担った[17]。同大会の優勝会見時に、ヌートバーは「監督、コーチ、素晴らしいチームメートと一緒にできて良かったですし、誘っていただいたイッペイにも感謝しています」と水原に対しても感謝の言葉を述べている。なお、この通訳自体も水原が担当し、自ら「イッペイに感謝」という言葉を発したことで周囲は笑いに包まれた[18]。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 日本ハム球団通訳時代の監督でもある。
出典[編集]
- ^ a b c “大谷はクラブハウスガイ うれしかった初安打の「革手」”. スポーツニッポン. (2018年4月17日) 2021年3月17日閲覧。
- ^ “大谷翔平支える水原通訳、米でも脚光「とても楽しめています」”. Full-Count. (2018年4月17日) 2018年7月25日閲覧。
- ^ a b “水原通訳 大谷から新婚旅行のプレゼント 本当にうれしかった”. スポニチ Sponichi Annex (2019年1月1日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ a b c d e f “大谷翔平の通訳・水原一平氏の素顔、記者たちが語った「前職での評判」と「美人妻」”. 週刊女性PRIME (2021年7月17日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ “大谷翔平、水原通訳がホームランダービーで捕手を務める”. news.jsports.co.jp. J SPORTS (2021年7月11日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b 「週刊文春」編集部. “〈WBC制覇〉「僕と一緒にクビになった一平くんは……」初代パートナー岡島秀樹が明かす“世界一の通訳・水原一平”が誕生した瞬間”. 文春オンライン. 2023年3月22日閲覧。
- ^ “日ハム、通訳の水原氏らスタッフ8人の退団を発表”. Full-Count. (2017年12月27日) 2018年7月25日閲覧。
- ^ a b “大谷を支え続けた水原通訳 運転にキャッチボールまで”. スポニチ Sponichi Annex (2018年11月14日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “大谷 水原通訳と二人三脚で復帰ロードを走り抜いた”. 日刊スポーツ (2019年5月8日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ 【MLB】大谷翔平が“内助の功”水原一平通訳に、はにかみ感謝「ありがとうございました」 パ・リーグ インサイト(パ・リーグ公式メディア情報サイト) 2018年11月22日。
- ^ “大谷翔平が“内助の功”水原一平通訳に、はにかみ感謝「ありがとうございました」”. Full-Count (2018年11月22日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b Robert O'Connel (2021年6月21日). “'A Game of Speech'—But Also, For Baseball Interpreters, So Much More”. Sports Illustrated 2021年9月4日閲覧。
- ^ “大谷翔平の運転免許取得に米注目 日本では1度も運転してないのに「1回で合格」”. Full-Count (2020年2月16日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ “大谷の本塁打競争 捕手役は水原一平通訳に決定 「僕でいいんじゃないかと」早速練習取り組む”. スポニチアネックス. (2021年7月11日) 2021年7月11日閲覧。
- ^ “大谷一問一答 球宴レッドカーペットショーに照れ笑い「得意ではない。楽しめたら」”. Full-Count (2021年7月14日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ “「ヌートバー招集の立役者」通訳の水原さん、SNSで初接触 審判への抗議も”. 産経ニュース. (2023年3月14日) 2023年3月14日閲覧。
- ^ 田中仰. “ヌートバー母が明かす“栗山監督とのWBC面談”「髪のセットも化粧もなにも(笑)」飛び入り参加の舞台裏…では父が考える「適正打順」は?”. Number Web. メジャーリーグPRESS. p. 2. 2023年3月14日閲覧。
- ^ “大谷の“相棒”水原一平氏が優勝会見で爆笑さらう ヌートバーの言葉を通訳「誘っていただいたイッペイに感謝」”. デイリースポーツ online. (2023年3月22日) 2023年3月22日閲覧。
外部リンク[編集]
- Ippei Mizuhara 水原一平 (@ippei1231) - Instagram