殺しの烙印
| 殺しの烙印 | |
|---|---|
| Branded to Kill | |
| 監督 | 鈴木清順 |
| 脚本 | 具流八郎 |
| 出演者 |
宍戸錠 南原宏治 真理アンヌ |
| 音楽 | 山本直純 |
| 撮影 | 永塚一栄 |
| 編集 | 丹治睦夫 |
| 配給 | 日活 |
| 公開 |
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| 上映時間 | 91分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 日本語 |
『殺しの烙印』(ころしのらくいん)は鈴木清順監督、宍戸錠主演の1967年6月15日公開の日本映画。併映作品は西村昭五郎監督『花を喰う蟲』。日活の成人映画として公開された。
概要[編集]
公開時のキャッチフレーズは「色、欲、裏切り…むせかえる肌と硝煙が奏でる殺しのシンフォニー!!」。
日活は当時、映画館から客足が遠のく梅雨時にはエロ作品とアクの強いハードボイルド作品を二本立て興行するのが通例になっており、本作品もエロティシズムを前面に押し出した『花を喰う蟲』が最初に作られて、その併映作品として急遽企画されたものだった。
鈴木は、この企画を1966年に結成された脚本家グループ・具流八郎のシナリオで映画化することを決定。中心人物だった大和屋竺が「殺し屋の世界ランキング」というアイディアをまず立ててハードボイルド・タッチの前半部分を書き、他のメンバーがそれに話を加えていくという方式をとった。また、一部の場面でギャビン・ライアル『深夜プラス1』、リチャード・スターク『悪党パーカー/人狩り』を参考にしている。
作品中には小川万里子ら女優のヌードが随所に登場するが、それらは公開当時画面半分を隠すほどの大げさな黒ベタによって塗りつぶされていた。DVDや関連書籍のインタビューによると、最初はフィルムに直接白い矢印を書き、その矢印が自粛個所を追いかけながら隠すというものだったらしい(しかし、これは会社から無断でお蔵入りにされた。ワイズ出版『清順スタイル』によると清順含む製作に関わった者は市販されているソフトをインチキ「殺しの烙印」と呼んでいる)。この修正の役割を大きく逸脱した芸術的な黒ベタを愛するファンもいるが、現行DVD、フィルムセンター収蔵版、2007年5月14日にWOWOWで放映された版は一切の修正が入っていない「完全版」である(DVDには修正入りも収録されている)。
完成した作品は批評家や若い映画ファンに熱狂的に支持されたが、当時の日活社長・堀久作は完成した作品を観て激怒[1]。翌1968年の年頭社長訓示において、本作品を「わからない映画を作ってもらっては困る」と名指しで非難し、同年4月には、鈴木に対し電話で一方的に専属契約の打ち切りを通告した。一方、日活は、川喜多和子が主宰するシネクラブ研究会に対しても鈴木清順作品封鎖と称してフィルムの貸し出しを拒否し、解雇事件とフィルム貸し出し拒否を不服とした映画人や大学生有志による「鈴木清順問題共闘会議」が結成されて、映画界を巻き込んだ一大騒動に発展した。
この問題は結局、鈴木の日活提訴により法廷に持ち込まれ、1971年に日活との間で和解が成立したが、鈴木は1977年に松竹で『悲愁物語』を監督するまで約10年間のブランクを送ることとなる。なお、この空白期間中に具流八郎または大和屋の単独により『続・殺しの烙印』のシノプシスが書かれているが、これは野田三郎という、まったく違う主人公が殺し屋の物語で、2001年に本作品の続編と銘打って公開された『ピストルオペラ』とはまったく別のストーリーである。
2007年になってようやくディスクユニオンからサウンドトラックが発売された。
あらすじ[編集]
殺し屋がランキングされ、すべての殺し屋がナンバー1になろうとしのぎを削る世界。ナンバー3の花田五郎は、ある人物の護送を依頼され、その任務中にナンバー4の高とナンバー2の佐倉を倒してナンバー2の座を獲得する。しかし、栄光の座についたのも束の間、部屋中に蝶の死骸を散りばめ自らも死に取り憑かれた謎の女・美沙子に依頼された狙撃に失敗した花田は、彼をナンバー2の座から蹴落とそうとする殺し屋たちの追撃を受ける羽目になる。挑戦者をすべて倒した花田の前に最後の敵として現れたのは、正体不明の伝説の殺し屋ナンバー1だった。
