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殺人事件被害者遺族の会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
殺人事件被害者遺族の会
殺人事件被害者遺族の会のロゴ
愛称 宙の会(通称)
設立 2009年2月28日
種類 市民団体自助グループ
法的地位 任意団体
目的 公訴時効制度の撤廃及び停止の実現、遺族権利確立及び啓発活動、民事法賠償制度確立など
本部 日本の旗 日本: 東京都千代田区神田駿河台3-1-1 大雅ビル7F(連絡先)[1]
公用語 日本語
重要人物 小林賢二(会長)[2]、宮澤良行(初代会長)[3]
ウェブサイト 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』 公式サイト
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殺人事件被害者遺族の会(さつじんじけんひがいしゃいぞくのかい)は、殺人事件の発生から一定の期間が過ぎると容疑者が判明しても起訴することができなくなる公訴時効制度の撤廃・停止を求めて2009年2月28日に結成された団体未解決殺人事件の被害者遺族が中心であるが、それ以外にも既に公訴時効が成立した事件の被害者遺族も参加を表明し、発足時は16事件の遺族20人が会員となった[3][4]。その後は2025年3月時点で21事件の遺族が加入しており[5][6]、その中には結成時点で解決済みであった事件の被害者遺族も含まれる[2]

通称「宙の会」(そらのかい)[3]。「宙」の持つ「無限の時間」という意味から命名された[7][8]

目的と活動

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殺人罪などにおける公訴時効制度の存続理由の一つとされていた「時の経過とともに遺族の被害感情は薄れる」という考え方を否定し、公訴時効の停止・廃止を国や世論に訴えていくことを第一の目的として2009年2月28日に結成。また、飛躍的に進歩したDNA鑑定技術により「時の経過とともに証拠物が散逸する」という考え方にも疑問を呈し、アメリカ性犯罪などに適用されているジョン・ドウ起訴のように、犯人を特定可能なDNA型が残っている未解決事件の公訴時効は停止するなど、捜査技術の進歩を踏まえた公訴時効制度の見直しも国に働きかけていくとしていた[3]

結成から1年が経過した2010年4月27日、法定上限が死刑に当たる罪の公訴時効廃止などを盛り込んだ改正刑事訴訟法が成立・即日施行され、当団体の設立当初の第一の目的は達成された(「公訴時効#改正刑事訴訟法施行までの経緯」も参照)。

今後は民事法賠償制度(国による代執行制度)やDNA捜査[注 1]の確立に向けての活動などを行うとしている[5]。その他、事件によって人命が奪われている現状について、遺族の実情や生命の尊厳などあらゆる観点から世の中に訴える啓発活動なども実施している[5]

組織・会員

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会員遺族の主な事件

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ここでは2010年4月27日の改正刑事訴訟法施行以前の公訴時効を記す。時効欄の網掛けがピンク色の事件は施行時点で公訴時効が成立、または起訴が行われた事件である。なお、現在は同法改正によって日本の刑法が適用される以下の事件(殺人罪等の死刑に相当する凶悪事件)においても、改正時点で公訴時効が成立していない事件に限り、公訴時効は廃止されている。

会員遺族の主な事件[6]
事件発生日事件名刑事訴訟法改正前の時効 刑事訴訟法改正後
1979年5月4日ロス疑惑事件(日本国外で発生)[注 3] [注 3]
1979年5月23日京都長岡京主婦二人殺人事件1994年5月時効 時効
1988年12月7日佐賀女性7人連続殺人事件(6人目の殺人)2003年12月時効 時効
1990年12月19日札幌信金女性職員殺人事件2005年12月時効 時効
1993年7月7日尼崎市女性殺害事件 2008年7月時効 時効
1994年3月9日長野県松本市女性従業員強盗殺害事件2009年3月時効 時効
1995年7月30日八王子スーパー強盗殺人事件2010年7月時効 撤廃
1996年6月6日京都府下京区輸入雑貨商強盗殺人事件2011年6月時効 撤廃
1996年9月9日柴又3丁目女子大生殺人放火事件2011年9月時効 撤廃
1998年1月14日群馬町三ツ寺一家三人殺人事件2013年1月時効 撤廃
1999年11月13日名古屋市西区主婦殺人事件2026年3月5日起訴[注 4] 撤廃
2000年12月26日岐阜市独居老女強盗殺人事件2015年12月時効 撤廃
2000年12月30日世田谷一家四人殺人事件2015年12月時効 撤廃
2001年2月17日福岡東区老夫婦強盗殺人事件2016年2月時効 撤廃
2001年9月1日歌舞伎町ビル放火容疑44人死亡事件2016年9月時効 撤廃[注 5]
2004年2月9日鳥栖市会社員殺害事件 2019年2月時効 撤廃
2004年9月9日豊明市母子四人放火殺人事件2019年9月時効 撤廃
2004年10月5日広島廿日市市女子高校生殺人事件2018年5月24日起訴 撤廃
2007年3月26日英国人留学生殺人事件2009年12月23日起訴 撤廃
2007年8月24日闇サイト殺人事件(名古屋市千種区女性殺害事件)2007年9月14日起訴 撤廃
2008年6月27日金沢市久安男性殺害事件2033年6月時効 撤廃

