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正津勉

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正津 勉(しょうづ べん、1945年9月27日[1] - )は、日本の詩人[1]

経歴

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福井県大野市出身[1][2]同志社大学文学部社会学科卒。大学在学中より清水昶と詩誌『首』を創刊[1]1981年ミシガン州オークランド大学に客員詩人として滞在。1991年、『鳩よ!』の湾岸戦争詩を批判した。2002年、「遊山」で第10回萩原朔太郎賞候補。近年は伝記小説も書いている。『ハリヨの夏』などの作品がある映画監督中村真夕は娘。

つげ義春との出会い

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1976年5月16日、同年10月に創刊の雑誌『月刊ポエム』(すばる書房)への「協力依頼」でつげ義春を訪問。正津は編集長であった。当初よりつげを雑誌の柱に据える目論見があり、創刊号に「夢日記」を掲載。"編集長特権"で、連載で秘湯探訪記「桃源郷」(つげ義春×正津勉)を敢行。6月より翌夏にかけて、群馬県湯宿温泉福島県西山温泉秋田県乳頭温泉福島県湯本温泉二岐温泉栃木県那須温泉福島県早戸温泉などへ出かけた。正津によれば「すこぶる楽しく、学ぶことが多くあった」旅となった[3]

初回の旅では、「六月十六日。行き先が決まらないまま上野駅まで来て、とにかく東北方面へ行く列車に乗る」ような始まりであった。当夜はを見ることになり新潟まで正津の友人である新潟在住の庭師・小林益夫のトラックで角田浜へ行き、「毒消し」を訪ねるが廃絶していた。正津は、このご時世に「毒消し」など、これだけでもつげはなんとフォーク・ロアの真摯な学究であることかと感嘆する。しかも、つげはその夜、正津の隣の床で、妻・藤原マキと2人で水木しげるの家に遊びに行くを見た。息子の正助を寝かせてきたが、寝返りを打ちうつ伏せになり窒息死しているのではないかと、急に不安になる。走って家へ向かうが、下駄をはいているので気はあせれど思うように走れない。途中の甲州街道の車道の中央にカンガルーが立っている。昼間なのに甲州街道は夜のように暗い。ーそんな夢だった[3]

当時、つげは精神のバランスを崩しており、『アルバイト』のような未完成な絵コンテだけのような作品を描いていたが、正津はつげの窮状を知る由もなかった。しかもこの旅がつげにとってほとんど最後の遠出となった[3]

TV出演

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タイトル 放送日
麻薬知らずの麻薬叩き 2009年12月12日

著書

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  • 『惨事 正津べん詩集』国文社 1972
  • 『二人一集 散華詩篇・現形図鑑』渋川育由土曜美術社 1974
  • 『雪国の暮らし』ほるぷ出版 1976(ほるぷノンフィクション絵本)
  • 『青空』 思潮社 1979
  • 『おやすみスプーン 詩集』思潮社 1981
  • 『正津勉詩集』(現代詩文庫)思潮社 1982
  • 『エヴァ』思潮社 1983
  • 『死ノ歌』思潮社 1985
  • 『冬の旅』河出書房新社 1988
  • ビートルズ 世界をゆるがした少年たち』ブロンズ新社 1989(にんげんの物語)
  • 『暦物語』思潮社 1989
  • 『またの日の夢物語 詩集』思潮社 1992
  • 『笑う男』邑書林 1995
  • 『笑いかわせみ』河出書房新社 2001
  • 『詩人の愛 百年の恋、五〇人の詩』河出書房新社 2002
  • 『遊山』思潮社 2002
  • 『刹那の恋、永遠の愛 相聞句歌40章』河出書房新社 2003
  • 『人はなぜ山を詠うのか』アーツアンドクラフツ 2004
  • 『脱力の人』 河出書房新社 2005
  • 『行き暮れて、山。』アーツアンドクラフツ 2006
  • 『小説尾形亀之助 窮死詩人伝』河出書房新社 2007
  • 『河童芋銭 小説小川芋銭』河出書房新社 2008
  • 『嬉遊曲』アーツアンドクラフツ 2008
  • 『山川草木』白山書房 2009
  • 『忘れられた俳人 河東碧梧桐平凡社新書、2012 

編纂

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  • 『心にひびく恋のうた愛のうた』リブリオ出版 2006
    • 第1巻 出逢
    • 第2巻 初恋
    • 第3巻 片想
    • 第4巻 告白
    • 第5巻 相聞
    • 第6巻 激情
    • 第7巻 失恋
    • 第8巻 別離
  • 『白い乳房黒い乳房 地球をむすぶ72のラブ・メッセージ』谷川俊太郎監修 ホーム社 2009

脚注

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  1. ^ a b c d デジタル版 日本人名大辞典+Plus『正津勉』 - コトバンク
  2. ^ 福井県ふるさと文学館
  3. ^ a b c 『つげ義春「無能の人」考』正津勉(2021年10月20日、作品社 ISBN 9784861828720[1]

関連項目

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外部リンク

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