スタッフ[編集]
- 企画:岩井金男
- 監督:鈴木清順
- 助監督:葛生雅美
- 脚本:具流八郎(鈴木清順、大和屋竺、木村威夫、田中陽造、曽根中生、岡田裕、山口清一郎、榛谷泰明)
- 撮影:永塚一栄
- 美術:川原賢三
- 音楽:山本直純
- 録音:秋野能伸
- 照明:三尾三郎
- 編集:丹治睦夫
- 記録:坂東正男
主題歌[編集]
キャスト[編集]
- 花田五郎(殺し屋ランク・ナンバー3の殺し屋):宍戸錠
- 大類進(ナンバー1の殺し屋):南原宏治
- 藪原道彦:玉川伊佐男
- 中条美沙子:真理アンヌ
- 花田真実:小川万里子
- 春日義平(元ランク入りの殺し屋):南廣
- バーテン:長弘
- スタイリストの高(ナンバー4の殺し屋):大和屋竺
- ボーイ:野村隆
- 下級官吏:宮原徳平
- 宝石商:久松洪介
- 眼科医:緑川宏
- 義眼の男:荒井岩衛
- コック:伊豆見雄
- 宝石商:水木京一
- トイレに入るレストランの客:瀬山孝司
- 殺し屋:本目雅昭
- 弾かれる殺し屋:沢美鶴
- 郵便配達人:戸波志朗
- 轢かれる殺し屋:高橋明
- 殺し屋:柴田新三
- 助手席の殺し屋:中平哲仟
- 殺し屋:小林亘
- 佐倉(ナンバー2の殺し屋):大庭喜儀
- 運転手の殺し屋:溝口拳
- スナックの女:萩道子
- 技斗:渡井嘉久雄
- 以下ノンクレジット
- 駅のホームの女:西原泰江、林泰江
- 宝石商の部下:晴海勇三、有村道宏
- 加田夫人:加納千嘉
- ダイヤ密輸調査員:マイク・ダニーン
- サングラスの女:大谷木洋子
- 湖のそばにいる女:瞳美沙
サントラ[編集]
『映画「殺しの烙印」オリジナル・サウンドトラック』のタイトルで発売され、当時の宣伝文案、宣伝ポイント、放送文案、トラックシートなどが掲載されている。
- 音楽:山本直純
- 演奏:不詳
- 録音:秋野能伸
- ミックスダウン:1967年6月10日 日活撮影所
- 原盤・音源提供:日活株式会社
- マスタリング・エンジニア:中村宗一郎(ピース・ミュージック)
- デザイン:小田晶房(map)
- 解説:原田和典
収録曲[編集]
- 主題歌「殺しのブルース」
- スコッチとハードボイルド米pt1
- スコッチとハードボイルド米pt2
- 死体バックシート
- ハナダバップ
- フレーム・オンpt1
- フレーム・オンpt2
- 男嫌いpt1
- 男嫌いpt2
- 米を研げ
- 悪魔の仕事
- 野獣同士(けだものどうし)
- 蝶の毒針pt1
- 蝶の毒針pt2
- ハナダの針pt1
- ハナダの針pt2
- サヨナラの外観
- ナポレオンのブランデー
- 「殺しのブルース」ハミング
- 防波堤の撃合い
- 殺し屋のボサノバ
- 何かが起こる
- 獣は獣のように
- ナンバーワンの叫び
- テープレコーダーは運命の轍
- エンディングテーマ「殺しのブルース」
以下はボーナストラック。
- タイトル カラオケ
- エンディグ カラオケ
- 主題歌「殺しのブルース」台詞なし
続・殺しの烙印[編集]
『殺しの烙印』の続編。シナリオ執筆中に制作中止が決定となる。Petit Grand Publishing刊『STYLE TO KILL─殺しの烙印 VISUAL DIRECTORY─』にシノプシスが掲載されている。内容につながりはない。プロットは大和屋竺、田中陽造、曽根中生。
登場人物[編集]
- 野田三郎(殺し屋)
- 武智(組織の中堅)
- 都留(組織の殺し屋)
- 類子(都留の妻)
- 小夜
- 白根宗一郎(小夜のパトロン)
脚注[編集]
- ^ 主人公の殺し屋が米飯の炊ける匂いに恍惚としている描写が特に気に入らなかったといわれている。
外部リンク[編集]
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