注:事件名は当団体の公式サイト内「各事件概要のページ」に準拠する。なお、※の事件は2025年3月時点で同ページに記載なし。

その他

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  • 英国人留学生殺人事件(リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件)の遺族であるビル・ホーカーが「宙の会」を訪問した際に夫人は「娘の事件のような殺人に、英国では時効はない。容疑者が将来、時効で自由になるのは許されない」と意見を寄せた[14]

脚注

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注釈

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  1. DNA配列情報から外見的特徴(肌・目・髪の色や顔の形などの表現型)を予測・解析する技術であるDNA表現型解析英語版が、アメリカ欧州諸国などで犯罪捜査にも活用されており、当団体もこの所謂「ゲノムモンタージュ」について日本での導入に向けた法整備を求めている[9][10]
  2. 同事件は「宙の会」が結成された2009年2月時点で既に解決済みであったが、磯谷は同事件の犯人3人への死刑適用を求める署名活動を行っていた折に天海から協力を受けた縁で「協力してもらったお返しがしたい」との思いから入会したという[12]
  3. 1 2 犯人(国外犯)が日本国内にいる期間の通算で、事件当時は15年間で時効成立。ただし日本国外にいる期間は時効が進行せず、もし以降も未成立の場合は2010年の時効廃止適用。
  4. 2025年10月31日に逮捕されたが、同年11月14日より精神鑑定などを行うため鑑定留置となり、殺人罪での起訴まで4か月以上を要した。
  5. 現住建造物等放火罪は「人を死亡させた罪」にはあたらず、2010年に行われた時効撤廃・延長の対象にはなっていないため、本件が、現住建造物等放火罪のみが問われる事件とするならば2016年に公訴時効が成立したことになるが、殺人事件としては時効が撤廃されている。

出典

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  1. 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』:お問い合わせ
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』:会の構成
  3. 1 2 3 4 5 6 「時効」撤廃求め、未解決事件の遺族ら「宙の会」結成 『朝日新聞』2009年2月28日 (archive.isによるキャッシュ)
  4. 「時効」よ止まれ:殺人事件の時効「撤廃・停止を」 遺族の会初結成 『毎日新聞』2009年3月1日 (ウェブ魚拓によるキャッシュ)
  5. 1 2 3 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』:活動経緯
  6. 1 2 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』:各事件概要(事件の詳細)
  7. 殺人事件被害者遺族の会『宙の会』:宙の会とは
  8. 「時効成立の悔しさ、ほかの人には」=制度廃止求める遺族会「宙の会」発足-東京 時事通信 2009年2月28日[リンク切れ]
  9. 世田谷一家殺害事件の犯人に繋がるか…未解決事件犯人のDNAから顔再現する“ゲノムモンタージュ” 犯罪被害者遺族も切望(FNNプライムオンライン 2024年12月28日)、2025年11月11日閲覧。2025年12月4日時点のアーカイブ
  10. 事件解決のカギに?遺族ら「DNAから似顔絵を」実現には課題も 世田谷一家殺害25年」『テレ朝NEWS』テレビ朝日、2025年12月28日。2026年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年1月2日閲覧/同記事のYouTube動画
  11. 宮沢良行さん死去=世田谷一家殺害事件遺族―殺人時効撤廃求める ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(時事通信社配信) 2012年9月6日
  12. 編集委員・加藤美喜「「深く傷ついた身を、さらに削られる覚悟がいる」 それでも遺族が事件を語るのは…」『中日新聞中日新聞社、2024年9月15日。オリジナルの2024年10月6日時点におけるアーカイブ。2024年10月6日閲覧。
  13. リンゼイさん両親「宙の会」事務局を訪問 日刊スポーツ 2009年3月25日 (ウェブ魚拓によるキャッシュ)
  14. 英会話講師殺害:ホーカーさんの父、「宙の会」訪問 毎日新聞 2009年3月25日 (archive.isによるキャッシュ)

関連項目

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外部リンク

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